一難去らずにまた一難
少年は夢を見る。いつも同じ夢を見る。
夢の中で少年は走っていた。異形の怪物から逃げるように。
いつもなら捕まり、殺される直前で目が覚めるのだが、今回はなぜか目が覚めなかった。
とにかく必死に走った。殺されると解ったから
なのに、どんどん差が縮まっていく。少年は一生懸命に走った。
だが、人間は必ず限界がある。とうとう捕まってしまった。
怪物は、手に持っていた剣を喉元に押し付けてきた。
(ヤバイ、殺される。)
少年は悟った。俺は死ぬんだと。覚悟を決めたその時、
「ライダーキィィィィィィィィィック!!!!」
「グゥアアアアアアアアアア!!!!!」
一陣の風と共に飛んできたキックが怪物に当たり、怪物は断末魔の叫びを上げて爆発した
少年は蹴りの飛んできた方を見た。その姿は、赤いマフラーを風になびかせ、腰にベルトをつけていた。
少年はその姿を見て無意識にその名を口にした。
「・・・仮面・・ライダー」
その瞬間、彼の意識は急速に遠のいていった。
_______光said
ピピピピピピピピ・・・カチッ
「あーもう、うるせーっともう朝か」
俺は眠気眼をこすりながらベットから起きてリビングへ足を進めた。
今日は日曜日だから仮面ライダーがある。この前の鎧武が終わり、新しく仮面ドライバー、もとい仮面ライダードライブの2話目が始まる。
時刻は7時59分だ。ギリギリ間に合い、急いでテレビをつけると、何故かニュースが流れていた。
「くそっ、早く終われってんだ」
俺はイライラを高めながらニュースを聞いていた。
「臨時ニュースです。皆さん、落ち着いて聞いてください。あと1時間で地球に隕石が落ちてきます。
地球の約2倍の隕石が落ちてきて地球は消滅します。繰り返します・・・」
それを聞いて、俺は青ざめた。
(・・・・え?マジで?(゚д゚lll)ビックリだよ。つうか聞いてないよそんなの。)
ドッキリだ、なんて考えていると外から悲鳴が聞こえてきた。マジすか。
「まだドライブ1話しか見てねえんだぞ嘘だろー。ハァ、駄々こねても仕方ねーし、最後に世話になったこの街でも回るか」
玄関で靴を履き外へ出ると、泣くもの、悲鳴を上げる者、家族で抱き合う者もいた。
「家族・・か・・・」
俺の両親は、数年前病気で死んじまって一人で暮らしていた。やっと慣れ始めたのに・・。
「海斗くんッッ」
女の人が叫んだ方向に振り返ると、今にも引かれそうな小さい子供がいた。
「あぶないッッ」
俺は考えるより先に動いていた。
(間に合え、間に合ってくれ。)
ギリギリ間に合った.俺はすぐに子供を投げ飛ばし、自分も逃げようとした。
だが、子供を投げるのに時間をかけたせいでトラックはもう目の前に来た。
(ああ、もう終わりか、父さん、母さん、今そっちに行くよ)
そう思った瞬間彼の意識は急激になくなっていった。