前回の続きをイッセー視点でお送りします。
オッス!イッセーだ。
今度の日曜に夕麻ちゃんと初デートするために松田と元浜それと恋歌ちゃんに相談してみたけどダメな気配しかしない。
そもそもこの子、可愛いけど中身がアレなせいか浮いた話を聞いたことがない。
けど、学園内での俺たちって嫌われてるから異性でまともに話せるのってこの子だけなんだよなぁ
まあダメもとで秘策とやらを聞いてみよう
「では、焦らしたところでお教えしましょう」
「ぶっちゃけ、ラブホでいいんじゃないですか」
「は?……いや、初デートでラブホとかないでしょ」
「まぁ、最後まで聞きましょうよ」
「わたしが見た感じ天野さん絶対エロいはずです」
「ですから先輩わたしが今からお教えすることをやるだけで彼女はイチコロです」
「いや!さすがのおれでも今の発言は聞き逃せないって 人の彼女がエロいとか」
「あの人、女王様コスとか似合いそうですよね」
ふむ、ちょっと想像してみよう
「……確かに!見てみたいかも」
恋歌ちゃんは天才かもしれない、この子は時々おれの新しい扉を開けてくる
「それはさておき、続きですけど」
「とりあえず先輩、そのブレザー脱いじゃってください、あと中のTシャツは要らないのです、そしたらYシャツのボタンを閉めてくださいね」
「大丈夫です。たかが上半身裸くらいじゃわたし何とも思わないので」
「え?ここで」
なにを言ってるのだろうか、この子は
「そうです。今更、先輩の周りからの好感度なんて上がりっこないのでいいじゃないですか」
「ちょ、酷くない!」
「早くしてください。時間が勿体ないので」
「容赦ねぇ~、わ、わかったよ」
おれは言われたとおりに着替える
その際、色々言われたが今は無視
ガサガサ イッセー着替え中
「これでいいの恋歌ちゃん?」
「ええ、そしたらシャツのボタンを2個くらい開けて、右手で自分の胸を見せるように左手はズボンのチャックを開けるように」
「な、なあ恋歌ちゃんこれってもしかして」
「ダメです先輩。ここまできたら最後まで付き合ってください」
「では、先輩ネタも割れたところで仕上げです、カッコいい声でどうぞ」
「大丈夫です。先輩はやれば出来ます」
このポーズはアレじゃないか
「だーーー、こうなりゃやけくそだ」
「んほん、あー あー あー、……よし!」
「おれとやらないか」キリッ
おれはよくやったと思う。
くそみそテクニック、阿○さんを!
「「「…ぷっ」」」
「イッセー、おまえ今最高に決まってるぜ、だけど今度から俺の後ろに立つな」
「最高だ!イッセー、今のおまえならあのイケメン王子だって撃墜出来るって、けどおまえの思いには答えられない」
「キャー♪流石です。先輩! わたし思わずキュンときちゃいました」
「それとご馳走さまです」
「うれしくねぇ~、それと松田と元浜おれは断じてノーマルだし、男に対してその気はないそれと恋歌ちゃん、もうおれには君のツボがわからないよ。頬を赤くするとか初めてじゃない?あと最後のご馳走さまってなに?
「はぁはぁはぁ~あ」
「今日のイッセーはすごいな、まとめてツッコミ入れてきたな」
「イッキにやるとか大胆ですね、先輩」
「…もう疲れた」
やっぱりこのメンバーじゃまともな意見でなかったか
恋歌ちゃんは今日も絶好調だし
「お疲れ様でした、では答えです」
「少々お待ちを…………お待たせしました、それではポチっとな」
『おれとやらないか』
「ごめん恋歌ちゃんそれ消して」
そう言っておれはきれいな土下座を後輩の女子にしました。
「だが断る!」
なぜか断られた!
「代わりにわたしのステキボイスをあげます」
なに?ステキボイスだと!だがしかし
「……いや、マジでそれ消してほしいけどステキボイスが気になるおれの煩悩が今は憎い。10秒考えさせてください」
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
ふっ やっぱり人間素直が一番だな
「お互い、いい取引をしようじゃないか」
おれは、そう言って手を恋歌ちゃんに差し出す
「ええ、わたしはそんな先輩が大好きですよ。取引成立です」
この時、おれと恋歌ちゃんは熱い握手を交わし何ともいえない友情が芽生えた。
「ちなみにそれどうするの?」
「ご安心下さい。プライベートでしか使わないので」
「まぁ、わたしの目覚まし専用ボイスとして使わせていただきます」
それはそれで恥ずかしいな、しかも目覚ましって
「くぅ、しかし恋歌ちゃんのステキボイス、背に腹は変えられないか」
「そういえば本題のデートですが、無難に映画とかショッピングとかでいいんじゃないですか 初デートならそんなものでいいと思いますよ」
「けど、最初のプランAには80%くらい期待してます」
うわ、完全に忘れたころにしかもまともな意見が恋歌ちゃんから返ってきた
ただしプランA割合高いな、さすがのおれも初デートでそんな大冒険はしない
「いやに期待されてるけどプランBでいかせていただきます」
「まぁあれだ恋歌ちゃん、一応お礼は言っとくよ」
「ありがとう」
「いえいえ、こちらこそ楽しかったです。」
キーンコーンカーンコーン♪キーンコーンカーンコーン♪
「予礼も鳴ったのでもう行きますね、わたしのステキボイスは後で先輩の携帯に送りますので」
「それでは失礼します」
行っちまったなあ
楽しかったか、確かにあの子と話すのは楽しいんだよな
おれが
「おい、イッセー後で恋歌ちゃんのステキボイス聴かせろよ」
「俺にもな」
「絶対イヤだね、恋歌ゃんのステキボイスおれだけのものだ」
こいつらには絶対聴かせない、おれの中の大切ななにかを支払ってまで手に入れた恋歌ちゃんのステキボイスは!
そんなどうでもいい話をしているなかにクラスの男子逹が集まってきた
「なあ、結局あの可愛い子はなんだったんだ」
クラスの男子逹の1人が聞いてきた。
これに関しては俺たちの共通認識として言えるのは
「「「親友!」」」
それが一番しっくりくる
「めちゃくちゃ羨ましいなおい!」
いや、まぁ確かにそうなんだけど
俺たちだって『見た目』可愛い子が男子と楽しくしゃべってるの見たらそう思う。けど恋歌ちゃんって中身がアレすぎて松田や元浜としゃべってるのと大差ないし普通に下ネタもOKだから女の子以前に友達それも親友枠なんだよな
「しかし、世の中わからんなおまえらとまともな会話をする女の子がいるとか」
「しかも可愛い女の子だしな」
「べ、別に羨ましくなんかないんだからな」
「なあなあ、まさかとは思うがおまえらの内の誰かと付き合ってるとかないよな?」
この手の質問は色んなやつらから言われるが答えはNOだ
「いや、あの子はあくまで友達だな」
そりゃ、初めて恋歌ちゃんと会ったときは俺たち三人期待はしたさ!
けど、色々しゃべってこの子の性格的なものがわかってきたときおもったんだ、
この子、手に負えねぇって
だから友達だしなんだかんだで三年もの付き合いだから俺たちの中では恋歌ちゃんは親友なんだ。
キーンコーンカーンコーン♪キーンコーンカーンコーン♪
うぇ、しゃべってるうちに次の授業のチャイムが鳴っちまった
話もそこそこにみんな自分の席に戻って行った。
余談だが恋歌ちゃんのステキボイスはネタがひどかったけどステキなのもあった。
3個中1個だけど
ただ今日のことでなんか女子たちから『イッセー×木場』などというものが囁かれた。
しかし、何度も言うがおれにその気はない!断じて!
そして放課後は夕麻ちゃんと一緒に帰り、明後日の予定なんかを話し合った。
松田と元浜には悪いが先に帰ってもらおうと思ったけど、恋歌ちゃんからゲーセンに行こうとの誘いがあったので心配ない
やべぇ、いまのおれメッチャリア充してるんだけど
彼女がいて友達がいて可愛い後輩がいるとか
おれもしかして近い内に死なないよな?
楽しみがあると時間はあっという間に過ぎていった。
土曜日、今日はデート前日ということで家でだらだら過ごす予定だったがそうもいかなかった。
時刻は9時27分
ピーンポーン♪
誰か着たようだ、こんな時間に誰だ?
ガタッ ドタドタ ガシャ
「イ、イ、イッセーあなたにお客さんよ」
「客?」
「女の子、それも偉く別嬪な」
「女の子?誰だろ?」
もしかして夕麻ちゃんかな
そう思って下に行こうとするおれの腕が捕まれた
「あんた女の子が来てるんだからもっとちゃんとした格好してから下に行きなさい」
そう言われて自分の格好は休日に家で過ごすためのとてもラフな格好だった
「お茶でも飲んで待っててもらうから着替えるてきなさい、あんたに女の子のお客さんなんて二度と来ないかもしれないんだから」
「母さん、実の息子に言い過ぎじゃね」
「そう思うんだったら自分の日頃の行いを悔い改めなさい」
「ひでぇ、おれだってそのうち彼女連れてくるかもしれないだろ」
「いいからさっさと着替えなさい」
そう言って母さんは下に行った。
やば、早く着替えよ
そして、下に行くと
「残念、恋歌ちゃんでした」
おれの顔を見るなり恋歌ちゃんの開口一番がこれだ
それより恋歌ちゃんって家知ってたっけ?
そんなことを考えていると恋歌ちゃんが衝撃の一言を言ってきた
「先輩わたしとデートしましょう」
後一話くらいイッセーの人間ライフ日常編が続きます。
これさえ終ればきちんと恋歌が変身して戦うはず