ソウルの魔術はどれも綺麗だなぁ・・・・と思う
よう、みんな
最近、自分の周りが賑やかになってきたシースだ
なぜ賑やかになったかと言うと
自我をもっていると数日前に発覚した三体が理由だ
結晶トカゲ、クリスタルゴーレム、月光蝶
こいつらが最近活発に動くようになった
結晶トカゲは俺や少年の周りをうろうろ動いたり
ちょろっと外に行ったり
クリスタルゴーレムは近くに座ってぼーっとしたり
少年を乗っけて走ったり遊んだりもしている
月光蝶は洞窟内や外を気まぐれにふわふわと飛び回って
一通り飛び回ったら俺の頭の上に止まって休憩する
お前ら結構動くんだな
そして月光蝶はなんで俺の頭に止まるんだ・・・・
しかしこう賑やかだと元からなんにもない大きな洞窟が
とても殺風景に見えてくるなぁ・・・・
うーむ・・・・時間なら腐る程にあることだし
この洞窟内にソウルによる光以外に外の光を入れたり
洞窟の壁を結晶で見栄えよくして植物植えたり池を作ったり・・・・
考えて見たが結構悪くないな、こんどやってみよう
「シースーーー!」
少年が片手に本を持ってシースに駆け寄って行き
シースに見せるように持っていた本を高く上げた
「これ!おいらちゃんと読み終わったよ!」
「ほお・・・・読み終わったのか、早いものだな」
しかし早いな、文字を教えてあまり時間が経っていないのに
もう本を読み終わっているなんてなぁ・・・・
頭に入っている知識が少ない分、覚えが早いのだろうか?
いや、これは少年に失礼だな、まぁさっと覚えてくれるなら
こっちも魔術の知識を教え易くてありがたいけども
「少年よ、ソウルの魔術の大体はわかっただろうか?」
「うん、ソウルの矢が基本だよね?」
うんうんちゃんと覚えているようだな
「そのとおりだ少年よ・・・・
そしていまからその魔術使うので見ておいて欲しい」
魔術を教わるなら実物を見てみたいだろうし
実際に見て使い方を学ぶのも大事だ
「え、魔術使うの!?」
「うむ、魔術を学ぶのならば
実物を見て知るべきだろうとな」
この言葉に少年はシースが魔術を使うとわかり
少年の期待とわくわくが見てわかる程に高まっている
はっはっはー、少年のきらきらした瞳が
失敗したらどうしようってプレッシャーになってきたぞー
まぁがんばろう
それにこの狂ってない?シースの体で魔術を使ったら
どうなるかってのも気になっていたし
もう魔術は使ってるけど見えない体とか
完成した結晶のアクセサリーに魔術を掛けたりで
殆どが本人の出せる魔術の威力が左右されないものばかりだ
だからソウルの矢のような本人によって威力が変わる術を
魔術の祖とも言われるシースが使うとどうなるか・・・・
うーむ・・・・・・
考えてみれば壁に撃つのが心配になってきたな
よし天井に撃とう、もし威力が強過ぎても空に行くし
シースは真上に手を向けて少年に声を掛ける
「では少年よ、これよりソウルの矢を使うぞ」
「うん!」
上に向けたシースの手の人差し指が青白く光り
ピシューン
その光が細く、少し長い矢の形を取って
天井に飛んで行き
バァン!
低い破裂音を起こし
岩の天井に少年の片足が入る幅の少し深い穴を作った
「すごい、硬い岩に穴ができた!」
ソウルすげぇ、ゲームだと当たった場所に穴ができたり
なんてしなかったけどソウルの矢でこんなに削れるんだな
いやシースだからこそこの威力なのか?
シースが使うソウルの矢で岩に穴を空ける程となると
あのローガンが使うソウルの槍の威力は・・・・
うーん・・・・・・ますます気になってきた
使おう、強い威力の魔術も気になる
あとどれ程強いのかワクワクするし
「少年よ、次はソウルの矢よりも
とても強力なソウルの槍と言うものを使う」
「ソウルの槍?」
小年はシースに渡された本には書かれていなかった
魔術の名にどんなものだろうと考える
本に書いてない魔術だからわからないか
ローガンが作り出したオリジナルの魔術だし
「これを使える頃には大抵の魔術を扱えるようになり
この魔術を当てればそこらの妖怪は一撃で死ぬ・・・・
そんな危険であり、使えれば一人前と言える魔術だ」
「へー・・・・使えたらすごいね!ってこと?」
少年は頭を少し傾けてシースに聞いてくる
・・・・説明が長かったか
「わかりやすく言えば凄いソウルの矢だ、少年よ」
「そっか!」
まぁ・・・・10歳にもなってない妖怪だからな
「それではソウルの槍を放つ」
シースはまた真上に手を向け指に先ほどと同じく
青白く光り、それを放つ
ピシューン
ソウルの矢を何倍にも大きくし
鋭く槍の様な、穿つ為の形をしたソウルの魔術が飛び行く
さてどうなるか――
ズガガガガガガガガガ!!!
・・・・・・えぇ?
ソウルの槍は天井の岩に着弾するも
ソウルの矢の同じ破裂音を出さず四散せずに
そのまま岩を砕き、貫き、上に掘り進んで行く
ズゴァ!!
そしてこの音が聞こえたあたりで削る音がなくなり
ソウルの槍が空けた穴から光りが差し込み
シースの顔を照した
「・・・・・・」
「・・・・・・」
シースの放ったソウルの槍が山の地下から頂上まで貫き
できたその穴から太陽の光りがこの洞窟に届いた
このとんでもない貫通力と威力に
シースは内心その威力にかなりビビり
使う時は慎重に考えなければと気を引き締めた
少年は魔術の恐るべき殺傷力を知り
使い方に気をつけなきゃほんとに危ないと心に刻んだ
そしてシースはゆっくりと顔を少年に向け
「これを使うことを目標にするといい・・・・
ただし、使うのならば慎重に扱って欲しい、慎重に」
「・・・・うん、気をつける」
――――――
――――
ザッザッザッ
「・・・・方角は合ってる筈だけど見つからないわね」
太陽の光りが降り注ぐ森の中で
白衣を着た女性が一人歩いていた
「そもそもただ見かけた竜に交渉できないか
探してる時点で駄目なのかもしれないわね・・・・はぁ」
女性が一息ついていると
・・・・・ガ・・・・ガガガ
遠くからなにか硬いものを砕く音が僅かに聞こえる
「?、なんの音が――」
女性が音のする方角を見ると山があり
ズゴァ!!
その山の頂上から突然青白い光りが音を立てて飛び上がり
しばらく飛び続けると空の色に溶けるかの様に消えていった
「・・・・・・まだ完全に駄目って訳じゃないみたいね」
女性はそう言うと先程、光りが現れた山に歩いていった
次回、次回にこんな最後のちょこっとじゃなくちゃんと出します
お薬作るあの人です