毛利元就の奮闘記[凍結]   作:北極星

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他の小説に集中していましたが再開します。
何分要領が悪くて両立出来ないかもしれませんが長い目で見て下さい


お膳立て

 虎牢関に撤退した董卓軍を追撃し、攻撃を開始する連合軍も堅い虎牢関に手をこまねいていた。華雄を逃したことも災いとなっている。挑発を行っても、前回のようにはいかず、被害は増していった。

 歯痒く思った袁紹は自らの軍を動員することにし、華琳を先鋒にした。

「ようやく、私達の出番だね、今回の戦は私達は何もしない、ただ何もしないのでは無く、上手く袁紹に押し付けるのが重要になる」

「さらっとよく言えるな、元就さん」

「優しく黒い。やな人だ」

 一刀と秋蘭の横目を気にせず元就は策の説明を続ける。

「それで最後に・・・・・・」

 ・・・・・・

「出来るの?それは」

「勿論、勇猛な方々の協力が必要だけどね」

 ちらっと元就の視線の先には持ち上げられて嬉しそうにする春蘭と流琉、なんか無理なことをやれと言われそうになっていて警戒している秋蘭と季衣、なんで近い所にいたのに真逆な性格になるのか、元就は少々呆れながらも自分の息子もそうだったなと思い直して、詰めの作業への準備を始めた。

 

 

 

 

 

 連合軍が虎牢関に詰め寄ると一人の将が立ちはだかっていた。紅の髪に紅の馬、そこから醸し出される覇気は恐ろしい。

 その姿を見て兵は膝を震わせる。そして叫ぶ・・・・・・

「呂、呂布だー!!」

「逃げろー!」

 そう言える余裕があるだけまだいい。最前線にいた兵達はそんな事言う暇もなく真っ二つに切り裂かれていく。

 そんなかれらに興味は抱かず呂布は前に出る。そのままただ真っ直ぐ進み疾風の如くの速さで戦場を駆け抜ける。

 そして、その後ろからは先の戦での失態を取り戻さんと張遼と華雄が得物を振り回す。しかし、呂布の雄姿はその二人の猛将の活躍さえも霞ませた。

 その攻撃を直接受けているのは先陣で戦功を立てようと躍起だっていた袁紹と袁術の軍団。

 総大将たる者が前に出るのは格好の的にしかならないのが分かっていないのだろうか。それとも分かっていてあえてそうしているのだろうか。

「袁紹様!これでは戦線を保てません!」

「と、とにかく誰かあれを止めなさい!!」

 答えは前者であった。しかし、袁紹配下の文醜、顔良も呂布には適うわけがなく、撤退の準備を始めていた。

 しかし、それが出来ない状況に置かれているのを袁紹軍が知るのはそれから少し後である。

 

 

 

 

「功を焦り、総大将自ら突出した戦い、どこかでこんな事もあったかな?」

 隣にいた秋蘭が自身を見ていたことに気付いて何でもないと首を振る。じっと戦況を見ていると袁家の二人の軍は孫策と劉備、そして曹操の軍に退路を絶たれている。

 密かに元就は二つの家の軍師と面会してこのような布陣を作ることを了解させた。しかし、この布陣は撤退する袁家の軍の撤退を始めればこのまま諸にその影響を受ける。

 その中で元就は二つの思惑があった。

 一つは言うまでもなく董卓軍の将を捕らえること。

 二つ目は孫と劉の軍勢により怪我を負わせて今後に起こるであろう戦に優位性を見出すこと。

 しかし・・・・・・

「ふむ・・・・・・やはりどちらも感づいたようだね。さすがは臥竜、鳳雛と美周朗といったところか・・・・・・」

「どちらも手強い相手となると?」

 見るとどちらの家も左右どちらかに分かれて袁家の軍の退却路を作っている。これでは二つ目の目的は成し得ない。

 しかし、元就からすればこれは想定内の事でこの策は成功したらいいな、という程度のものだった。

「清廉な理想に生きる劉玄徳と独立意識が高く排他的なところがある孫伯符、まぁ跪いてくれれば話は別だけど・・・・・・」

「それはない、ですか?」

 ご名答!と言わんばかりに元就は笑いながら頷く。

 そしてそろそろだ、と元就が言うと秋蘭は得物を握り直して頃合いを見定める。

 戦場では呂布を先頭に張遼と華雄らの突撃に袁家が撤退を始めている。

 そしてその周りをぐるりと曹・劉・孫の軍が囲み始めている。袁家の軍の傷になど、どの軍勢も見向きもしない。

 目的は董卓軍、華琳が前へと指示を出す。そして、伸びきった董卓軍の戦線の脇腹を三つの軍が突つき始める。

 先程まで勝っていた戦の状態が簡単に百八十度変わる。分断された董卓軍は元就が思ったよりも崩れるのが早かった。

 それによって混乱状態に陥ったという報告を董卓軍の将三人が受けるまでにどれほどの狩りが出来るだろうか。

 関羽・張飛・趙雲・夏候惇・黄蓋などの豪傑という英雄が揃い踏み、共演をしている。さらに後ろでは諸葛亮・鳳統・周瑜といった名軍師。采配を一つの敵を前にして振るっている。

 それを見たいという誘惑に年甲斐もなくかられている元就を今度は秋蘭が諫めるように肩を叩いて気付かせる。そして、元就は頭をかきながら自らの行くべき場所へと二人は向かった。

『あれ?この戦法ってどこかであった気が・・・・・・?』

 

 

 

 

 

 

 

 三人は先の戦の敗北を取り戻そうと必死だった。だからこそ敵の総大将という餌に引き付けられて追撃した結果、この状況になるまで気がつかなかった。

「あかんわ、この状況」

「どうする!?このままでは関を突破されるぞ」

「しゃーない、うちらを先頭にして今度は撤退やな」

「・・・・・・恋も」

「もちろん、恋がいなかったら駄目や」

 三人が話し合っている間にも兵達はどんどん死んでいく。早くこの状況から突破しなければ本当に関を突破されかねない。

 そう思いながら追撃を諦めて急いで反転して進んで行くと突如として横から矢が三本、丁度三人の頭や心臓に向かっている。しかし、三人はいとも簡単にそれを避けると矢が飛んできた方向を見る。

 そこには年齢的に三人よりも年上の感じをした戦場に似合わない穏やかな雰囲気を持った男がたった一人で立っていた。

 

 

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