何!? 俺の知っている遊戯王の世界ではないのか!?   作:やーなん

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自分は基本的に召喚無効系とかの目に見えないカウンター罠を縛ってデッキを組んでいます。
相手の大量展開を華麗に返して勝利するのってロマンですよね。
でもさすがにクリスタルウイングとか効果無効持ちを並べられるとイラッとします。

皆さんもそんなこだわりとか有るでしょうか。
需要があれば続きます。




第二十二話 滅菌作戦 その2

 遊助らが不良達を撃破したほぼ同時刻、星井は亀谷や元暴走族仲間を引き連れ、B班と称し作戦行動に出ていた。

 

「星井さん、拠点に居なくていいんですか?」

 待機中、亀谷は星井に尋ねた。

 元暴走族を取りまとめる彼が前線に出ることに疑問を持ったのだろう。

 

「ああ、俺は前に出てるのが性に合ってるからよ。

 あの生徒会長なら俺よりもうまくやるだろうしな」

 普段の体育会系みたいな口調はどこへやら、砕けた感じで星井はそう答えた。

 彼はあれでも畏まった口調のつもりなのだ。

 

「懐かしいなぁ、またお前らと無茶やれるなんて。

 すっかり更生したつもりだったが、やっぱり長いことやってた性はかわんねぇらしい」

「へへ、そうっすね」

「バイク飛ばせねぇのが不満っちゃ不満ですけどね」

「ヘッドのカード捌きを見れるなら、どこからだって来ますよ」

 元暴走族の仲間たちは余程星井を慕っているのか、口々にそう言った。

 

「普段は喧嘩もしない師範代が俺らを頼ったんだ。

 しかもその理由ってのが、見ず知らずの女の子の為ってんだから、燃えねぇ理由が無ぇ。

 俺も結構長く突っ張ってたが、そういうの大好きだからよ」

「星井さんは仲間は決して見捨てなかったっすからね」

「山間の急斜面に落っこちた奴を助けるために自分もぶっこんだあの後ろ姿、マジでシビレたんすよ」

「あの頃はほんと楽しかったですよね」

「一体どんなことしてたんですか……」

 何やら物騒な思い出を語る彼らに、亀谷は呆れてそう言った。

 

 

「くだらねぇ、遊びだよ。

 どれだけ危険な悪路を走れるか、競い合ってたんだ。

 病院送りになる奴らが毎週のように出てよ、いやぁ楽しかった」

「ヘッドがほぼ垂直の谷合に突っ込んでった時は流石の俺たちも肝が冷えましたぜ」

「月面レース覚えてっか? 月面みたいな穴ぼこのとこ突っ走ったあれ。

 あんときは全治半年の大怪我した奴いたよな」

「覚えてる覚えてる。あれよく死んじまわなかったよな」

「みんなでバイトして治療費工面したよなぁ」

 げらげらと若気の至りを笑い飛ばす彼らだが、そのどちらをも想像して亀谷はぶるりと震えた。

 正気の沙汰じゃないからだ。

 

「あいつ、今じゃスタントマンの見習いやってんだってさ。こりねぇよな」

「この間また病院行きになったらしいぜ。

 あいつ病院食が好きなんじゃねぇの」

「俺も怪我して入院したけどさ、病院食って思ったより美味いんだけど、量が無いんだよな。

 食いたい盛りだったからマジつらかったわ」

「お前売店で買い食いしてたじゃねぇか」

 などと下らない雑談に興じていた彼らだったが、本来の目的をこなす時がやってきた。

 

 

「おい、あれじゃねぇか」

「はい、そうです」

「んじゃあ、いっちょやるか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ほぼ同時刻。

 

「あいつらです、間違いありません」

「ふーん、なるほどね」

 私は久々に指の骨をほぐすと、まあまあ、と元暴走族の連中が私を抑える。

 

「いきなり暴力はいけませんぜ、姐さん」

「そうです、喧嘩はデュエルを通してだけって、俺らの不文律ですし」

「えっと、スズナさん、でしたよね。

 僕もいきなり暴力はいけないと思います」

「はは、冗談だよ冗談」

 木村くんの不安そうな表情が堪らなくそそったので、私は仕方なく拳を収めた。

 

 

「あの、僕にやらせてもらっていいですか」

 道端に屯している不良どもをにらみながら彩貴くんはそう言った。

 

「うん、いいよいいよ、他の二人は私らに任せといて」

 この年頃はいいよなぁ、男女ともに脂が乗っててさ。

 ことが終わったら一緒にデートしたい。

 

「君らは後ろの方で待機しといて。

 強面の君らがいると警戒されるから」

「はい、ご武運を」

 そう言って、元暴走族の二人は電柱などの陰に隠れた。

 非常に怪しいが、まあいいだろう。

 

 

「おい、お前たち!!」

 おっと、彩貴くんは既に行動に移している。

 

「あん、なんだてめぇ」

「お前らだろ、姉さんのデッキを奪ってった奴らは!!」

「はっ、しらねぇな」

「何言ってんだこいつ」

「んなことより、こいつもやっちまおうぜ」

「ああ、そうだな」

 彼が囲まれる前に、私たちも前に出た。

 

「おっと、私たちの相手してもらおうか」

「助太刀します、彩貴くん!!」

「ちっ、仲間がいやがったか」

「構うもんか、全員ぶっ潰してやれ!!」

 

 

「「「「「「デュエル!!!」」」」」」

 

 

 

 

「先攻の僕のターン、僕はカードを三枚伏せてターンエンドだ」

 私は自分のデュエルをそっちのけで彩貴君の方を注目していた。

 木村くんの方は先ほどデッキを見せてもらったのでひとまず満足したからである。

 

「俺のターン、ドロー。

 魔法カード『ウイルス潜伏』を発動。デッキからアンデッド族モンスターを墓地に送る。そして、」

「手札から、カウンター罠発動!!」

「は、はぁ!?手札からカウンター罠だって!?」

「相手が魔法カードを発動した場合に、手札の一番右にある『マジックイレイズ・ライトハンド』は発動できる。

 その効果を無効にして破壊し、その後デッキの一番上をめくる。

 そのカードがカウンター罠だったら、そのカードを手札に加える。

 デッキの一番上は『スキルイレイザー・ライトハンド』。

 カウンター罠なのて僕はこのカードを手札に加える」

「くそッ、俺は『生ける屍』を召喚する。

 ダイレクトアタックだ、おらぁ!!」

「トラップカード『ヒーローの宿命』を発動!!

 デッキからレベル1・サイキック族モンスターを特殊召喚できる。

 現れろ、『不幸を担う少年」!!」

 つんつん頭の少年がゾンビの前に躍り出た。

 

 私は早速ユリちゃんに通信をした。

 

『なんですか、スズナさん』

「そげぶだ、そげぶがでたぞ!!」

『……はぁ?』

「詳しくは後でな、デュエル中だからもう切るぞ」

『……・なにしてんですか。』

 私は通信を切った。

 

 

 彩貴LP4000→3600

 

 ゾンビの攻撃を受け止めるつんつん頭。

 攻撃力の差額で彩貴くんがダメージを受けた。

 

「『不幸を担う少年』は攻撃表示の場合、戦闘では破壊されない。

 そして1ターンに一度、魔法カードをエンドフェイズまで無効にできる」

「っち、面倒な」

「どうして僕が親切にカードの効果をお前なんかに教えてやるかわかるか?」

「あん?」

「お前の何一つ思い通りにさせないってことだ。

 僕は怒っているんだ!!」

「ぬかせ!! 俺はカードを二枚セットして、ターンエンドだ!!」

 

 

 不良 LP4000

 

 場  『BS 生ける屍』

 魔罠 □□■■□ セット セット

 手札 □□

 

 

「僕のターン、ドロー。

 墓地の『マジックイレイズ・ライトハンド』を除外して発動する。

 手札を好きな順番で入れ替える」

 

 

『マジックイレイズ・ライトハンド』

 カウンター罠

 このカードは魔法・罠ゾーンにセットできない。

 このカードは手札が二枚以上存在し、このカードが手札の一番右に存在する場合に手札から発動できる。

(1)相手が魔法カードを発動した時に発動できる。

 その発動を無効にして破壊しする。

 その後、自分はデッキの一番上をめくる。

 そのカードがカウンター罠だった場合、そのカードを手札に加える。

(2)墓地のこのカードを除外して発動できる。

 手札を好きな順番で入れ替える。

 

 

「僕はこのままターンエンド」

「ドローゴーだと、ふざけやがって!!」

 

 

 彩貴 LP3600

 

 場  『不幸を担う少年』

 魔罠 □□■■□ セット セット

 手札 □□□

 

 

「俺のターン、ドロー。

 俺は『BS レイブンズ』を召喚。そしてこのカードをリリースし、デッキから同名カード二体を特殊召喚する!!」

「手札から、カウンター罠『スキルイレイズ・ライトハンド』を発動!!

 相手の発動したモンスター効果を無効にして破壊し、僕はデッキの一番上をめくる。

 一番上は『マジックイレイズ・ライトハンド』だから手札に加える」

 公開したカードを手札に加えるため、手札をシャッフルする彩貴くん。

 

 殆ど損失の少ないカウンター罠によるパーミッションデッキ。

 相手にとってこの上ないほどうっとうしいに違いない。

 

「はん、厄介なカードを使わせてやったぜ。

 少しもったいないが、リバースカードオープン。

 罠カード、『起き上がる死者たち』を発動。

 墓地から『BS』モンスターを二体まで守備表示で特殊召喚する。

 俺は『BS レイブンズ』を特殊召喚!!

 そしてこの効果で特殊召喚したモンスターはアンデッド族になる」

「僕からは何もない」

 彩貴君はそう言った。

 たとえ何かあるとしても今がマストカウンターではない。

 

 

「そして罠カード、『拡散するBSデッキ破壊ウイルス』を発動!!

『生ける屍』を破壊し、お前の手札・フィールドのアンデッド族以外のモンスターをすべて破壊する!!」

「カウンター罠『タクティカルドッチ』発動!!

 このカードは自分フィールドのモンスターがカードの効果で破壊される場合に発動できる。

 その効果を無効にし、そしてデッキからカウンター罠を一枚を墓地に送る」

「くそッ、俺はカードを一枚セットし、ターンエンド。

 エンドフェイズに『生ける屍』は攻撃力800アップし、墓地から蘇る!!」

 

 

 不良 LP4000

 

 場  『BS 生ける屍』『BSレイブンズ』

 魔罠 □□■□□ セット

 手札 □

 

 

「僕のターン、ドロー!!

『不幸に担う少年』で『レイブンズ』を攻撃!!」

「罠カード『暴君誕生』を発動。

 デッキからレベル7以上の『BS』モンスターを一体選び、そのカードをアドバンス召喚する!!

 二体のモンスターをリリースし、現れろ、『BS 戦慄の暴君』!!」

「僕はこれで僕はターンエンド」

「ひゃっはっは、こいつさえ場に出せればもうこっちのもんだぜ、俺のターン!!! ドローだぁ!!」

 厄介なモンスターが出てきたというのに、彩貴くんは表情を崩さない。

 彼には秘策があるのだろう。

 

「装備魔法『タイラント・ランチャー』を発動。

『戦慄の暴君』に装備し、攻撃力1000ポイントアップだ!!

 さあ、バトルだ、ぶっ潰してやる!!

『戦慄の暴君』でそのつんつん頭に攻撃だ!!」

 ロケランの爆風の直撃をかろうじて避けたようだが、全身黒こげになった『不幸を担う少年』は尚も立ち上がる。

 

 彩貴LP3600→400

 

「罠カード、『逆転への布石』を発動!!

 このカードは自分が戦闘ダメージを受け、相手よりライフが2000以上少なくなった場合に発動できる!!

 デッキからカードを選んで一枚デッキトップに置くことができる」

「だが、こいつはアドバンス召喚に使用したアンデッド族をリリースした分だけ追加攻撃できる!!

 逆転なんて無理なんだよ、もう一発喰らいやがれぇ!!」

「墓地の『逆転への布石』を除外し、その戦闘ダメージを一度だけゼロにする!!」

「まだ攻撃はもう一度残っている、これで終わりだ!!」

「手札からカウンター罠『左手の機転』を発動。

 相手の攻撃宣言時、手札の一番左にあるこのカードは手札から発動できる。

 その攻撃したモンスターをバトルフェイズ終了時まで守備表示にし、カードを一枚ドローする」

 そして彼は、逆転に繋がるカードを手にした。

 

「な、くそ、だが、『戦慄の暴君』がいる。

 後はお前を追い詰めるだけだ。ターンエンド」

「本当にそう思うなら、お前はデュエリストを名乗る資格は無い!!

 僕のターン、ドロー。

 これが僕の逆転の一手、魔法発動『イマジナリークラッシャー』!!

 自分フィールドに『不幸を担う少年』が存在する場合、そのカードを対象に選択し、このカードを手札から捨てて発動できる。

 このターン、『不幸を担う少年』は墓地のカウンター罠を全て除外し、その枚数×100攻撃力アップし、除外した数だけ追加攻撃ができる!!

 僕の墓地にはカウンター罠が4枚、彼の攻撃力は400アップし、このターン五回攻撃できる!!

 さぁ、バトルだ!! 『不幸を担う少年』で、『戦慄の暴君』を攻撃!!」

「馬鹿め、とち狂いやがったか!!」

「ダメージステップ時、永続罠『最強最弱(さいじゃくさいきょう)の決戦』を発動!!

 このカードはレベル1のモンスターがレベル5以上のモンスターと戦闘する場合に発動できる。

 相手モンスターは攻撃モンスターとのレベルの差×500ポイント攻撃力が下がる。

 レベルの差は7!! お前の自慢のモンスターの攻撃力はたった300だ!!」

「は、はぁ!?ふざけんなよ、お前!!」

「まずは一発目!!」

『不幸を担う少年』は拳をを振り上げ、渾身の一撃を異形の怪物に放った。

 その巨体がウソのように吹き飛ばされ、墓地に送られる。

 

 不良LP4000→3100

 

「二発目!! これは姉さんの分だ!!」

「へぶぅ!?」

 何も身を守るものが居なくなった不良の前に、彼の拳が突き刺さる。

 アタッチメントにって抑制されている為、物理的なダメージなど殆ど無いはずだが、それでは説明できない何かが不良を突き穿つ。

 

 不良3100→1900

 

「三発目!! これはお前がお前たちがしてきた分だ!!」

「ほげぇ!!」

 容赦のない追撃が不良を襲う。

 魂の乗った拳は、持ち主の怒りと悲しみを体現していた。

 

 不良LP1900→700

 

「四発目ッ、これはッ、これはッ……」

 彼の流す涙の理由は何か。

 悔しさか、悲しさか、それとも優しさからか。

 

 最後の一撃が不良の顔面に炸裂した。

 

 不良LP500→0

 

 デュエル終了のブザーが鳴る。

 

「まだ、まだだ……もう一回攻撃は残ってる、バトルフェイズは終わってない……!!」

「ひ、ひぐ……」

 彩貴くんの声に、コンクリートに倒れた不良は恐れ戦くように身じろぎした。

 

 だが、『不幸を担う少年』は持ち主に向き直って首を横に振ると、その姿が消失した。

 

「もういいんだ彩貴くん、奴のライフポイントはゼロだ」

 本当ならもっと違う場面で言いたかったが、そんな雰囲気ではないようだった。

 

「スズナさん、こっちは終わりました。

 そっちは大丈夫ですか?」

「ああ、後攻ワンキルしてやった」

 私の対戦相手はとっくの昔にKO済みだ。

 

「あ、そうなんですか。

 何だかずっと彩貴くんを気にしていたみたいだったので」

「あ、うん、そうだな……」

 木村くんはよく周囲を見ているようだった。

 

 

「おーい、こっちは終わったぞ。

 こいつらを回収して、本営に戻ろう」

 そう言って私は待機していた二人を呼んだ。

 彩貴くんの方を見やると、彼は木村くんに慰められていた。

 

 今日はこの二人に出会えただけでも収穫である。

 あとでメアド交換しようっと。

 

 

 

 

 

 

 

 




先日ADSでタッグデュエルをした感想。
オッドアイズ・グラビティ・ドラゴンを出すことに特化したデッキを組んで、シングルでなかなか勝てないからタッグへ。
見知らぬ人たちと雑談しながら、こいつの凶悪さを再認識。
こういうタッグでこそ輝くカードって面白いですよね。

二枚並べて圧力かけるの楽しいです。
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