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苺大福の攻防があった次の日。
「織斑君たちは見つかった?」
「こっちにはいなかったわ!」
「あっち探すわよー!」
茅野です。
学校に来たところ、女子に追い掛け回されとるとです。
茅野です。
茅野です。
茅野です……
『そのネタが伝わる方はもう少ないかと』
「マジで?」
「漫才やってる場合じゃないだろ…」
「ね、ねえ…何で逃げてるの?」
良い質問だなデュノア。
事の顛末は登校した直後に遡る。
三人で登校した直後、女子達に詰め寄られたのである。
学年別トーナメントでペアになれ、と。
なぜ昨日言い寄ってくる奴が居なかったのかは謎だ。
きっと神が何とかしたんだろう。
「私と組んでください!」
「いいや私と!」
「でも男子のペアも見てみたい!」
一人はまあ置いておいて。
「え、えっと…」
「俺達は…」
ふむ。
戸惑う織斑とデュノアをひっつかみ、一言。
「あばよとっつぁーん、っと」
「ちょっ!咲っ!」
「わぁっ!」
三人で愛の逃避行と行こうではないか。
『ご主人様…性癖に関してとやかく言うつもりはありませんが…』
「ホモじゃねえよ冗談だよ」
………
「原因俺やん」
「ていうか何で逃げたんだよ…」
「ノリ?」
「ノリって…」
ノリは大事だぞ織斑。
ノリが悪いというだけで爪弾きにされた人間もいるのだ。
誰とは言わないが。
俺とは言わないが。
「そういえば、お前ら二人はどうするんだ?やっぱ組むのか?」
「ああ、そのつもりだ。シャルの事がバレたら不味いしな」
「シャル?」
知らん間にあだ名つけるほど仲良くなったのか。
妬ましいわ。ぱるぱる。
「い、いやこれは、俺が勝手に呼び始めただけで…その…」
「ヘーソウナンダーフーンスゴイスゴーイ」
「そんな顔で見ないでくれぇ!」
織斑弄りもこの辺にして。
そもそもなんでこんな執拗に追い掛け回されているのかを探ってみる。
「教室で何があったんだ?」
『ご主人様方が教室に来る前の光景がこちらで御座います』
ふむふむ、女子達が固まって喋ってるな。
なんで凰さんがいるのかはともかく。
「ねえ聞いた?学年別トーナメントで優勝したら…」
「男子の誰かと付き合えるんだって!」
………
「「「は!?」」」
見事に三人でシンクロした。
てかなにこれ?どゆこと?
そもそも織斑とデュノアはともかく何で俺まで含まれてんの?
あれなの?B専なの?
「織斑、お前またなんか余計な事したんだな?今なら許すかもしれないぞさあ吐け」
「ぼ、僕まで含まれて…」
「いや、俺は何も…あっ」
心当たりがあるようだな。
「デュノア、ちょっとこいつ抑えとけ」
「う、うん…」
「いや待て!話せば分かる!俺は悪くない!」
ほう?
「んじゃあとっとと話せ」
「あ、ああ…」
数分後。
「篠ノ之さんに優勝したら付き合えって言われた、ねえ…」
「一夏はその時何も思わなかったの?」
「え?だって買い物とかに付き合うって意味だろ?何もおかしいことなんて…」
「ハハッワロス。まさかこんな人間が存在するなんてな。三回ほど死んでみたらどうだ?」
「一夏…さすがにそれは…」
デュノアもドン引きしとるやないか。
というかこいつの性格はいい加減に矯正した方が良いんじゃないか?
特にこの朴念仁さを中心に。
「とりあえずお前が原因だってことはよく分かった。男子全員が対象になったのはまあ、尾ひれが付いたんだろう。よって織斑を生贄として女子に差し出すのが筋だと思うんだが」
「いや、そしたらシャルはどうすんだよ!」
「俺と組めば…いやないな。ごめん。俺が悪かった。デュノアは織斑と組みたいよなそうだよな」
こんな眼鏡野郎と組むなんてまっぴら御免だろう。調子乗ってすいませんでした。
『ご主人様、追手が』
お、丁度いいな。
「おら行けお二人さん」
女子が来る方へ蹴り飛ばす。
「あ!見つけた!」
「もう逃がさない…」
「フフフフ腐…」
うわあ。
獲物を見つけたハイエナの眼してやがる。怖っ。
「あ、その…ペアは、俺とシャル…シャルルで組む事になったんだ!申し訳ないけど…」
「そ、そうなんだよ!あははは…」
これでもう追いかけられることは無いだろう。
「そうなの?」
「なら仕方ないかー…」
「でも男子同士のペア…妄想が捗るわ!」
「そういえば茅野君は?」
え?
「織斑君とデュノア君が組むなら…」
「茅野君は残ってる…」
え?は?何で?
何で俺がターゲットに入ってんの?
目当てはこいつら二人だろ?
「ちょ、ちょっと待て、考え直そうぜ女子の皆さん。俺みたいなのと組んで本当にいいのか?」
そうだ。誰がこんな眼鏡オタク野郎と組みたがるものか。
さあ皆、声を合わせて、組みたくないと一言。
「「「「「「組みたいです!」」」」」」
神は死んだ。
どうする俺。この絶望的な状況を打破するには…
1、 実は一人で出ると言う。
2、 適当な人をペアに選ぶ。
3、 この場で女子をドン引きさせる何かをする。
3はまず駄目だ。
リスクが高すぎる。
1は…正直できる気がしない。
流石に二対一で来られたら対処できませんですハイ。
となると2だが…誰かいるか?
今の俺とそこまで仲が悪くない人…うーん…
ハッ!
「え、えーと…悪いが、ボーデヴィッヒさんと組もうと思ってるんだ。悪いな」
「え、そうなの?」
「意外だねー」
よし。乗り切ったな。多分。
「な、なあ咲…あいつと組むのか?」
「あんな事があったばかりなのに…」
「話してみれば意外と良い子だぞ?」
とりあえず教室に戻るか。
出席簿だけは回避しないとな。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「私と…?」
「ああ、今の所誰とも組んでないみたいだし、どうだ?」
「ふむ…」
授業後、ボーデヴィッヒさんにペアの件を持ちかけた。
ちょっと考えてるな…
よし。
「今ならこのお菓子もついてk」
「いいだろう」
反応はやっ。
「はむっ………これは何という物だ?」
「どら焼きっつー和菓子だ。お味は?」
「む…悪くない」
やっぱ自分の作った物を褒められるのは気分が良いな。
それもこんな美少女に。
「んじゃまあ、組むからには優勝目指すって事で」
「ふっ、私の足を引っ張るなよ?」
やだこの構図良い。
まさに青春。
いいねいいねぇ。
ボーデヴィッヒさんと別れたしばらく後、織斑、デュノアと共にアリーナへ向かう。
「今日は凰とオルコットも一緒なんだよな?」
「ああ。たまには他の専用機持ちとも戦わないとな」
向上心があって大いによろしい。
それにしても…
「…なんか騒がしくねえか?」
「言われてみれば…」
俺達が向かってる方向から聞こえる気がする。
ペロ…これは、トラブルの予感!
「アリーナで代表候補生同士の模擬戦やってるって!」
「行こ行こ!」
……
「案の定か…!」
「とにかく行こう!」
「うああっ!」
「きゃあっ!」
アリーナでは、一方的な戦いが繰り広げられていた。
ワイヤーで二人の機体を締め上げているのは…
「この程度で私と同じ第三世代を名乗るとは…笑わせてくれるな」
ラウラ・ボーデヴィッヒとそのIS、シュヴァルツェア・レーゲンであった。
「くっ…いいからさっきの訂正しなさいよ…誰が種馬ですって…?」
「私達だけならともかく、一夏さんまで貶すなんて…」
「あいつ…鈴とセシリアを…!」
「模擬戦とはいえやりすぎだよ!何とか止めないと…」
止めるとは言っても…
アリーナにはシールドが張られていて入れない…入れない?
「この程度なら普通に入れるな。織斑、デュノア、IS展開しとけ」
「分かった!」
「えっ?!」
「いいから展開!はよ!」
もう形振り構っていられない。
ドライバーを腰に装着し、
「久々に二人で行くぜ、ジャーヴィス!」
『畏まりました』
【Zone! Joker!】
【Zone! Maximum Drive!】
展開を終えた二人を掴んで、アリーナの中へ瞬間移動する。
まだ気付かれてはいないな。
「うし、とりあえずデュノアと織斑は二人をどうにかしてやってくれ」
「咲は一人でどうするんだよ?」
「説得を試みる」
倒せる自信なんてサラサラ無い。
お話あるのみだ。
瞬間移動で近づき、
「俺の話を聞けえええええ!」
「っ!」
どこの虎&龍だと自分に突っ込みを入れつつ放った蹴りは一応命中した。
ダメージは一切入っていないが。
「茅野咲…邪魔をするのなら容赦はしないぞ?」
右肩の大型レールカノンを向けながら話しかけてくる。
正直怖いです。ええ。
「邪魔する気なんぞさらさらないさ。ただ…」
「なんだ」
「これ以上続けるんだったら、もう菓子はやらんぞ」
「!」
おお、あからさまに戸惑っておる。
愉快愉快。ここまで心を掴めるとは。
「そ、その程度で私が止まると…」
ああ思ってないさ。だからこれは時間稼ぎだ。
気を逸らし、その隙に織斑とデュノアが二人を連れて行ってくれた。
よって俺がすることはあと一つ。
「俺は止められないが、あんたなら止められるだろ?先生」
「呼び出されて何かと思えば…」
アリーナ入口から、織斑先生が歩いてきた。
ジャーヴィスに呼ばせといて正解だったな。
「きょ、教官…」
「模擬戦をやるのは構わんが、国の所有物である専用機を壊されては、黙っていられない。この決着は学年別トーナメントで決めろ。いいな?」
「教官が、そう仰るなら…」
とりあえず何とかなったようで一安心だ。
ていうか壊れてたのね。
学年別トーナメントまで私闘を禁止され、その場は解散となった。
凰とオルコットのISは、ダメージを受けすぎたとかで参加できなくなったらしい。
ドンマイだな。
「悔しいですわ…」
「一夏!アンタ絶対勝ちなさいよ!負けたら承知しないんだから!」
「努力はする…」
「俺には応援無しですかそうですか」
「も、もちろん咲も勝つのよ!」
「俺のペアはボーデヴィッヒさんやぞ?」
「「え」」
色々と文句を言われつつ、夕日が沈んで行った。
箒の出番が無い…
なんとかしなければ。
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