「ということで、授業に入る前にこの一年一組のクラス代表を決めたいと思う。代表は再来週に行われるクラス対抗戦に出ることになっている。クラス代表というのはまぁ学級委員のようなものだ。誰か、いなか?」
ふむ、なるほど。楽しそうなこと半分、めんどくさそうなこと半分だな。俺は一夏と違ってある程度勉強しているが、どうにも一夏はやばそうだ。
やはり、ここは一夏を立たせるべきだろう。
すると、女子の一人が手を上げて言った。
「織斑君を推薦します」
ほぉ、妥当な判断だな。
「私も織斑を君がいいと思います!」
一夏は織斑先生の弟だ。名前も有名だし、いいんじゃないか?
と次々と一夏の名前が上がる中、誰かが俺の名を言った。
「森島君も、いいと思います」
俺はそれにふむと考え込む。
学級委員というのであれば恐らく授業の準備だったり、担任の先生の雑務をこなさなければならなくなってくるだろう。担任は織斑先生。
よし。
「あっ、俺は「ちなみに推薦者に拒否権はない」ええっ・・・」
織斑先生め、俺のいうことを先読みしていただと・・・・なんて野郎だ。
「ちょっと待ってください!」
バンッと机を叩いて金髪ドリル、セシリア・オルコットが立ち上がった。
「そんな男が代表なんて恥さらしもいいとこ!そんな屈辱を一年間このセシリア・オルコットに味わえというのですか!そもそも、文化としても後進的な国で暮らさないといけない時点で私にとっては耐え難い苦痛で!」
おいおい、オルコット嬢よ。クラス代表選出の不平からただの日本へ対する悪口になっているぞ。
本人としては本当にそう思っているかもしれないし、そこに悪意があるとは別に彼女も思っていないだろう。
だが、それと一夏と俺が不満を思わないのとでは話が違う。
「イギリスだって大したお国自慢じゃないだろ?世界一マズイ料理で何年覇者だよ?」
一夏がそう言うと金髪ドリルはプルプルと怒りを表す。
「イギリスにだって美味しい料理は沢山ありますわ!あなた!わたくしの祖国を侮辱しますの!?」
口喧嘩はエスカレートしていき、お互いピリピリとした一触即発のような空気がこの教室の中に流れ始める。
織斑先生に関してはその二人のやり取りをニヤニヤと見ている。この担任、止める気0かよ。
「そう言えば、そこに黙って座っているあなたは!あなたは一体どうお考えなのですか!」
と、金髪ドリルが俺に向かってそう叫んできた。
「えっ!?」
「えっ!?じゃありません!あなたも推薦者なのであれば当然この口論に入る義務があります!」
いや、こんなの口論じゃなくてただの口喧嘩だろうが。
「それにあなたは一体なんなんですの!?さっきから達観したような目でわたくしたちのやり取り見て、そんなに極東の猿はお偉くなったのですか?笑わせてくれますわね」
「黙れよ巨乳・・・」
その声は一瞬、彼女にしか聞こえなかった。
「え・・・・・」
その言葉に彼女は一瞬驚いたような表情を見せるが、俺は直ぐに先ほどの自分の言葉を遮るように次の言葉を重ねる。
「ふっ、ならば決闘だ!セシリア・オルコット!貴様が専用機持ちであるというのなら、これを受けない。なんて言わないだろう?」
「えっ・・あっ・・あ、勿論ですわ!」
ということで俺は履いていた靴を脱ぎ、靴下をオルコットの前に叩きつけた。
「さぁ、受け取れ」
「な・・・た、確かにイギリスにはこういう決闘を決める方法もありますが、あくまでそれは手袋!決して靴下などではありませんわ」
「だよねー。こんなの乗ったら乗ったで恥ずかしいよねー」
オルコットの反応を見ると俺は直ぐに靴下を拾って履く。
「ということでいいよな?一夏?」
俺はオルコットが決闘を承諾した時点で直ぐに一夏に話を振った。
「あ・・えあ、わ、分かった」
直ぐに一夏の承諾を得る。一夏も俺が彼女に言った言葉が何なのか分かっていないようで、頭に?マークを浮かべている。
「よし、ならば一週間後、第三アリーナにて織斑一夏、森島千早、セシリア・オルコットの試合を行う。各自それまで準備をしておくように」
さてと、この一週間どうするか。
俺も一夏もISの起動時間は殆どない。精々、二十分程度であろう。そんな中であの金髪ドリルと戦ったとしても勝てる見込みはない。
なんたって、相手は一応国家代表だからな。エリートであることは間違いはないのだから。
放課後を利用して俺と一夏はセシリア・オルコットに対して対策会議を行っていた。俺は昼休みと放課後の最初の時間を使って
「はい、まず我らが宿敵、セシリア・オルコットの乗るIS、ブルー・ティアーズは遠距離射撃タイプになります」
俺は集めてきた資料を片手に一夏に説明する。
「特に驚異的なのは彼女の使うレーザーライフルのスターライトmkⅢではなく、ビット兵器による全方位からのオールレンジ攻撃」
一夏にビット兵器、ブルー・ティアーズを見せる。
「基本、ビット兵器ってのは自機から離れているから、死角というものが存在しない。当然、ビット自体を破壊することは可能だが、ただえさえこんな小さいんだ。直接叩くか、射撃で潰すか。後者は割と射撃能力がないとダメだな」
次にショートナイフが出る。
「これがインターセプター。彼女が使ってる部分はなかったから、写真を得るのに苦労したんだがな」
「なら、ここは距離を詰めてなれてない近接戦に持ち込むのが得策だな。だけど、そう簡単に近づけるかどうか」
一夏がそう言う。
「ああ、仮にも相手はスナイパーなんだ。簡単には近づけさせてくれないだろう。ていうか、まずこちらのISのスペックが分かっていない以上は策の考えようもないんだけどな」
まぁ、結局のところそうなる訳だ。一夏にはなんでも専用機が用意されるらしく、データだけでも送ってはくれないらしい。
当日にセットアップか。
これは想像以上にめんどうな戦いになりそうだな。
「あっ、二人共まだいたんですね」
と、山田先生が入ってきた。先生は俺たちに数字の違う鍵を手渡してきた。
「これは?」
「えっとですね、これはお二人の寮の鍵なんですよ」
「ほほう、では何故俺と一夏は違う数字なのですか?」
「あ・・・それはですね、基本的には女子寮での部屋割りを無理矢理調整しちゃったので今混乱状態にちょっとあるんですよ。いや、ホント色々と・・・後日ちゃんと調整があるので、それまでどうかお願いします」
「後日ね・・・」
今更そっちに転校しまーす。みたいなやつでもいるのか?それなら確かに部屋割りがぐちゃぐちゃになるのは頷けるが、いやぁ・・・あれですよ。
流石に同じ屋根の下で男女が同じ部屋で寝泊りするなんてエッチなことの一つや二つあってもおかしくないですよ。
その後、俺たちは寮へ足を運ぶ。
「俺は、一〇五三号室だな」
自分の部屋に前にたどり着いた。と、一夏に関しては四部屋ぐらい向こうである。本当に無理矢理だな。
「それじゃぁな、一夏。いい夢見ろよ」
「ああ、千早も。絶対に勝とうぜ」
そう言って一夏はドアの向こうに消えていった。俺も期待に胸を膨らませ、ドアノブをひねった。
一体、一体どんな娘がいるのだろうか。
「嘘やん・・・・」
ベットが二つ。寝ているのは一人。消灯時間になって誰も俺の隣のベットで座る者は現れなかった。
貧乳が出したいんです。
あれですね。
英国の決闘の決め方は相手に手袋を投げてそれを拾ったら決闘ということらしいです。