ラブライブ~そのまんま美女と野獣~   作:濁酒三十六

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μ'sサイドよりQPサイドの方が台詞が書きやすいっす。


友と語るは恋話

 今日もまた授業が終わって放課後…。μ'sのメンバーは校舎の屋上でいつも通りラブライブの地区予選に向けてレッスンをしていた。

 筋トレをしてダンスレッスン…、その後は部室に戻り発声練習に音程練習と時間ギリギリのメニューを皆が毎日極していた。

 そんな中でも絢瀬絵里はレッスンは頑張るものの休憩中は溜め息が多く、他のメンバーはかなり勘ぐっていた。

 

「絵里ちゃん、最近溜め息多いニャ~。」

「そうよね…、この前、石田さんと抜け駆けした日からあんな状態よね?」

「うう、絵里ちゃんもとうとう石田さんと…“交際”…、スッ、スキャンダラスです!!」

 

 屋上でのレッスンの小休止中に花陽の深読みした発言を聞いた凛と真姫が“ええっ!?”と声を上げる。絵里は少し離れた場所で一年組がキャイキャイと弾む会話に聞き耳を立て、その内容に苦笑いを見せた。

 

「…で、実際の所はどうなんエリチ?」

 

 隣に座っていた希が事の真相を尋ねるが、二人の前に仁王立ちで現れた穂乃果が不敵に笑った。

 

「フッフッフッ…、“フ”が3つ。」

 

 絵里と希は冷めた眼差しで無言のまま穂乃果を見上げた。

 

「………はいっ、くだらない事言ってごめんなさい。」

 

 絵里はもう穂乃果が何を言いたいのかを理解し、先回りをしてやった。

 

「小鳥さんからの告白の件でしょ?

もう…雪穂ちゃんも口が軽いわ、あれだけ“聞いてません”て豪語してたのに。」

「くあ~っ、絵里ちゃん其処は素知らぬ顔をして“な~に穂乃果?”って聞いてよ!

私の立場がないではないのよ!?」

 

 穂乃果は頭を抱え体を捩らせるが、絵里はやはり冷たい視線のまま穂乃果を否定…バッサリ斬り捨てた。

 

「そんなモノはどうでもいいわよ!」

 

 “グハアッ!”と悲鳴を上げて倒れ転げる穂乃果はヨヨヨヨ…と涙を流して捨て台詞を呟いた。

 

「おのれ絵里ちゃん、無念でござる…ガクッ。」

 

 しかし絵里は既に穂乃果を無視して希に小鳥との事を話し出す。

 

「彼…、私とμ'sの事気にしてくれてて会っても告白の件に触れないの。

“付き合ってくれ”まで言わせてしまったのは私だけど、正直返答に困ってる…。」

「ええやん、待たせておけばいいのよ。」

「でも一月末には“帰る”って言っていたし…。」

「別に遠い所って訳でもないんでしょ、それに携帯番号知ってるんだし、問題ないって。」

 

 恋の相談を希と交わす絵里。その二人を寝ながら見つめる穂乃果はやはり涙を流して悔しがる。

 

「ふえ~う、私もコイバナしたいよ~。」

 

 しかし彼女の傍らに海未とことりが腰を下ろし、彼女に諦める様施した。

 

「貴女では絵里の相談には乗れませんよ、穂乃果。」

「そうだね、希ちゃんは絵里ちゃんの親友だし…、何より“彼氏持ち”!」

「この差は縮まらないですね。」

「縮まらないね。」

「二人共冷たい、私も彼氏ほしーーーい!」

 

 穂乃果は仰向けになって暮れ始めた寒空に叫び、それを聞いたμ's達一同が同調したかの様に同じ事を思った。

 

“絶対に無理っ!!”

 

 夕暮れは赤く、その空をカラスが三羽…カアカアと鳴きながら飛んでいた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 空は暗く、ガソリンスタンドに入場してくる車両も少なくなくなったので石田小鳥は仕事の雑用をセッセと極す。…すると一台の大型バイクが入って来てその客が彼の名前を大きな声で呼んだ。

 

「よおお、ブサイクな小鳥君、シッカリと市民様方に奉仕してるか!?」

「うるせえぞ“ツネ”、俺の仕事場で大声上げんな!」

 

 小鳥に怒られた客…奈良岡常吉はそんな事は気にも止めずにヘルメットを脱ぎ、ガハハと笑いながらチョイチョイと“おいでおいで”をして小鳥を呼びつけた。小鳥は怖面をムッツリとさせて常吉のバイクにガソリンを入れ始める。

 

「秀虎さんから聞いたぜ、JKのお知り合いが一杯出来たってな。

…もしかして、いややっぱり“入れ食い”か入れ食いなのか、なんだよな!?」

 

 親友の下品な言葉に小鳥は彼の頭に拳骨を叩き込んだ。“ゴツリ”と鈍い音と同時に常吉は頭を抱えてうずくまった。

 

「って~、この野郎本気でやりやがったな~!」

「テメエがお下劣な事言うからだ馬鹿!」

「既に顔がお下劣なテメエが言うか馬鹿!」

「んだとコラッ!!」

「やんのかクラアッ!!」

 

 二人が胸倉を掴み合い、他のスタンドスタッフ達が止めに入る。彼…奈良岡常吉が此処に来ると直ぐに取っ組み合いの喧嘩になるのだが、スタッフ達はこの二人が親友である事を知っているので問題にはしないでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 常吉は小鳥の仕事が終わるまで待ち、二人で安値の大衆酒場へ行き、夕食とした。座席を選び向き合ってビールと料理を注文…テーブルに品が揃うと小鳥は常吉のジョッキにビールを注ぎ、常吉も瓶を小鳥から預かりビールをジョッキに注いだ。そしてスタンドの時とは打って変わり、笑顔で乾杯をして互いにビールを飲み干した。

 

「カーー、うめえ。やっぱ酒とビールはダチと一緒に飲むのが一番だぜ、そうだよな小鳥。」

「あぁ、そうだなツネ。」

 

 お互いのインスピレーションが合い、気分を良くする二人。そして始まる思い出話から今の話~そして軽い陰口にお褒めのお話と尽きずに盛り上がり、酔いが回り始めた頃に小鳥は思わず色恋沙汰の話を出してしまった。

 

「ツネ、お前今付き合ってる女いるか?」

「んだよ藪から棒に、いねえよ今はな。」

「…つう事は前はいたのか?」

 

 小鳥が更に聞き返すと常吉は少し眉を寄せてビールを注ぎなおして一息に飲んだ。

 

「チッ、つまらねー事思い出させやがって…。前はいたけど何処ぞの坊ちゃんに寝取られたよ!」

 

 苛立ち気味に答えた常吉に小鳥は表情を曇らせて残りのビールを飲んで新たに注ぎ、常吉の空のジョッキにも

注いだ。

 

「そっか、変な事聞いて悪かった。」

「そういうお前はどうなんだ、仲良しのJKで良いのでも見つけたのかよ?」

 

 すると小鳥は神妙な顔付きで頭を縦に振った。

 

「…マジか!?」

「おう、然もこの前告った。」

「何だとうっ!?」

 

 二人して暫し沈黙し、時間が過ぎる。先に口を開いたのは常吉だった。

 

「…そんで玉砕したか?」

「分からねえ…。

最初は俺の気持ちを伝えるだけのつもりだったんだが、我慢出来ず“付き合ってくれ”まで…言っちまった。返事はまだ聞いてねえ。」

 

 其処で小鳥は常吉がかなり驚いている事に気付いた。

 

「・・・・玉砕…じゃねえの?」

「まだ聞いてねえってんだろ。」

「どんなJK…つうか女?」

 

 小鳥は常吉にトオル達が秋葉原に来た日に買った“彼女”のプロマイドを出して見せた。…すると常吉はその写真を見るや絶句、そして深く長い溜め息を吐いた。

 

「は~あ~あ~ぁ~、お前…冗談も程々にしろよ。

コレ今巷で有名なスクールアイドルμ'sの絢瀬絵里じゃねえか。」

「あぁ、絢瀬絵里だ。」

「μ'sっつったら名門女子校の音乃木坂学院じゃねえか。」

「そうだな。」

「お前前科持ちだろ。」

「絵里には全部話したぜ。」

 

 其処でまた常吉が言葉を失った。小鳥の目は真剣で色恋に関しては冗談が言える程経験もなければ異性に興味を持ったと云う話も聞かない。

 

(いや、幸三と結婚した彼女に高校時代片思いしてたらしかったな。)

 

 そんな小鳥が真剣な顔をして女子高生に告白をしたと言っている。何時もなら“ブサイク”とわざと怒らせてからかう常吉だったが、もし小鳥が本当に異性にアタックをかけているのなら、親友として応援をしてやりたかった。

 

 常吉は空になっていた小鳥のジョッキを見てビール瓶を持ち注ぎ、小鳥も瓶を受け取り常吉が飲み干したジョッキに注いだ。

 

「まぁ…小鳥よ、テメエなりに気張れや。応援すっからよ。」

「応、ありがとよ…ツネ。」

 

 それからも二人は食って飲んで、アルコールの入った常吉はバイクは運転出来ないので小鳥の部屋に泊めてもらったのであった。




希「エリチに言わせたい台詞~!」

にこ「ザンギと一緒に“ハラショー”!!」

絵里「…それ、言わせたい台詞と違う気がするわ。」

にこ「じゃあ、ダブルラリアット!」

絵里「イヤ!」

希「じゃあスクリューパイルドライバー!」

絵里「絶対イヤ、もうエリチカお家帰る!!」

希・にこ(言わせたわ♪♪)
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