苦手な方はごめんなさい。
カッコよく登場を決めようとしたが邪魔されてしまった。死にたい。
それにしても…
「あのデザインどっかで見たことあるような…」
そう、どっかで見たことがある気がするのである。
何だったかなー…
「とりあえずISの事ならあいつに聞くのが一番だろ。ジャーヴィス」
『すでに繋がっています』
はやっ。
『やぁやぁさっくん!何かお困りかい?』
視界にはウサ耳のアイコン…そう、俺を拾って育てた天災、篠ノ之束その人である。
「俺が今見てるIS、あれは束が作ったのか?」
『まっさかー!あんな美しく無いモノ作るわけないじゃない!』
だよなあ。
攻撃を防がれた事に腹を立てたのか、敵ISはさらに攻撃の勢いを増した。
「うおっ?!と、とりあえず織斑と凰は下がってろ!もう
ビームを避けつつ二人に伝える。
「な、何言ってんのよ!あんた一人で勝てるっていうの!?」
「残念ながら俺は一人じゃないんでね!」
そう、仮面ライダーWは二人で一人。
二人揃えば負けるはずがない。
「鈴、ここは退こう」
「い、一夏まで……~~分かったわよ!その代わり、負けたら承知しないわよ!」
この短期間で随分信頼してくれたものである。
お兄さんは嬉しいよ。
「だから負けねえっての。早く行け!」
二人が離れたのを確認すると、束との通信を再開する。もちろん攻撃を避けながらではあるが。
「クッソ、せめてもうちょいメモリの種類が揃ってれば…」
そう、今俺が所持しているメモリは、AtoZの26本より少し少ないのである。
神の不手際かもしれんが。
『あ、それだったら束さん一本持ってるよ~?』
「なにィ!?」
んな馬鹿な。メモリは基本的に全部ジャーヴィスが管理して…まさか。
『申し訳ありませんご主人様。二年前に一本だけ奪われてしまいまして…』
こいつから奪うなんて芸当ができるのはこの天災だけである。
それにしてもこの野郎…よりによってあのメモリを奪いおってからに…
『だって研究してみたかったんだもん!地球の記憶だよ!?未知のエネルギーだよ!?興味をそそられないわけがない!』
「良いから早く返せ!あと帰ったら覚えてろよ!」
『もう転送したよー!じゃあねー!』
…通信が切れると同時に、追加パッケージ受信の文字が目の前に浮かび上がる。
とりあえずあいつを倒してしまわねば。
ビームを避けつつ地上に降り立つと、素早くメモリを交換する。
【Luna! Joker!】
幻想の記憶、ルナメモリ。
二年前に失くした時はマジで焦ったもんだが…まぁいいだろう。
「とっとと片づけるぞ!」
腕を伸ばし足を延ばし、変幻自在の攻撃で敵を翻弄する。
そろそろ決めるとするか。
ジョーカーメモリをマキシマムスロットに叩き込む。
【Joker! Maximum Drive!】
体が半分に割れ、右側のソウルサイドが分身し、一斉に攻撃を繰り出す。
敵が怯んだところで…
「「ジョーカーストレンジ!ハァッ!」」
左側、ボディサイドがチョップを繰り出す。
急所に当てることができたようで、敵のISは機能を停止する。
ここまで14秒…また世界を縮めてしまった…
「そういや何の躊躇いもなく倒しちまったが…中の人は無事か?」
今更になって心配になり、駆け寄ってみる。
「あのー、大丈夫ですかー?」
へんじがない。ただのしかばねのようだ。
「いやネタやってる場合じゃねえんだよ…本当に大丈夫でs…」
……この時の俺は、敵を倒したことで油断しきっていたのだろう。
『ご主人様!お逃げください!』
ズドォォォォォオオオン!!!
ジャーヴィスが言い終わる前に敵のISが自爆し、モロにそれを食らってしまった。
「ぐぁぁぁああっっ!!!」
変身していたおかげで致命傷にはならなかったが、意識は朦朧としていた。
そして直ぐに変身が解除される。
気を失うのは、この世界に転生した直後以来だろうか。
薄れゆく視界の中、なにやら神が手を合わせて謝っているような、そんな景色が見えた気がした。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
……知らない天井だ。
実際知らない。何処だここは?
辺りを見回す前に、誰かが傍にいることに気付いた。
「織斑ェ…男が看病しててしかもその場で寝てるとか誰得だよ…」
若干説明口調なのは気にしない。
それよりも今はこいつを…って痛え!
体を動かそうとすると、体のあちこちに痛みが走った。
『おはようございます。ご主人様』
「おう…」
『幸い骨などに異常は御座いませんが、ご主人様は痛みに不慣れで御座います。当分は安静にしていてください』
痛みに不慣れか…
確かにそうかもしれないな。
転生前は勿論、この世界でも、大きな怪我というのを体験したことはなかった。
これはこれで、貴重な体験なのかもしれない。
「大変だな…主人公ってのは」
『仕方のないことです』
だからこそ、いつまでも寝てはいられない。
今はとっとと治すことに専念するとしよう。
……そういえば。
「織斑は一体いつからここに?」
『およそ三時間前からで御座います』
ほんとにすげえな主人公。
傍らで眠り続ける織斑に俺は、
「…ありがとな、一夏」
誰にも聞こえないような小さい声で、そう呟くのであった。
『私には聞こえているんですけどね』
「てめえはシリアスってもんを知らんのか?あ?」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
事件があった次の次の日。
「何やら大怪我でぶっ倒れてた気がしたが、別にそんな事はなかったぜ!」
「いやあったからな!?ってかテンション高いな!」
そりゃあ丸一日も寝てたらテンションもおかしくなろうて。
ちなみに痛みは丸一日寝たら消えた。
いくらなんでも不自然だと思ったが、まぁ気にしたら負けだろう。
「さーて、今日も一日がんばるぞい!」
「人の話を聞けええええええ!!!!!!!」
1年1組に、織斑の声が木霊していた。
一方その頃、IS学園の研究室では。
「織斑先生、あのISの破片から、こんなものが…」
「…何だこれは…USBメモリの一部…か?」
「解析した所、あのISにはコアが使われていた形跡が無かったようです…どうなっているんでしょう?」
「ふむ…」
咲の知らぬところで、事態は思わぬ展開を迎えていた。
主人公が若干デレました。
そして一歩成長。
そしてこの展開…
が、頑張ります(白目)
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