ラブライブ~そのまんま美女と野獣~   作:濁酒三十六

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プールと水着とイチャラブと…

 空は晴天、温水プール場はそこそこ人がいて程々の賑わいを見せていた。そして遠方よりタタタタタッと高坂穂乃果が走って来て広場にて急停止、青空に向けて右腕をビッと斜めに伸ばして指差した。

 

「冬だあっ!」

 

 続いて星空凛が走って来て穂乃果の左に並ぶ。

 

「温水プールにゃっ!」

 

 そして最後は東條希が走って来て凛の左に並んだ。

 

「μ’s活動初の漢祭りやああっ!!」

『何で希ちゃんがおるんニャアア!?』

 

 穂乃果と凛は希に声を揃えて大きく声を上げた。何故大阪弁に穂乃果まで語尾が“ニャア”なのかは分からないが…。希はクッと腰を回して二人を指差す。

 

「そこツッコミ違うよ、“何で漢祭りやねん”が正解やっ!」

『イヤイヤイヤイヤ。』

 

 穂乃果と凛は二人揃って拝み手を振って希のボケを流した。…とは言うもののμ’sメンバーは希も来ているかも知れない事は予想してはいた。なんと言っても彼女達は不思議な縁で結ばれた少女達である。どんなに離れようとしてもお互いに呼び合うのかも知れない。そんな風に奈良岡常吉には感じられた。

 

「…まるで俺達みたいじゃねえかい、なぁ小鳥…、秀虎さん?」

 

 しかし小鳥と…恐らくは希と一緒にプールに来ていた秀虎は不機嫌を露にして常吉に噛みつく。

 

「ツネ~、何キレイにまとめようとしてんだ。

その不思議な縁とやらの功労者のつもりか馬鹿タレッ!!」

 

 小鳥が罵声を飛ばす横で何時もはクールな秀虎が珍しく座り腰で項垂れ文句を垂れた。

 

「お前らな~、仕事の忙しい中で希と日にち合わせてながら今日やっとこさ来たんだぜ…。

何でそんな日にその他大勢連れてくんだよ、俺あもう悲しいぜ……。」

 

 秀虎は本気で落ち込んでしまっていた。彼は今日のスケジュールを温水プールだけでなく、その後のデートスケジュールもちゃんと色々考えて来ていたのである。そう、()()と…。小鳥と常吉はそんな秀虎をとても複雑な目で見つめる。

 

「ありゃあ確実に巫女さんを()()気でいたな。」

()()()()だけに頃合い見てたな。」

 

 そんな会話を上田秀虎は聞き逃さず、二人の顔面にマジパンチを叩き込んだ。常吉は鼻血を滴ながらこめかみに青筋を浮かび上がらせて秀虎を睨む。

 

「秀虎さ~ん、今のは痛すぎだぜ。鼻血が止まんねぞおっ!?」

 

 常吉は小鳥の仲間の中でも短気損気ならば上位をキープする程のバカである。そして珍しく秀虎も頭に血が昇っているのか常吉とガチでヤル気満々だ。

 

「常吉、お前上京して歳上への言葉遣いってヤツを忘れちまったみてえだな。

今から俺がシッカリと教生してやんぜ!!」

 

 何とまさかの二人が睨み合う形…一触即発となってしまった。μ’sメンバーも流石に怯えてしまい、海未はもう腰を抜かしてことりの腰にしがみついている。

 

「また、またケダモノが暴れ始めました~、ゴリラとハイエナとトラとかもうアニマルパニックにしかなりませんんん!!!」

 

 泣き叫ぶ海未を石田小鳥は傍らに来た絵里からちり紙を貰い鼻血を拭きながらぼやく。

 

「ゴリラは参加してね~んだけどな~。」

 

 絵里は自分でゴリラだとさりげなく認める小鳥に苦笑いをした。

 

「でも小鳥君、あの二人かなり危なくないかな?」

「あぁ、やっちまうならやらせた方が後腐れねえけど場所が場所だからな。」

 

 此処は温水プール場で様々な人達が遊びに来ている公共の場。此処で二人がタイマンなど始めたら周りに迷惑をかけるだけでなく小鳥達とμ’sは確実に追い出されて出入り禁止…最悪は警察沙汰である。

 小鳥は仕方ないと右肩を大きく回し、アニマルパニックに参加…もとい秀虎と常吉を説得しようとしたその時、小鳥は絵里の水着姿を見て固まってしまった。そして絵里もまた小鳥の半裸姿に釘付けとなってしまった。

 

「・・・・っ!?」

「あっ・・・・!?」

 

 絵里の純白なビキニ…、綺麗な金髪に青色瞳。バレエやアイドルのダンスで造られた括れた腰にしなやかで長い手足…。

 小鳥の傷だらけながらも引き締まった胸板に腹筋、そして逞しくやはり長い手足…。

 二人は秀虎と常吉の事など忘れてしまう程にお互いに見つめ合ってしまっていた。

 

「やっぱ俺…“カホーモン”だ…。…綺麗だぜ、絵里。」

「…何言ってんのよ…、バカ…。」

 

 小鳥は無邪気に笑って歯の浮く台詞を言ってのけ、絵里はそれを聞いた瞬間に顔から白い肌も真っ赤に火照らせてカチンコチンに固まってしまった。

 正にこの場に相応しい“のろけ”であった。真姫、凜、花陽は冬なのに“熱い熱い”と言いながら左手を団扇にして扇ぎ、一触即発だった二人も戦意が失せる程に萎えてしまった。

 其処へそれこそもしかしたらと言う人物が姿を現す。

 

「出来れば出会したくなかったけど、何となく予感はしたのよね…。」

 

 皆の前に現れたのはμ’s最後の一人…矢澤にこ。今日は姉弟を連れて…、否否、とんでもない組み合わせでプールに来ていた。何と彼女の隣には国見竜次が次女のこころの手を引き、長男で末っ子の虎太朗を肩車。三女のここあは長女であるにこと手を繋ぎその光景は正しく幸せそうな家族にも取れた。だが竜次の逞しい身体付きににこのワンピースの水着が更に際立たせた幼いボディラインとの組み合わせがあまりにも突っ込みどころの宝庫でにこの妹弟を知らない小鳥と常吉は本気で青醒め何やら指折り数えて互いにアイコンタクトをとり、其れを見ていた穂乃果と凛も頷き合って四人同時に叫んだ。

 

『誰か警察を呼べええええええええええええっ!!!!!!!!』

 

「なに警察って、何かあったの!?」

「…つうか、突っ込まれる予感はしてたわ。」

 

 にこは本気で理解しておらず竜次は素直にその突っ込みを受け入れた。結局μ’sは皆揃い、いつも通りに騒ぎ楽しい1日となったのであった。

 只一人…、刺青を腕にしていた常吉は係員に注意を受け、刺青を隠す様言われて遊泳はさせてもらえず隅でふてくされていた…。




最新話を凡そ一年かけて…、すみませんウソです。半年かけて更新しました。本当にすみません!
もう目移りしながら後回ししてたらこんな事になってしまいました。
後一話、次回で最終話となります、出来るなら来年の春には書き上げたい。
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