「それで、お前は何を言って上から落とされたんだ」
太陽きらめく荒野の真ん中、僕は生き返った瞬間殺されそうになっていた。
「何も言ってませんよ!!それよりも、うわっっ、この状況は何なんですかーーーー」
アッシュさんのバイクで登る時も目撃していたが、三体の小獣(レッサー)級のエネミーと輝くアバター、一日たった今では種類が変わっておりより狂暴そうな種類になっていた。
「いやー仲間がいるって心強いなクロウ君、さあ俺と一緒にあの塔のてっぺんを目指そうじゃないか……というわけで俺を運んで飛んでくれ」
そう言ってサムズアップしてくる金色のアバター二度対戦して対戦成績は一勝一敗で五分のように思えるが、負けた時はほぼ一撃で負けた。名前はゴールド・リッチ、ブレインバーストに突然現れた謎の人物だ。
一番古い情報が僕と対戦した時だというから驚きだ。最初の対戦はギラギラ輝く派手なアバターだなというのが感想でそれ以外に特になにもなかった。クリスタルを壊してフィンを震わせて飛ぶ僕にこの人はただただ向かってきて返り討ちにあうだけだった。
二度目の対戦は忘れもしない十二月三十一日、先輩のお見舞いにきているときだった。うっかりニューロリンカーを切断し忘れた僕は再び金色のアバターと再戦することになった。
二度目の対戦は明らかに対策を練ってきたようで投擲を主軸に置き、すきを突く近距離攻撃、確かに空を飛ぶ前に攻撃されると少し不味い。しかしこっちだって負けてはいられない。交錯する金と銀の拳、ずっと見ていると目がチカチカするなあの光りの所為で僕の攻撃は精密さに欠け普段の力を発揮できなかった。
ならばと状況を変えるために翼を広げ外へ飛び出す。空中からのヒットアンドアウェイ僕の基本的な戦闘スタイルに前回よりは対応できているようだがフェイントを繰り出し始めると、流れは完全に僕の物となった。
「これで終わりだー」
勝利を確信した僕は空中からのキックで決めようとした。高さと翼が生む浮力をすべてしたに向け猛スピードで敵へと吸い込まれるはずだった。
「必殺の対価《コスト ブロォォォォウ」
相手の必殺技の発声コマンドだろうか、無駄だ遠距離攻撃でもしない限りこの攻撃は逃れられない。体制を崩したままでは満足に技を放つことも出来ない。最後の悪あがきだろう。
その時だ。体についていたトゲが右肩にはじけその衝撃でこぶしが発射された。右腕はさらに輝きもはや形もわからないほどだ。そして不安定な状態で必殺を放ったことにより彼の足が地面を滑り僕のキックは彼の顔をかすめ、彼の拳は僕の脇腹に叩き込まれた。
一発KO、メタルカラーで比較的防御力が高くレベル差もあるはずなのに僕は彼に敗北した。
その後彼の快進撃が始まりだ。レベル差や装甲をものともせず、必殺の一撃で勝負を決める。そのあまりの理不尽さとアバターの色から《成金》と呼ばれるようになった。
「僕はもう飛べないんですよ……」
そう僕は飛ぶことができない。ダスク・テイカーとの戦いで翼を奪われたせいで……。
「なんでか聞いてもいいか?」
「簡単ですよ、飛行アビリティを奪われたそのおかげで僕は今こうやって走り回ることになってるんんですよ!!」
荒野を縦横無尽に走り回っているが一向にエネミーが離れていく気配はない。
「おい、どうするんだよ。お前が来てくれたからあの塔余裕でクリアできると思ったのに俺の期待を返せ」
「勝手に期待したのはそっちでしょう。それよりなんであなたはこんなにエネミーに追われてるんですか、レイカーさんが言う先客があなたなら追いかけっこなんかしてないでさっさと登りましょうよ」
「それが出来たらこっちだって苦労しねえよ!!なんもしなくてもあいつら群がってくるんだよ」
僕たちが言い合いをしていると突然今まで追いかけてきたエネミー達が踵を返して逃げ出した。まるで自分たちに命の危機が迫っているかのように一目散に。
「制限時間がきたか」
「えっ!?」
エネミーが逃げたのとは反対方向つまりは僕にとっっては右側からゆっくりとしかし、一歩一歩確実に歩いてきたのは今まで逃げていたのが小動物かと思えるような金色の体毛を赤褐色の大地にたなびかせた獅子だった。
「あれは無理だ」
その言葉と同時に僕は二度目の死を味わった。
「さてでは、お互いに目的は一緒なようなので協力していこうじゃないか」
ほとんど同時に蘇生した僕は現状把握のために話し合いを始めた。
「いや別に協力する必要なんかないんじゃ……それぞれ別々に登れば……」
「甘え、甘えぞ、クロウこの壁を見てみろよいくらお前がメタルカラーだからってこの壁を傷つけるのは容易じゃないぜ」
僕らが死んでしまっていた間に世界は荒れ果てた荒野から、石畳がびっしりと埋め込まれた地面と傷一つないツルツルの壁の魔都ステージえと変わってしまっていた。試しに壁を殴ってみると痛みのためしばらく飛び跳ねるはめになった。
「でも修行ですし……」
飛べない僕ではあの人のそばにいても役に立てない。だから必ず僕は身に着けなければならない飛ぶための心意を絶対に。
「うわー、見てて腹立つわー」
リッチさんは突然僕に詰め寄ると一気にまくし立て始めた。
「あのなー俺がどんだけここにいるのか知ってるか体感時間三か月以上だぞ、エネミーども蹴散らしたと思ったらあのラスボスが出てきて、逃げても出てきて、もうどうしたらいいんだって状態だ。それなのに新しくて落ちてきた仲間はなんか一人でやらねばっていう使命感に燃えて一人で抱え込んでる。そういう奴身近に一人いるけどな、周りからしたら迷惑なだけだぞ」
思い出したのはタクとチユリのことだった。羽を奪われてすぐの時チユリは泣いていた。翼を取られて、体の痛みも何もかもがどうでもよくなった僕と一緒に泣いてくれた。タクはチユリを物扱いした僕に手を差し伸べてくれた。信じてくれと助けを呼べと。
「だからな、意地なんか張らずに助け合おうぜお前は今飛べないんだろ。だったら助けてやるよ一緒にあの塔のてっぺんに行こうぜ。そして俺はエネミーに群がられる。だから助けてくれよ。そんであの女に一言言ってやろうぜ」
金色の手が目の前に差し出される。僕は弱い。弱いから助け合う、弱いから助けれる。もしあの塔を登り切ったら二人の親友に謝りに行こう。その決意をもって僕はその手をとった。
「もし協力しないんだったら俺の持てる全ちからを使ってお前を邪魔してやる」
「なんで最後脅迫になるんですか!!」
僕たちが計画を立ててる間にもエネミー達は襲ってきた。二人で協力して撃退するも六時間ほどたてばあのライオンとエンカウントしてしまい。全てが水の泡になる。リッチさんの話では五十メートルも登ればエネミーに手出しをされることもないらしい。ということはその間の時間稼ぎが問題なのだが……。
「なんで俺には差し入れないんだよ」
「いや、知りませんよ」
突然頭に何かぶつかり驚き飛びのくと、そこにあったのは白犬のに包まれたなにかだった。恐る恐る開けてみるとパンとともに『がんばれ、鴉クン♡』の手紙が、初めて女の人からもらうハートにどぎまぎしながらパンを取り出す。パンは何もない麦パンだったがすきっ腹にはたまらなくみえた。
「何も食べずに三か月もどうやってたんですか」
「いや、実質いるのは一週間ごとくらいでちょいちょい戻っているんだけどな。一週間の間は根性だ」
僕にはとても無理そうだなーと考えながらパンを食べているとジーと無言でパンに突き刺さる視線。
「いります?」
「ください」
結局パンは半分になった。
「ではその手筈で」
ストレージにはリッチさんが生みだしたいくつかのアイテムが入っている。
「この計画はリッチさんがどれだけ生き残れるかにかかってますから」
「お前が早く登ってくれれば俺は余裕だぜ」
「成功させるぜ」
「ハイ!!」
金と銀の二つが今合わさる。
RE:ゼロアニメ化決定ヤッホーこれを見てテンション上がったので書きました。ところどころおかしいところがあるかもしれませんがご容赦を。マジでヤベエいつかなー今から待ち遠しいです。
感想、お気に入り登録、評価ありがとうございました。マジで今日にテンションやべえなうん。