ラブライブ~そのまんま美女と野獣~   作:濁酒三十六

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…スンマセン、凡そ半年休みました。そしてサブタイの通りで水着は次回です。


お前らさっさとプール行きやがれ!!

 石田小鳥と絢瀬絵里達ご一行は駅の改札口をくぐり…ホームで電車を待つ間、如何にもと言わんばかりの不協和音が流れていた。穂乃果は雪穂に完全に無視されて項垂れ、小鳥は小鳥で()()()()とはいえ絵里と水着姿でイチャイチャするのを楽しみにしていたのに穂乃果率いる石鹸軍団が彼の計画を台無しにしてしまったのだ。 デレ~ッと立ち尽くす小鳥の口からはなが~~い溜め息しか出ていなかった。

 

「もう、コレから行くのに一番の年上の人がそんなんじゃあ仕方ないじゃない。

もっとシャキッとしてよ!」

「・・・俺はキャベツじゃね~。」

 

 完全にダレてしまった一応の彼氏に対し絵里もピクリと青筋を立てて小鳥と向き合うと、ボスボスとその分厚い胸板を叩き始めた。

 

「もうっ、小鳥君のお馬鹿っ!!」

 

 その様子を見ていた凛、花陽、真姫は呆れ顔で両手を団扇にして振っていた。

 

「なんか暑いわね~、あの二人の周り~。」

「そうですね~、スキャンダラスなヌル空気ですね~。」

「凛、眠くなりそうニャ~。寝て良い?」

 

 そして絵里は何時の間にか眉間に皺を寄せた小鳥に両腕を掴まれて爪先が浮く程に吊され、右へ左へゆっくりブラブラと揺らされていた。

 

「こっ、小鳥くん、ゴメンナサイ降ろして…!?

何か本気で恥ずかしいから…っ!」

 

 しかし小鳥は降ろさず絵里はブラブラと揺らされ続けた。その間、自分のせいで情報が漏れたとして責任を感じションボリしている雪穂は亜里沙に励まされながら少し気持ちが軽くなっていた。

 

「ホントにごめん、お姉ちゃんに“盗み聴き”されてるのに気付いてれば釘は刺せたのに…。

その胸にっ!!」

 

 雪穂に睨まれ「ハウッ!?」と胸を押さえながら悲鳴を上げた。しかし穂乃果は悪あがきとも言える言い訳を雪穂に返す。

 

「だから誤解だって、私雪穂の電話盗み聴きなんてしてないよ~!

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()~。」

「嘘、お姉ちゃんが情報得られるの私からしかない筈だもん!」

 

 ちょっとムキになる雪穂だが、其処に見知らぬ男性が現れ穂乃果の方を見た。

 

()()()()()()()()()()!」

「おお、()()()()()()()!」

 

 穂乃果は見知らぬ筈の男性と阿云の呼吸で言葉を交わし、両手を上げてタッチをした。メンバーも妹達も何事かと注目するが小鳥は何故かその男を見て驚き、小鳥に吊された絵里は既にグッタリして項垂れる。その鼻に傷を持った男は彼…石田小鳥の親友である“奈良岡常吉”であった。

 

「何でツネが此処にいんだ!?」

 

 そう口にして小鳥はハッと思い出した事があった。そんな彼を余所に穂乃果と常吉が並び誰が聞いた訳もなく説明を始めた。

 

「ニュフフ…、実はこの人…奈良岡常吉さんは我が和菓子屋穂むらの大常連さんで、何と石田小鳥さんの大親友、更には温水プールの情報はこの人から頂きました~~~♪♪」

 

 穂乃果より大袈裟に紹介された常吉は小鳥にニヤリと笑いかけ、小鳥は悪友の笑みを見て冷や汗をかく。

 

「そしてこの俺は……、石田小鳥より温水プールの情報を聞いたのだ!

《おう、ツネ、やったぞ!!

絵里とプールでデートだ、コブが2つ程付いて来るが問題ねえぜ、この真冬に絵里の水着姿が見れるなんて俺あ“カホーモン”よお~っ!》

…以上が我が親友、石田小鳥君が語った本心ってヤツです。

ガハハハハ!」

 

 今…、石田小鳥は奈良岡常吉の嗤い顔を見て冷や汗をかいていた。穂乃果と常吉の暴露を聞いたメンバーと妹二人は彼を冷たい視線で見つめている。そして絵里は…。

 

「・・・取り敢えず離して。」

 

 真っ赤な顔をしながら一応の彼氏の手落ちに呆れていた。

 

「全く…、結局は小鳥君から漏れたんじゃない。

もう電車来るから、サッサと行きましょ。」

 

 恐らく今までで一番呆れられたであろう現状に、大親友の奈良岡常吉が石田小鳥の横に並び肘で小突いた。

 

「いいじゃねえか小鳥、女は一人じゃねえよ。」

「おい、何で俺が振られた風な言い方なんだよ?」

「あっ、時間の問題だろ?」

 

 いきなり小鳥が雄叫びを上げたかと思いきや、突然常吉と取っ組み合いの喧嘩を始めてしまった。

 

「テメエエエエッ、ぶっ殺してやるう!!」

「バアアロオオウ、お前だけ良い思いなんざこの俺が許さねええぜっ!!」

 

 ボカボカと殴り合いはしているが、イマイチ迫力はなく、結局は駅員に怒られて電車に乗ったのだった。只一人…園田海未は二人のジャレ合いがゴリラとハイエナの命の遣り取りに見えて悲鳴を上げていた。

 

「もう嫌です、二人共コワすぎます、こんな猛獣の方々と一緒にいたくありません!」

 

 発車した電車の中でもう一人のことりに泣きつきながらも本人達を前に罵詈雑言を浴びせ、仕舞には泣き疲れて南ことりの膝で寝てしまったのであった。

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