超次元ゲイムネプテューヌ 衝動へのリベリオン【完結】   作:ジマリス

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4 離脱と教祖と探し物と

クエストの目的は犯罪組織のせいで増えてしまったモンスターの討伐である。

 

新しくユニを仲間に加え、俺たちは今回の目的場所であるリビートリゾートへと向かった。

綺麗な海が見渡せるリビートリゾートだが、確かにそこかしかにモンスターがいる。

骨しかない魚もいれば、巨大化したイルカみたいなモンスターもいる。

 

 

道中、やっとユニに自己紹介を済ますことができた。

どうやら同じくらいの娘と会えたのが相当嬉しかったらしく、二人でずっと喋っていたので俺のことを忘れていたらしい。

 

 

「笑えよアイエフ、コンパ。これが絶望した男の顔だぜ…」

 

「あ、あの……悪気はなかったんです。その、舞い上がっちゃって…」

 

「そ、そうよ。アンタのこともちゃんと後で聞くつもりだったのよ」

 

 

落胆する俺をネプギアとユニがフォローする。

 

さっき思いっきり「忘れてた!!」って言ってたじゃないか。

くそう、こうなったら時間が癒してくれるまでモンスターを倒してやる。

 

奥に向かう途中、俺は鬱憤を晴らすかのようにモンスターを刀で斬り伏せる。

あーすっきりするううう。

 

「まともに戦ったの初めて見たけど、ユウって本当に強いのね」

 

アイエフからお褒めの言葉をもらう。

 

「ふふん、そうでっしゃろ?」

 

俺の機嫌もすっかり治った。

 

まああの下っ端ぐらいなら一人でも楽勝だな。

でもどれくらいの強さか見極めておかないと後々苦労しそうだな。

今度ネプギアと試合でもしてみるか。

 

「ちょっとチョロすぎるですぅ…」

 

「そうね、ちょっと心配になるわ……。傷つきやすくてチョロいって面倒な性格してるわね」

 

コンパとアイエフが何やら言うが、聞こえなかった。

くるくると刀を回し、鞘に収める。

 

「ユウさんはその剣は使わないですか?」

 

コンパが俺の背中に装備している大剣を指さした。

 

「これ?使おうにも重たくて扱いづらいんだよ。でも、大事なものかも知れないし」

 

「捨てられないってわけね」

 

俺は頷く。

なんか捨てちゃいけないって感じがするんだよな、この剣。

 

一息つき、辺りを見渡せばほとんどモンスターがいなくなっていた。

 

俺たちとは離れたところで、大型のライフルをぶっぱなすユニとビームソードを扱うネプギアが最後の敵を倒す。

 

 

「終了!楽勝だったわね!」

 

「うん、あっという間だった。ユニちゃん本当に強いんだね」

 

二人はすっかり仲良くなったみたいだ。

 

「助けだしてから初めてじゃない?あの子があんなに笑うのって」

 

アイエフとコンパもネプギアたちの様子をみて和んでいる。

うんうん、笑えるっていうのはいいことだ。

特にネプギアは、姉が囚われてることもあって、時折暗い顔を見せてたからな。

 

「なーにほのぼのしてんだよお!」

 

「えっ?」

 

声のする方を振り向くと、すぐそこにあの下っ端がいた。

アイエフに向けて鉄パイプを振り下ろす。

 

まずい、防御が間に合わない!

 

「危ない!」

 

俺は咄嗟にアイエフと下っ端の間に入り、鉄パイプを頭で受ける。

 

「ぐっ」

 

もろにダメージを受け、額から血が出る。

 

「この前は油断したが、今度はそうはいかねえ!」

 

「この野郎……」

 

ズキズキと痛む頭を抑え、なんとか踏み耐える。

 

くそ、この野郎…

俺は背中に装備している大剣に手をかけた。

 

 

 

 

 

 

倒してやる

 

こいつを倒す。

 

いや、殺す。

 

泣き叫んでも許さない。

 

やめてといっても聞いてやらん。

 

その体がバラバラになるまで……

 

 

 

 

 

 

 

「やああああああああ」

 

「はああああああああ」

 

 

そのとき、俺の後ろから現れた極太のビームが二本、下っ端に直撃した。

 

「出番これだけかよおおおおおおお」

 

下っ端は吹っ飛び、海へと消えていった。

振り向くと、ネプギアとユニ同じく武器を構えていた。

たださっきとは違って、二人とも変身していた。

 

ユニの姿はネプギアと同じようなレオタードで色は黒、髪は銀色になっており、凛々しさが増している。

武器はさらに大きくなっていて、ユニの身長よりも大きい。

 

ユニも女神だったのか。

 

「ユウさん!大丈夫ですか?」

 

コンパが駆け寄り、俺を治療する。

 

「なんとか大丈夫…」

 

ダメージは大したものではなかった。

それよりも引っかかるのが、さっき俺が思ったことだ。

さっきどす黒い感情が心の底から沸いてきていた。

あのままだったら俺はどうなっていただろう。

思っていた通りに、下っ端をバラバラにしていただろうか。

 

「助かったわ、ユウ。ありがとう」

 

アイエフからの言葉を聞くも、俺は反応できずにいた。

治療を受けながらぼーーっとネプギアとユニの方を見る。

なにやら言い争い、というよりかユニが一方的に怒っているように見える。

ある程度ユニが叫んだあと、ユニはそのまま走り去っていった。

 

 

 

あとにはうなだれるネプギアだけが残っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユニが離脱したあと、俺たちはラステイションに戻ってきていた。

 

「…全然見つからないですね、ゲイムキャラさん」

 

「これだけ聞いてもダメってことは、街の人は誰も知らないんでしょうか?」

 

そう言うネプギアの顔は暗く、体全体から負のオーラが出ていた。

ユニに言われたことが相当効いたみたいだな。

その会話を聞いてないからフォローのしようもないのがちょっと歯がゆい。

 

 

街に戻ってきた俺たちは、ゲイムキャラの情報を得ようとたくさんの人に聞き込みをしてみたが、全く手がかりを得られなかった。

 

「もともと一般人が知ってるような存在じゃないからな」

 

「そうね、仕方ない。教祖のとこに聞きに行ってみましょうか」

 

アイエフがしぶしぶといったふうに提案する。

そうか、ラステイションにも教祖がいるのか。

教祖であればゲイムキャラの情報も知ってそうだな。

 

「もっと早く言ってくれたらよかったのに」

 

「あんまりいい評判聞かないのよ。ここの教祖」

 

アイエフはため息をついた

 

 

 

「失礼します」

 

教会の扉をノックし、中へ入る。

 

「ようこそラステイションの教会へ。僕がこの国の教祖、神宮寺ケイだ」

 

出迎えてくれたのは、銀の短髪を持つボーイッシュな女性だった。

ボクっ娘か、ありだな。

 

「僕に話があるようだね。プラネテューヌのアイエフさんにコンパさん、ユウさん、女神候補生のネプギアさん」

 

「私たちのこと知ってるですか?」

 

「情報収集はビジネスの基本だからね」

 

なるほど、俺たちを出迎えたのも来るとわかっていたからか。

 

「噂通りのやつみたいね」

 

「いい性格してるな」

 

アイエフと俺は呟く。

 

「あの、私たち、古のゲイムキャラを探しているんです。ケイさんはなにかご存知ないですか?」

 

「知らなくもないけれど…さて、今この時、僕の持つ情報にはどれほどの価値があるのかな」

 

ケイの話によれば、価値に見合うだけのモノを貰わなければ、ビジネスは成功しない。

つまり等価交換というやつだな。

暗にケイの持つ情報に見合うモノを要求しているらしい

 

モノ、というのは金ではなく、あるものの材料だそうだ。

 

「聞いたことくらいはあるかな。宝玉と血晶と呼ばれるものなんだけど…」

 

「なっ!?それって超レア素材じゃない!?」

 

アイエフが言うには、希少価値が高すぎてどこで取れるかもわからない素材だと。

条件がきついが取ってくるしかあてはない。

 

「わかった。探してくる」

 

俺が前に出る。

 

「それともう一つ。三年前…そして最近、ギョウカイ墓場で起こったことを教えて欲しい」

 

ケイが別の条件を出してきた。

ケイはちらっとネプギアの方を見る。

 

この三人がギョウカイ墓場に行った事まで知ってるのか。

 

「ずいぶんいい密偵がいるようで…」

 

ケイはふふん、と得意げになる。

 

「それで、ノワールは無事なのかい?」

 

ケイがネプギアに聞こうとするが、俺は手で制した。

 

「おっと、がっつきすぎだぜ」

 

先にこっちの情報だけを与えるのはフェアじゃない。

 

「む…失礼。それでは先に二つの素材の調達をお願いしよう」

 

「ああ、それとこっちからもひとつ」

 

俺は人差し指を立てる。

 

「俺のことを知っているか?」

 

「……少しだけね」

 

やっぱり。

俺たちのことを調べているなら、俺の過去についても知っているかも知れないと思ったのは間違いじゃなかった。

 

 

「俺について知っていることを教えてもらおう」

 

こっちの条件がキツイ。これくらいは聞いてもいいだろう。

 

「……そういえば君は記憶喪失だったね。いいだろう。君たちからは素材とギョウカイ墓場の情報をもらい、僕からはゲイムキャラと君の情報を渡そう」

 

「交渉成立だな」

 

俺はニヤリと笑った。

 

「君も随分いい性格してるみたいだね」

 

お褒めに預かり光栄です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり腹の立つ奴だったわね」

 

教会を出たあと、アイエフは少し怒り気味に言った。

 

「まあまあ、彼女は彼女なりに思うところがあったみたいだけどな」

 

ケイの様子を見ていると、どうやらノワールについて知りたがっているようだった。

表では取り繕っていても、かなり心配しているらしい。

 

「探すのは宝玉と血晶ですよね。心当たりありますか?」

 

「あったら苦労しないわよ。どこかのモンスターが落とすっていうのは聞いたことがあるけど…」

 

「うへぇ……じゃあ手当たり次第モンスターを倒すか?」

 

ものすごく長くかかりそうなきがするんですがそれは…

 

「気の遠くなるような話だけど、それしかないわね」

 

まじですか……。

ちょっと冗談交じりにいったのに……

 

 

 

 

 

 

 

素材を探すため、俺たちはあるダンジョン、ゾーンオブエンドレスに来ていた。

電子的なそのダンジョンの奥まで到着。

 

「全然見つからんな……」

 

さまざまな種類のモンスターを狩っているが宝玉も血晶も全く落とさない。

まあそんなに簡単に見つかるなら依頼したりしないか。

 

「「「「はあ~」」」」

 

俺たち四人は一斉にため息をついた。

 

「どうしたんだい?困った顔をしているみたいだけど」

 

俺たちが肩を落としていると、バイオリンケースを背負った赤い単発髪の女性が話しかけてきた。

 

「はい?えっと……どちら様ですか?」

 

「ああ、失礼。あたしはファルコム。見ての通り、しがない冒険家さ」

 

「しがないって言ってる割にはお腹がセクシーだな」

 

つい、考えが口から出てしまった。

だってきれいなお腹が丸出しの露出度高い服着てるんですもの。

 

「あはは、君面白いね」

 

ファルコムは気にしてないように笑った。

 

「冒険家さんならなにかご存知かも知れないです」

 

ダメで元々だ。俺たちは素材についてファルコムに聞いてみることにした。

 

「宝玉と血晶っていう素材を探してるんだけど、何か知らない?」

 

「うーん、宝玉なら知ってるよ。あれは確か……プラネテューヌのバーチャフォレストに住むモンスターが落とすはずだよ」

 

「本当に知ってた!?」

 

思わぬ収穫に喜ぶ俺たち。

 

「案内してあげたいんだけど、目的地が逆方向でさ…」

 

「いえ、情報だけで十分です!」

 

「よかった、元気になってくれて。それじゃ、あたしはここで失礼するよ」

 

「ありがとう!」

 

ファルコムはひらひらと手を振って去っていった。

いいなあ、かっこいいなあ。

 

「プラネテューヌか…」

 

「完全に盲点だったわね」

 

まさか俺たちのホームグラウンドにあるとは……しかも最初のダンジョン。

 

「急ぎましょう、ずいぶん時間経ってしまいましたし」

 

「よし、二手に別れよう!」

 

俺は提案した。

 

「二手にですか?」

 

コンパが?を浮かべる。

 

「うん、ちょっと気になることがあってな。俺が一人で血晶を探すよ」

 

具体的には言わずにはぐらかす。

俺の様子を訝しむ三人をなんとか説得し、プラネテューヌに向かわせることにした。

 

「あ、ユウさんこれ」

 

ネプギアが俺に携帯ゲーム機のようなものを渡してきた。

 

「なにこれ」

 

「Nギアです。もし血晶が見つかったら連絡してきてください」

 

Nギアと呼ばれるその機械は、どうやら通信機器として使えるらしい。

俺はNギアを受け取る。

 

「おっす了解」

 

「ほんとに大丈夫なの?」

 

アイエフはまだ俺を疑っている。

 

「大丈夫大丈夫、信じてくれて構わんよ」

 

『気になること』は素材とは関係ないが、

うまくいけば血晶も手に入れられる。

 

なぜかそう思えた。

 

 

 

 

 

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