超.黒の剣士   作:しもつかれ

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9話でーす。SAOは劇場版と新作ゲームが決定したみたいですね。主も楽しみです。
ではどうぞ↓


@9 黒閃

2023年 6月10日 第27層 迷宮区塔

 

「はっ!」

 

テツオが振るったメイスがゴーレム型モンスター『クリスタルゴーレム』の胸部を撃つ。

 

「スイッチ!」

 

「グォォォ...」

 

怯んだ隙にサチが槍5連撃技≪リヴォーブ・アーツ≫を放ち、ゴーレムはHPがゼロになると同時にポリゴン片となった。

 

「良いぞ皆、たった6日でよくここまで上達したもんだよ」

 

黒猫団との特訓最終日の今日、俺たちは27層の迷宮区に来ていた。先のゴーレムやドワーフなど、人型モンスターが多いここを5人(勿論、危険な時は俺が助けに入る)で突破できれば中堅プレイヤーとしては充分だという俺の提案によるものだ。

 

「いやいや、キリトの教え方が良いからだって」

 

「そんなこと無いさ、皆の努力の結果だ」

 

実際、彼らは戦い方が雑だったので、俺はソードスキル発動のタイミングと連携を教えただけだ。

 

「まぁまぁ、どっちもって事で良いじゃないか」

 

ケイタが綺麗にまとめた所で、俺たちは上階に続く階段へと歩き出した。

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その後何度か戦闘を繰り返し、1時間ほど経過した。確かそろそろボス部屋があるフロアに着くはず...

 

「おーいキリト、ここの小部屋はマップに載って無いぞ?」

 

ササマルが指差した方向を見ると、青白い正方形が幾つも重なったようなデザインの壁に見つけた、一箇所だけへこんでいる部分に扉があった。

 

「これは隠し部屋だな...俺が前に来た時は気付かなかった」

 

「なぁ、入ってみようぜ!」「良いね、行こう!」

 

「いや一旦落ち着いて...って聞いてないし」

 

ケイタ、ササマル、ダッカーの三人がサッサと小部屋に入っていってしまったので、取り敢えず彼らを追う。

 

小部屋の中に入ると、部屋の中央には宝箱が設置されており、その他には何も無かった。...わざとらしいなこの配置。

 

「キリト、あれは...」

 

「あぁ、これは完全にトラッp「ラッキー!」ガチャ .....おい」

 

ダッカー(バカ)が宝箱を開くと、壁が赤く輝き、部屋中にサイレンが鳴り響いた。あの宝箱は『アラームトラップ』の起動スイッチだったのだ。入り口が塞がれるのと同時に、もの凄い数のドワーフやゴーレムが出現した。ざっと見ても30体は居り、更に増え続けていく。

 

「うわぁぁぁ!ごめん、俺、俺のせいで...!」

 

「そういうのは後だ!転移結晶は!?」

 

「転移!...ダメだ、転移できない!」

 

(クリスタル無効化エリアか...!)

 

部屋の中央に固まっていると危険だ、囲まれるとマズイ。今やるべきことは...

 

「道を開く、部屋の端に固まれ!...くらえっ!」

 

背中の鞘から『ペルセウス・ソード』を抜き払い、広範囲2連撃技≪ホリゾンタル・アーク≫を放つ。前方の敵が怯んだ隙に壁際へ移動した。

 

「...いつもどおりの陣形で防御優先!死なない事だけ考えろ!」

 

右手に『ペルセウス・ソード』を持ったままメニューを操作し、装備フィギュアの左手に『ルーン・ブリンガー』をセット。

背中に出現したもう一本の剣を左手に構え、モンスターの大群に向かって重攻撃技≪ヴォーパル・ストライク≫を発動して突進し、ライトエフェクトが消える直前に左の≪ホリゾンタル・スクエア≫でまとまっていた敵を四方から斬りつける。

 

「うぉぉぉぉぉぉ!!」

2本目の剣を見て黒猫団の皆が驚いた様子を見せた。

あまり他のプレイヤーの前で二刀流は使いたくは無いが、今はそんな事言ってる状況じゃない。

 

彼らはこの6日間でだいぶ戦闘ができるようになった。だから俺は彼らを信じ、戦うべきモンスターの数を減らす事に集中する。

 

(絶対に全員生きて連れ帰る!)

 

俺は両手の剣を握り締め、モンスターの群れに立ち向かって行った。

 

------------------------------------------------

 

「これで終わりだ!」

 

最後に放った≪デルタ・スライサー≫で、ゴーレム二体をまとめて斬り裂くと、二体はポリゴン片となり、部屋が青白い色に戻っていく。

 

「ふぅ...皆、無事か?」

 

「大丈夫だ、誰一人欠けてない...」

 

振り向いて確認すると、疲れきった声でテツオが告げた。

 

「良かった...皆よく耐えてくれた、俺も集中できたよ」

 

本当に良かった。場合によっては全滅していたかも...

 

隠し扉、トラップ、全滅...

 

(っ!?)

 

「皆本当にごめん、俺が早とちりしたせいで...取り敢えず街に....!?」

 

俺が違和感の正体に気づくと同時に、何処からか飛んできたピックがダッカーに突き刺さる。するとダッカーは倒れ、動かなくなった。

更に次々と黒猫団メンバーにピックが突き刺さり、次の瞬間には俺以外の皆が床に伏してしまった。

 

「何これ、体が動かない...!」

 

「麻痺毒...っ、誰だ!!」

 

ピックが飛んできた方向に目を向けると、若干だが空間に歪みが見えた。これが違和感の正体か...

 

「ワ〜ンダウ〜ン!」

 

歪みから出てきたのは黒いマスクを被り、深い緑のマント装備の男だった。格好が俺と被ってる...じゃなくて。

 

(こいつ...オレンジカーソル(殺人者)!)

 

恐らく隠し部屋への入り口を開けておいたのはコイツで、中に入って隅の方で≪隠蔽≫を発動して隠れていたのだ。俺は戦闘に集中するため索敵する暇もなく、最後まで気づかなかった。それも向こうの狙い通りか。

 

すると、モンスターを倒した事によって開いた入り口から、黒マスクと同じ深い緑色のマントの男達が入ってきた。やはり2人ともオレンジカーソルだ。

 

「黒いコート、2本の片手剣...コイツだ、ヘッド」

「Wow、あのトラップで死人ゼロか。噂に聞いた通りの腕だな、黒衣の剣士」

 

1人は赤い目の装飾を施したドクロのマスクを装備しており、腰には細剣...いや、刺突剣(斬撃が使えないが、細剣よりも刺突の威力が高い片手武器)を吊るしている。そしてもう1人の、紫のフェイスペイントをして短剣(というか包丁)装備の男....

 

「最近噂のレッドギルドが俺に何の用だ?」

 

「お前の噂を聞いて興味が湧いたんでな、俺達『笑う棺桶(ラフィン・コフィン)』にお前をスカウトしに来た」

「んで、断ろうものならコイツら1人ずつKill!」

 

「き、キリト...」

 

スキンヘッドの男は殺気を抑える事なく告げ、黒マスクの男がサチに片手剣を向ける。 だが。

 

 

「彼らに手を出す様なら、アンタの頭飛ぶぜ」

 

「...ワォ、聞いてた以上の殺気!」

(一瞬で背後に...!)

 

同時に俺も黒マスクの喉元に剣を当てていた。こちらに向き直り、サチから剣を離す。

 

「Very goodだ、黒の剣士。その冷たい目...お前、世界に絶望した事があるだろう?俺達と同じ目だ」

 

殺人者と同じ目するほどか...コミュ障拗らせると殺し屋になんの?

 

「何も知らない他人に気味悪がられて、憎まれて、悔しくないか?イラつかないか?それも殺しちまえば全部解決さ」

 

コイツはなんて言うか、カリスマ性...がある気がする。俺でもアスナと出会っていなければ、言葉につられてた可能性アリだ。

 

「...あぁ、現実は現在進行形で大嫌いだぜ。でも最近、訳あって向こうに帰りたくてな。って訳だからその誘い、断らせてもらう」

 

「Bad、そいつは残念だ」

 

一歩下がって黒マスクから剣を離し、空を斬り払った。そんな俺の前で武器を構え、髑髏マスクの男が言う。

 

「お前、この状況、わかってないな。攻略組とはいえ手負い、俺たち(殺し屋)3人相手じゃ、勝てない。お前はここで、死ぬ!」

 

髑髏マスクが構えたエストックが緑色の光を帯びた。この構えは≪リニアー≫。

 

「流石に速いな、でもまぁ...」

 

剣の切っ先が俺に迫る、その時。

 

 

 

「せぁぁぁっ!」

 

「何!?」

 

背後から現れたもう一つの光が髑髏マスクのそれと衝突、相殺した。

 

 

「...わざわざ来てくれたのかアスナ」

(”閃光”に比べりゃまだまだだ)

 

「大丈夫!?...ってキリト君全然余裕そうじゃない」

 

現れた剣閃の正体は、我が妻アスナだった。

 

後で聞いた話では、待ち合わせをしていた28層の階段前で待っていた所、指定した時間を過ぎても誰も現れず、気になって迷宮区に降りてみると同エリア内に俺の位置情報反応(結婚相手のみダンジョン内外を問わず位置把握が可能)を見つけ、HPが減っていたのを気になって探しに来てくれたとの事だ。

 

「白いコートにレイピア、この剣閃...まさか”閃光”か?」

 

「まぁ何にせよ、これで2対3...どうする?」

 

「ガキとはいえ攻略組2人...こっちの不利だ。今回は引こう」

(こっちの黒コート...”閃光”と同等以上か。それにあの殺気...)

 

男達は不愉快そうに口元を歪ませ武器を納めると、俺たちの横を過ぎて行く。

 

「PoH...俺の名だ。また会おう、黒の剣士」

 

「...キリトだ。できれば会いたく無いけどな」

 

部屋を出るところでリーダー格の男が立ち止まり名乗ったのに対して名乗り返すと、彼らは去って行った。

 

そうしている間に黒猫団の麻痺毒も解除され、次第に立ち上がる。そしてアスナが多数の視線を受けた。

 

「聞きたい事は多いと思うけど、先ずは街に戻りましょう?」

 

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第28層 宿屋

 

「つまり、攻略組の”閃光”さんがキリトの嫁さんで、キリトは25層のボスをソロ狩りしたとかいうあの...ってことか!?」

 

「あぁ、俺の嫁だ」キリッ

 

「あ、アスナです......///」

 

「すっげー...」

 

迷宮区塔を登って次層に辿り着いた俺たちは、取り敢えず状況を整理するため宿屋に入った。

 

「しかし、キリトがあの25層クリアの新聞に載ってたヤツだったんだ...確かに納得いくな」

 

「隠すつもりはなかったんだけど、色々ごめん。俺の厄介ごとに巻き込んじゃって、アスナまで来てくれて...」

 

「いや、もとはと言えば僕たちが宝箱開けたのが悪いんだし、キリトのせいじゃないよ。キリト、アスナさん、本当にありがとう。僕はリーダーとして未熟だった」

 

「...皆生きてるんだから、ケイタは十分立派だったじゃないか」

 

「そう言ってくれると、気が楽になるよ」

 

確かに俺がタゲを引いたのが殆どだったが、あの状況でパニックにならずに戦えたのは立派だったと思う。

 

「よし、湿っぽいのはここで終わり!折角最終日なんだしパーっとやろうぜ!」

 

『おー!』

 

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第22層 キリトとアスナの家

 

あの『特訓お疲れ様でした会』なるものを終え、俺とアスナは黒猫団の皆と別れて自分たちのホームに戻ってきた。

アスナとサチはいい友達になれたようで、最後は「さっちゃん」とか呼んでいた。コミュ力高いなアスナ。

 

「遅くなっちゃったけど、おかえりアスナ。あと助けに来てくれてありがとな」

 

「うん、ただいまキリト君。良かったら一週間の話聞かせてくれる?」

 

「もちろん...と言いたい所だけど、今日は流石に疲れたから明日で良いか?」

 

「...うん、そうだね」

 

そんな悲しそうな顔すんなってアスナ!!心痛い!

 

「えっと...今日は一緒に寝ないか?」

 

「...!うん!」

 

「お、おう。じゃ寝ようか」

 

守りたいこの笑顔。結婚して良かった...

その後ベッドに向かい、俺とアスナは眠りについた。

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「むにゃ...キリト君が...女の子と一緒にいる...」zzz

 

(......!)ガクガク




ありがとうございました。
キリトのキャラがブレてる気が...気のせいかな(適当

次回もよろしくです!
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