艦これ 反改   作:RS

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今春、奇跡のラブストーリーが始まる。

 「君は僕と結婚するためにここにいるんだ」

 「愛しています……司令官!」

訪れた駆逐艦は、提督の嫁!
皆を守る。提督を守る。
吹雪。しかし彼女は知らない……。

 「Oh、間違って剣山ぶん投げちゃったね~☆」

 「ここは、ゆずれません」

 「弱いくせに司令に近付くなんて生意気よっ!ぴゃん!」

苛烈なる、正妻戦争の火蓋が、
今切って落とされた。

 「睦月ちゃん、駄目、そんな、だって私達」

 「吹雪ちゃん……貴女は私の……」

そして訪れる、愛の略奪。

 「俺の吹雪を抱いた睦月……お前は、解体処分だ」


全ての黒幕は、大淀!

 「私達を洗脳して提督LOVEにしたですってぇ!?」

 「みなさん、提督のハーレムとして、その身をささげなさい」

実行される、提督LOVEの巣計画。

 「やっと本当の私になれたきがしま~す!」

闇の闘気を纏う金剛。
金剛色の闇。

 「司令官、私は、アナタを!!」

今、吹雪の愛が、鎮守府を救う!



劇場版艦隊これくしょん
  ダークネスこれくしょんを討て!


 前売り券を買うと、
 鋼材11,弾薬4,燃料2がついてくる!




第2-2話

 

第三水雷戦隊は、

港に到着後、すみやかに出撃のタイルを踏んで、

艤装を取り付けると同時に発艦。

 

昨日の緊張と、

今日の緊張は別物であり、

動きに関してはより良く動けるよう、

吹雪は心がけていた。

 

 

「旗艦は金剛さんですが、他はまだわかっていません。

 各艦、単縦陣をとりしだい、

 演習海域へ」

 

 

演習海域へ辿り着いた6人は、

機影を待った。

 

神通が装備する電探には、

対空も備わっていていつでも探知が出来る。

 

 

「吹雪さん。緊張していますか?」

 

「は、はい! でも、まだどうしたらいいのか……」

 

「演習ですから。この海域は遠浅(深さ2m)で、

 轟沈することはありません。

 ……気をつけるべきは情報収集を怠らないこと」

 

 

電探に反応がある。

 

 

「吹雪さん、如月さん、

 前方より艦載機接近。

 種類を見て下さい」

 

指示されて2人は指で輪っかを作り、

前方の空を見る。

艦娘にはこういう所作が、

機能を向上させるという役目がある。

今やっているのは遠視。

望遠鏡のようなものである。

 

「えっと……20……いやもう少し?」

 

「機種は瑞雲ね。無印の」

 

 

「瑞雲20機。相手には航空巡洋艦か、

 航空戦艦のどちらかがいます。

 1隻か、多くても2隻」

 

 

神通の読み通り、

金剛率いる艦隊には、

2隻の航空巡洋艦がいた。

 

『最上』『三隈』である。

 

 

「もしも敵に空母がいるのであれば、

 最初に飛んでくるのは制空圏確保の艦戦。

 飛ばしてこないということは、

 それに準ずる艦種です」

 

「前もって情報を集めるのも大事なんですね」

 

「知ると知らないとでは、

 全然違います。これで相手の手の内が、

 ようやく半分見えました。

 そして瑞雲は」

 

 

 

索敵と爆撃が可能な、器用な機体。

 

飛来する小型爆弾は、弾着の予測が容易なため、

誰一人損傷はない。

 

 

「制空圏を握られました。

 こうなると戦況は俄然、不利です」

 

これが訓練でよかったと吹雪は思った。

対空装備もない現状で、

頼みの綱は己の回避力と、

脆弱な攻撃力だけなのだ。

 

「敵機はっけーん!」

 

島風の指し示した方向には、

航空巡洋艦が2隻。

 

飛行甲板に瑞雲が戻っていき、

小さく丸いボーキサイトに変じて格納される。

 

「2隻だけ?

 旗艦は……」

 

電探に反応をキャッチし、

その奥に1隻の機影を確認する神通。

 

「へーい! 第三水雷戦隊のみなさ~ん!

 今日はおひがらよろしゅー!」

 

妙な日本語の女性は、

巫女の着るような装束を身につけ、

茶色く長い髪を海風に委ねて、

颯爽と現れた。

 

背にある巨大な砲は、

威力が駆逐艦の持つそれと比較にならない。

 

 

「金剛さん、どういうことですか?

 3隻……それだけですか?」

 

「Oh。失礼しましたか?

 でも大丈夫!

 3隻でもいい勝負は出来るはずでーす!」

 

舐められた。

神通は眉を微かに動かした。

 

「では、遠慮なく行かせていただきます」

 

「駆逐艦だからって、余裕すぎっぽい?」

 

「頑張っていきましょー!」

 

 

会話の最中でも、攻撃は認められている。

実戦で敵は待ってくれないからだ。

 

「もがみん、クマリンコ!

 行きます―! Follow Me!」

 

「了解!(ですわ)」

 

 

金剛が遠距離射撃……ではなく、

急接近を開始する。

その影に隠れる形で三隈が追従し、

最上は待機して、格納されたボーキサイトを射出した。

 

飛行甲板から射出されたボーキサイトは、

その姿を瑞雲に変容させていき、

海風に乗って疾駆する。

 

 

「ヘイへイ、駆逐艦の皆さん!

 速いのは、皆さんだけの特権じゃあないこと、

 教えてあげまーす!」

 

金剛は駆逐艦ほど速くはない。

それでも、速力は艦娘の中でも並程度で、

戦艦内では中々に速い。

 

高速戦艦の名は伊達ではなく、

防御姿勢を取りながら半身で遅いかかる。

 

 

「撃つよ! っぽい!」

 

構えて、射撃。

夕立の攻撃は金剛に当たるが、

傷1つない。

 

「皆さん、魚雷を駆使して下さい。

 主砲ではダメージが通りません」

 

神通は動揺する駆逐艦に指示を与えるが、

金剛はその様子を遠方から眺め、

ニヤリと笑った。

 

「全砲門! ファイアー!!!」

 

体勢も悪い、急接近中も相まって衝撃もかかるはず。

命中率などないに等しい。

 

虚仮威しにすぎない艦砲射撃。

神通はそれをわかっていたから慌てず、

それを知らない吹雪達は色めき立つ。

 

 

撃ってきた!

夾叉だ!

 

 

当たったらラッキー程度の射撃だが、

全く的はずれな位置に着弾すると、

大きな水柱が立った。

当たれば無事では済まない威力だ。

 

不敵に笑う金剛の様子に怯え、

その威力に震え上がり、

吹雪たちの思考に残されたのは、

 

「魚雷」の2文字だけだった。

 

 

「はやくいっちゃってー!」

 

「う、撃つしか、魚雷撃つしか!!」

 

「魚雷さん張り切っていきましょー!」

 

 

魚雷は正確な方向に撃たねば当たらない。

ましてや高速の相手に気取られている時点で、

容易には当たらない。

 

パニックを起こした駆逐艦の命中率など、

金剛にとっては恐れるに足りないのである。

 

 

「皆さん落ち着いて!

 体勢を立て直しま」

 

「させませんよぉ!」

 

 

最上の放っていた瑞雲が編隊を組み、

吹雪たちに火薬の塊を投下する。

 

金剛に意識がいっている吹雪たちだが、

飛行機の音に気付いて回避に切り替えた。

 

「あんっ!?」

 

「いったーい! 島風ちゃん痛いっぽいー!」

 

「ぶつかってこないでよー!」

 

「うわ、落ちてくる! 避けて!」

 

 

統率も何もかも、全てが狂ってしまった。

旗艦である神通の言葉も届かない。

 

烏合の衆と化した第三水雷戦隊は、

回避運動も自分のことばかりで精一杯のため、

その先に味方がいることを考えられない。

 

当たらないはずの爆撃は、

固まった吹雪たちに容赦なく落ちた。

 

炸裂し、爆音が響く。

神通以外の全員が、

装甲である服の大半を失っている。

中破状態になってしまった。

 

こうなると、速力も落ちてしまう。

意識も錯乱し始める。

 

 

「私達を……どうする気ぃ!?」

 

髪が乱れてご機嫌斜めの如月が、

射撃をする。

 

グングンと迫る金剛と三隈。

吹雪達は魚雷ではなく主砲を取った。

取り回しのいい武器を頼ってしまう。

 

当然、金剛に傷などつかない。

金剛の後ろにぴったり付いている三隈にも、

当然被弾などしない。

 

戦艦の艤装は装甲が厚く、

盾としての役割においては優秀だ。

 

 

「くっ!」

 

このままでは負ける。

既に被害状況は最悪と言ってもいい。

士気も落ちている上にパニックを起こしている。

 

6対3でなんという有り様だ。

自分がついていながら、

何故ここまで!

 

神通の悔しさは、

駆逐艦に向けたものではない。

 

 

「せめて旗艦のアナタを!」

 

 

神通が魚雷を、金剛の進路上に置き撃ちする。

 

 

「なるほどですね神通。

 旗艦を大破させたら、判定勝ちも狙えまーす。

 でもぉ!」

 

金剛が袖の下から取り出したのは

 

「14!?」

 

本来、戦艦が持つには小型すぎる、

玩具のような装備。

 

しかし、砲は小さいほど、

取り回しがしやすい。

 

大型の砲ですら容易に操る戦艦。

14cmの砲を当てるなど、

児戯にも等しい。

 

一撃。魚雷に当てた。

 

魚雷は爆発し、金剛はその上を通過していった。

 

 

「クマリンコ、スタンバイオッケー?!」

 

「いつでもどうぞ~」

 

 

金剛はあろうことか、

吹雪たちを通り過ぎてしまう。

意図が全く読めない。

神通も混乱し始めていた。

 

 

「発射です!」

 

通過と同時に三隈は、

抱えていた魚雷数発を投げた。

同時に、瑞雲の射出体制に入る。

 

 

「さぁ、頑張りましょう。

 勝利のために」

 

瑞雲が発艦する。

魚雷が迫る。

 

 

「ヘイ神通!

 よく頑張っているから最後に一つ、だけ。

 3隻でも『いい勝負』は出来ましたねー!

 でも、私は勝つなら、完全勝利がいいでーす!!」

 

 

前方からは三隈の魚雷。瑞雲。

後方から最上の瑞雲。

……それだけのはずだったのだが、

 

「魚雷!? しかもこの数、

 最上さんだけでは……!」

 

接近する最上の脇に、2隻。

雷装を多く詰め込み、魚雷での撃沈を得意とする、

重雷装艦北上と大井。

 

彼女たちもこの戦場にいた。

だが、電探にかからない距離に陣取り、

この機を待っていた。

 

「北上さんとの共同作業よ!

 当たらないわけがないわ!」

 

「ん~、まぁ、当たるっしょ」

 

 

挟撃。

これが深海棲艦との戦いであれば、

間違いなく沈んでた。

 

最初の挑発もこの布石だったのかと。

神通はこれ以上ない計算され尽くした作戦を前に、

項垂れるしかなかった。

 

所詮軽巡相手に。

そう言われていたと思い込んで。

 

 

 

魚雷が炸裂する。

瑞雲の爆撃が降り注ぐ。

距離を大きくとった金剛の、

艦砲射撃が来る。

 

これらを避けたとしても、

反撃に転ずることは不可能であろう。

 

 

神通は負けを認めた。

 

演習一戦目は、

完全敗北をもって幕を閉じたのであった。

 

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