超次元ゲイムネプテューヌ 衝動へのリベリオン【完結】   作:ジマリス

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36 再会と破滅

 

私の全力の攻撃は、ジャッジ・ザ・ハードに見事命中した。

 

ジャッジはそのまま、ガラクタの山に突っ込んでいった。

 

 

「うおああああああ!!」

 

 

だが最大出力のM.P.B.Lを受けてなお、ジャッジ・ザ・ハードは立ち上がった。

 

ところどころに穴が開き、パーツが崩れ落ちてもジャッジはその闘気を失わなかった。

 

「よし!」

 

「もう少しよ!」

 

私たちは確信した。

 

勝てる。

 

「調子に乗るなッ!!」

 

だけど、その確信はすぐに打ち砕かれることになった。

 

ジャッジは斧の柄を地面に突き刺した。

 

「審判の刻!!」

 

突き刺された斧から、とてつもない衝撃波が迫ってくる。

 

 

「危ない!!」

 

私はみんなを衝撃波から守るために、前へ出た。

 

目の前まで衝撃波が迫ってきた。

 

「ネプギア!」

 

ユニちゃんの声がすぐ後ろから聞こえた。

 

 

この攻撃は私だけが受け止める。

 

 

そうすれば他のみんながトドメをさしてくれる。

 

 

「ダメ!」

 

ロムちゃんが、かばうように私の前に立った。

 

 

 

 

 

                   △

 

 

 

 

目の前の光景が信じられなかった。

 

黒い煙が収まったと思ったら、ユウが二人になっていた。

 

 

一人は刀を持ってうずくまり、もう一人は大剣を持ってニヤニヤと笑っている。

 

 

「そんな…」

 

 

ユウの記憶を覗いた私にはわかった。

 

これは最悪の事態だ。

 

 

「会えて光栄だ。滝空ユウ」

 

「オレは滝空ユウじゃない」

 

大剣を持ったユウがうずくまるもう一人のユウを見下す。

 

 

「お前を野放しにするわけにはいかない!」

 

刀を持ったユウが、大剣ユウに襲い掛かろうとしたが簡単にいなされてしまった。

 

 

勝てない。

 

 

あの圧倒的な力を持つマジック・ザ・ハードでさえ、邪悪な気配を発するユウには及びもしないだろう。

 

 

「実力も申し分ないな」

 

マジックが大剣ユウへ話しかける。

 

 

「お前と共に歩めるのは私だけだ」

 

「オレはこの世界を壊す。お前も殺すぞ」

 

ニヤリとマジックは笑う。

 

「喜んで受け入れよう」

 

「………」

 

大剣ユウは、少しの間考えた。

 

「世界を滅ぼすまでだ。それまでは手伝ってやる」

 

 

 

 

 

                  △

 

 

 

 

 

ジャッジ・ザ・ハードが放った衝撃波は私には届かなかった。

 

 

受け止めたのは、私の前にいるロムちゃんとラムちゃん、ユニちゃんだった。

 

 

「どうして…」

 

 

私をかばった三人は、あまりのダメージに女神化が解けてしまっている。

 

「ネプギアちゃん、一番強い…」

 

「そんなあんたが倒れてどうするのよ」

 

「わ、わたしはロムちゃんを守ろうとしただけだけどね!」

 

三人で力を分散したこともあって、少しだけ余裕があるみたいだ。

 

 

私は三人作ってくれた隙を逃すわけにはいかない。

 

ジャッジ・ザ・ハードを倒して、お姉ちゃんを救う。

 

 

もう無力な思いは嫌だ。

 

もう守られるだけは嫌だ。

 

誰も助けられないのは嫌だ。

 

 

私は力を使い果たしたジャッジ・ザ・ハードを見据える。

 

そしてもう一度、力を最大まで高める。

 

今度こそ、絶対に倒す!!

 

「消えて!!」

 

 

「バ…バカな…そんなバカな!このオレが…」

 

 

武器をジャッジ・ザ・ハードに向ける。

 

 

「M.P.B.L!!!」

 

 

「…認めぬっ!こんなの、認められるわけが…ぐ…ぐああああああっ!?」

 

 

私の最大の一撃は、今度こそジャッジ・ザ・ハードを貫き、消滅させた。

 

 

 

ジャッジ・ザ・ハードがいた場所には、何も残っていない。

 

 

 

「………」

 

 

しばらく、私たちは沈黙していた。

 

もうしばらくして、私たちは勝ったことを実感した。

 

 

「勝った…勝ちました!私、勝てましたよ!」

 

 

「当然よ。あんな奴に何度も負けてたまるもんですか」

 

「でもすごいです!あの時は逃げるしかなかったのに、今度は勝てたです!」

 

 

ジャッジを倒せた喜びに、私たちは湧き上がる。

 

 

「まあ、喜ぶのは後にしましょう。ネプギア。シェアクリスタルを」

 

「はい!」

 

 

ジャッジがいたところよりも奥、お姉ちゃんたちが囚われている場所へ近づく。

 

 

私がアイエフさんに救出された時と同じく、いやそれよりも前、三年前と同じくお姉ちゃんたちは苦しそうな表情で、縛られたままだった。

 

 

「お姉ちゃん、こんな苦しそうに…」

 

「…お姉ちゃん」

 

「もう、早く助けてあげてよ!」

 

「うん。お姉ちゃん、待っててね。今…」

 

 

急いでシェアクリスタルを取り出し、掲げる。

 

 

眩い光が辺りを包み、収束する。

 

 

「う…あ…?」

 

「この光は…」

 

「体が、癒されていくようですわ…」

 

「動ける…解放、された…?」

 

 

お姉ちゃんたちが、目を覚ました。

 

自分たちを縛っていたコードを引きちぎり、地面に立つ。

 

 

「お姉ちゃん!」

 

「…お姉ちゃん…!」

 

「ラム、ロム…あなたたちが助けてくれたのね」

 

白いプロセッサユニットをまとっているブランさんがほほ笑んだ。

 

ラムちゃんとロムちゃんが、ルウィーの女神ブランさんへと飛び込む。

 

ブランさんの青みがかった銀の短髪が少し揺れる。

 

「うわーん!お姉ちゃーん!」

 

「ふぇ…ぐすっ…」

 

「子供みたいに泣くんじゃないの…ごめんなさい、心配をかけて」

 

 

ブランさんは女神化したらキレやすくなるんだけど、今はさすがに優しい顔で妹たちを撫でている。

 

 

 

「あ、あの…」

 

「…遅かったわね。もっと早く来てくれるかと思っていたわ」

 

銀髪の女性、ノワールさんがユニちゃんへとほほ笑む。

 

「ご、ごめんなさい!アタシ、まだ全然、お姉ちゃんみたいには…」

 

「何を謝ってるのよ。まあ、だいぶ成長はしたみたいね。ありがとう、助かったわ」

 

「う…お姉ちゃん…!」

 

いつも素直じゃないノワールさんも、今回はストレートにお礼を言った。

 

 

 

 

 

「ネプギア…会いたかった…」

 

紫の髪と装備を持つ私のお姉ちゃん、ネプテューヌが私の頭をなでる。

 

「お姉ちゃん…本物だよね?本当に、私…助けたんだよね?」

 

「ええ。あなたが助けてくれた…ありがとう。頑張ったわね」

 

三年ぶりに聞く声に、私は感激した。

 

 

大好きなお姉ちゃんに会えた。

 

大好きなお姉ちゃんの声を聴けた。

 

大好きなお姉ちゃんを救うことができた。

 

 

私は、お姉ちゃんの胸に飛び込んだ。

 

 

「お姉ちゃん…うわああああん、お姉ちゃああん!」

 

「ごめんね、一人ぼっちにさせて…これからは、ずっと一緒にいるから…」

 

 

涙が止まらなかった。

 

この時をずっと夢見て、この時を待ち望んで旅をしてきたのだ。

 

 

 

「わあ…感動の再会だね!」

 

「ううう、わたしもねぷねぷとお話ししたいです」

 

「姉妹の再会に水を差しちゃ悪いでしょ。ガマンしましょう」

 

「はあ…みなさん羨ましいですわ。私だけ、出迎えてくれる人がいないなんて…」

 

豊満な身体を持つ緑髪のベールさんが寂しそうにため息をついた。

 

「ベール様にはボクが…チカさんも、帰りを待ちわびてます」

 

そんなベールさんを5pb.さんが励ます。

 

 

長かった。

 

やっと、取り戻すことができた。

 

 

泣きじゃくる私たちを、お姉ちゃんたちは優しく受け止めてくれた

 

 

 

 

 

 

                  △

 

 

 

 

「墓守がやられたようだな」

 

 

マジック・ザ・ハードが呟く。

 

おそらく、ジャッジ・ザ・ハードが倒されたんだろう。

 

「だが関係ないな。予想以上の収穫が得られたようだ」

 

 

その言葉通り、こちらでは最悪の状況が起きていた。

 

「さあ来るんだ。滝空ユウ」

 

「俺は滝空ユウじゃないと言っただろう」

 

邪悪な気配を持ったユウが、大剣を収める。

 

「む、そうだったな。なら新しい名前をつけてやろう」

 

 

少し考えるように、マジックは額に人差し指を当てた

 

 

「今から貴様は……ドゥーム・ザ・ハードだ」

 

 

破滅(ドゥーム)……か。安直だが…いいね、気に入った。」

 

 

ドゥーム・ザ・ハードと名付けられたそいつは、ふふふと笑うマジックとともにこの場を去ろうとする。

 

私は未だに、身体が麻痺したままだ。

 

「貴様!」

 

「勝てないことはお前がよーく知っているはずだろう、ユウ?」

 

抵抗しようとするユウを、ドゥームが蹴りつける。

 

「ぐあっ!」

 

苦しむユウだったが、二人を止めることはできなかった。

 

 

「危害は加えない、という約束だ。この場は見逃してやろう」

 

マジックとドゥームは踵を返した。

 

 

「ま、あとは世界の崩壊を指をくわえて見ているがいい。どうせ、この流れはもう止まらん」

 

 

不吉な言葉だけを残して。

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