IS×仮面ライダー AtoZの所持者   作:GENERAL

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最近、サブタイトルをアニメから持ってきております。
そのまんまではないですが。


第十六話 菓子はこんなにグローバル

時の流れは速い物で、気づけば六月。

クラスは学年別トーナメントの話題で持ちきりになっていた。

二人でペアを作って出場するようなのだが…

二人組…体育…うっ頭が……

 

「頭抱えてどうしたんだ?咲」

 

「なんでもない…」

 

ちなみにデュノアは織斑が何とかしてくれたらしい。

IS学園にいる間は企業からの干渉を受けなくて済むんだとさ。

織斑がそんな事を知っていたのには驚いた。

 

そしてボーデヴィッヒさんとの仲は全く進展していない。

というか完全に無視されとる。

初日の高い高いが相当嫌だったのか…

 

「なんとか話だけでも聞いて貰えねえかなあ…」

 

『こういった時は菓子折りを持って寮に直接突撃すればよいのでは?』

 

「それだ」

 

なんか甘い物でも持っていけば、少しは態度が軟化するかもしれない。

まぁそう簡単に行くとは思わんが…

 

とりあえず情報収集だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

授業終了後。

 

「おりむらせんせー」

 

「茅野か。どうした?」

 

最近この人の俺への当たりが柔らかくなった気がする。

気がするだけだろうが。

 

「いや、ボーデヴィッヒさんの好物とかって知りません?」

 

「あいつの好物…?そんな事を知ってどうするつもりだ?」

 

とりあえず菓子を持って行くことを伝えてみた。

 

「そういう事か…あいつは基本的に好き嫌いは無いぞ」

 

「Oh…」

 

これは賭けに出なきゃならんな…

 

「まぁあいつも女だ。甘い物なら何でも大丈夫だと思うぞ?」

 

「何でもっていうのは人を困らせるんですよ先生。織斑に言われませんでした?」

 

織斑はこの人の飯も作っていたらしいし、確実にあった筈だ。

かく言う俺も、束の飯作りで随分苦労した。

 

「い、今は関係ないだろう。私はもう行くぞ」

 

逃げられたか。

何作ろうかなー…

 

『ここは無難に和菓子で良いのでは?』

 

和菓子で普通に美味いって言ったら…

 

「んじゃあ苺大福でいくか。食堂に材料あったよな?」

 

男子が二人…一応三人か?

それだけしか居ないこともあってか、食堂の人とは随分仲良くなった。

女尊男卑主義者も居ないしな。

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

放課後。

 

「うっし完成っと」

 

自分で言うのもなんだが、料理スキルはそれなりにあると自負している。

前世での一人暮らし+束のオーダーに答えなきゃいけなかったからな。

嫌でも上達する。

ちなみにお菓子はこっちに来てから覚えた。

 

「部屋どこだっけ?」

 

『ご案内致します』

 

廊下を歩くこと五分。

部屋の前に着いたわけだが…

 

「…良く考えたら女子の部屋に行くとか人生初じゃん…」

 

ヤバい。緊張がヤバい。

心臓バックバクやで。

 

『落ち着いて下さいご主人様』

 

「そうは言ってもだな…」

 

前世では女子、というか家族以外の人間と関わるという事が殆ど無かった。

そうだよぼっちだよ。笑えよ。

 

 

「さっきから煩いぞ…っ!」

 

扉が開いて、如何にも不機嫌そうなボーデヴィッヒさんが出てきた。

よし、落ちつけ俺。紳士的に対応するのだ。

 

「…茅野咲、何の用だ」

 

「いや、この前のお詫びって事で菓子折りを」

 

「いらん。去れ」

 

即座に引っこみ、鍵を閉められた。

 

「………」

 

お兄さんちょっと怒っちゃったぞ?

 

【Key!】

 

ドアの鍵を強制解除。こうなったら意地だ。

絶対食わす。

 

「人の好意は素直に受け取っとくもんだぜボーデヴィッヒさんよォ…」

 

「貴様…痛い目を見ないと分からないらしいな…」

 

食わせようとする者と、それを拒む者。

傍から見れば不毛な争いである。

 

「いいから大人しく食ってみろ美味いから!」

 

手には苺大福を持ち、叫ぶ。

 

「黙れ!」

 

部分展開されたISの攻撃を何とか躱す。

部屋の中なので、大きく動き回ることができないが…

 

「短距離ならこっちに分がある!」

 

【Zone!】

 

後ろに回り込んで…

 

「貰ったァ!」

 

「しまっ…」

 

ぱくり。

 

「……」

 

無言で咀嚼するボーデヴィッヒさん。

なにこれ超可愛い。

 

もぐもぐすること一分。

結局一つ食べ終わり、一言。

 

「…まだあるのか?」

 

…アカン。可愛い。

箱を差し出すと、それごと奪い取って食べ始めた。

癒されるわぁ…

 

「えーと…美味いか?」

 

「っ!」

 

我に返ったようだ。

おーおー顔真っ赤にしてまぁ。

 

「べ、別にこんな物…」

 

「あーそうかー不味かったかーじゃあこれはもういらないなー」

 

箱を取り上げて持って行こうとすると、

 

「あっ…」

 

捨てられた子犬のような眼をしておられる。

 

「…」

 

箱を左に持って行くと目線も左に。

右に持って行けば右に。

 

やだもう可愛い。

 

「はい、どうぞ」

 

「…!」

 

花が咲いたような笑顔とは、この様な顔の事を言うのだろうか。

それくらいの良い笑顔だった。

 

 

 

 

もぐもぐ…

 

 

 

はむっ…

 

 

 

もきゅもきゅ…

 

 

 

 

 

結局六個あったのを全て平らげてしまった。

いやいいけどさ。

 

「えーと…この前の事は、これで勘弁な?」

 

「あ、ああ…」

 

人の心を掴むにはまず胃袋からというが、本当だったな。

菓子作りのきっかけを作ってくれた束に感謝だ。

というかこれで許してくれる所を見ると、根は良い子なのだろう。

 

「んじゃ、俺はこれで…」

 

「む…」

 

何か言いたげだな。

 

「アリーナでは、私も悪かった。その…すまなかった」

 

おお、まともな謝罪だ。

やっぱええ子やん。

 

「怪我も無かったし、別にいいさ。次は気を付けてくれれば」

 

「そ、そうか」

 

「そうだ」

 

……………

 

(間が持たねえ…)

 

茅野咲、こういった空気は非常に苦手であった。

 

「じゃ、じゃあそういう事で!お邪魔しましたー!」

 

こういう時は逃げるが勝ちだ。

足早に部屋を去り、自室へ戻った。

 

「とりあえずあれで良かった…か?」

 

『及第点、と言ったところです』

 

厳しいねえ。

 

まぁとりあえず仲直り?はできたようだし、良しとしますか。

 




ラウラ可愛い。
ただそれだけです。
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