東方白古竜   作:4256巻き

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貪喰ドラゴンの肋骨とシースの肋骨・・・・・
あれ?なに考えてるんだろう


7話 少年と誰かが見たもの

前回、透明になった

 

 

少年は山の山頂にてクリスタルゴーレム

結晶トカゲと共に空に浮かぶもの見ていた

 

「綺麗・・・・・・」

 

月明かりに照らされ優雅に浮かぶ月光蝶に見惚れていた

 

「けど・・・・・

おいらはもっと綺麗なのを知ってる・・・・」

 

少年は白竜の首飾りを手に乗せてシースを思い浮かべ

まだ来ないのかなと洞窟の入り口がある方向を見つめる

 

「(あのでっかい羽で飛んでるの見たいな・・・・・?)」

 

ざわ

 

ざわ

 

少年は風に揺られる木々を見ていた

 

「(風の流れが変?)」

 

「またせてしまったな、少年よ」

 

きょろきょろ

 

シースの声がして少年は周りを見渡すが

どこにもシースは見当たらない

 

「いま姿を見せる」

 

そう声が聞こえると少年の目の前で

霧が晴れていくかの様に翼を開き夜空に浮かぶ

白く大きなシースの姿が現れた

 

おおびっくりした顔してる

 

「凄い・・・・・・」

 

なんか凄いって言われた

 

魔術の見えない体を解いて突然現れて見えたのと

翼を広げて浮遊してちょっと光ってるのとどっちだ?

 

・・・・・どっちでもいいか

 

少年の目の前の地面に手を開き近づける

 

「少年よ、手の上に座ってくれ」

 

「・・・・・・あ、うん」

 

少年はゆっくりとした歩みで白く大きな手に近づき

楽な体勢で座り、シースに手をすりすりと触ってみている

 

すりすり

 

「・・・・・わぁー」

 

すりすりすりすり

 

触り後心地が良いのか

すこし触ったあとも触り続けている

 

少年はもう手に乗ったな

 

そんじゃあ操作して結晶トカゲを少年の乗っている

手の上に移動させて―――ってもう乗ってる

 

・・・・自我とかあるのかな、こいつ

 

とんとん

 

ん?なにもしてない片手に振動が・・・・なんだろ?

 

もうひとつの片手を見てみると

 

とんとん

 

自分の手をとんとんと軽めに叩いてる

クリスタルゴーレムがいた

 

・・・・・・・・もしや

いやしかし、もしかして・・・・試してみよう

 

ちゃんとお前も連れてくからちょっとじっとしてくれ

 

こく

 

クリスタルゴーレムは体を少し前に傾けて頷いた

 

のしのし

 

そしてシースに背を向けた

 

 

・・・・・・

 

スゥ

 

シースはクリスタルゴーレムに手を近づけて

 

がし

 

コップを持つ感覚で掴んで持ち上げた

 

自我・・・・あるっぽい

 

そしてシースは少し遠くに浮遊している

月光蝶に顔を向けてみる

 

・・・・・・・お前も来る?

 

ふわぁー

 

月光蝶は少し遠い位置からシースの横に移動した

 

 

 

 

100パーセント自我あるよこいつら!?

 

いや悪い事じゃないしひとりぼっちじゃないって

風に思えてなんか賑やかな気がするけどね?

 

生物的なの使った結晶トカゲと月光蝶はまあわかるけど

 

完全に無機物のクリスタルゴーレムに自我が宿るって

かなり凄い事なんじゃ・・・・・・

 

いや、今は考えるのやめとこ、せっかく外に出てるんだし

 

とりあえずソウルの業って事にしとこう

多分それが関係してるだろうし

 

じゃあそろそろ行くか

考えてる分、時間経ってる気がするし

 

「では少年よ」

 

すりすり

 

「・・・・ん?どうしたの?」

 

・・・・シースの肌ってそんな触り心地良いのかな

 

「景色を見に行こう」

 

「え、ここじゃないの?」

 

「うむ、きっと良い景色だ」

 

そう言うとシースは透き通るような青と紫の翼を輝かせ

山から離れ、空を飛んだ

 

 

 

 

 

「凄い・・・・凄いや!こんなに全部綺麗なんて知らなかった!」

 

「そうだろう?こんな良い景色は中々見られない・・・・

今日はとても良い天気だ」

 

 

 

その景色は暗い景色の全てが少し眩しい程に光る月光に照らされ

それに呼応しているかのように夜空の星々が丸く見える世界の端まで

いっぱいに輝き、空から見下ろす山を、草木を、川を、大地を余す事なく

月明かりの届かない影を星が照らし暗い筈の全てが鮮明に、美しく見えた

 

 

元々はただそこにあるだけのものがここまで美しくなる

 

故に価値の付けようのない景色と誰かは言うのかもしれない

 

 

「良い景色だ」

 

シースとなった者はこの景色を見るに至った

己の転生、少年との出会い、ここへたどり着いた気まぐれ

 

このめぐり合わせに感謝の念を送った

 

―――――――

―――――

 

 

ザクッ

 

ザクッ

 

 

夜の森の中、白衣を着た女性がスコップで

地面を掘り起こし

 

掘った穴の中に手を突っ込む

 

ずず、ずずずずず

 

少しずつ腕を引いて穴から手が出る頃には

その手に太い植物の根っこを掴んでいた

 

「ふぅ・・・・これでしばらく持つわね」

 

根っこを一目見たあとにひと息つく

 

髪は白く前髪を軽く分け、

長い後ろ髪を編んで縛った髪型をしている

 

フッ

 

その女性のいる周辺が

一瞬、暗くなったあとにまた明るくなった

 

「今のは・・・・鳥の妖怪?」

 

そうして見上げると

 

 

「・・・・・・白い、竜」

 

空には月明かりに照らされた白く巨大で足がなく

青と紫の光る複数の翼を持ち、痩せた体の竜が

輝く粒子を散らしながらとても優雅に空を泳いでいた

 

「綺麗・・・・・・」

 

女性は見入っていた、書物にも伝承にも載っていない

特徴を幾つも持つ奇妙な白い竜にとても興味が惹かれた

 

そしてそんな奇妙な特徴が何個も揃っていると言うのに

気持ち悪さなど全くなく、むしろ神々しく感じる

不思議な美しさに目が離せかった

 

時間が経ち、白い竜はもう視界から消えていた

 

「あれはいったい・・・・・」




シースは普通に美しいと思う
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