第01話 私たち、僕たち、島ヶ原兄妹。
~神戸の港側街~
ミーンミーンミーン……
蝉が鳴く季節。今日の最高気温は朝のニュースで36°cを越える見込みと言っていた。
家の外は陽炎がゆらゆらと揺れている。こんな日はアイスを片手にMy Tubeの動画観賞で1日を潰す。
俺こと"島ヶ原勇気"は現在高校2年の""""男子""""だ。……もう一度言っておく。男子だ。
夏休みは折り返し地点。既に夏の課題も終わったし...今日は部活も無いし......彼女もいない。する事が無い。
ドタドタドタドタ……
あぁ、やって来た。デカ物脳筋アホ妹が。全く……もう少し落ち着いて廊下を歩けないのか。
ガチャ!!!
「お兄ちゃん!!!」
ドアの開く音の後に聞き慣れた声。
「ノックもせずに部屋に入ってくるとか……バカなの?」
「うぅ、ごめんなさい。」
「で?何しに来たの?」
「それは勿論お兄ちゃんを愛でる為に決まってるじゃん!!」
それを言い終わると同時に妹である"奈美"が俺の寝転んでいるベッドにルパンダイブしてきた流れで抱きついてくる。
初めは恥ずかしくて抵抗してたけれど今はもう面倒臭くなって抵抗しない。流石に人前では遠慮願いたいが。あっ、でも別に恥ずかしいだけで嫌では無いって言うか...その.........
ブシュー
「あわわ、お兄ちゃん。いきなり頭から煙が出たと思ったら顔真っ赤だよ?もしかしてさぁお兄ちゃん。」
「………」
「実は嬉しかったりするの?」ニヤァ
「ッ!!………」
「アハハ!!図星?可愛いなぁお兄ちゃん」
奈美はショートカットに切られた髪を揺らして笑う。
奈美は双子であり妹。俺の方が少しだけ産まれた時間が早い。のに。のに。.....身長は俺が159cmで奈美が175cm。何故だ。
まぁ身長にどやかく言っても今更もう遅いことはわかっている。それに二十歳までは身長が伸びる。だから毎日朝の牛乳とチーズは欠かさない。
「またMy Tube見てるの?もぅ、不健康だよ?外行こうよ」
「いいの、部活で外出てるから」
「あっ、そうそう。この前の県大会かっこ良かったよ♪」
「そりゃどうも。」
「だからさ」
奈美が顔を近づける。互いの吐息が感じられる程に。
「映画行きたい。」
「いいけど、なに見んの?」
「う~ん、"流石に剣心"は?」
「おk、決まりね着替えるから待っててくれ」
「うん」ジーー
奈美は着替えるからと説明したのに部屋から出ていこうとせずにこっちを見ている。
「いや、着替えるから部屋から出てってくれ」
「気にしなくて良いよ」
「いや、俺が気になんの」
「えぇ~お兄ちゃんの生着替え~」
「良いから出てけ」
奈美を少々強引に部屋から摘まみ出す。ちょっと痛かったかな?後で謝っとこ。
勇気が妹に懺悔の感情を抱いた瞬間。窓から妹の視線を感じてその感情は一瞬で憤怒に変わったとさ。
今回は説明回です。