教壇に立っている二人のうち一人は金髪美少年君。なんでもフランスからの転校生であり、かの有名なデュノア社所属らしく、権力的に強そうだ。パッと見では美少女に間違えてしまいそうである。
俺は視線を隣の少女に移した。
「なっ・・・・・」
目を見開き、俺は驚愕した。
煌びやかな美しい銀の長髪。左目を隠す黒い眼帯。軍人という割には随分と可愛らしい顔をしており、さほど高くない身長には自分より下の年齢だと感じてしまう。
IS学園の制服は改造してもよいということもあり、大半の生徒がスカートであるのに対して彼女は唯一ズボンであった。それでも、発展途中の女子の体を包むその制服さえ、魅力に見える。
いや、そうではない。
本当に彼女を魅力に見せるのは髪でも、身長でも、制服でもない。
そう・・・あの・・・・あの・・・・・。
貧乳だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
随分と乳がデカイ女が多いな。
というのが俺の正直な感想であろうか。特に左上の席に座っているポニーテールの女子はかなりデカイ。
え?メロンなの?メロンでも胸に詰めてんの?みたいぐらいデカイ。
高校生一年生だよ?まだ皆さん十六歳なんですけど!
ていうか、担任もデカイ!
山田先生。緑のショートカットであり、メガネをかけた天然の可愛い系の先生なのだが、この先生もかなり胸が大きい。
Dどころではなそうであり、さっきから先生が動くたびに胸が上下に揺れて凄いことになっている。
という女子生徒の中にこの俺、森島千早と、一人目の男性操縦者、織斑一夏が座っている。
織斑の方はこの視線に耐えれそうにないらしく、先程から頭が下がっている。
そんなのではこれから先生きていけないぜっ。
自己紹介が織斑へとなる。
「えーっ、織斑一夏です。よろしくお願いします」
バカが。名前だけで自己紹介終わらそうというのか?貴様はイケメンなのだからもっと情報を寄こせ!という視線が次々に織斑へと突き刺さる。
そんな視線をかんじた織斑は再び口を開く。
その光景に女子たちは何を言うのかと緊張を感じ、織斑をジッと見つめた。そして、織斑は大きく息を吸って言った。
「以上です!」
ドカカッ!
なんというか。期待していた分、それが大したことがないと人間ホントに椅子からズリ落ちてしまうのだと俺は確信した。
バシンッ!
あ、叩かれた。
「いてっ!」
「まったく、貴様は自己紹介も十分に出来んのか?」
そういうのはスーツ姿の織斑千冬先生であった。その美貌から多くの人から支持を受けており、慕う者は少なくない。
「あ、先生。もう会議終わられたんですか?」
「ああ、山田君。クラスの挨拶を任せてすまなかったな」
そう言うと織斑先生が前に立つ。
「諸君!私がこのクラスの担任である織斑千冬だ!君たち新人を一年で使い物にするのが仕事だ」
と、次の瞬間、
「「「「「キャァァァァァァァッ」」」」」
そこから女子たちの変態スコールが教室中に響く。俺は直ぐに耳を塞いで悲鳴に近いその声を塞ぐ。
なんというか、アイドルを目の前にして我を忘れて今の気持ちを率直に叫ぶ女子というものだろうか。
「で、挨拶も満足に出来んのか?お前は?」
「えっ・・いや。千冬ねぇ」
次の瞬間、スムーズな動作で織斑は織斑先生によって頭を机に叩きつけられる。
「学校では織斑先生だ」
はは・・・こんなので大丈夫かと。
「ほら、もう一人の男子が挨拶したSHRは終了にする」
そのキリッとした視線を感じて俺は立ち上がって挨拶をした。おっと、平常心平常心。いつもどおりの俺でいいのだ。
落ち着いていけ。
第一印象が肝心だ。
「森島千早です。運動神経はいいほうだと思いますが、勉強はあまり得意とは言えません。ですが、このIS学園に入ったからにはしっかりとその責任と責務を果たしたいと思っています」
最後にニコッと笑う。
「お、おお・・・好青年」
「へぇ、結構いいじゃん」
「なんか、紳士的でいいなぁ」
よっしゃぁぁぁぁぁぁ!
このクラスは掌握したも同然だ。これでゆっくり過ごしていれば案外普通の学園生活を送れるかもしれん。
よくやった、俺っ!
心の中で自分を褒めると俺は自分の席にゆっくり座る。こうして初のSHRは特に俺に関しては何事も無く?終了したのだ。
「ねぇ?あれが千冬様の弟?」
「結構イケメンじゃない?」
「ちょっと声かけてきなさいよ」
「えぇ、この中じゃ結構勇気がいるんじゃん?」
「けど、初日でしょ?まだ焦るには速いって」
などという会話の嵐を抜けて織斑一夏は俺の目の前にやって来た。その顔は希望を見出したような表情であり、精神的ストレスがかなり高いと見えた。
「よう、俺は織斑一夏。男二人だけど、よろしくなっ」
出された手を二秒間見つめてからは俺はゆっくりと握り返した。
「さっき自己紹介したけど、俺は森島千早。気軽に下の名前で呼んでくれ」
「そうか?なら、千早。よろしく頼むぜ。俺も一夏で構わないから」
という感じて一夏とは仲良くなった。すると、
「あ、あの、一夏を借りてもいいだろうか?」
と、ポニーテール巨乳が現れた。
「あ、ああ・・どうぞ」
そう言うと一夏は俺に悪いなと言って巨乳ポニーテールについて行って教室から出ていった。
一人ポツンと残された俺が必然的に動物園の見せ物になってしまった。
「では、ここまでで何か質問がある人がいますか?」
と、笑顔で山田先生が生徒に授業内容について聞いてくるのだが、一夏の背中からは負のオーラしか見えない。
「あの、織斑君大丈夫ですか?」
「・・・あの・・・」
「はいっ」
「その・・・・」
「どうぞ!遠慮なく!」
そして一夏は言った。
「殆ど全部分かりません!!」
休み時間になり、俺はトイレへと出向いていた。ここは女子高なので、新設した男子トイレまでは少しばかり距離がある。
一夏を誘って行こうかと思ったのだが、どうやら一夏は先ほどの授業内容によって脳内をショートさせてしまったようで、机に突っ伏している。ので、声はかけなかった。
「ふぅ・・スッキリした」
やはりこうして廊下を歩けば女子の視線が痛い。慣れるには時間を必要とするか。
さてと、一夏はどんなことになっているんだ?
そう思って俺は自身のクラスを窓から覗いた。そこには金髪ドリルに絡まれる一夏がいた。
まぁ、絡まれるのがめんどくさかったので、鐘が鳴る直前まで教室のドア付近にいたことは秘密である。