何!? 俺の知っている遊戯王の世界ではないのか!?   作:やーなん

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実を言いますと、リアルタイムで遊戯王のアニメを追っているのは今回が初めてなんですよ。
そうして思った一言、なにこのアニメめっちゃ面白れぇ!!
ジャックの扱いだとか、ライディングデュエルだとか、すっげぇ気になります。

今回は長くなりそうなので、前篇後編となります。
需要があれば後編の執筆が早まります。


第十一話 その双子、現れる 前篇

 当然のことであるが、俺と木村君&翔子と生徒会長ペアでのタッグデュエルは調整もかねて行われることになった。

 

 その様子を繊細に描写してもいいのだが、いい加減身内でのデュエルが多くなった為、掻い摘んでお送りする。

 

 

 先行は翔子たちだった。

 翔子はいつもの流れで魔法少女をシンクロ召喚、ターンエンドした。

 次は木村君のターンで、順調にアドバンテージを稼いで終わった。

 生徒会長のターン。儀式召喚され、こちらのライフが一気に半分以下になった。

 俺のターン。今回は空母メインのデッキ編成で二人のフィールドを荒らし、守りを固めてターンエンド。

 

 翔子のターン。翔子のシンクロ召喚を妨害しつつ、順調にライフを削っていく。

 木村君のターン。容赦の無いバーン攻撃に面白いように相手のライフが減っていく。

 そして生徒会長のターン。回収しておいた儀式魔法で、ギリシャの大英雄が現われた。

 強力のステータスと耐性、デメリットを兼ね備えた相手に正面から挑むのも無理な話だった。

 

 何とか生徒会長のターンを凌ぎ、俺は木村君のサポートを受けて効果を無効にした隣のマスターを狙うことにした。

 ここからの流れがあまりにも見事だったので、ダイジェストでお送りする。

 

 

「俺は『重巡洋艦フルタカ』で、効果が無効になった『雪色の人造少女』に攻撃だ。

 彼女の儀式モンスターが居るときに攻撃対象にならない効果も無意味だぜ!!」

 と、フラグを立てたのが悪かったのかもしれない。

 何せ彼女は、「少女」で、魔法使い族だったのだから……。

 

「リバースカードオープン。トラップ発動。『魔法少女の奇跡』」

「うえぇ!?」

 完全に度肝を抜かれた瞬間だった。

 相手のターンプレイヤーは生徒会長。そのカードが使えるはずが無いのだから。

 と、思ったところでそれは違うと悟った。

 

「君には言うまでもないことだが、このカードは自分フィールドの「少女」魔法使い族モンスターが攻撃対象に選択されたときに発動できる。

 バトルフェイズを強制終了させ、墓地から『魂の宝玉』を特殊召喚し、このカードと攻撃対象に選択されたモンスターを素材としたシンクロモンスターをシンクロ召喚する。

 私はレベル4の『雪色の人造少女』にレベル4の『魂の宝玉』をチューニング!!」

 長く続いた某型月作品群には、どこぞの魔砲少女シリーズと同じようにスピンオフ作品として魔法少女モノが作られた経緯がある。

 そのカードを生徒会長が持っていないはずが無かったのだ。

 

「無限に連なる鏡面を超えて、新たな次元から希望の使者が舞い降りる!!

 ―――シンクロ召喚、レベル8『紅玉の魔法少女 プリズム・ルビー』」

 そんな感じで変身前と若干デフォルメされた銀髪少女が可憐な服装に身を包み現われた。

 

「『プリズム・ルビー』はシンクロ召喚に成功した時、デッキから『英霊』儀式モンスターを一枚装備カード扱いとして装備できる。

 そして装備しているカードの二つ目の効果を自身の効果として使用できる。

 私は『伝説の騎士王』を装備させる。さあ、君のメインフェイズを続けたまえ」

「あ、えーと、ターン終了です……」

「私のターン、『プリズム・ルビー』が装備している『伝説の騎士王』の効果を使用し、『重巡洋艦フルタカ』を手札に戻す。

 バトルフェイズに突入するわ。『プリズム・ルビー』は装備している『英霊』儀式モンスターの攻撃力の半分を自身に加算される。

 これで彼女の攻撃力は3500!!

『プリズム・ルビー』でダイレクトアタックよ!!」

「ぎゃふん……」

 とまあ、そんな感じで俺たちは負けたのである。

 

 

「完敗でしたねぇ……」

 木村君は若干悔しそうにそう言った。

 

「まさかここまで初回で連携されるとは思いませんでしたよ」

「いやいや、私がタッグデュエルに不慣れな分を彼女がフォローしてくれたからね」

「いいえ、ご謙遜なさらずに。正直度肝を抜かれましたよ」

 俺は苦笑して生徒会長にそう言った。

 

「こちらも長引けば勝負は分からなかっただろう。

 こちらが速攻を得意とするのに対し、そちらは守勢を得意とする見事な戦術だった」

「翔子と生徒会長の火力はホントしゃれにならなかったよなぁ」

「三ターン目でライフが1500になった時は本当にどうしようかと思いましたよ」

 俺と木村君は口々に先ほどのデュエルを振り返る。

 

「最後のあれ、まさか生徒会長からシンクロ召喚が飛んでくるとは思いもよりませんでしたよ」

「偶々相性が良かったからね。種族が一緒ならある程度はシナジーがあるものだが、偶然の一致とは恐ろしいものだ」

「遊助が驚くと思って、私が無理行って生徒会長のエクストラデッキに入れてもらった甲斐があったわ」

 ドヤ顔で笑う翔子に、俺はぐぬぬと歯噛みした。

 

「気にすることは無いよ。私は元よりエクストラデッキを多用しないからね。

 不自然にならないように適当に十五枚入れたくらいだ」

「とりあえず限界までブラフで入れとくってのは常套手段ですからね」

 等々、俺たちが雑談に興じていると。

 

 

「そう言えば、タッグデュエルの世界大会ってアメリカでしかありませんよね。

 こんなに戦術の幅が広がって面白いのに、どうしてどこまでタッグデュエルは普及していないんでしょうか」

 木村君がそんな疑問を呈してきたのだ。

 

 彼の言うとおり、この世界でもタッグデュエルはメジャーではない。

 世界大会は個人のマッチ戦やライフが尽きたらフィールドを引き継ぎ選手交代の団体戦が主な試合環境だ。

 

 

「ふむ、大きな理由としては、タッグデュエルのルールが厳密に整備されていないという点が上げられるだろう」

「そうなんですか?」

 それに生徒会長が答え、木村君は意外そうな声を上げた。

 

 そう、多人数のデュエルは非常にルールの整備が難しい。

 一応メジャーなルールが存在するが、それだって穴は多い。

 

 第一、アニメでもタッグデュエルは行われる度にルールが変わり、最近ではバトルロイヤルとは言え乱入者が出るたびにターンが入れ替わったりしている無法地帯だ。

 

 

「調整が難しいんだよ。確かに戦術の幅は広がるが、広がりすぎて対処できないレベルなんだ。

 例えば今日のデュエルでも、俺のターンがきた時には既にライフはかなり減っていただろ?

 三ターン目で既に相手は十一枚のカードで、既に行動を終えた木村君を叩き潰すことだって十分可能なんだ」

 俺はそう語りながら、生前のタッグデュエルを思い出し顔を顰める。

 

 生前の俺にタッグデュエルなんてするほど仲のいい友達なんて居なかったので、その相手は当然コンピューター……つまりタッグフォース系列のゲームである。

 あのゲームは基本的にタッグデュエルをするとプレイヤーは必ず三番目か四番目になる。

 

 ゲームのCPUがあの膨大なカードプールに対応できるはずも無く、相方のあほな行動で4ターン目に自分の番が回ってくる前に勝負がつくこともままあるくらいだ。

 自分の意志が一切介在する余地が無く敗北するのがどれほど苛立ちか、やったことのあるものしか分かるまい。

 

 だから翔子と組んで、こんなにタッグデュエルは楽だと思ったことはなかった。

 

 

「そうなんですか、何だか寂しいですね」

 木村君は少し寂しそうにそう言った。

 

 それが昨日の話しだった。

 

 

 

 

 

 

 

「遊助先輩!!」

 その翌日、昼休み前のフリーデュエルの時間、俺はいつものように翔子と駄弁りながらデュエルスペースに向かっていると、木村君の声に振り返った。

 

 振り返るとそこには木村君が居るのは当然として、彼は見慣れない二人組みを連れていた。

 

 

「やあ木村君、そこの二人は友達か?」

「はい、同じクラスの……最近友達になったんですけど、」

「大丈夫よ伸也君。先輩だからって自己紹介ぐらいは自分で出来るわ」

 そう言って、その二人組みの片割れが前に出た。

 

 

「一年二組の坂間 真帆です。

 こっちが、弟の……」

「同じく二組、坂間 彩貴です」

 二人はそう言って礼儀正しく一礼した。

 

 二人は男女の差はあれど、顔立ちは似ている。双子なのだろう。

 

 

「ご丁寧にどうも。俺が二年三組の須田 遊助だ」

「聞いていると思うけど。私が真辺 翔子よ」

 俺たちも一通り名乗って、自己紹介は完了した。

 

「それで、一年が俺たちに何か用か?」

「えーとですね、昨日生徒会長とタッグデュエルしたじゃないですか。

 それを今日、二人に話したら、自分たちも是非に、と」

 木村君からそれを聞いて、俺と翔子は顔を見合わせた。

 

 この間も言ったが、この世界ではタッグデュエルはメジャーではない。

 個人の成績がずっと評価されるからだ。

 だから授業でも、ルールに触れて試しに実践するくらいしかやらないのだ。

 

 

「聞けば、お二人はタッグデュエルでは無敗だとか」

「俺たちもタッグデュエルには自信が有るんです!!」

「将来はタッグデュエルの普及活動や世界大会で成績を残すことを考えているんですが……」

「いかせん、相手がなかなか見つからなくて……」

「なるほどなぁ」

 この年で将来のことを考えている坂間姉弟は立派で、是非とも協力してやろうと思うのだが。

 

「私たち、昨日の皆さんのデュエルの記録を見させていただきました」

「始めて組んだ同士であそこまで戦えるなんて凄いです!!」

「「是非とも一戦、ご教授頂きたいです!!」」

 そう言って坂間姉弟は綺麗にお辞儀した。

 

 

「俺と翔子は構わないぜ。挑戦だっていつでもオーケーだ。

 だがそこそこ悪名がある二年二人と一年二人でやりあうってのは外聞が悪い……そうだ、木村君、昨日の続きで俺と組んでやらないか?」

「え、僕とですか?」

「それで俺たちが負けたら、今度こそ俺と翔子のタッグ専用デッキで相手してやるよ。

 勿論、木村君がどうしてもイヤだって言うなら今日は諦めて貰うが」

「とんでもありません!! 遊助先輩とのタッグデュエルなんて願ったり叶ったりです!!」

 木村君はぶんぶんと首を振ってそう言った。

 

「遊助、どうしてそんな意地悪いうのよ」

「この間の件でクラスの奴らからぎゃーぎゃー騒がれただろ。それが週に二度もなんて身が持たんぞ、俺は」

「ああ……」

 翔子の脳裏には先日のデッキ交換デュエルで学校中に注目された時の記憶が蘇ったのか、徐々に顔を赤くし始めた。

 

 

「やっぱり噂どおりのラブラブカップルみたいだよ、彩貴」(ぼそぼそ

「伸也が言ってた以上だね、姉ちゃん」(ぼそぼそ

「そっちの二人もそれでいいか?」

「「あッ、はい!! お願いします!!」」

 二人で小声で相談していたようだが、どうやらはまとまったようだ。

 

 俺たちはデュエルスペースに赴き、空いているデュエルリングを確保すると、各々位置についた。

 

 

「翔子、ジャッジをしてくれ。先攻後攻はそっちで決め手構わないぞ」

「じゃあ、公平にランダムでいいですか?」

「わかった、そうするわね」

 坂間姉、真帆の意見に翔子は言う通りにジャッジモニターを操作する。

 

「じゃあ、四人とも、準備はいいわね? タッグデュエルモード、開始」

 

 

 

 

 

 

      「「デュエル!!」」

    遊助&木村 VS 坂間姉弟

       LP8000

 

 

 

「先攻は僕ですね」

 機械の決定により、木村君が1ターン目のターンプレイヤーとなった。

 これにより次は坂間弟、俺、坂間姉、木村君とターンが巡回することになる。

 

「僕のターン……うーん、これはプランBで行こうかなぁ」

 木村君は俺の顔を見上げてそう呟いた。

 俺はそれに対して右目を二回閉じた。

 

 あ、ねえよそんなもん……と言いたいところだが、オーケー、それで行こう、という合図だった。

 

 基本的にタッグデュエル中は相談は厳禁だ。

 タッグパートナーの手札はルール上、手札公開を強制するカードの効果でも無ければ確認できないのが原則となっているからだ。

 

 俺たち二人のデッキ構築は、それぞれアタッカーとサポートがお互いにし合える構築となっている。

 基本的にタッグデュエルは役割分担をハッキリさせておいた方が有効な場合が多い。俺たちは初期の手札次第でどちらがどっちに回るか決めるのだ。

 

 

「僕は永続魔法『FT(フューチャーツール) コマンダーバッチ』を発動します。

 このカードは1ターンに一度、自分フィールドに『ロボポリス・トークン』を特殊召喚できる。

 僕は『ロボポリス・トークン』を守備表示で特殊召喚。

『ロボポリストークン』は破壊されると相手に500ポイントのダメージを与えます」

 

『ロボポリス・トークン』 攻守500

 

 

 『FT(フューチャーツール) コマンダーバッチ』

 永続魔法

 1ターンに一度、『ロボポリス・トークン』(機械族・地・星2・攻/守500)を自分のフィールドに1体特殊召喚する。

『ロボポリス・トークン』が破壊された場合、相手に500ポイントのダメージを与える。

 このトークンはアドバンス召喚のためにはリリースできない。

 

 

「更に僕は、フィールド魔法『FT(フューチャーツール) ロボット人権裁判所』を発動します。

 このカードが存在する限り、相手は機械族モンスターに対する攻撃宣言、破壊、除外に対してそれぞれペナルティを受けてもらいます」

 フィールドが近未来的な法廷へと姿を変えた。

 

 

 『FT(フューチャーツール) ロボット人権裁判所』

 フィールド魔法

(1)このカードが存在する限り、自分は機械族モンスターしか召喚・特殊召喚できない。

(2)自分フィールド上の機械族モンスターが相手の攻撃対象に選択された場合に発動する。

 相手は手札を一枚墓地に送らなければならない。

(3)自分フィールド上の機械族モンスターが相手によって破壊された場合、相手は1000ポイントのダメージを受ける。

(4)機械族モンスターが相手によって除外された場合、発動する。

 相手のフィールドまたは墓地からカードを選んで除外する。

 

 

 坂間姉弟たちの表情があからさまに面倒くさそうになったことはいうまでもない。

 こちらのデッキは種族を統一している。デメリットはデメリット足りえない。

 

「僕はカードを一枚セットし、ターンエンドします」

 

 

 遊助&木村 LP8000

 

 フィールド魔法『FT(フューチャーツール) ロボット人権裁判所』

 場  『ロボポリス・トークン』

 魔罠 □□■■□ 『FT(フューチャーツール) コマンダーバッジ』 セット

 木村 手札 □□

 

 

「俺のターン、ドロー。

 俺は魔法カード『システムスキャン』を発動。

 デッキからレベル4以下のサイキック族モンスターを一枚手札に加える。

 俺はデッキから『不幸を担う少年』を手札に加え、そのまま召喚する」

 坂間弟の場に某クラウディな奴とは違うつんつん頭の少年が現われた。

 

『不幸を担う少年』 星1 攻守 800/300

 

 

 ああ、なるほど、この姉弟のデッキってそういう感じなのか……。

 きっと弟がサイキック族使いで、姉が魔法使い族使いなんだろうなぁ……すごいな俺、超能力で相手のデッキの構成がなんとなくわかっちゃったぞー(棒

 

 

『システムスキャン』

 通常魔法

『システムスキャン』は1ターンに一度しか使用できない。

(1)デッキからレベル4以下のサイキック族モンスターを一枚手札に加える。

 このカードが発動するターン、自分はサイキック族モンスターしか召喚・特殊召喚できない。

(2)このカードの効果が無効にされ、墓地に送られた場合に発動する。

 墓地に存在するサイキック族モンスターを一枚選んで手札に加える。

 

 

「うー、攻撃しとくか。バトルだ。

『不幸を担う少年』で、『ロボポリス・トークン』を攻撃!!」

『FT(フューチャーツール) ロボット人権裁判所』の効果発動。

 手札を一枚墓地に送ってください」

「その効果にチェーンし、『不幸を担う少年』の効果発動。

 1ターンに一度、フィールド上の魔法カードを選択し、エンドフェイズまでその効果を無効にする。

 『FT(フューチャーツール) ロボット人権裁判所』を無効にする」

 警官を模した小型ロボは少年の拳によって破壊された。

 

「『ロボポリス・トークン』が破壊された為、500ポイントのダメージを受けてもらいます」

 

 坂間姉弟 LP8000→7500

 

 俺はバトルの間に、この厄介そうなカードの効果を確認していた。

 

 

『不幸を担う少年』

 星0 地属性 サイキック族 攻守 800/300

 このカードはルール上レベル1として扱う。また『不幸を担う少年』はフィールドに一枚しか存在できない。

(1)このカードは攻撃表示で存在する限り、戦闘で破壊されず、相手はこのカードにしか攻撃できない。

(2)このカードが存在する限り、自分フィールドで発動する魔法カードの効果は無効になる。

(3)1ターンに一度、フィールド上の魔法カードを選択して発動する。

 エンドフェイズまでそのカードの効果を無効にする。この効果は相手ターンにも使用できる。

(4)このカードが発動した魔法カードの効果を無効にし、そのカードが墓地に送られた場合に発動する。

 デッキからサイキック族または魔法使い族モンスターを1枚手札に加える。

 自分フィールドにこのカード以外のモンスターが存在する場合、代わりに『奇跡をも打ち消す右手』を一枚デッキ・墓地から手札に加える。

 

 

 見事なまでの魔法カードメタだ。

 こいつの獲物は永続魔法ではなく通常魔法だ。『不乱健』と同じ要領で無効にできる。

 魔法が使えないという強烈なデメリットこそあるが、さっきのカードを見る限りそれも気にならない構築のはずだ。

 そして何やら嫌らしそうなカード名が見えたぞ。絶対それ、カウンター罠だろ。

 

 付け入る隙はあるが、果たしてそれを許してくれるだろうか。

 

「俺はカードを二枚セットし、ターンエンド」

 

 

 坂間姉弟 LP8000

 

 場  『不幸を担う少年』

 魔罠 □□■■□ セット セット

 坂間弟 手札 □□□

 

 

「俺のターン、ドローだ」

 さて、向こうはこっちのデュエルを見たらしいし、俺のやり口は知っているだろう。

 つまり、マストカウンターをよく理解しているということだ。

 ならば、こちらもそれ相応に戦術を変えるまでだ。

 

「俺は『コマンダーバッチ』の効果を使うが、どうする?」

「何もありません」

「じゃあ、『ロボポリス・トークン』を攻撃表示で特殊召喚な」

 ま、こんなあからさまな陽動に引っかかるようでは、世界など夢のまた夢だろう。

 

「俺は手札から『艦砲装衣(シップレディ) 特Ⅰ型駆逐艦フブキ』を召喚。

 このカードが召喚に成功した時、デッキから『駆逐艦』モンスターを一枚手札に加えることが出来る。

 俺は『艦砲装衣(シップレディ) 陽炎型駆逐艦ユキカゼ』を手札に加え、自身の効果で特殊召喚。

『ユキカゼ』が召喚・特殊召喚に成功した時、自分フィールドに他の『艦砲装衣(シップレディ)』モンスターが存在する場合、デッキから『艦砲装衣(シップレディ)』魔法・罠カードを一枚手札に加えることが出来る。

 俺が手札に加えるのは、『艦砲装衣(シップレディ)改修工廠』だ」

 分かりやすくアドバンテージを稼げる『駆逐艦隊遠征』でないことに、木村君以外の面々の表情が訝しげに曇った。

 

「永続魔法『艦砲装衣(シップレディ)改修工廠』を発動。

 このカードの効果で、自分フィールド上の『艦砲装衣(シップレディ)』モンスターを二体選び、そのレベルを一つまたは二つずつ上げる。

 俺は『フブキ』と『ユキカゼ』のレベルをそれぞれ一つずつ上げる」

「させません、『不幸を担う少年』の効果で、そのカードの効果はエンドフェイズまで無効にします」

「リバースカードオープン。速攻魔法発動、『FT(フューチャーツール) 進化&退化放射光線』。

 フィールド上に存在するモンスターすべてのレベルを一つまたは二つずつ上げるか下げることができる。

 当然、俺はレベルを一つずつ上げる」

「二段構え!?」

 坂間弟は悔しそうに歯噛みした。

 

 

 『FT(フューチャーツール) 進化&退化放射光線』

 速攻魔法

(1)以下の効果から選択して効果を発動する。

 ●フィールド上に存在するモンスターのレベルを二つまで上げる。

 ●フィールド上に存在するモンスターのレベルを二つまで下げる。

 

 

「ペンデュラムゾーンに『艦砲装衣(シップレディ) 正規空母アカギ』をセッティングする。

 俺はレベル3の『艦砲装衣(シップレディ) 特Ⅰ型駆逐艦フブキ』とレベル3『艦砲装衣(シップレディ) 陽炎型駆逐艦ユキカゼ』でオーバーレイ!!」

 二人の少女の姿が掻き消え、光の渦の中へと姿を消し、爆発する。

 

「エクシーズ召喚!! 

 現われろ、ランク3!! 大海の化身を冠する心優しき水上潜水の母!! 『艦砲装衣(シップレディ) 潜水母艦タイゲイ』!!」

 そうして現われたのは、何とも戦いとは無縁そうな割烹着の少女であった。

 最小限の武装と艤装からも、彼女が戦闘向きでないことは一目瞭然だ。

 守備表示で召喚された為、ひ弱な少女ががんばって身を守っているようにしか見えない。

 

艦砲装衣(シップレディ) 潜水母艦タイゲイ』 攻守/500

 

 

「『艦砲装衣(シップレディ) 潜水母艦タイゲイ』の効果発動。

 オーバーレイユニットを一つ使い、デッキから『潜水艦』モンスターを自分フィールドにセットする。

 俺はデッキから『艦砲装衣(シップレディ) 潜水艦伊168』をセットする」

 ざっばーん、と潜水艦がフィールドに潜航する。

 カード名だけ確認させ、効果を読ませる前にさっさとセットする。せこいようだが大事なテクニックだ。

 

「バトルフェイズに『艦砲装衣(シップレディ) 潜水母艦タイゲイ』の効果発動。

 自分フィールド上に存在する裏側守備表示のカードを一体選択し、表側表示にする。

 リバースした『艦砲装衣(シップレディ) 潜水艦伊168』の効果発動。

 相手フィールド上に存在するカードを一枚選択し、発動する。そのカードを破壊する。

 俺は『不幸を担う少年』を選択」

 突然、『不幸を担う少年』の足元が爆発し、墓地に送られた。

 その代わりとでも言うように、浮き輪にスク水少女が上半身のみをフィールドに顔を出す。

 

 

 

艦砲装衣(シップレディ) 潜水母艦タイゲイ』

 ランク3 水属性 機械族 攻守500/500

 レベル3『艦砲装衣(シップレディ)』モンスター×2

艦砲装衣(シップレディ)』エクシーズモンスターはフィールドに一枚しか存在できない。

(1)1ターンに一度、エクシーズ素材を一つ取り除いて発動できる。

 デッキから『潜水艦』モンスター1体を自分フィールドに裏側守備表示で特殊召喚する。

(2)このカードは裏側守備表示のモンスターが存在する限り、攻撃対象に選択できず、効果の対象にもできない。

(3)1ターンに一度、自分フィールド上の裏側守備表示のモンスターを選択して発動する。

 そのカードを表側表示にする。この効果は相手ターンでも使用できる。

 この効果で相手ターン中に『潜水艦』モンスターをリバースした場合、更に自分はカードを一枚ドローできる。

 

 

「更にバトルフェイズ中にリバースした『伊168』は更なる『潜水艦』モンスターを呼び寄せることが出来る。

 俺は『艦砲装衣(シップレディ) 潜水艦伊58』をフィールドにセットする」

 

 

艦砲装衣(シップレディ) 潜水艦伊168』

 レベル3 水属性 機械族 攻守300/1600

艦砲装衣(シップレディ) 潜水艦伊168』の(1)と(2)の効果はそれぞれ1ターンに一度しか使用できない。

(1)このカードがリバースした場合、相手フィールド上に存在するカードを一枚選択して発動する。

 そのカードを破壊する。

 更にバトルフェイズ中にリバースした場合、デッキから『潜水艦』モンスター1体を裏側守備表示で特殊召喚できる。

(2)このカードが相手モンスターの攻撃によってリバースした場合、その戦闘でこのカードは破壊されない。

(3)このカードがリバースしたターン終了時に発動する。

 このカードを裏側守備表示にする。

 

 

「『ロボポリス・トークン』でダイレクトアタック」

 

 坂間姉弟 LP7500→7000

 

「カードを二枚セットし、ターンエンドだ。

 リバースした『艦砲装衣(シップレディ) 潜水艦伊168』はターン終了時に裏側守備表示になる」

 ざぶん、と浮き輪を残して『伊168』は潜航した。

 

 

 遊助&木村 LP8000

 

 フィールド魔法『FT(フューチャーツール) ロボット人権裁判所』

 Pゾーン 『艦砲装衣(シップレディ) 正規空母アカギ』

 場  『ロボポリス・トークン』『艦砲装衣(シップレディ) 潜水母艦タイゲイ』 セット セット

 魔罠 ■■■■□ 『FT(フューチャーツール) コマンダーバッジ』 『艦砲装衣(シップレディ)改修工廠』 セット セット

 遊助 手札 □□□

 

 

「さあ、お前たち姉弟のタッグデュエルを見せてくれよ」

 鉄壁、とまでは言わないが、かなり強固な布陣である。

 

 容赦のない盤面に戦慄する坂間姉弟たちを見ながら、これからのデュエルの展望に俺は不敵に笑みを深めた。

 

 

 

 

 

 

 




アニメの方も新たな展開になってきたところですが、当小説では世界を救うだとか異世界に行くだとか精霊が出てくるだとかは一切ございません。
我々とは常識がちょっと違う地球の様子を描くだけなのです。

特にカードの精霊とかは絶対に、何があろうとも出しません。
ただでさえイロモノなのに多重クロスとか失踪して当たり前のジャンルに踏み込むつもりはありません。
よそ様は兎も角、自分がやると絶対寒い展開にしかならないでしょうから。
そういうわけで、需要があれば続きます。
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