IS×仮面ライダー AtoZの所持者   作:GENERAL

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ここ数日、風邪ひいて寝込んでおりました。
皆さんも体調にはお気をつけて。


第二十五話 でかいのが来た

合宿二日目の朝。

織斑より早く目が覚めた。

結局昨日はほとぼりが冷めるまで温泉に浸かっていた為、若干寝不足だ。

 

「ふあぁ…ねっむ」

 

『お早う御座います、ご主人様』

 

「ん、お早う」

 

部屋に戻ってきた時には織斑は既に眠っていた。

こりゃ当分起きそうにないな。

 

「…まぁ遅刻は自己責任だ。許せ織斑」

 

さっさと身支度を終え、部屋を出る。

依然眠りっぱなしの織斑はまぁ…昨日の公開処刑に対する八つ当たりだ。

オレワルクナイ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれほど遅刻はするなと言った筈だが?」

 

「い、いや、咲が起こしてくれなくて…」

 

「責任転嫁してんじゃねーよ阿呆」

 

今俺達が立っている場所は、四方をまないt…切り立った崖に囲まれたIS試験用のビーチである。

今日は午前中から夜までぶっ続けで、ここでISの装備の試験運用をするらしい。

何でも専用機持ちは大量の装備を送られてくるらしいが、俺には関係の無い話だ。

 

「まぁ良い、これより今回の目的である、ISの装備試験を行う。各班振り分けられたISを使うように。専用機持ちは各自専用パーツが送られてきているので、そのテストだ。各自迅速に行え」

 

一年生全員が一斉に返事をする。

さすがにこの大きさは耳が痛い。

女子達は何ともないのだろうか?それとも俺が貧弱なだけか。

 

 

その後は専用機持ちとその他に分かれ、作業を始める。

何故か篠ノ之がこちら側に居るが。

 

「そういや先生、俺は何も送られて来てないんですけど」

 

「ああ、それなら恐らく…」

 

…嫌な予感がする。

 

「ち~~~~~~い~~~~~~ちゃ~~~~~~~ん!!!」

 

向こうから聞き慣れた声と共に、何かが走ってくる。

 

『時速80kmは出ていると思われます』

 

「ホントオーバースペックだよな…人として」

 

急ブレーキをかけて止まったそれは、メカニカルなウサ耳を着けた天災博士にして、転生した俺を拾って育てた(?)張本人、篠ノ之束その人であった。

 

「やーやーちーちゃん久しぶり!あ、いっくんと箒ちゃんも久しぶり!」

 

「は、はぁ…どうも」

 

「…」

 

織斑は戸惑いつつも返事をしたが、篠ノ之は…まぁ仕方あるまい。

 

「そしてさっくん!昨日は随分手荒い歓迎だったね!」

 

「うっせえ帰れ、何しに来やがった」

 

こいつが来たという事はまぁ色々と面倒な事になるのだろう。

頭が痛い。

織斑先生も頭を抱えていた。

 

「まーまーそう言わないで、とりあえず上をご覧あれ!」

 

近くで固まっていた生徒達も、その言葉につられて上を見る…

 

……何かが降って来てないか?

 

「…おい、束」

 

「ん?何かなさっ…く、ん?どうして束さんの襟を掴んでるのかなー…?」

 

『あの物体はご主人様の左斜め前5mに落下してくると予想されます』

 

「了解」

 

その落下予想地点に束を……

 

「シュウウウウウウウウッッ!!!」

 

「ちょっ…」

 

ズドオオオォォン!!

 

放り投げた束の丁度真上に落ちてきた物体は、何やら幾何学的な形の箱?だった。

超エキサイティン。

 

「全くもう…相手のゴール以外にシュートするのはルール的に駄目だよさっくん」

 

「あれ受け止めてしれっとしてるお前の方が駄目だろ。人として」

 

若干体に砂が付いて汚れてはいるものの無傷な束を見て、全員仲良く口を開けていた。

俺は最早慣れた。

 

「んで?それは何だ」

 

「よくぞ聞いてくれました!という訳で御開帳~~!」

 

正面の部分が開くと、そこには真紅の装甲に身を包んだISが佇んでいた。

…どうせ篠ノ之の専用機だろう。このシスコンめ。

 

 

 

その後はこの機体、紅椿についての説明を話す束を眺めていた。

何だよ第四世代って。頑張りすぎだよお姉ちゃん。

しかも全スペックが現行ISを上回るとか、もうこいつだけで良いじゃん。

乗る奴にもよるだろうけど。

 

「え、えっと…織斑先生?この方は…」

 

狼狽えながらも質問をする山田先生。

そういや昨日は何も話してない気がする。

 

「…篠ノ之束だ。IS開発者の、な」

 

あちこちからどよめく声が聞こえる。まぁ普通こうなるだろう。

一応この世界の頂点みたいな存在だしな。

 

「じゃあ茅野君とはどういう関係なの?」

 

「それに織斑君も…」

 

「俺は箒が幼馴染だからで…」

 

「俺はまぁ…一応コイツが親代わり?って感じかね」

 

「親代わりって…」

 

「まぁ気にしないでくれ。色々複雑なんだ」

 

俺がそう言うと、納得のいかなそうな顔ではあるが一応それ以上追及してこなくなった。

深く詮索されると面倒だし、これでいいだろう。

 

「さあさあ箒ちゃん!フィッティングとパーソナライズを始めようか!」

 

「…お願いします」

 

「むー…もっと妹っぽく話してくれてもいいのに…お姉ちゃん❤とか」

 

「…」

 

「さっく~ん、無視されちゃった~」

 

「原因はお前だろうが。てか俺に振るな」

 

コイツの性格は大分矯正した筈なんだが…まだ甘かったか。

と言うかそもそも篠ノ之の束に対する評価が低すぎる。

こればっかりは俺が来る前からの話だし、どうしようもない。

 

「あのISって…身内だから貰えるの?」

 

「なんかズルくない?」

 

「おや?歴史の勉強をしたことが無いのかな?有史以来、世界が平等であったことな【Violence!】…オーケイさっくん、束さんが悪かった。その手を下ろしてくれたまえ」

 

分かればよろしい。

その辺の人に暴言、もしくはラボに居る時に人を見下す発言をした場合はお仕置きをする事になっている。

ジャーヴィスに手伝って貰った事も一度や二度ではない。

 

「よーし終わりっと。また世界を縮めちゃったよ。流石束さんだね」

 

何をしていたのかはサッパリだが、とりあえず終わったらしい。

後は放置すればパーソナライズも終わるそうだ。

 

「さて…いっくん、白式を見せてくれるかな?」

 

「え?…わ、分かりました」

 

いきなり話しかけられて一瞬戸惑っていたが、直ぐに織斑は白式を展開する。

大分展開が速くなったな。俺もその気になればもうちょっとは速くできるけど。

 

「それじゃ失敬……ふむふむなるほどデッテイウ…」

 

何やらぶつぶつと呟きながら、空中に投影された白式のデータと思しきディスプレイを眺める束。

ここだけ見てりゃちゃんと博士なんだがなぁ…

 

「う~ん…どうも不思議と言うか不自然と言うか…まぁ色々面白いことになってるね!ほい、終わり!もう解除していいよ~」

 

「は、はぁ…」

 

「もうちょっと説明してやれよ…」

 

「だっていっくん頭悪いじゃん。多分説明しても頭の上にクエスチョンマークだよ?」

 

「ぐはっ…」

 

「一夏―!?」

 

あまり性格を変えることはできなかったようだが、こうやって身内にもズバッと言えるようになったのは成長と言えるだろう。

今まで束はこいつらに対して甘すぎたんだ。

織斑の場合は先生の厳しさでバランスが取れていたような気もするが。

 

「さてさて…まだ時間はかかりそうだね。さっくん!」

 

「んだよ?」

 

「突然だけど…これまでの感謝の気持ちを込めて、プレゼントをあげちゃおう!えーと確かこの辺に…」

 

本当にいきなりだな。

そしてごそごそとポケットを漁る束。

どこの猫型ロボットだよ。

 

「おーあったあった!はいコレ!」

 

「……何コレ」

 

「珍百景…じゃなくて見ての通り、新しいISだよ!ちょっと…っていうかかなり特殊なタイプだけどね」

 

そう言って何の脈略も無く差し出されたのは、黒色をベースに、銀色のラインと赤色の細長い楕円でWの顔を模したような大きめのブレスレット…いやそんなモンじゃないな。手首から肘までの半分程度は覆えそうなガントレットだ。

白式の待機形態もガントレットだが、それより一回りか二回り程度大きい。

でもこのデザインは嫌いじゃないわ。むしろ好きだ。

 

「随分と大きいな…ってか俺もうISは…」

 

「だから特殊なタイプなんだってば。ささ、早く展開して見せてよ!束さん作ってこの状態にしてずっと見ないでおいたんだから!」

 

「お、おう…」

 

そんなに自信作なんだろうか?

にしても新しいIS…まさかアクセルドライバーとか?

いやあれはロストドライバーで代用できたし…

他にこいつに話した事なんてあったっけ…?

 

『とりあえずやってみましょう。私も気になります』

 

「千反田さんはお帰り下さい…よっと」

 

左腕に嵌めると、俺の腕のサイズに合わせて収縮して、ピッタリと固定された。

だが全く邪魔にならない。熱が籠るようなことも無いようだ。便利。

 

「あ、展開はなるべく広い所で…ほらそこの子達、退いた退いた」

 

束に言われた通りに場所を開ける女子達。

申し訳ない。

 

「うっし…展開!」

 

このISのイメージも分からないので、とりあえず腕を掲げて叫ぶ。

ガントレットは粒子になり、目の前の空間に…特殊ってのはこういう事か?

とにかく目の前の空間に形が見えていく。

横幅も縦幅も…いや奥行きの方がさらに…?

 

「ちょ、ちょっと待て…いくらなんでも大きすぎやしないか?」

 

見た感じ戦車よりも大きいぞコレ。

一体どんなモノなのかと固唾を飲んで見守るうちに、完全に姿を現した。

こ、これは……

 

「……うっそお……」

 

「な、何これ…」

 

「これは…ISと呼んで良いんですの…?」

 

専用機持ち達が次々と感想を述べていくが、俺は声も出ない。

だってコレは…

コレは…

 

 

 

 

 

 

 

「どう見てもリボルギャリーじゃん…」

 

 

 

 

 

 

 

そう、仮面ライダーW本編にて、鳴海探偵事務所地下のガレージに格納されていた巨大ビークルマシン、リボルギャリーだった。

そういえば前に一度だけ話したような…

ちなみに三種のユニットはきちんと揃っていたが、話すのを忘れていた為かガンナーAは見当たらなかった。まぁそのうち作って貰うとして…

 

「…束、一つ聞かせて貰おう…」

 

「なんだいなんだい?」

 

「この中身…入ってるんだな?」

 

「そりゃあ勿論!ほら、ハッチオープン!」

 

正面部分のハッチが開くと中には一台のバイク、ハードボイルダーが格納されていた。

何て言うか…これはもう…

 

「…生きてて良かった…」

 

「咲!?泣いてんのか!?」

 

長年の夢が叶った嬉しさのあまり、眼からは自然に涙が出てきていた。

ああ、視界が歪む…

 

「束…オメガグッジョブ…」

 

「こ、ここまで喜んでくれるとは…製作者冥利に尽きるよ」

 

泣きながらサムズアップをする俺に若干束は引いていたがそんな事はどうでも良い。

バイクだバイク。前世では金が足りず、今世では年齢が足りず乗れなかったが、これがISならば話は別だ。好きなだけ乗れるという事になる。やったぜ。

 

「さて、箒ちゃ~ん、そろそろ…」

 

「あぁ…ここは天国か…」

 

「おーい、戻ってこーい」

 

織斑の声は完全にスルーし、しばらくの間涙を流し続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

さて。

未だに感動は冷めないがそれは置いておいて、このIS…もといリボルギャリーの性能を確かめてみる。

ただこいつはここで動かすには大きすぎるので、ハードボイルダーだけだ。

 

「さっくんはバイクの運転方法知らないだろうから、イメージインターフェイスで動く様にしておいたよー。というか一応第三世代のISだしね。それ」

 

「りょーかい。それじゃ早速…」

 

マシンに跨り、前に進む様にイメージする。

それだけでかなりのスピードで走りだした。

曲がるのにはちょっと苦労したが、普通にできる。

 

「おぉ、速い速い。砂地だから若干走りづらいけど」

 

それでも普通のバイクよりはよっぽど速いだろう。

確か設定上の最高時速は580kmだった筈だ。

…アイツの事だ。そこまできっちり再現してくれているだろう。

 

 

 

 

 

更にその後は、後部のユニットを交換して猛スピードで走ったり、空を飛んだり海を渡ったりした結果、

 

「「「「「それバイクって呼んで良いのか」」」」」

 

と、口を揃えて言われたりしたのはまぁ、仕方ないね。

全ては設定という名の神の意志のままに。

 




束さん久々に登場です。
リボルギャリーはどうしても出したかったんや…

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