艦これ 反改   作:RS

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CM


 比叡「比叡カレーの宣伝を」

 CM、デッドエンド。


第2-4話

旗艦、軽巡洋艦『那珂』。

 

オレンジ色の衣装で、神通の妹。

川内型の三女にあたる。

凛々しく物静かな姉と違い、

常に笑顔を忘れないアイドルの才覚を持ち合わせている。

 

もしも艦娘の適正が全くなければ、

アイドルの道を行き、

素敵な笑顔を求めるプロデューサーに、

スカウトされていたかもしれない。

 

しかしこの世界においては、

アイドル以上に艦娘であることの方が、

社会的ステータスも知名度も高い。

 

 

「みんなー!

 相手はどうやら旗艦を変えたみたいだけど、

 慌てずがっつり勝とう!」

 

「了解那珂ちゃん!

 阿賀野も頑張るんだからね!」

 

僚艦は軽巡洋艦『阿賀野』。

長く艶のある黒髪が印象的で、

全体的に肉感のある抜群のプロポーションをしている。

旗艦は那珂であるが、

その補佐は2人。

1人は阿賀野。もう一人は、

 

「那珂。とりあえず敵をやっつけるけど、

 夜戦も忘れずに」

 

「えー? この間奇襲作戦したばっかじゃーん?

 川内ちゃん演習で夜戦って何時間かけるつもり―?」

 

川内型ネームシップ、

軽巡洋艦『川内』。

夜間戦闘を最も得意とし、

昼間戦闘もそつなくこなす、

那珂の頼れるお姉さんである。

 

「まま、戦闘もいいけど、

 相手の旗艦は駆逐艦でしょう?

 神通さんの考えは読めないけど、

 楽勝っしょー」

 

「ふふ。そうやって油断していると、

 足元を掬われますわよ鈴谷」

 

軽巡洋艦よりも堅牢で、

それなりに快速の航空巡洋艦。

最上型の姉妹艦である、

『鈴谷』と『熊野』。

2人共、瑞雲を装備しており、

航空機の展開が可能である。

 

「さぁて。こっちは5人。相手は6人。

 神通がいないから誰かが補充に回されたようだけど、

 誰が来たんだ?」

 

陣頭指揮に立つ神通を奇襲奇策でかき回すのは、

川内の得意分野である。

もっとも、さしたる効果はないのだが。

 

「駆逐艦を旗艦だなんてありえませんわ。

 どなたですの?」

 

「なーんか最近入った子らしいよ。

 阿賀野っち、そこんとこどうなってる―?」

 

「ええ?! 私に聞かれてもわからない!

 能代に聞いてよー」

 

「まったく駄目なお姉ちゃんだね阿賀野ちゃん」

 

「私から見たら那珂もそうとう困った妹だけどね」

 

 

演習の予定時間がきた。

鈴谷と熊野は、瑞雲による索敵を行う。

先んじて敵の位置を知ることが出来れば、

展開が有利になる。

 

「前方に敵、5隻!

 ……うん? 本当に5隻?」

 

「ええ、わたくしの瑞雲も、

 5隻だとおっしゃってますわ。

 しかも駆逐艦の」

 

「へぇー。頑張ることにしたんだ。

 じゃあ、こっちも遠慮なくいこうか!」

 

神通たちが目視できる距離まで接近する。

 

 

 

 

 

 

「き、きた!!

 どうしよう、どうしよう!」

 

旗艦は急遽、吹雪になった。

他の面々がやりたがらなかったことと、

一番常識的な判断ができそうだということ、

そしてじゃんけんに負けた結果である。

 

「落ち着いて吹雪ちゃん!

 あの人も言ってた、落ち着けば、

 吹雪ちゃんは一番冴えているって!」

 

「座学で培ったその知識、

 あてにしてるわよぉ」

 

「ねえまだぁ? またさっきみたいに、

 何にもしないで負けちゃうのヤダからね!」

 

「なんだか無性に戦いたいっぽい……」

 

 

 

「う、うん。わかった。

 ……島風ちゃんと夕立ちゃんは、

 撹乱しながら左右に展開。

 余裕があったら攻撃して、

 そうでなかったら回避と撹乱だけ」

 

「了解っぽい!」

 

「おっおー!」

 

「如月ちゃんと睦月ちゃんは、私と一緒に行動。

 あの人の指示通りの速度で前進。

 相手に、私達の偽の作戦を勘違いさせる」

 

「了解!」

 

「わかったわ!」

 

「では、神通さんのために、

 第三水雷戦隊、出撃!」

 

 

 

 

 

「急接近してきますわ!?」

 

「駆逐艦2隻で来るなんて、

 このメンツに。勇気あるじゃん!」

 

川内の闘志に火がついた。

 

「那珂! あの2人は私に任せて!

 いいだろ!?」

 

「え? おっけー☆

 川内ちゃん頑張ってね!

 じゃあ私は新曲行っちゃうよ!」

 

「いよいよ阿賀野の出番ね!

 ふふ、待ってたんだから!」

 

 

「なーんかユニットデビュー?

 いいねいいね、私も熊野とデビューする?」

 

「あ、握手会とか私には無理ですわ!?

 それより鈴谷、瑞雲を発艦させますわよ」

 

「あいさー」

 

 

瑞雲を再び飛ばし、

爆撃をお見舞いしようとする。

 

……が。

 

 

 

「ぅえ?」

 

鈴谷の足元で何かが炸裂した。

何かとは、魚雷だ。

的確に足の艤装に当たってしまい、

航行不可能になってしまう。

 

炸薬量は少ないが、

脚部艤装の損傷は行動力を著しく損なう。

 

「わ、え!?

 なになに?! どこから来たの!?」

 

「どうかしましたの鈴谷?」

 

「いやあの、マジ恥ずかしいんだけど……、

 脚、壊されちゃったみたいで……」

 

「ええ?! だって駆逐艦の魚雷なんてここには」

 

 

はっと思い当たるものを感じた時、

既に遅かった。

 

熊野の足元にも着弾。

魚雷が炸裂し、航行不能になる。

 

「そ、そんな!?」

 

「熊野!」

 

 

「どうしたの2人共?」

 

通信で那珂が熊野と鈴谷に呼びかける。

手で耳を塞ぐと、近くの仲間と通信ができるのだ。

 

「油断した! 敵は近くにいて、

 私達を狙撃できる状態にいる。

 でも一体誰が……。

 相手の助っ人は誰?!」

 

「鈴谷。大井さんや北上さん。

 面倒見のいい木曽さんでもありませんわ。

 ……目視できる距離にいなければ、

 こんなピンポイント射撃出来るわけないですもの」

 

「じゃあいったい……」

 

 

「決まってますわ。

 今日はもう非番でしたものね……。

 

 オリョールの英傑。

 まさか……貴女が相手でしたとはね……」

 

 

 

憎々しげに海面を見下ろす熊野。

否。熊野は海面ではない、

海中に目を向けていた。

 

 

機能性重視の、提督指定の水着を着用し、

海面を仰ぎ見る艦娘。

 

潜水艦『伊58』。

 

オリョール海での戦闘が終了し、

これから休みだという時、

吹雪たちの話を聞いて乗ったのである。

 

 

「目標2つ。上々でち」

 

海中で移動をし、

主砲も魚雷も届かない。

一方的に海面上の敵を攻撃できる、

潜水艦は極めて有力な艦種である。

 

しかし、潜水艦にも弱点がある。

それは航行速度の遅さ。

爆雷に滅法弱いということ。

 

演習場は遠浅のため、

思うようには動けない。

それでも身を潜めて動けば、

十分狙える。

 

問題は彼女(伊58)が、

如何に気付かれず、

多くの敵を行動不能に追いやれるかである。

 

第一目標は航空機。

その時点で目的の大半は片付いたと言ってもいい。

残るは練度が高いとはいえ、

駆逐艦でもなんとかなるであろう、

軽巡洋艦3隻だけ。

 

 

「熊野、駆逐艦への援護をする?」

 

「そんなことしたら丸腰の私達に魚雷が当たりますわよ!?」

 

 

潜水艦の利点は、

相手の注意を大きく引きつけること。

囮として活躍できる事にある。

 

どんなに貧弱な潜水艦でも、

無視していれば轟沈(今はないが)などの危険がある。

警戒をしなければならない。

 

 

「了解。瑞雲、爆雷で海中攻撃、行って!」

 

瑞雲の積む爆雷は弱いが、

ないよりはマシ程度の効果はある。

それは伊58にもわかっていた。

 

距離をとって、軽巡洋艦の位置へと転進。

 

軽巡洋艦は左右に展開する夕立と島風に翻弄され、

当たらない弾と、潜水艦の威圧感に後手に回っている。

 

「くそっ! そういう忍者っぽいのは、

 私のポリシーなのにな!

 熊野! 鈴谷!

 さっきの索敵、何で引っかからなかったの?!」

 

「知りませんわよ!」

 

潜水艦は微量の泡を常に出している。

練度の高い索敵機であれば、

海面のそれを見逃さない。

 

 

 

 

オリョール海は孤独の戦いだ。

潜水艦数隻で向かい、

並み居る敵を先制魚雷で倒していき、

時に大きな損傷を被ることもある。

 

週に5日。幾度もオリョール海を攻め、

敵の補給線を逐一潰すこと。

 

潜水艦娘たちが行う作戦は、

鎮守府近海を安全にするために必要な任務。

いわば死活問題だ。

 

故に彼女たちは、

自分たちが如何に察知されず、

如何に効率的に倒すか。

その考えを常日頃考えていた。

 

 

伊58は隠れたのだ。

索敵が来て引き返すまで、

吹雪の真下を泳いでいた。

 

波飛沫に泡は霞消え、

索敵を完全に逃れた。

 

駆逐艦への損傷を避けるには、

航空爆撃も、軽巡洋艦の攻撃も、

全て最低限に抑える必要がある。

 

 

察しのいい連中であれば、

潜水艦の存在はすぐに割れる。

当然第一目標になる。

 

その時間を、

夕立と島風は撹乱で延長し続けた。

 

快速を誇る島風には、

夾叉も置き撃ちも決まらない。

夕立の第六感と技術力は、

魚雷を魚雷で相殺したり、

砲撃して足元を掬おうなどというトリッキーなプレイ。

 

潜水艦に集中したいのにそれが出来ない焦りは、

まずは阿賀野、次いで川内と伝播し、

鈴谷と熊野も躍起になって潜水艦に爆雷を落としにかかる。

 

 

「皆落ち着いて!

 混乱させるだけさせて、

 潜水艦さんが各個撃破が作戦なんだから!

 落ち着いて全機で、

 島風ちゃんと夕立ちゃんを」

 

鼓舞する那珂は、こんな状況でも落ち着き払っていた。

よく通る声が、艦隊に響く。

 

「阿賀野ちゃんと川内ちゃんは、

 夕立ちゃんを倒しちゃって!

 瑞雲を一時的に島風ちゃんに!

 私は……目の前の3隻行くから!」

 

 

 

 

吹雪たちの作戦は2段構えである。

 

伊58の強襲と、夕立,島風の撹乱。

混乱した相手が躍起になっている内に、

吹雪たちが3人がかりで各個撃破。

 

その第一目標に、旗艦の那珂。

 

軽巡洋艦とはいえ、

3体1であれば動揺も誘えるだろう。

 

 

「混乱しきった今、一気に行きます!」

 

「おっけー」「にゃい!」

 

 

吹雪を戦闘に、

後方サイドを如月と睦月が付く。

 

 

「アイドルはこうやって、

 真ん中で堂々と、

 敵を倒すんだからね!」

 

 

吹雪が構える。まず一射。

これは当たらない。だがてんで出鱈目ではない。

朝の練習のお陰で、

多少はマシになっている。

 

「魚雷、」「発射ぁ!」

 

脚部についた魚雷を発射する装置から、

睦月と如月は2本、電車のレールを敷くように撃つ。

那珂に当てる弾道ではなく、

那珂の行動範囲を制限する魚雷だ。

 

大きく速度を上げて前進し、

睦月と如月は両サイドから交互に艦砲射撃。

これもまた制限のため。

 

「うぉおおおおお!!」

 

本命は吹雪の吶喊による、

畳み掛けである。

本当にブチかますような速度で、

正面激突もありうるほどの速度で、

吹雪は急加速した。

 

 

「いっくよー!」

 

 

あろうことか、

正面から激突する吹雪。

その気がなかったためにガードはしていなかった。

寸前で急停止して、那珂に近距離射撃をお見舞いする。

 

その算段は看破されていた。

この混戦の中でも、

那珂は要所を探りぬいたのだ。

 

いつもと変わらぬ笑顔で。

 

気の抜けるような声と、

激しい急加速のミスマッチは、

吹雪を動揺させて動きを一瞬にぶらせた。

 

速度に勝り、排水量に勝る那珂に、

吹雪は後方にふっとばされる。

 

「「吹雪ちゃん!?」」

 

何が起こったのかわからない睦月と如月。

強烈なぶちかましを受けてしまった吹雪は、

海面に仰向けになっている。

 

視界には青空。

そして、那珂の笑顔がきた。

 

 

「センター争いはやっぱり、

 ガチンコ勝負でしょ☆」

 

 

ガチャリと構えたのは、

神通も使っていた14cm単装砲。

 

吹雪のお腹に狙いを定めている。

 

「……なのにそんな顔しちゃ駄~目」

 

那珂はくるりと狙いを、

近くの海中に定めて射撃。

 

那珂は吹雪の視線を見た。

目の前に敵がいながら、

目を逸らすという行為は、

助けを求めるか、そこに勝機を求めている。

 

目の強さはまだ勝負を諦めていない。

勝算がありながら、那珂にではなく他所に向ける。

その方向に、勝機がある。

 

 

 

「い!? いっつ……なんて勘の良さ出ち!?」

 

駆逐艦娘3人を相手取り、

それをかいくぐって勝利を手にした那珂。

その瞬間に魚雷を狙い撃とうとしていた伊58。

 

油断など微塵もない。

 

そしてこの時、第三水雷戦隊の視線は、

那珂に集まっていた。

 

吹雪は驚愕を。

睦月と如月は必死の目を、

島風と夕立は異変に気づき、

伊58は隙を見逃さないために。

 

 

 

「よそ見なんていい度胸ね!」

 

阿賀野の射撃が、夕立の足元に当たる。

動きが鈍ったところを川内が急接近し、

単装砲の餌食にした。

 

「いったいいっぽいいいい!!?」

 

「おまけですわよ!」

 

「ほいほ~い」

 

瑞雲の爆雷が夕立に集中。

戦闘不能な、大破状態になる。

 

 

「センター(旗艦)は任せてね。

 コンビは任せるよ~☆」

 

「あいよ!」「了解那珂ちゃん~!」

 

士気が上がった。

 

 

「う、うげっ!?」

 

「センターアイドルは顔が命。

 でも、たまにはバラエティとか撮影が色々あるからね。

 それ以外は妥協しなきゃいけないの。

 芸能界の怖いところなんだよ吹雪ちゃん☆」

 

砲を向けようとした吹雪に、

至近距離で肩を狙い撃って回避する那珂。

逃げないよう脚部を狙い撃ち、

片方だけ完全に艤装破壊した。

 

吹雪は恐ろしかった。

那珂の笑顔が、最初と今では全く印象が違う。

 

魚雷を撃とうにも、

こんなに接近した状態で撃てば、

自分の方に被害が及ぶ。

 

逃げなければならない。

 

まずは連携をとらねばならない。

 

が、全員それどころではない。

 

 

旗艦が大破しようものなら、

それだけで演習は敗北必至だ。

判定勝ちなど狙えない。

 

吹雪は片方だけでも逃げられると思い、

那珂に射撃後すぐにそこから離れようとした。

 

 

「駄目だな~吹雪ちゃん。

 何で片方しか壊さなかったのか、

 わからなきゃね」

 

速力など半分も出ようはずがない。

しかし、完全に残っていたがために、

万が一があるかもと錯覚してしまった。

 

逃走のために向けた背中を、

那珂は逃さず夾叉。

よろめいたところを魚雷5つ発射。

 

いい具合に距離を、とってしまった吹雪。

向きの異なる魚雷を避けるも、

その間に那珂に近づかれてしまう。

 

 

「いっくよ~吹雪ちゃん!

 どっか~ん☆」

 

 

一射。

二射。

立て続けに放たれた至近弾。

駆逐艦の装甲では、

この連撃に耐えることが出来なかった。

 

吹雪は大破状態になり、

那珂は伊58の退治を優先する。

 

ほどなくして、

島風も、如月睦月も、伊58も集中砲火にあい、

第三水雷戦隊はこの日、

2度目の敗北を迎えたのであった。

 




2-4までといったな?

アレは嘘だ。
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