という感じで三人の戦いが終わった。え?省略してるって?まぁ、簡単に言えば言うまでもないというところだろう。
あのまま逃げ続けて結局エネルギー切れでこちらの負け。一夏に関してはこちらはスペック上は訓練機と変わらない。零落白夜を受けてドーンって感じだな。
まぁ、油断していた俺も悪いんだけども。
決闘が終了し、事後処理は後日にするということで俺たちはその場を解散した。
と、俺の部屋の前に来たとき、パタパタと誰かが走ってくるのが分かった。
「森島さん!」
「ああ、ぱつき・・オルコットではないか。どうした?」
流石は代表候補生。走ってきたのに息ではなく髪が乱れている。彼女は髪を整え、俺にむき直った。
「森島さん、先日あなたに対して大変失礼なことを言ってしまい、誠に申し訳ございませんでした」
ペコリと彼女はそう頭を下げた。彼女は失礼なことと言った。つまり、俺に対して言った言葉は決して悪口なんかではない。
俺に自身に対するセシリア・オルコットが思っている本音だ。
まぁ、それが色々な国の人種が集まったIS学園の特徴なのだと思うのだがな。
「ああ・・うん。もういいよ。オルコットが反省しているのなら、俺からは何も言うことはない」
「そう・・ですか。ありがとうございます」
もう用はないと思い、俺は扉を開ける。すると、彼女は最後にこう言った。
「あの、千早さん。とお呼びしてもよろしいですか?」
「・・・・なら、俺はセシリアと呼ばせてもらけど?」
そう言うと彼女はニコやかに微笑んだ。
「では、今日からISの実習訓練を行う。織斑、オルコット、森島、ISを展開しろ」
はい、今日からIS実習ということで我ら一年生が本格的にISを使っていくことになった。
織斑先生の指示に従って俺とセシリアはそれぞれ展開する。
「おい、織斑まだか?熟練したIS操縦者は展開に一秒もかからないぞ?」
先生に急かされて一夏は今一度集中する。
ISには待機状態というモードであり、一夏の白式なら腕輪。セシリアのブルー・ティアーズであればイヤリングというものであり、俺のラファールであれば首輪といった具合だろうか。
一夏が白式を展開し終えたところで、次の指示を受け、空へと飛ぶ。
「ったく、なんで俺が専用機持ち扱いになっているんだ?」
と、ボヤクとセシリアが隣に来た。
「あら、幾ら使用機が訓練機と同じスペックであろうとも、今のあなたは企業所属のパイロット。ISの状態がどうであろうと、織斑先生のあなたへ対する扱いは間違っていないと思いますけど?」
「ぐぬぬ、そう言われると反論のしようがない・・・」
と喋っていると後ろから一夏の情けない声がする。
『おーい、待ってくれよぉぉ!』
すると、やっとこさ一夏がたどり着いた。
「ぐう、飛ぶのって意外に難しいな。目の前に円錐を描くってどういうイメージ・・・」
「一夏さん、イメージは所詮イメージ。自分に一番あった方法を模索するのが賢明でしてよ」
「と、言われてもなぁ・・・そもそも何故飛んでいるんだ?」
「一夏、その質問に答えるには反重力力翼と流動派干渉の話になるが?」
「うう・・そいつはやっぱりいい」
「うん、俺もそんな頭が痛くなるような話はあまりしたくない。途中で頭が混乱するから。とてもじゃないが、人に教えられない」
そうこうしていると織斑先生から急降下からの完全停止の指示を受ける。
「さてと、腕の見せどころだだ」などと、かっこよく言いたいものだ。
「んじゃ、俺は先に行くぜ」
俺は機体を傾けさせて先生がいる十メートル手前を目安に一気に急降下する。
みるみる地表に接近していく。丁度良いタイミングで反転してスピードを緩和すると、そのままズシンっと地面に着地して見事完全停止をしてみせた。が、途端急激にかかる体への負担に二秒間だけ耐える。
「っ・・・ふぅ・・・」
「まぁ、及第点だ。そんなものでは身体への負担がかかりすぎだ」
「りょーかいです」
俺が下がると次は一夏が急降下して来た。
おおー、速い速い・・・・・って、あれはなんかヤバい感じのじゃない?
次の瞬間、一夏は急降下からの完全停止ではなく、大きな衝撃とともにアリーナに特大のクレーターを作りやがった。
一夏はそのクレーターの真ん中にで頭をズッポリと地面に埋まらせており、なんとまぁお見事な姿勢か。
ぷっ、笑っちゃう。
っと、友の失敗は笑ってはいけない。まぁ、事後処理なんかを手伝うとは言ってないけどな。
「おーい、一夏よ。大丈夫か?」
「一夏さん!」
そんな一夏へ対する俺の心配の声から始まってセシリアが顔だけ埋まっている一夏の元へ走り出した。
「ふむ・・・いや、野暮なことはよそう」
後から来た箒とセシリアの口喧嘩を織斑先生が必殺の一撃で大人しくし、授業は次の段階へと移る。
「織斑、武装を展開してみろ」
「はい」
一夏が目を閉じ、約一秒後ぐらいに粒子が一夏の右手に集結して雪片弐型が展開する。
「遅い、0.5秒で出せるようにしろ」
うう、なんという鬼教師。成功してんだから別に褒めてやってもいいのに。まぁ、これが愛のムチというものか。
「次、森島。やってみろ」
「了解です」
集中して右手にライフルを展開する。時間にして0.8秒ぐらいだろうか。
「ふむ・・・まぁ、織斑よりかはマシか。いいだろう。次にオルコット」
「はい!」
次のセシリアが両手にスターライトmkⅢが展開されるも、彼女はライフルを横に持っていたのでそれを先生に怒られ、続く近接武器展開では更に怒られたようだ。
「と、いう訳で我がクラスの代表は織斑君に決定しました!!いえぇぇぇぇぇぇい!」
カンパーイということで俺たちはジュースの入ったコップを打ち鳴らす。今現在、食堂は貸切状態になっており、一夏がクラス代表就任ということでプチパーティーのようなものをやっている。
新聞部も来ており、一夏の元へとインタビューしにいく。
それを遠目で見ながら俺はジュースを飲んだ。
グビッと一口飲み、残った最後のカステラをつまんで口の中に入れる。
「あー、ちー君が私のカステラ食べちゃった」
などと言いながら布仏が俺の正面にやって来た。
ん?こいつ怒っているのか?
「ぶー、私が食べようと思ってたのに」
「はーへー」
「えっ!なにその反応!」
と、そんなところで隣の皿からチョコレートの欠片を布仏に投げる。彼女はそれに見て目を輝かせ、綺麗にヒョイパクとお口でキャッチするのであった。
「おお・・・なぁ、布仏。それ、一体誰に教え込まれたんだ?」
「いや、教え込まれてないよ!」
布仏は俺の背中に回ってぽかぽかと叩いてくるが、まったくもって痛くないので無視して俺はジュースを飲む。
「えっ!無視なの!無視しちゃうの!」
「・・・いや、ほら・・ね?察しろよ」
と言って俺は何やら喚いている一夏の方へと歩き出した。後ろでは布仏が「一体何を察しろっていうの!全然わからないよ!」などと叫んでいたのだが、気にしないでおこう。
「よう、一夏。楽しんでるか?」
「楽しむもなにもあるか。何故俺がクラス代表になっているんだ?」
「それは俺がオルコットと一夏に負けて、一夏が俺に勝ってオルコットに負けたからだけど?」
「けど?じゃねーよ!なんでだよ!オルコットさんが全部勝ってんじゃん!なんで俺なんだよ!」
「んなの、オルコットが辞退したからに決まってんだろ?」
と、その一言で一夏は大人しくなってしまった。
今朝のSHRでセシリアがクラスの全員に対して謝罪をし、更に一夏の成長具合を考えてセシリアはクラス代表を辞退した。
「まぁ、それだけ元気なら問題ないか。んじゃ、俺はそろそろ戻るわ」
「ん?いいのか?まだパーティーとしては終わっていないけど?」
「俺は今日の戦いでまぁまぁ疲れたからな。なんつーか、IS乗るだけでかなりしんどいから」
「あー、そうだな。分かった。じゃぁ、また明日な!」
「おう、楽しめよ」
そう一夏と挨拶して一足先に食堂を後にする。後ろでのほほんとした声が俺を呼んでいたが、ただの幻聴だと思う。
貧乳を・・・貧乳が・・・