今回もほとんどテンプレ展開です。
「突然だが、クラス代表を決めたいと思う」
四時間目が始まって早々に、織斑先生がそう言った。
「まぁ学級委員みたいなものだが、選ばれた者にはクラス代表戦で戦ってもらったり、その他色々な仕事をやってもらう。自薦他薦は問わないが、推薦されたものに拒否権は無いからそのつもりでいろ」
いきなりすっげえこと言い出したよこの人。
当然俺はやりたくない。クラス代表戦はまだ良いが、その後の色々な仕事とやらが非常に面倒臭そうだからである。
よって俺のやることはただ一つ。
「ハーイ、織斑君がいいと思いまーす」
「咲!俺を売るのか?」
はてなんのことやら。
「私も織斑君がいいと思いまーす!」
「私もー!」
他の奴らも賛成してくれた。よしよしこのままいけば…
「じゃあ俺は咲を推薦する!」
「なん…だと…?」
盲点だったな…まさかこいつが意見を出すとは…
キングオブバカのくせに…
「なんかすっげえ馬鹿にされてる気がするんだが…」
ハテナンノコトヤラ。
二人でやいのやいのやっていると、一人の女生徒が立ち上がった。
「納得いきませんわ!」
ええと、セシリア・オルコットだったっけ?
ぶっちゃけ俺以外だったら誰でも構わん。
自分がなりたいなら自薦すれば良いだろう。
「男がクラス代表だなんて御免ですわ!大体、こんな実力もないぽっと出の人間に任せるなど、…」
ぽっと出とかよく知ってんなあいつ。
などと考えながらオルコットの演説(笑)を聞いていると、最初は男を蔑む発言を繰り返すだけだった。そこはまだいいだろう。女尊男卑のこの世の中、男を下に見ない女性の方が希少である。
が、だんだん日本を馬鹿にする発言が増えてきた。
曰く文化は後進的だの、野蛮な人間が多いだの。
『ISを開発した束は日本出身なんですがそれは』
『言わないでおきましょう。その方が面白そうです』
『お主も悪よのう』
『恐縮で御座います』
二人で脳内漫才をやっていると、織斑が立ち上がった。
さあ何て返すのかな?
「さっきから随分言ってくれるじゃねえか。大体、ISを作ったのだって日本人だし、イギリスだって文化は先進的とは言えないだろ?不味い料理で何年一位だよ」
「なっ…あ、あなた、わたくしの祖国を侮辱しますの?」
「先に日本馬鹿にしてきたのはそっちだろ?」
あーあー言っちゃったよあいつ。
とりあえず五月蠅いのは嫌いなので、
「セシリア・オルコット。しゃらっぷ」
「……!!……!?」
あ、さっきのメモリしまうの忘れてた。まあいいや。
まるで声が出なくなったかのようなオルコットはスルーしておくとして、
「お前ら二人とも言いすぎ。お互いの事をよく知らないくせに馬鹿にするのは良くない」
本物を見ずにそうと決めつけるのは良くないことだ。
百聞は一見に如かずって言うだろ?
「あ、ああ…分かったよ…」
馬鹿だが物分りはいいな」
「口に出てるぞ!?」
「先生、この件は勝負で決めたいのですが、よろしいですか?」
丁寧に話す俺マジ紳士。
「ふむ…分かった。一週間後、アリーナで試合を行う。勝った者をクラス代表とする。それでいいな、三人とも。」
「「はい」」
「オルコット、返事は?」
やべっ。解除すんの忘れてた。
あわててメモリをしまう。
「くっ…分かりましたわ」
「よし、では授業に入る。準備しろ」
こうして、クラス代表決定戦の火蓋が切って落とされたのだった。
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「なあ咲、さっきも聞きかけたけど、あいつどうやって黙らせたんだ?」
昼休みになると、織斑が訪ねてきた。まぁこいつになら喋ってもいいだろう。
「俺の専用機の能力の一つ的な?まだまだあるから楽しみにしとけ」
「えっ、専用機!?もう持ってんのか?」
「まあな~」
若干ドヤ顔をしつつ答える。おお、イラついとる。
愉悦愉悦。
って、やってる場合じゃなかったな。
今は昼休みだった。
「とりあえず飯食いに行くぞ。食堂の場所は分かるか?」
「俺そこまで馬鹿じゃないからな?食堂の場所くらい知っとるわ!」
チッ。途中で逃げて迷子にしてやろうと思ったのに。
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「「つ、疲れた…」」
まさかあんなに質問攻めにあうとは思っていなかった。
おかげでたまたま一緒になった(ように見せかけようと頑張っていた)篠ノ之さんはむくれてたし。
「なぁ、咲…」
「なんだよ…」
「俺、この先やっていけるかなぁ…?」
「…俺に質問するな」
某振り切る系警視っぽく言ってみたが、正直自信がなかった。
女子力って怖いね。
今日は初日ということで、午後の授業は無く、帰らされた…が、山田先生に引き留められた。
「あ、織斑君、茅野君、待ってくださ~い!」
走ってこっちに向かってくる先生…あわてて二人とも目を逸らした。
あれは兵器だ。主に鼻への攻撃に特化したやつ。
何がとは言わない。
「どうかしたんですか?」
「え、えっとですね…二人の部屋が決まりました!」
「「え?」」
「確か俺たちの部屋はまだ決まってないから、一週間は自宅から通うことになってたはずですけど…」
「どうにか部屋割りを変えたのだ」
…いつの間に後ろに立ってたんですか織斑先生。
「自宅から通学するのは疲れるだろうと思ってな。織斑の荷物は私が持ってきてある。着替えと携帯電話の充電器があれば十分だろう?」
「いや千冬姉…」
「織斑先生、だ」
有無を言わさず出席簿で叩かれていた。理不尽。
ってか、あれ?
「先生、俺の荷物はどうなってるんです?」
「ああ、それなら寮に届いている。差出人は不明だったがな」
絶対あいつの仕業だな…
「そんな怪しい物よく受理されましたね」
「中身をスキャンしたが、怪しい物は入っていなかったからな」
プライバシーってなんだろうね?
「ええっと、これが二人のお部屋の鍵になります。失くさないようにしてくださいね?」
「「分かりました」」
部屋の番号は二人とも同じ…良かった。風呂上がりのあられもない姿を見られる不運な女の子はいなかったんだね。
「じゃあ二人とも、寄り道などせずに帰ってくださいね。あ、お風呂に入りたいときは、備え付けのシャワーを使ってくださいね?」
「えっ、大浴場は使えないんですか?」
「織斑、お前馬鹿な上に変態だったのな」
「お。織斑君、女子と一緒にお風呂に入りたいんですか?」
「いっいえ!入りたくないです!」
「それはそれで変態じゃねーかこのホモめ」
色々あったが、とりあえず寮に向かうことにした。
戦闘パートはもうしばらく先になりそうです…