うん、まあタイトル通りだよ。
そろそろそういう描写は減らして物語を進めたいと思ってる。
……本編どうぞ。
心地よい感触に包まれながら微睡む。
ふわふわと俺を逃さないよう包んでいるのは柔らかい掛け布団と柔らかで良い匂いの女性の腕――――――な訳がない。
脳内でツッコミを入れながら自分にかかっている毛布をひっぺがす。
朝だ、今日も一日アラガミ
しかし、さっきの妄想は何だ? 戦場明けで昂ぶっていたのだろうか? 確かに年頃の男子たる俺は見目麗しい女性とそうなりたいという願望は当然あるが、アナグラにやってきて僅か一週間程でそんな相手を作れるほど軟派で女性慣れしているわけではなかった。
うーむ、今度ターミナルでなんか探してみるのもありかもしれない。いや、何とは言わないが。
それはさておき、とりあえずご飯にしよう。
朝食に誘おうとコウタの部屋をノックしてみるが返事は無い。
おそらくまだ眠っているのだろう、いつものことだ。何回かノックしてコウタを起こす。
今日は割とすんなり起きたほうだった。ひどい時にはあいつの端末を延々鳴らすハメになる。それでも起きない時は残念ながら放っておくことにしている。
まあ、そんなことになったことは無いけれどね。
「おっはよーうクウ、起こしてくれてサンキューな」
「おう、じゃあ食堂行こう」
「了解! ああ、それで昨日ツバキ教官がさー――――」
といった風に俺達の朝は始まり、各々の近況報告やくだらない話が続く。
まだ一週間程でしかないが続いている俺達の日常だった。
そして食堂にてカノンさんにバッタリ会った。
「あっ! クウさん!……にコウタ君、おはようございます」
「おはようカノンさん」
「あっ、カノンさんおはようございます!」
挨拶をされたので普通に返す。コウタも俺に続いて挨拶をした。
しかし、俺を見つけた時とコウタを見つけた時のリアクションに差がある気がする。俺優位で。
昨日の今日だから仕方ないかもしれなかった。そして一緒にご飯を頂く。
その途中でコウタが 俺、席外した方がいい? と俺に小声で聞いてきたのが少々意外だった。
――――コウタにそんな気の使い方が出来るとは……
流石にコウタを舐め過ぎな意見だろうか、顔に出ていたらしくコウタに白い目で見られてしまったが正直そんな気遣いが出来ると思わせない普段のお前が悪い。
ありがたい申し出だが別にいらないと断った。
確かにカノンさんは非常に魅力的な女性だ。顔立ちは整っているしスタイルも抜群。纏っている雰囲気も可愛らしく是非ともお近づきになりたい相手だ。
おそらく昨日の出来事で多少の興味を引いたのか彼女の対応は好意的だし俺も嬉しく思っている。
が、逆に言えばそれだけだ、変な気を回してもらうような関係では無い。
という旨の話は当然コウタにしなかったが、頭の中に浮かべ三人で普通に楽しく朝食の時間を過ごした。
あと今度一緒に任務に行こうという約束もした。戦闘時の性格は俺とベストマッチだと思うので恐ろしさより楽しみが上回る不思議な感覚だった。
タツミさんから話を聞いていたコウタは不安そうな顔をしていたが大丈夫だと背中を叩いておいた。
そして、早速任務に行こうとエントランンスに顔を出す。
するとヒバリさんに呼ばれた。なんだろうか?
「おはようヒバリさん。今日のミッションについてで合ってる?」
「おはようございますクウさん。ええそうですよ。今日はこちらのミッションを受けてもらいます」
そうして俺の端末にミッション内容が送られてくる。
えーと、内容は……と。
ミッション名 鰐二号
討伐対象 グボロ・グボロ オウガテイルの小集団(およそ5~8体程とみられる)
場所 鉄塔の森
同行者 橘サクヤ
ソーマ・シックザール
エリック・デア=フォーゲルヴァイデ
ふむ、ミッション目的としては集団による動き方を覚えることも含まれる、と。
なるほどねぇ。あとサクヤさんがいるのか、他の二人は知らないなぁ。
「了解したよ。ちなみに同行者の人は今どこに?」
「同行者の内お二人は既に現地に向かっていますよ。サクヤさんはまだもうすぐ来るはずなのでサクヤさんと現地に向かってください」
「というわけで、早速向かいましょうか」
顔を上げるとそこには昨日リンドウ隊長に紹介してもらったサクヤさんがいた……何時の間に?
ちょっと驚いたが返事を返して一緒に出撃ゲートをくぐった。
「…………今日の任務ね」
「はい?」
移動中周囲の警戒はしつつも他愛ない会話をしていたのだが、突然サクヤさんが黙ったと思ったらいきなり真面目な空気で話しだした。
「今日の任務はね、実は急遽変更されたものなのよ」
……急な変更か――それはもしかして
「昨日俺がシユウ倒したのと関係あったりします?」
「……その通り。本当なら今日あなたは私と二人でコクーンメイデンを討伐するはずだったの、けどねあなたは昨日シユウを単独で倒してしまったわ、実戦配備初日にシユウを単独撃破なんて記録に無いわ。だから今日の任務の難易度が上がった、上はあなたにそれだけの期待をしているのよ」
正直、困惑している。
上に期待されているのはわかっていたつもりだが即日任務の変更を行う程の期待をかけられているとは思わなかった。
もしかしたら俺が思うよりも新型という肩書は重いものなのかもしれない。
俺の適合率の高さや異常性は大それたものなのかもしれない。
――――そして、それによって俺は、更なる死地へと、赴かされるのかも……しれない
「――やっぱり期待は重いもの……かし……ら?」
私の言葉が尻すぼみに小さくなって消えていく。最後の一音はちゃんと発声出来たかも怪しかった。
しかし、それも仕方のないことだと思う。
私はこの話をしたら目の前の彼は少なからず動揺を見せると思っていた。確かにそれは正しかったわ。
けれどそれはほんの最初だけ、その数瞬後。彼は笑って――いた。
――ぞくり、と背筋が冷えた。
彼の笑顔には挑むような積極性と満ち足りるような満足感が宿っていた。
彼が何を感じたのかは分からない。けれど彼にとって上からの期待というものは重みどころかカンフル剤にしかなっていないようだった。
昨日のリンドウの話を思い出す。
――ねぇ、どこまで本当なの? リンドウ。
――ん? 全部だよ、全部。
――彼そんなにすごいの?
――ああ、そうさアイツは、クウは天才だよ。アラガミを殺す才能が天井知らずにぶっ飛んでやがる。アイツがもっと早くからいれば、って少し考えちまうくらいだ。
――……あんまりプレッシャーかけちゃ駄目よ?
――――大丈夫さ、あいつなら。
本当だったわリンドウ。この子はきっと規格外なのね。
そう感じ取れる。目の前の彼はそう感じさせるだけの凄みを私に感じさせた。
彼が口を開く。
「大丈夫です。期待には応える主義ですから」
きっと今日のミッションはあっけないものになる。そう思った。
クウが原作より強くなるということはこの世界線の展開も変わっていくということなのだ。
どこまで変わるんだろうね。←えぇ……
次話上田君がついに登場。
上田君の運命や如何に!
やめて!上から来るオウガテイルに、エリック・デア=フォーゲルヴァイデがマミられたら、アラガミ動物園でアラガミと戦ってるエリックの意思まで食べられちゃう!
お願い、死なないでエリック!あんたが今ここで倒れたら、エリナやお父さんとの約束はどうなっちゃうの? チャンスはまだ残ってる。ここを生き延びれば、生き残る展開もありえるんだから!
次回「エリック死す」。デュエルスタンバイ!
うそうそwww