神様は食料DEATH   作:グレーガンス

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 今回話は進みません。
サクヤさんの出番は次回かなぁ

ごめんねサクヤさん、サクヤさんファンのみなさん。




幕間 憧憬と共感と考察

 礼儀正しそうなまともな人。それが初めて会った時思ったことでした。

 

自室で一人ぼうっとする。

今日は危ないところだったけどなんとか無事帰ることができて安堵しているのかもしれませんでした。

 

そう、その今日危ないところを助けてくれたクウさんのことを考えていたんでした。

 

 

 

 クウさんはきっと凄いなんてものじゃなく凄い人なんじゃないかと思っています。

最初会った日、まだたった一週間前のことなんですよね。

ラボラトリの階で榊博士の研究室が分からないから道を聞いてきたのが知り合いになる切っ掛けでした。

その時は本当に他愛の無い話をしただけでした。

 

 それから数日の間は見かけることはありましたが特に話しかけはしませんでした。いつも同期のコウタ君と一緒に楽しそうにしてましたし、私からの用事も別にありませんでしたから。

……あと一度だけツバキさんと一緒にいるのを見ましたが雰囲気が怖くて近寄れませんでした。なんであんなに殺気立っていたんでしょうか?

 

 

 そして、昨日タツミさんとブレンダンさんと一緒に食事を取ろうとした時でした。コウタ君がもうクウさんが実戦に出るということを叫んでいたんです。

 

私は自分の耳を疑いました。

訓練期間たったの数日で実戦に出るなんて聞いたことも見たこともありませんでしたから。

だからそのときはつい声をあげて真偽を確かめようとしました。

 

 そうして色々とクウさんとコウタ君から話を聞いていたんですがクウさんの訓練の話は非常に滅茶苦茶でした。

私も適合率に関しては極めて高いと榊博士に言われたことがありますが、クウさんみたいな余りに人間離れしたことなんてできません。タツミさんに神機に慣れるのがとっても早いと言われたことがありますがせいぜいその程度なんです。

クウさんみたいにアラガミ顔負けな身体能力なんて普通、ないんです。

何かの冗談とも思える内容でしたが、今日彼の異常性は実証されてしまいました。

 

 

 

――――彼は実戦初日に中型アラガミ、シユウを極めて一方的に斬殺した。

 

 ヒバリさんに自身が応援に行くと発言してから到着までの時間は一分を切って、しかも走って――です。

これは到底人間業では成し得ないことでした。

極東支部は半径二キロメートルもの大きさです。エントランスを出て私のいたところに直線で向かったとしても二キロを一分未満で走破したことになる。

 

 つまりクウさんは私の想像をはるかに超える前代未聞のゴッドイーターなのです。

 

 

 

 思わず私をかばってくれた時のクウさんを思い出して頬が熱くなってしまいました。

もうダメかと思った瞬間に私をかばってあんなセリフ、かっこよかったぁ、バーストなんでしょうが輝いてもいましたし。

あの時の私には神々しいとも思っちゃいました。

 

そしてそのあとのシユウ戦。私は早々に――オウガテイルを微塵に吹き飛ばしてやってからあの子の援護をしようと思ったんだけれど、そんなものは必要なかったわ。

 

シユウの腕が切りやすいと見抜くや否や、シユウの片腕をバラバラにしちゃって、痛みで無様に蹲ったシユウに容赦も躊躇も無く追撃。

左腕ももぎ取って、倒れたシユウの頭を――パックン。って一口で食べちゃうんだもの。しかも相手が動けないのをいいことにゆっくりと磨り潰すように咀嚼していたわ……。

そして何より、あの眼、表情っ。どちらも相手をただの餌であるかのように淡々と、それでいて残虐に、冷たく侮蔑を隠さず、けれど嗜虐の炎を瞳の奥に灯していたわぁ。

 

 「ああ、ぁあっ……ふはぁっ! はぁ、はぁっ……ふふふ、ふふふふふ――――感じちゃうわぁ」

 

シユウを仕留めた直後。一瞬だけシユウに向けた視線のまま私の瞳を彼は射抜いたの。ゾクゾクしたわぁ、私も食べられてしまうかと思ったもの。

今も思い出しただけで身体が火照ってしまったわ…………今日眠れるかしら?

 

まあでも今日はいい日だわ。やっと、私の同類が見つかったのだもの。

いえ彼は確かに私の同類だけれども多分、いいえ間違いなく私以上の――――

 

 

 

 

 

 

 

 

――――まるで、俺がアラガミみたいじゃないか。

 

 出撃前に考えていたことを自室で改めて考え込んでいた。

 

 俺は自分が何をおいても相手を捕食しようとすることと、余りに人間離れした身体能力からこんな風に自分の事を思ってしまっていた。――――あの時までは

 

今日俺はカノンさんのことをかばい、助けた。

これが切っ掛け、そして確信を得たのはシユウ(あいつ)を滅多切りにした時だ。

 

目の前で失われそうな命を助けたいと思うのは俺が俺である証だ。アラガミはそんなこと思わないだろうし、思ったらそいつは最早人類の敵なんかではないだろう。

それに俺がシユウを殺した時思ったことは、こいつはただの餌に過ぎず、なにより――無様に這いつくばった奴への嘲りと、そんなやつを切り刻めることへの快楽だった。

 

…………どうやら俺はアラガミみたいになったというより、戦闘時アラガミに対してのみドSになったと言った方が正しいようだった。

 

 

 

 

――――なんっだ、それっっ!!!!

 

真面目に悩んでた俺がバカみたいじゃないか。ターミナルやらなんやらで調べてゴッドイーターのアラガミ化もありうるって自分で結論出した時俺めっちゃ焦ったのにそんなくだらないことだったなんてなぁ。

一応人格に影響がある上にまだアラガミ化しないと決まった訳ではないがそんな危惧はどこかにすっ飛んでしまった。

 

まあ、今日はカノンさんも助けられたし変な懸念も気にならなくなったしでいいことばかりだっ…………いや、そういえば神機を痛めてしまってリッカさんに説教されてしまった。

 

柄に手形を作ってしまったこともそうだがおそらく俺の神機を振るう力が強すぎて全体、特にパーツの接続部分に負荷がかかっていると言われてしまった。

それでも大分手加減しているんだけどなぁ、まだ全然力籠めてないし。

と、ポロっと零してしまったら神機が俺の足枷になってしまっていると言って愕然としている様子だった。

 

 榊博士からも言われていたけどそこまでイレギュラーなんて。しかも訓練の時よりなるべく強靭になるよう手も加えてるんだよ? とのことだった。だがやはり俺の全力には耐えられそうもない。

もっと強化出来ないのかとも思ったが出来るならやっているだろう。リッカさんも同じことを考えていたし、これ以上は今後の研究次第だから申し訳ないけど今はそれで我慢してくれとも言われてしまった。

 

結論。なるべく力加減を覚えて戦うのを心がけることにした。

 

 

 

 考えをまとめてカップをテーブルに置く。温かいお茶を飲んでいた俺は気分がだんだん落ち着いていくのを感じた。

こんな風に一心地着くなんていうのは一週間前の俺では全く考えられなかっただろう。外部居住区ではその日を凌ぐので精一杯だった――特に一人だった俺みたいなやつは。

 

 「…………寝るかな」

 

――――独りだった、けど今は違う。

 

ベッドにモゾモゾと入りながら思う。俺は今幸せなんだなぁ、と。

 

 明日も一日頑張ろう。

 

毎晩俺がふと心に浮かべる一言だった。

 

 

 




 カノンさんをもっと色っぽく猟奇的に書きたいです安西先生。

今回でカノンの心境とクウの過去が少々見えてきましたね。
全貌が明らかになる時は来るんでしょうか? ←(おいっ)

ゆったり頑張ります。
読んでくれている方々もゆったり読んでください。

以上グレーガンスでした。
ではまた次回
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