真・恋姫†無双〜中華に響く熱き歌〜   作:ま未来への咆哮

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お久しぶりです!
前の話を掲載した時に表板へ一週間だけ掲載しましたが、かなりの方にお気に入り登録や評価をいただき驚きました。
感想のほうでも表でもいいんじゃないかという感想もいただきましたし、主人公知らない人でも楽しめると書かれ、予想外でしたが褒めていただき感謝いたします。
あと、今回はまだ長くなる予定でしたが、今回と次回に分けた方がいいと思い、少し短くなりました。
そして、今回は終わりにネタバレのようなものを書きます。
では、どうぞ!


第23話 五胡と赤兎

「いくぜ五胡お!!おれの歌を聴けええええ!!!」

ここは北平の街から約10里(約4km)程の平野。

そこには五胡の軍勢がおよそ2000程いる。

その中へとバサラは赤兎に跨り近づいて行く。

それを見ていた五胡の軍勢は混乱していた。

それはたかが2000程度とは言え、一つの軍隊に向かって突っ込んでくることだ。

しかもこの漢帝国を脅かす彼ら五胡と呼ばれる存在に対して、だ。

普通の人間ならば、五胡でなく賊の集団でも避けようとするだろう。

だが、今彼らに向かってきている男は馬に跨り物凄い速さでこちらに来る。

それも、たった1人でなおかつ武器らしい武器も持たずに、だ。

 

「よっしゃあ!いくぜ、突撃ラブハートお!!」

そうこうしているうちに、バサラはギターを弾き始め、馬を走らせながら歌いだす。

「はあ?」

と間の抜けた声を出す五胡の者たち。

あまりのことに五胡の者たちはなにが起きたか分かっていないようだ。

しばし五胡の者たちはバサラの歌を聴いていたが、この軍の大将らしき男が気を取り直し、

「ええい!てめえら、なにぼけっとしてやがる!?さっさとあのいかれた野郎をぶち殺せえ!!」

と命令を出す。

それを聞いた五胡の者たちは、はっと正気に戻りバサラに対し、殺すべき者として意識を向ける。

彼らは己の乗る馬を駆けさせながら弓をつがえ、狙いを定める。

それを見たバサラは

「赤兎、頼んだぜ」

と赤兎に声をかける。

『ぶふう!」

赤兎は任せろ、と言わんばかりに返事を返す。

 

「なんなんだよ、あの野郎は・・・!」

呟くのは五胡の軍勢2000を率いているらしき男である。

その視線は前方のバサラと赤兎に向けられている。

その表情は驚愕に満ち溢れていた。

「あんな、馬をあんな速さで駆けさせながら歌ってんのに、なんで、矢が当たらねえんだよ!?」

そう、この男が驚愕していたのは、バサラが矢の雨の中、赤兎を駆けさせこちらに近づいていながら、矢が当たらないのだ。

五胡の軍勢は2000はいるとは言ってもその全てが矢を放つ訳ではない。

だがそれでも100や200はくだらない兵が矢を放っている。

だが、それでも当たらないのだ、ただの1本も、だ。

「くっそ〜!もっとだ!もっと矢を放てえ!」

その声でさらに矢の数が増す。

だがそれでも、

「へっ!そんなんじゃあおれらは止められねえぜ!」

矢は当たらない。

「くっそ〜!なに手間取ってやがんだ!」

そしてバサラの歌が響く。

「ちい!てめえら、もっと矢を撃たねえか!」

こう言いながらも五胡の軍勢の者たちは目の前の光景の異常さに動揺を隠せていない。

それは、五胡の大将らしき男もだ。

「ちっ・・・なんなんだよ、あの馬は!?」

だが、この場で異常なのはバサラだけではなく、赤兎もだ。

赤兎はこの矢の雨の中、バサラを背に乗せながら五胡の軍へと突っ込んでいる。

そして迫りくる矢を避けている。

五胡の軍勢は赤兎を近づけないように矢の数を増やすが、赤兎相手には意味が無い。

「くそお・・・!てめえら!相手は1人だ!囲んで仕留めろ!」

大将の命令で五胡の軍勢はバサラを囲むように動き、四方八方から矢の雨を降らせる。

それを見た赤兎はさらに速度を早める。

「なっ、まだ、速くなるのかよ?!」

そしてそのまま大将らしき男の方に近づいてくる。

五胡の軍勢は近づいてくる赤兎に対し持っていた刃渡りが50cm程度の短刀を構え、バサラに斬りかかる。

それを赤兎が移動して躱し、バサラ自身も自らの身体を逸らすなどして躱していく。

そして、大将の男に近づいていく。

「へっ、おれ自らぶった斬ってやるぜ!」

大将の男もバサラに突っこんでいき、斬りかかる。

だが、

「なっ?!」

そこで赤兎は前へ跳躍した。

その高さは大将の男の上を飛んでいることからも異常なことだと分かる。

まさか男の方もこのようなやり方で自身の刃を躱すとは思わなかった。

いや、思うはずがなかった。

それは男だけではなく、五胡の軍勢2000の兵全てが該当する。

彼らは馬と共に草原の世界で生きる遊牧民である。

幼き頃から馬に乗り、戦いにおいては共に戦う。

その為に馬という生き物のことは誰よりも知っている、そう自負していた。

だからこそ、だからこそこの赤兎という馬の異常性が分かる。

あそこまでの速さの馬など見たことが無い。

だが、それだけならただ速く奔ることの出来ることができる程度にしか思わなかっただろう。

あの高さの跳躍を見るまでは。

彼らが知る馬は走ることに長けてはいるが、跳躍にはあまり向かない。

その為に馬とは走る生き物、という認識が強い。

だからこそ、彼らは赤兎に対しあり得ない物を見るような目で見ている。

そして、それを乗りこなし、あまつさえ自分たちに歌うことまでしていたバサラを見て、

(こいつは、本当に人、なのか?)

そう思うのだった。

 

バサラと赤兎は跳躍した後はまた走り出し、五胡の軍勢の囲みを抜け出して軍勢から少し離れた後軍勢に向き直る。

そしてまた五胡の軍勢に向かって走り出し、

「いくぜ!PLANET DANCE!!」

また歌いだす。

それを見た五胡の軍勢はバサラに対し、

(なぜ、こいつは歌うのだ?これほどまでの馬術を持つのに、なぜ?)

 

そう思いながらバサラのことを呆然としながら見ているのであった。




ありがとうございました!
今回は赤兎強!の展開にしてしまいました。
あとは何気にバサラの馬術がやばいことになっております。
この作品では鐙は五胡も着けてないという想定で書いてますので、そう書けばさらに異常だと思います。

さらに、今回の話で、五胡が馬は走るものという表現を書きましたが少し調べたら、馬にはサラブレッドのように走ることが得意だが跳躍には向かないもの、日本の馬のように跳躍は得意だが、足が遅く走るのには向かないものがあるようです。
なので、この小説でもその表現を使わせていただきました。

本来なら、趙雲も出して彼女視点の話も書こうと思いましたが、長くなると思い分けることにしました。

では、ありがとうございました!

・・・バサラと赤兎、やり過ぎたかな・・・
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