ネトゲって怖いですね。
あの事件から早くも一週間が過ぎた。
今日はGW初日ということで、どこかに遊びに行こうかと思ったのだが…
「なんで休みの日だってのに呼び出されなきゃいけないの?馬鹿なの?」
『そのお言葉を録音して先生に聞かせて差し上げましょうかご主人様?』
「俺が悪かった。頼むからやめてくれ」
会話の通り、今俺は織斑先生に呼び出され、IS学園の研究室に向かっていた。
「でもなんで休みになってから呼び出すんだよ…畜生…」
ちなみに織斑はというと、何やら友達の家に遊びに行くとか言って俺を見捨てていった。
とりあえず帰ったら色々お仕置きが必要だな。
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「い、今寒気が…」
「? どうした一夏」
「い、いや、なんでもない」
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そうこうしているうちに目的地に辿りついた。
とりあえずノックしてみる。
「茅野でーす。入ってもよろしいですかー」
「あ、茅野君?今鍵を開けますねー」
今の声は…まさか…
「休みの日だというのに呼び出してしまってすみません…反対したのですが…」
…天使ですわ山田先生。
なんだろう、もう呼び出された事とかどうでもいいや。
この人の持つ癒しパワーは計り知れな…
「む…来たか、茅野」
うわー出たよこの人。
まあ呼び出した張本人だし予想はしてたけどさ…
「すいません、具合が悪くなったので帰っていいですか?」
「私の顔を見てそのセリフを言うか…」
おろ?地味に凹んでる?
『ご主人様、仮にもレディにその様な対応は頂けません』
『お前もさらっと仮にとか言ってんじゃねーか』
凹んでいるように見えたのは一瞬で、先生は直ぐにいつもの顔つきに戻った。
「ゴホン…今日お前を呼び出したのは他でもない、お前のISと、この前のISについて話すためだ」
とうとう来ちゃったかー…
今まで自分のISについて聞かれた時はほにゃほにゃと誤魔化していたが、今回はそうもいかないらしい。先生の目がマジだ。
「えーと…俺のISについてはいいんですけど、この前のISについては俺も分からないんですが…」
そう。束が関わっていない以上、俺にはあのISの事はまるで分からない。
ただ謎の既視感はあったが。
「ふむ…では聞くが、これはお前のISと関係あるものか?」
そういって織斑先生が見せてきたのは…
『どっからどう見てもガイアメモリの破片です』
『本当に有難う御座いました』
ノリの良いジャーヴィスはともかく、それはどう見てもガイアメモリの破片だった。
あの骨のような気味の悪いデザイン、間違いない。
「確かに俺の持ってるのと似てますけど、俺のISとは関係ないです」
俺の持っているメモリは全てT2メモリのため、このタイプの物は含まれていない。
もし神の手違いがあったとしたらどうしようもないが。
「そうか…お前に聞けば何かわかると思ったんだが…」
うーん、なんだろうねこの罪悪感。
このまま何も言わないでおくのもアレだし…
「ちょっと貸してもらってもいいですか?」
「あ、ああ…構わない」
織斑先生から手渡されると同時に、ジャーヴィスが解析を始める。
『どうだ?』
『損傷が激しい為詳しいことは分かりかねます。ですがメモリの能力は文字の痕跡から解析できそうです』
『なるべく急いでくれ。先生に気付かれる』
破片を色々な角度から見ているフリをし、解析を急がせる。
『解析完了しました』
よし。
「うーん…やっぱり分からないです。束にでも聞いてみたらどうですか?」
「あまりあいつには頼りたくないんだがな…まぁこの際仕方がない…」
「では俺はこれで…」
「待て」
くっ。逃げられると思ったのに。
「今日こそお前のISについて話してもらうぞ。まず入手経路だ。誰に貰った?」
「いや束ですけど…」
そう、俺のISは束に貰ったという設定で学園にも連絡が行っている。
その事は先生も知っている筈だが…
「ふむ、そこは変わらない、か…では次の質問だ。あのISの能力と名称は?」
名称…名前かぁ…
「名前は…強いて言うならマスクドライダー…ですかね?」
要するに仮面ライダーな訳だが。
「まぁ名前についてはとやかく言うつもりはないが…問題は能力だ。一体いくつある?というかどんな原理で能力を発動している?人を操るISなど聞いたことが無いぞ」
「えーと…数については、とりあえず20個程度です。能力は束の作った物ですからなんとも…」
とりあえず束のせいにしておけば何とかなる気がする。
「とりあえずでその数か…」
本当はもっと多いんだけどね。
「あいつも随分とやってくれたものだ…今度会ったときは…」
…なんだろう、目の前に鬼が立っているような気がする。
とりあえず束に合掌。
「あのー…そろそろ帰ってもいいですか?もし能力の詳細が知りたいんだったら後で送ります」
「ん?ああ、分かった。すまなかったな、休みだというのに」
まぁぶっちゃけイラついてましたけどね」
「声に出ているぞ」
やべっ。
「で、ではこれで失礼しまーす」
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そそくさと研究室を後にし、自分の部屋へ戻る。
「さて、解析結果を見せてくれ」
『畏まりました』
眼鏡に情報が表示され、そこに映っていたのは…
「…M?」
『それだけしか読み取ることができませんでした。ですがこの形は…』
仮面舞踏会で使う仮面のような形のMと言えば…
「マスカレイド…原作の雑魚敵のメモリじゃねーか…」
そう、原作が終わってからも劇場版などで何度か出ていたあのメモリが、何故かこの世界にあった。これは一体…
「ISの世界に俺達が現れたせいで、メモリの製造技術までこっちに来ちまった…って事か?」
神ェ…なんでそんな重大な事見逃してんだよ…
だがそんな事がもし有り得たとしたら…
『原作崩壊…という物でしょうか。イレギュラーが多々発生するかもしれません』
雑魚のメモリですらあれだけの能力を有していたのだ。もしゴールドクラスが現れたらと思うと…ちょっとヤバいかもしれないな。
「強くならないとな…主に俺とあいつらが死なないために」
『私も可能な限り、サポートさせて頂きます』
「ああ、これからもよろしく頼む」
急いで書くと碌な文になりませんね…
頑張ります。