貧乳に愛を込めて   作:青野

5 / 32
第5話 そして始まる貧乳

 

 

 

「という感じでコンセプトはラファールの長期戦闘。というものでいきたいと思います」

 

 パーティーの終了後、俺は早速データを有澤工業の研究部門に送り、ラファールの今後の運用について話していた。

 スクリーンの奥にいるのは白の顎鬚を生やしたおじさんであった。名を大門タケルというらしい。

 

『なるほど、ならばこちらで用意していたクアッド・ファランクスは必要ないな』

 

「はい、代わりに七九式長刀をお願いします」

 

『お望みはラファールによる近接格闘。ラファールの近接武器がショートナイフである以上は・・・これは近接特化のラファールか』

 

「ラファールの高い機動力を近接格闘に活かそうかと。まぁ、正直な話、豆鉄砲でペチペチと相手を削るのは正直まぁまぁめんどうなので」

 

『確かにそれは言えている。長期戦を予想するのであれば近接武器は必須になる。が、近接武器はかなり扱いが難しい』

 

「剣の扱いには少しばかり腕があります」

 

『ほう・・・だが、近接格闘をするのであれば打鉄でもいいのではないか?何故、このラファールなんだ?』

 

「・・・特に意味はないですよ」

 

『そうか。なら、こちらも飛び切りの長刀を用意しようではないか。だが、他にも申請のある装備を一式揃えようと思ったら少し時間が必要になる』

 

「どのくらいで用意してもらえますか?」

 

『ふむ・・・一週間といったところだろう』

 

 一週間か。まぁ、クラス対抗戦には俺が出場する訳ではないからな。いいさ。

 

「お願いします」

 

『分かった。今度、うちの技術開発部門に顔を出すといい。みんな、メインパイロットが

誰なのか興味があるからな』

 

「分かりました」

 

 そこで通信が終了する。

 ふむ、これでラファールの基本運用は決定した。あとは追加パッケージをインストールして、装備の一部を外せばいい。これだけで拡張領域が今の二倍になる・・・いや、背部ユニットに補助スラスターを装備するか。

 

 計算すれば・・・PICを戻して、防御力がそのままで今のスピードが出る。それに無理な方向転換も可能になりそうだな。

 これだけでこいつの動きもかなりよくなりそうだ。

 やはり、量産機だけにあって型がはまってめんどうな部分が多いな。

 

 だが、既存の専用機は設計も一から作っているから。それはそれで大変か・・・。

 

 と、そんな風に考えているとドアからノック音が聞こえてきた。どうやら山田先生が言っていたように遅れてきた入学生が来たようだ。

 

「はーい、どうぞ」

 

 というとガチャリとドアを開けてとある人物が入ってきた。

 

 少しのツリ目に特徴的な長めのツインテール。肩の出た少し露出度の高い制服で、低めの身長・・・・そして・・・そして・・・・。

 

「今日から一時的に同じ部屋で過ごす凰鈴音よっ!」

 

「・・・・・・・・」

 

「ちょっと?どうしたのよ?」

 

「ぐはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 少女がこちらの顔を覗き込んだ瞬間、勢いよく鼻から血が噴き出した。

 バカな・・・俺は下から彼女の胸を見る。

 

 戦闘力1000・・・2000・・・バカな。まだ上がるとだと!5000・・・6000・・・・10000・・・・100000!

 ブスッ!

 これ以上の情報負荷が目を爆発させることを知った俺は自分で自分の目を潰す。

 

「あ、あんたいきなり何をやっているのよ!」

 

「ぐぅ・・・ま、まぁ・・うん、大丈夫だ」

 

 俺は一度立ち上がって彼女を見た。

 

「お、俺は森島千早だ。気軽に読んでくれ」

 

「そっ、なら千早?でいいわね」

 

「ぐはぁぁぁっ!」

 

 貧乳が・・貧乳が俺の名を呼び捨てで呼んだだと!!

 

「すまない」

 

「えっ!!ええっ!なにっ!どういうこと!」

 

 落ち着け。落ち着け。待望の貧乳が目の前に現れたとしても直ぐに襲いかかるのはただの変態。

 俺は違う。紳士だ。紳士の上での変態だ。常識と外れた行動を出るわけにはいかん。

 

「よ、よし・・もう、大丈夫だ」

 

「な、ならいいんだけど・・・私今日は疲れたから先に寝るね」

 

「お、おお・・・・」

 

 そう言って彼女は制服のまんまで使っていない窓際のベットにダイブした。すらっとした足や色っぽい肩が目に入る。

 俺の右手が再び両目を潰したのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁぁ・・・・」

 

 いつにも増して重い瞼を擦りながら俺は机に突っ伏した。

 

「ちー君、いつにも増して眠そうだね?」

 

「眠たそうじゃない。眠いんだ」

 

「あー・・・うん。眠たいんだ。じゃぁ、お布団になってあげる」

 

 そんな俺に興味を抱いたのか、布仏が俺の背中の上からくっついてきた。

 そう、乳が背中に当たるように。

 

 ・・・・・ふっ、胸を押し付けられて興奮する俺ではない。ただし、例外はあるがな。

 

「・・・・・・・・?」

 

 何やら匂いを嗅いでのほほんとしている布仏を背中に感じているわけなのだが・・・?

 おいおい、まてまて。

 布仏の体に対する第一印象はまぁ、普通の身体であろう。

 

 と、それこそが過ちだった。

 

 第一印象で決めつけていた。

 

 彼女の制服はよく見れば少しサイズが大きく、いつもダボダボとした制服であり、袖も割と余っている。

 だから、だからなのかもしれない。

 ただの乳と決めていた俺がバカであった。

 

 バッ

 

 と、俺は布仏の生布団から飛び退いて正面からそののほほんとしたオーラを見る。そして、彼女を見た。

 

「やはり・・・」

 

 やはりか。やはり全ては俺の過ち。

 

「布仏・・・・」

 

「?何かな?ちー君」

 

「お前・・・」

 

 俺は正面から彼女の両肩に両手を置く。そんな状況に彼女は何故か頬を染める。男に

こんなことをされるのは不本意かもしれないが、それでも俺は言っておかなければならない。

 

「お前・・・巨乳だったんだな」

 

「ふぇ?」

 

「騙されたよ。まさか・・・まさか・・・隠れ巨乳だったとは・・・」

 

「・・・・・」

 

 すると、布仏はプルプルと震えている。

 ほう、自らの偽りがなんたるかを悟ったのか。見込みがある。

 

 と、次の瞬間「ちー君のエッチィィィィ!」という声とともに威力MAXのビンタが頬に直撃した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ・・・貧乳が俺を呼んでいる。いや、幻聴か」

 

 ムクっと起きたのは保健室のベット。あの時何があったのかは未だハッキリとしないが、取り敢えず時刻を確認した。既にあれから数時間経っており、放課後へと突入していた。

 

「うわぁ・・・・やらかしたぁ。最近、疲れが溜まっていたからな・・・・IS学園、hardだぜ」

 

 流石に一日休んでしまったのはマズイかぁ・・・当分は休めねぇな。

 そう思いながら俺は保健室を出る。やはり放課後になっているらしく、既に多数の生徒が下校している姿が見える。

 

「あんた、今までずっと寝ていたの?」

 

 まだ少しぼやぁとする頭のまま俺は廊下を歩く。すると、前方からタオルとスポーツドリンクを持った貧乳、げふんげふん、鈴音がやって来た。

 

「貧乳バンザーイ」

 

 ドカッと拳が俺の腹に食らう。

 

「俺が一体何をしたって・・・・」

 

「あんた殺されたいの?」

 

 ひぃっ!こわっ!今の目がガチだぞ。いや・・・貧乳に殺されるのなら本望。

 

「優しく頼む」

 

 そのまま廊下に大の字になって寝転がった。

 

「・・・・あんたねぇ」

 

「まぁ、冗談はここまでにしてと」

 

 俺は今一度少し目を擦って立ち上がり、改めて鈴音を確認する。

 うん、ナイス貧乳。何も言うことはなかろう。が・・・今現在、鈴音からは乙女オーラがムンムンに出ている。

 なんというか、部活に差し入れを持っていく恋するマネージャーという表現が合っているのだろうか。

 

「一夏か・・・」

 

「えっ・・何よ。いきなり」

 

「そんなことはどうでもいい!今から一夏の元へ行くというのか!」

 

「え、いや・・・うん。そうだけど・・・」

 

 少し頬を染めながら彼女は言う。

 かなり素敵な貧乳だと思ったが・・・きっと鈴音は昔から一夏のことが好きだったのかもしれない。だからこそ・・・か。

 

「そうか・・・なら、一夏によろしくと伝えてくれ」

 

「わ、分かった・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 数時間して鈴音が部屋に戻ってきた。その表情はあまり優れない。落ち込んでいるように感じる。素晴らしい貧乳であるが、俺はつい先ほど鈴音を応援すると決定した。

 だからという訳ではない、落ち込んでいる貧乳を無視出来るほど男は廃れてはいない。

 

「どうした?」

 

「・・・・・・・」

 

「おい・・・」

 

 追求すると、彼女は少し開き直ったようにベットに座って言った。

 

「あー、なんかさ。一夏としたはずの約束を見事に忘れられていたんだよね・・・」

 

「・・・約束か。どんな・・・とは野暮だな」

 

「あーあー・・・なんかやんなっちゃうなぁ・・・」

 

 と、彼女はベットにうずくまる。少し哀しそうに、可哀想に、切なそうに。

 

「なるほど・・・」

 

 つまりこういうことだな。一夏。貧乳を傷つけた=俺にぶっ殺されたいと?っと、いかんいかん。あまり衝動的になるな。

 落ち着いていけよ。クールになれ。

 

「なぁ、鈴音。こいつは俺の傍観者からの意見なんだが、ムカつくならぶっ飛ばせ。嫌なら拒め」

 

「なにそれ?」

 

「まぁ・・・ほら、この感じだとお前は情緒不安定でちゃんと戦えないだろ?モヤモヤするんなら、一夏をぶっ飛ばしてこい。それでちゃんと仲直りしてこい」

 

「・・・けど、一夏は忘れてるんだよ?」

 

「忘れてるんならもう一回約束すればいい。それとも、お前らの絆というものはたった一度の喧嘩で分解してしまう程やわなものなのか?」

 

「そんなこと・・・ないけど」

 

「なら、十分だ。事があった時に成すべきことをしなければ、気づけば手遅れになってしまう」

 

 そう言うと鈴音は黙って頷いた。

 

「まっ、俺が認めた貧乳ならば一夏の一人や二人。問題ない」

 

「っ!・・・一夏が二人もいたら大変よ。けど、ありがとう。元気出てきたかも!」

 

 揺れない胸が上下に移動する。

 まぁ、彼女が頑張るというのなら、俺はそれを応援するのが役目というか、なんというか。

 元気に笑う少女にはやはり悲しい顔は似合わなかった。

 

 

 ていうか一夏のバァァァァカッ!お前は巨乳ばかりはべらせばいいんだよ!何故、貧乳にまで手を出すんだ!

 あれか?オールラウンダーか?糞が!ふざけんな!!!!

 

 

 

 そんな俺に貧乳の神のご慈悲を。

 

 どうか、素敵な貧乳と巡り会えることを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




りんちゃんなう、りんちゃんなう、りんちゃんなう、りんちゃんなう、りんちゃんなう、りんちゃんなう、りんちゃんなう、りんちゃんなう・・・・・・・・・・・・・・・











はぁ・・・prprしたい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。