閃の軌跡~ユーノ教官~   作:泡泡

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 初めての実習。時間軸は4月24日、ユーノは実技テストには関わらなかった様子。


3話

 

 今日は皆を駅で見送りしてから生徒会で仕事をこなさなきゃならない。だけど、サラが組み分けした班のことでいざこざが起こる予感がする。サラにそれとなく言っても『大丈夫』の一言だけだった。リィンとアリサはいつの間にか仲直りしていたが、ユーシスとマキアスの場合は根が深い問題らしく難しそうだ。

 

 「エマ、難しいとは思うけれども二人のサポートお願い」

 

 「ええっと・・・できるだけ努力してみます。ユーノ教官はこちらには来ないんですか?」

 

 「生徒会の仕事を終えてから向かうかもしれないが、あまり期待はしないでくれ」

 

 「えっ、どういうことですか?まさかこのまま投げやりなんですか?」

 

 がっかりした表情を浮かべるエマ。フィーに至ってはこの教官大丈夫?と言わんばかりの眼差しでこちらを凝視していた。

 

 「そういうわけではないのだ。これも授業の一環であり、生徒の自主性に任せているところが大きいんだ。対処できない問題が生じればそれは介入するが、それまでは君たちが自分で考えて行動してみて。酷なようだがそこから得られることも多いと思う」

 

 エマとフィーの肩をポンっと叩く。ガイウスにも目配せすると『うむ』と頷いてくれた。あとの二人は最初出会った時からこれまでと同じ。

 

 「いってらっしゃい!!」

 

 サラはA班について行くようだ。彼女のことだから、行った先で地ビールが美味しいとか言いそうだ。こちらは介入するにしてもしないにしてもB班を気にかけないと・・・。先に自分の仕事を片付けないとな。今年から特科クラスが発足したのでやることが多い、多い。

 

 一応、生徒会室に着いたらノックはする。だが今の時間授業中なので有能なトワはこの場にはいない。なのでユーノはそのまま入って自分に割り当てられている椅子に座り、机の上の片付けなければならない書類に目を通す。

 

 「はぁ~。この分だと今日中に終わるだろうか・・・」

 

 目の前に置かれた書類の束を見るとトワが目を通し、そして最終決定をしなければならない書類のタワーが出来ていた。しかし、トワがすでに見ているのでユーノはそれにハンコを押すだけ。

 

 ぺったんぺったん、ぺったんぺったん、ぺったんぺったん、ぺったんぺったん、ぺったんぺったん、ぺったんぺったん、ぺったんぺったん、ぺったんぺったん、ぺったんぺったん、ぺったんぺったん、ぺったんぺったん、ぺったんぺったん・・・・・・。

 

 延々と続くかも知れないと思われたこの作業もある人物によって一時中断する。昼の合図と共に彼女がやってくるからだ。

 

 ――コンコンッ

 

 「しっつれいしまーす!!」

 

 ノックと同時にトワが入ってくる。一心不乱にハンコを押しているユーノの視界にトワが入る。

 

 「ん、あぁトワか。ってことは昼か?」

 

 「そーですよ。ユーノ教官。お昼にしませんか?教官の分も買ってきたので一旦休憩にして一緒に食べませんか?」

 

 ずいっと目の前に出されたお持ち帰り用のかごからはとても良い匂いがしてきた。トワがたった今、下で買ってきて急いで持ってきたのだろう。それを断ると言う非人道的な事などできなかった。

 

 「ん、そうだね。トワが買ってきてくれたんだし、いっしょに食べようか」

 

 背伸びをして椅子から立ち上がり、柔らかいソファに座ってトワと食べる。この時間だけがオアシスのようだ。一時(ひととき)の安らぎを得ることができた。

 

 「そういえばユーノ教官は朝、Ⅶ組のお見送りに行ってきたんですよね?彼らの様子はどうでしたか?」

 

 「うーん。リィンとアリサは仲直りをしたようだ。しかしマキアスとユーシスの間には険悪な雰囲気が漂っていた。こりゃあ時間がかかるかもしれないな・・・」

 

 「そうですか・・・。なんとかならないんですか?」

 

 「クロウとアンゼリカのように無限ループにでも送ってみる?精神的に鍛えられると思うよ。推奨はしないけど・・・」

 

 「やめてください!!それは最終手段にしてくださいっ」

 

 昨年、戦術リンクがどうしても繋がらないクロウとアンゼリカをとある方法を使って精神的に追い込んだのだが、結果だけを言うとそれが功を奏して四人全員がリンクを繋げることに成功したのだが、そのあとが問題だった。

 

 クロウは部屋の片隅で虚ろな目でブレードをひとり遊びするし、アンゼリカはアンゼリカで女子にベタベタと引っ付かなくなった。最後はトワの力ずく(ハリセン)で収まったのだが・・・。

 

 「まぁ、あれに関しては僕もやりすぎたと思ってるよ。今年は彼がいるから多分大丈夫だと思うし・・・」

 

 「彼って?」

 

 首をかしげた表情がなんとも可愛いのはトワだからだろう。

 

 「リィンだよ。彼のことをサラ教官は“重心”だと言っていた。“中心”ではなく“重心”だってさ」

 

 「サラ教官のことですから何の考えもなしにリィン君を持ってきたわけではなさそうですし・・・」

 

 二人して『うーん』と唸っても答えは出ないまま。モグモグと食べる音だけが生徒会室に時折聞こえてくる。そして至福の時も終わりを迎えようとしていた。それつまり、昼休みの終わりである。

 

 「じゃあユーノ教官。授業が終わったら来ますのでそれまでは・・・」

 

 「あぁ、うん。頑張って書類を片付けているよ。トワのほうも授業頑張って・・・?」

 

 「はいっ!!」

 

 元気な答えとともに部屋を後にするトワ。ユーノだけがいる部屋は少し広く感じた。お菓子を食べながら残っていた書類に目をやる。目を閉じて考えるのは昔のこと。彼女らに助けられる前に餞別として貰ったふた振りの得物。一つは杖、もう一つは大剣だった。

 

 「なぁクロ助、それに剣術を教えてくれたピンク髪の師匠。僕はこの世界でもなんとかやっていけてるよ?だから心配しないでくれ」





 ユーノはsts後の世界からこの世界へと来ています。そのことは後ほど。魔力とEPは違うでしょ!と言わないでください。マスタークォーツ“魔王”とか銘打っている時点で管理局の・・・を想像してしまった作者が妄想働かせているんですから。

 何とか原作壊さないように加えていきたいですね。閃の軌跡はさっくり終わらせるつもりです。
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