超次元ゲイムネプテューヌ 衝動へのリベリオン【完結】 作:ジマリス
ネプギア、アイエフ、コンパを見送り、一人になった俺はしばらくラステイションの街を歩いていた。
「うん、やっぱり」
Uターンして一番近い電柱へと走る。
そのとき電柱から男が飛び出し、逃げた。
「待てこらあああああ!!」
すぐにその男に追いつき、ヘッドロックをかます。
「お前ずーーーーっとついてきてたな。俺たちが教会出たくらいからずっと」
そう、俺の『気になること』というのはこの男のことだ。
ラステイションの教会から視線を感じ、ちらっと見てみたらこの男が尾行してきているのに気づいたのだ。
「お前誰だ」
逃げられないとわかったのか、男は自分の正体について話しだした。
「わ、私はこの街の防衛隊だ。君たちが血晶を探していると聞いて教えようと…」
予感の通り、血晶への道が開けた。
だがあまり素直に信じるのも良くない。
本当に教えようと思うならこそこそしてないで伝えてくれるだろうからな。
「セプテントリゾートのテコンキャットっていうモンスターが落とすんだ」
俺は訝しむ目で見る。
しかし、他に情報もない。
行ってみるか、セプテントリゾート。
「は、はやく放してくれ!」
男が俺の腕をタップした。
必要な情報は手に入れられたし、まあいいか。
俺は男を放した。
「げほっ、げほっ。それじゃあ私はこれで」
「ストップ」
「ぐへえ」
俺は立ち去ろうとする男の首襟を掴んだ。
「ケイに伝えといて。回りくどいって」
「えっ……」
この男はおそらくラステイションの諜報員だ。
俺たちの動向を知るためと血晶について教えるためにケイが寄越したんだろう。
あくまで推測だが。
ツンデレやのう。
俺は男から血晶を落とすモンスターの絵をもらい、セプテントリゾートへ向かうことにした。
セプテントリゾートはリビートリゾートと似たようなところであり、こちらもおなじく海が見渡せる綺麗な場所だった。
どうやらこのセプテントリゾートの奥に血晶を持つモンスターがいるらしい。
俺は男からもらった絵を見ながらモンスターを探す。
「ん?」
Nギアがなにやら震えている。
どうやらネプギアから連絡が来たらしい。
「もしもし」
「あ、ユウさんですか?」
「おう、なに、もう見つかったの?」
「宝玉は見つかりました。下っ端とも戦闘になりましたけど」
うわまた現れたのか、しつこいなあ。
やられても向かってくる根性は認めるけど。
「こっちももうちょっとで血晶が手に入る……と思う」
「え、本当ですか?すぐに戻りますね!」
そう言って通話を切る。
さて、情報によればもうすぐらしいけど…
お、いたいた。
仮面をかぶった猫のような二足歩行生物、テコンキャットが三匹いた。
「よーし、さっさとやるか」
俺は刀を抜き、構える。
「見つけたわ!さあ、とっとと血晶を落としなさい!」
あれ、聞いたことのある声が聞こえたんだが。
声のするほうを向くと、そこにはユニがいた。
「ユニ!」
「え、わああ!ユウ!?」
「なんだお前も血晶を探してるのか?」
「そうだけど、なんでアンタが…」
「そんなんあとあと。とりあえず手伝ってくれ」
テコンキャットたちが向かってくる。
とりあえずはあいつらの相手をしなくちゃな。
最初に向かってきたテコンキャットを斬ろうとしたが、なかなか素早く、かわされてしまった。
俺も負けじとテコンキャットの爪攻撃をかわす。
隙ができたところに刀を一閃。
テコンキャットは粒子となって消える。
ユニのほうを見ると、ライフルを撃っているものの外れてばかりいる。
戦闘に身が入っていない。
そんなユニにテコンキャットの爪が襲いかかる。
「ユニ!」
テコンキャットの爪を防ぎ、蹴りで吹っ飛ばす。
「ぼーっとしてんな。構えろ」
ユニの頭をわしゃわしゃと撫でる。
「気になることがあるんだろうが、そんなもんあとにしろ」
「~~~~っ。わかったわよ!やってやるわよ!!」
ひとまず吹っ切れたようだ。
勝てばいいんだよ、勝てば。
「よし、その意気だ!」
再び向かってくるテコンキャットにユニはライフルを撃つ。
テコンキャットは素早く、しかし集中したユニのライフルはテコンキャットの一匹を撃ち抜いた。
これで残り一匹だ。
最後のテコンキャットが弾丸をかわし、鋭い爪をユニに向けるが、それが届く前に俺の刀がテコンキャットを貫いた。
「これで最後だ!」
テコンキャットは粒子となって消え、そこにはモンスターの血が固まってできた血晶が落ちていた。
「ふう…よしゲット」
血晶を拾い、ユニのほうを向く。
「……」
ユニは暗く、思いつめた表情をしている。
「どうした?」
「あんた…強いのね」
「お、おう…まあね」
「ネプギアも同じくらい強いの?」
「ん……まあそうなんじゃないか」
実際には戦ったことがないからわからないが、女神化したネプギアにはちょっとかなわないぐらいかと俺は思っている。
「そう…」
ユニはギュッと拳を握る
「あの子にひどいこと言っちゃった……。ネプギアが悪いわけじゃないってことはわかってるんだけど」
「『なんでアンタだけが戻ってきたのか。アタシだったらきっと救えた』ってところかな?」
ユニが少し驚いた。
「よ、よくわかったわね」
まあ素直になれない子の考えることはわかりやすいからね。
「でも、多分アタシでも救えなかっただろうって思ったの。お姉ちゃんがかなわなかった敵だもん。私が勝てるはずがない」
どんどんネガティブ思考になっているな、ユニ。
ネプギアにひどい事を言ってしまったことと姉がとらわれていることでかなり参っているみたいだ。
ここは大人としてフォローしないと…。
「ネプギアも随分気にしてたみたいだし、素直に自分の気持ちを言えば仲直りできるさ」
「素直に……自分の気持ちを…」
ユニが考え込むように腕を組む。
「そうそう、ちょうどこれから合流するところだったし、YOUそこで素直になっちゃいなよ」
「え、いまから!?」
「こういうのは早いほうがいいんだよ。ほら行くぞ」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!心の準備っていうものが…」
「あー聞こえなーい」
無理やりユニを連れてきた俺は手を振った。
「おーーい!!こっちこっち」
ラステイションの街中、あらかじめ決めておいた合流場所にネプギアたちがやってきたのだ。
「ユニちゃん!」
ネプギアが俺の横に並んでいるユニに気づいた。
「えっと、この間は…いやいやいきなり謝るのも…」
ユニはまだ何を言っていいべきかわからず、言おうとしては首を横に振るを繰り返した。
ちょっとかわいい。
「よかった、ずっと気になってたの。あんな別れ方しちゃったから」
「な、なんでアンタが謝るのよ」
少し強引なネプギアと素直になろうとするユニ。
まあすぐに仲直りできるだろう。
「お疲れ様、ユウ」
アイエフとコンパが俺の方に寄ってくる。
「あんたよく血晶を手に入れられたわね」
「走って捕まえてヘッドロックしたら情報が手に入った」
「わ、わたしには難しい話ですぅ……」
「大丈夫よ、コンパ。私にもわからないから」
事実を端折って言ったのがまずかったか。
ま、わかってて言ってるんですけどね。
「それより」
俺は横に目を向ける
「わーっ、ラステイションの女神候補生だ!嫁が増える!」
「この活発な女の子は誰だ」
アイエフたちとともに来た赤髪の少女を見る。
145センチ程の身長に合わない巨乳だ。
なんか身体に金色の龍が巻きついてるんですけど
「下っ端との戦闘の時に助けてくれたんです」
「REDって言ってね。嫁を探してるらしいわ」
「は?」
ちょっとまって意味わからんこと言われたからって、意味わからんことを言わないでくれ。
「それで、女神候補生を嫁にするために私たちについてきたってわけ」
「あーなるほどわからん。全然わからん」
まったくわからんがとりあえずREDと握手。
REDも勢いで生きるタイプらしく、すぐに応じてくれた
「よろしくね、私はREDちゃん!嫁探ししてるんだ!」
「俺は滝空ユウ。一緒に旅をしている記憶喪失系男子だ」
俺たちの自己紹介も終わり、ネプギアとユニも仲直りできたみたいだ。
いまでは二人とも笑っている。
「よし、教会にいくか」
俺たち一同は集めた素材を渡すため、協会へと向かった。