五河士道には、チートな彼女が"いた" (旧題:デート・ア・マニアックス)   作:エター

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なんか書いてたら、何処できればいいかわからなくなって今までの倍近くなってしまった。

とりあえず、投下します。


六章 崩れた教室で

東校舎の4階にある化学準備室、そこへ今日の昼から早退している化学担当の教師にプリントを運ぶように頼まれた彼女、岡峰珠恵は、大量のプリントを持って、東校舎の2階の廊下を歩いていた。

 

三十路を間近に控えた彼女にとって、そのプリントの量は手軽に運べるものではなく、途中何度か休みを入れて運ばなければならないほどの重労働だった。

できれば誰かに手伝って貰いたかったが、心優しい彼女にとって誰かに手伝うよう言うことは非常に心苦しいことで、なかなか誰かに頼むと言うことができなかった。

 

そんなわけで一人で廊下を歩いていると、後ろから声をかけられる。

 

「―――先生っ!」

 

手に持ったプリントが崩れないようゆっくりと振り返れば、そこには彼女が担任を務めるクラスの生徒である青年、五河士道の姿が会った。

 

「あれ、五河くん?どうしたんですかぁ?」

 

うっすらと空が橙に染まり、外から僅かにオレンジ色が混じった光が差し込む廊下、彼女はそこにたたずむ彼の様子をどこかで見たように感じた。

 

「大丈夫ですか?手伝います」

 

彼は彼女の前に立つと、そっと彼女の手に持ったプリントを奪った。

 

「い、五河くんっ!?」

「えっと、化学準備室まで運べばいいんですよね」

 

彼らしくない強引な様子に、動揺する彼女。

そんな彼女をよそに、彼は歩いて行ってしまう。

 

「ま、待ってください五河くん

 気持ちは有り難いですけれど、それ重いでしょう。あなたに全部持たせるのは―――」

「―――大丈夫ですよ。高校生をなめないでください。

 それに、先生にこんな重いものを持たせ続けるわけにはいきませんから」

 

なんとか追いつき彼からプリントを奪い返そうとするも、笑顔で断られてしまう。

 

なんとか奪い返そうと、あの手この手で説得しようと試みるものの、結局準備室に着くまでに取り戻すことはできなかった。

 

「すいません五河くん。今、ご両親が留守にしているあなたを、こんな時間まで残らせてしまって」

「いえ、先生のためならこれぐらい大丈夫です」

 

そう言うと、彼は真剣そうな顔で此方を向く。

夕暮れの学校、二人っきりの密室、真剣な眼差し、まるで恋愛ドラマの告白シーンのようで思わず彼女は、教師としてはあってはならないことだが、胸を高鳴らせてしまった。

そんな彼女に、彼は口を開く。

 

「―――先生、大切な話があるんです」

「ひゃ、ひゃい!」

 

思わず、噛んでしまい情けない声が出る。しかし彼は、そんな彼女の様子を無視して続きを告げた。

 

「最近、いつも学校に来るのがとても楽しいんです。去年までは何でも無いと思っていた学校での日々が、今年はとても楽しく感じます」

 

―――きっと、この思いは先生のおかげだと思うんです。

 

「い、五河くん、あまり先生をからかうのはよくありませんよ」

「からかってなんていません。先生が俺のクラスの担任になってから、本当に楽しいんです。

 先生が先生で、俺が生徒でしかないことはわかってます。こんな思いを抱くことが、褒められたことではないことだって、承知の上です。

それでも、この思いに、この感情に、嘘はつけないんです」

 

不思議と高鳴る胸の鼓動、その鼓動を止めるすべを彼女は持たなかった。

 

「―――先生、俺と付き合ってください」

 

 

 

       ◇

 

『惜しかったわねー。正直、いけてもおかしくないと思ったわ』

 

一人になった準備室で椅子に座り蹲る俺の耳に、インカムから琴里の白々しい声が届いた。

 

『まっさか士道が、あんなクサい台詞を息を吸うようにペラペラ話せるとは考えもしなかったわよ。やるじゃない』

 

―――御免なさい士道くん。私は先生なんです。ただの女性である前に、あなたたち生徒を育てる先生なんです。

 だから、あなたの想いに応えることはできません。

 

タマちゃんの言葉を思い出す。

あの時、俺は先生に言葉を返すことができなかった。

 

『ただ、一つは気になることを言っていたわね』

 

息を吐き、頭の中をリセットする。あまり引きずるわけにはいかない。

 

「ああ、来禅高校(うち)の制服を着た俺のそっくりさんに、先生が()()()()()()()()()()()()()()()()()って話だろ。でもそんなに変な話か?そっくりさんくらいいてもおかしくないだろ」

『ええ、でもそれはおかしいの』

 

そう言って琴里は告げた。

 

『今、三、四、五年前の来禅の卒業写真をチェックしたのだけれど、士道のそっくりさんなんていなかったのよ』

「………何?どういうことだ?」

 

『つまり、五年前に岡峰珠恵にあった士道のそっくりさんは、何処からか来禅の制服をわざわざ入手して彼女に接触したってことよ。これは明らかに変よね』

 

そうだ、確かにそれはおかしい。

 

その時、ふと、折紙が昔言っていたことを思い出した。

 

―――私は、五年前の大火災であなたに助けられた。

 

折紙はそう言っていたけれども、俺には彼女を助けた記憶は無い。あまりよくは覚えていないが、俺はその時琴里のそばにいたはずだ。

つまり、あの時あの場所には

・五年前の俺

・子供姿の俺のそっくりさん

・今の俺のそっくりさん

の計3人の俺がいたことになる。

折紙にそう言われたときは偶然だと思ったが、流石にもう一人いたと考えるとこれはおかしい。あの日、あの時、あの場所に、こんなにもそっくりさんが集まったことを、はたして偶然と言っていいのか?

 

ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ――――――――

 

その時、辺りに空間震警報が鳴り響く。

俺は一旦その疑問を放棄して、琴里達の指示の元、その場を後にした。

 

       ◇

 

午後五時二十分

転移装置で移動した俺と琴里、令音さんは、様々な情報が映し出された巨大なモニターを眺めていた。

〈ラタトスク〉の軍服に着替えた琴里と令音さんは何やらモニターを見ながら話しているが、所詮は一般人でしかない俺には、モニターに映し出された文字列がどんなことを示しているか、ほとんど分からなかった。

分かったことは少しだけ、画面右に映る地図が士道の通う来禅高校を中心とした物であることだった。

 

「―――士道」

「なんだ?」

「早速働いてもらうわ。準備なさい」

「………っ!」

 

琴里の言葉に、俺の身体が興奮で震えた。

ついに、ついに復讐の機会が訪れたんだ。それだけで、興奮が止まらなかった。

ただそれを顔に出すことはしない。顔を俯かせ、まるで恐怖を堪えているかのように偽る。

 

「―――まだ、彼には早いのでは無いでしょうか」

 

そんな俺を見かねたのか、琴里のそばに立っていた神無月さんが声を発した。

 

「相手は精霊です。失敗は、彼の死を意味します。ある程度訓練を施したからと言って、まだこの世界を目にしたばかりの、一般人と言っても過言ではない彼をそんな危険な目に遭わせることはあまりにも酷なのでげふッ!」

 

言葉の途中で、神無月さんの大切な場所に琴里の蹴りが打ち込まれる。

その光景に思わず、俺が食らったわけでもないのに背筋が冷えた。俺は琴里の教育を何処で間違えたのだろうか。

 

「黙りなさい神無月。一体いつから、あなたは私の決定に異議申し立てができるほど偉くなったのかしら。

 

 ………まあ、神無月の言いたいことも、分からなくないわ。けれどそう言っていては、一生精霊をデレさせることなんてできないわよ」

「………もっと………ああもっと」

 

痛みを堪えつつ頬を染める神無月さんに、俺の心配が杞憂なのがわかった。どうやら琴里がこうなってしまったのは、神無月さんのせいのようだ。

―――前も思ったが、副司令がこんなんでこの組織は大丈夫なのか?

 

「さて、じゃあ気を取り直して話を進めましょう」

 

そう言うと、空気が神無月さんの痴態が始まる前のものに戻る。どうやら神無月さんの痴態には、誰もがなれているらしい。本当にこの組織は大丈夫なのか?

 

「士道、モニターの地図を見なさい」

「お、おう」

 

そう言われたので、モニターの方に顔を向ける。

そこには、つい先ほど見たときには無かった、一つの赤い点と複数の黄色い点があった。

 

「この赤い点が精霊。黄色い点がASTを指してるの。今回出現した精霊は、前と同じで〈プリンセス〉。見ればわかると思うけど、彼女は今、来禅高校の二年四組、つまり士道のクラスの教室にいるわけ」

 

モニターの赤い点は、来禅高校を示していた。そしてその点がある学校の周りを、黄色い点が取り巻いている。

 

「ASTが対精霊戦闘に使用する武装、CR-ユニットは、狭い空間を想定して作成されていないの。だから、ただでさえ精霊よりも弱い彼らが不利な屋内へ突入しようとすることはまずないわ」

「………つまり、ちょうど今はチャンスってことか」

「ええ、こんな機会は今を逃したら中々無いと言えるわね」

「なら、行こう。ASTが来る前に行かないと」

 

インカムが耳にあることを確認しつつ、そう琴里に告げる。

 

「随分気合い入ってるじゃない、さっき怯えてたのが嘘みたいね。よろしい、カメラも一緒に送るから、困ったときはサインとして、インカムを2回小突いてちょうだい」

「ああ、わかった」

 

転送機のある場所へと向かうために、ドアへと足を向ける。

 

「グッドラック」

 

背後からかけてくる声に、親指を立てることで返す。

今の俺には、その言葉に返す言葉をを告げることができなかった。きっと、今応えれば、歓喜で口が震えてしまいそうだったから。

 

世界を救うとか、恋をさせるとか、そんなことはどうでも良かった。

 

ただ―――精霊を殺せると言うだけで、俺の心の中の炎が燃えさかった。

 

 

 

 

わずかな浮遊感とともに、奇妙な気持ち悪さを感じるが、頭を振って振り払う。

学校の中に入ろうと校舎の姿を視界に捉えたとき、おもわず固まってしまった。

そこには、こっそりと壁を削り取られた校舎の姿があった。

 

「改めて見るととんでもないな………」

『まあ、ちょうどいいからそこから入っちゃいなさい』

 

インカムから琴里の声が聞こえてくる。

特に反対する理由もないので、その穴から校舎の中に入っていく。わざわざ回り道をして、無駄な時間を過ごす理由もないからだ。

 

『急ぎましょ。ナビは必要かしら?』

「いや、精霊の居場所が変わっていないなら必要ない。流石にいくら学校が崩れているからって、何時もいる教室の場所くらいわかるよ」

 

近くの階段を駆け上がり、所々瓦礫の散らばった廊下を進み、見慣れた教室の前に立つ。

―――扉を開けた。

 

その瞬間、その一瞬だけは、考えていた薄っぺらい言葉も、燃えさかっていた憎しみも、何もかもが吹き飛んだ。

 

彼女は、ちょうど俺の席に、片膝を立てるようにして座っていた。

幻想的な輝きを放つその瞳を絶望に染め、黒板を眺めている。

窓から降り注ぐ夕焼けの光に照らされているその姿は、神秘的で、儚げで、それでいて澱んでいた。

 

「―――ぬ?」

 

彼女は俺に気付いたのか、此方に向き直る。

 

「………ッ!や、やあ」

 

真っ白になった頭の中で何とか言葉をひねり出し、彼女に声をかけたその時、全身に悪寒が走った。

反射的に膝を折り、しゃがみ込む。

 

その直後、彼女が振るった手から放たれた黒い閃光が、つい先ほどまで俺の頭があったところを薙ぎ払った。

一瞬置いて、背後の教室のドアと廊下の窓ガラスが盛大な音をたて砕ける。

 

『士道!』

 

インカムから琴里の声が聞こえてくる。

ただそれに応えている暇はない。目の前で彼女が黒い輝きを放つ光の塊を手にした腕を、大きく振り上げているからだ。

 

「っ!」

 

教室の机にぶつかるように転がり、直後に放たれた光の奔流をよける。

 

続いて再び光を放とうとしている彼女に、俺は慌てて声をかけた。

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ!俺は敵じゃない!」

 

彼女の腕が固まり、光の膨張が止まる。

彼女は俗に言うジト目を俺に向けてきていた。攻撃は一応止めてくれたみたいだが、随分と俺のことを警戒している。

 

敵意がないことを示すために、両手を挙げようとする。

 

「―――動くな」

 

しかし、それは彼女には伝わらなかったようで、彼女は一瞬でもの前に近づくと、俺の首筋に巨大な剣を突き付けた。

彼女の様子に、思わず身体が硬直する。

彼女は、俺を舐めるように睨み付けると、口を開いた。

 

「おまえは、何者だ」

「っ!………ああ、俺は、」

 

『待ちなさい』

 

インカムから琴里の制止の声が聞こえた。

が、無視する。待てば俺は死ぬ。

 

「俺は、五河士道。ここの生徒だ」

「生徒?………まあいい、五河士道か。

 む?そういえばお前、前に一度私と会ったことがあるな?」

「あ………っ、ああ、十日前の四月十日に、街中で」

「おお、あの時か」

 

そう言うと、彼女は首筋に突き付けた剣を引く。

 

「思い出したぞ。お前、私ごとメカメカ団に殺されそうになってたヤツだな。死んだと思っていたが、無事だったのか」

「………メカメカ団?」

 

メカメカ団………ASTのことか。

 

「それで、お前はどうしてここにいるんだ?」

「ああ、それは―――」

 

『士道、いい加減待ちなさい』

 

 

「………さっきは士道が無視したけれど、今度こそ、答えるわよ」

琴里の目の前には、神秘的な精霊の姿がバストアップで表示されていた。

その彼女の周りには、『好感度』をはじめとした各種パラメータのようなものが配置されている。それは、士道が訓練に使用したゲームの画面にそっくりだった。

そんなあたかもエロゲーのような画面に、大の大人が何人も真剣に向き直っている。いや、まあそもそもエロゲーは大人がやるものだが。

 

そんな画面の中央に、今は3つのウインドウが現れている。

①「それはもちろん、君に会うためさ」

②「なんでもいいだろ、そんなの」

③「偶然だよ、偶然」

 

「総員、これだと思う選択肢を選びなさい!5秒以内!」

 

画面を真剣に見つめていた彼らが、一斉に手元のコンソールを操作する。その結果はすぐさま琴里の手元のディスプレイに集計される。結果としては、①が人気だった。

 

「まあ、そうでしょうね―――士道、無難に君に会うためにとでも言っておきなさい」

 

琴里がマイクにそう告げると、士道は僅かに首を縦に振ると、口を開いた。

 

『君に、君に会うためだ』

『………?』

 

そう告げられた彼女は、きょとんとした顔をする。

 

『私に?一体何のために』

 

彼女が首を傾げそう言ったとき、ふたたびモニターに選択肢が現れる。

しかし、琴里がその選択肢に目を通すよりも早く、士道は彼女に答えを返していた。

 

 

 

「私に?一体何のために」

「それは勿論、お前と話をするためだ」

 

考えるよりも早く、俺の口はそう答えていた。

彼女が、更に大きく首を傾げる。

 

「………どういう意味だ?」

「俺は、お前と話がしたいんだ。大それた理由があるわけじゃない。深い理由があるわけでもない。ただ、俺は―――」

 

目の前の彼女を見つめる。

絶望に満ちた瞳。世界中全てに嫌われているとでも思っているような表情。その様子を、それと同じ様子の存在を、以前俺は見たことがあった。

 

そう、それは昔の俺と同じだった。

 

「―――君に、ひとりぼっちじゃないって、世界全てが君の敵じゃないって、君にそう言うためにここに来たんだ」

 

「………そう、か」

 

彼女はそうつぶやくと、僅かに押し黙り、再び口を開く。

 

「………たしか、シドー。シドーと言ったな」

「ああ」

「―――本当に、世界は私の敵ではないのか?私が今までに会った人間は、皆私は死ななければならないと言っていたぞ」

「そう言う人も、確かにいる。でも、そうでない人もいる。少なくとも、俺は違う」

「………」

「………」

 

再び押し黙り、俯く彼女。

彼女は、髪をかき、深呼吸をしてから、腕を組み、顔の向きを此方に戻した。

 

「―――ならばシドー、その証拠を見せてみろ。私が世界全てに否定されていないという、その証拠を」

 

証拠、か。それなら簡単な方法がある。

今の両親が教えてくれた、とても簡単な方法が。

俺と彼女の違いはたった一つ。誰かが手をさしのべてくれたか否か、それだけだ。なら、両親のように、俺が彼女に手をさしのべればいい。

 

―――俺は、彼女を抱きしめた。

 

「っ!?し、シドー!?」

「―――これでわかるだろう。お前がひとりぼっちじゃないって、世界全てがお前を否定しているわけじゃないって」

 

かつての俺は、たったこれだけで救われた。

誰かのぬくもりが、暖かさが、俺が一人じゃないと教えてくれた。

 

「―――ああ、そうだな。少なくとも、私はひとりぼっちじゃない。シドー、お前は暖かいな。

 ありがとうシドー。シドーは私に大切なことを教えてくれた」

 

そう言って、彼女は満足そうに笑った。

 

「………っ」

 

心臓が、高鳴る。

その笑顔は、とても、見入ってしまうほどに美しかった。

 

「………シドー?どうかしたのか」

「い、いや、何でもない」

「そうか、ならいいのだが………」

 

三度、無言の時間が流れる。

 

「そ、そういえばシドー。ここはいったい何なんだ?私はこういった場所を見るのは初めてだ」

 

彼女が急に話題を振ってくる。どうやら、今度の沈黙には、彼女は耐えかねたらしい。

俺としても、彼女のその行為は救いになった。

 

「あ、ああ、ここは学校―――教室だよ。俺や俺と同年代くらいの人たちが勉強する場所だ。こうやって、席に座って、こう」

「なんと、この机にすべて人間が座るのか?冗談を抜かすな。40以上あるぞ」

「言っただろ、世界全てがお前を否定しているわけじゃないって。ちょっと待っててくれ」

 

教室の机の中を一通り覗く。すると、いくつか教科書が入ったままの机があった。

その中の1つから、現代社会の教科書を取り出す。

 

「えっと、これは社会の教科書っていって、人間の生活環境とでも言えばいいのか?そういうことについて書かれたものだ」

「ふむ」

「で、これを見てほしい」

 

教科書を開き、そこに掲載されていた一つの写真を見せる。

 

「これは!?こんなにも人間はいるのか!」

 

彼女に見せたのは、世界の観光地についてのページにあった写真。そこには数え切れない程の人間の姿があった。

 

「世界には、およそ50億人もの人間がいると言われている。おま………あーえっと、お前が知っている人間なんて、本当にごく一部でしかないんだ」

「なる程、私はまだまだこの世界についてよく知らないことがたくさんあると言うことか………

 それにしてもシドー、なぜ先ほど少しどもったのだ?」

「いや、さっきまで連呼してた俺が言うのもなんだけど、何となくお前って呼ぶことに違和感を感じてさ。でも、たしか名前がなかったって言ってたから、どう呼ぼうかと思って」

「む、そうかそうだな。私もシドーにお前と呼ばれるのは、あまり嬉しくない………」

 

すると、彼女はしばし唸ると、何かひらめいたような顔をして、

 

「よし、シドー。私に名前を付けてくれないか」

 

そう言った。




見直して思ったんですが、十香デレているというより、若干依存してますね。
士道くんも何だか結構強引だし………

Σ(・ω・*) まさか、これがリア充の力……!
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