何!? 俺の知っている遊戯王の世界ではないのか!?   作:やーなん

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こんなイロモノ小説にお気に入り登録された人数が三十人を超えるって・・。
まさかこんな小説にそこそこ需要が有ろうとは・・。
でも嬉しいです、もっと伸びたらうれしいです。需要がある限り書き続けます。




第七話 不良たちとの遭遇戦 前半

 この世界のデュエル、そのデッキについて語らせてもらいたい。

 

 俺の前世でもそうだったが、強いデッキとは得てして安定性が高い。

 デッキの起点となるカードは三枚積みは基本だし、そう言ったカードをサーチできるカードは何枚も入れたりするのだ。

 

 強力なカテゴリーが登場した如何の環境によっては伏せカードを入れなくなったり、またモンスターと魔法のみで構築するなんてこともありうる。

 

 初期では考えられなかった伏せカード無しのデッキは立派な戦術となり、『ゴーズ』を警戒して攻撃力の低い順番で攻撃するという常識まで生まれた。

 

 だが、この世界ではそんなものは意味が無い。

 

 

 俺の持つカードの中に、『スライムの勇者 スラーリンベル』と言うカードがある。

 召喚するだけでデッキのあらゆる『スライム』カードを手札に引き入れられるだけでなく、自己再生まで兼ね備えた『ネブラディスク』みたいなカードだ。

 

 もし前世にこの『スライム』カテゴリーがあるならば、このカードは三枚積み前提のカードとなるだろう。

 だが、俺の世界ではそんなことはできないのだ。

 なぜなら俺はこのカードを一枚しか持っていないからだ。

 

 この世界でのカードは全てデュエルディスクから勝手に出てくる。

 それはつまり、手に入れられるカードは自分では選べないことを意味する。

 

 ……おい、ここでツッコムなよ。この世界では人は空気を吸って生きるのと同じくらい常識なんだから。

 デュエルディスクはこの世界ではデュエリストになりたいと思えばいつの間にか持っている物で、体の一部のように出し入れできるのだから。

 皆だって重力の存在を気にしないで生きているだろう?

 人間は重力を前提とした生き物で、重力に適応して生まれたんだ。この世界ではデュエルディスクがそういうものであるというだけのことである。

 

 

 ……話を戻すが、俺がこの世界でデュエルを始めた頃は雑魚いスライムを強化して殴るというデッキしか構築できなかった。

 それが俺の成長に合わせてデュエルディスクは多くのカードを排出し、今のような戦術をできるようになった。

 

 翔子は初めからシンクロ特化だったが、これは結構珍しい。

 デュエルディスクの出すカードは、もっと使用者の頭のレベルに合わせたものが多いからだ。

 

 そしてあいつのエクストラデッキに『魔法少女』シンクロモンスターは一枚ずつしか存在しない。二枚目が無いからだ。

 その代りそれらを使い回す手段が豊富に揃っている。

 

 逆に俺の持っている『スライム・ブルー』のような雑魚の鑑みたいなモンスターは、余裕で十枚以上持っている。

 そんでもって、この『スライム・ブルー』だが、他人に上げても機能しないことは前にも説明したと思う。

 

 デュエルディスクがエラーを吐きだし、デュエル中なら中断される。

 これが公式戦の最中なら最悪だ。問答無用で反則負けとなるのだから。

 

 俺と翔子のようにお互いに所有者同士が認め合っているからこそ、あのデッキ交換デュエルは実現したのだ。

 更にここで、カードに認められなければ、デッキが回らず、何度シャッフルしても手札事故を起こす。

 

 俺はどこかで確信している。

 このカードたちは、生きているのだと。

 

 

 大昔のデッキが遺跡から発掘されて(ここもツッコんではいけない)それを試しに使用したところ、火花が散ってデッキが地面にバラバラに散らばったなんて有名な話もある。

 

 つまるところ、他人のデッキはデッキそのものに認められなければ、無用の長物でしかないのだ。

 少なくとも、デュエルとして使用するのなら、な。

 

 

 

「ここ最近、他校の生徒たちのデッキ狩りが多発している。

 諸君は他校の生徒に絡まれてもデュエルに応じず、近くの大人のいる場所に逃げるように。

 登下校中もなるべく二人以上で行動し、放課後も速やかに家に帰り、外出も控えるようにするのだ」

 それが、今朝の全校集会で生徒会長が俺たち生徒に発した言葉だった。

 

 

「デッキ狩りって、つまりデュエルして勝った方が相手のデュエルディスクからデッキを奪うってことですよね?」

「ああ。そっちの学級では先生から説明を受けなかったのか?」

 俺の返答に、木村くんはいいえと首を振った。

 

「でも他人のデッキを奪ったって使えるわけじゃないのに、どうしてそんなことをするのかなぁと思いまして」

「私の想像するに、示威行為の一種だよ。

 自分は相手より強い、それの証明としてデッキを奪う。ついでに相手の戦力もそぎ落とせる。

 全くけしからん行為だと思うがね」

 そう答えたのは、生徒会長だった。

 

 現在俺たちは、部室(予定)の場所で荷物整理を行っていた。

 ここを片付けたら部活として使っていいよと、先生方からありがたいお言葉を受けたからだ。

 

 部室として使っていいと言われたが、俺たちが正式に部活動を行うに当たり、全員合わせて五名の部員と顧問の先生が必要である。

 俺たちは四人。活動するにもメンバーが足りないのだが、それで半ば押し通すことができるのは現生徒会長の御威光あってのことだろう。

 とはいえ、部の体裁を保つ為にもそれらの補充は急務である。

 

 生徒会長が顧問の先生を、俺たち三人がもう一人のメンバーを探そうという役割分担になっている。

 

 

「そんな、ほかの学校の生徒が、そんなヒドイことを……」

「全校集会では他校の生徒と迂遠な表現を選んだが、実質的に幾つかの不良グループに分かれてそれらは行われているようなのだ」

「縄張り争いとか?」

「私の聞いたところによると、そのようだな。

 それに一般生徒たちは巻き込まれているというわけだ」

 翔子の言葉に生徒会長は頷いた。

 彼の言葉の端々からも生徒会長の憤りが垣間見える。

 

「最も問題なのは、その縄張り争いに我が校の生徒までもが参加しているということだ」

 その言葉に、木村くんがぴくりと反応したのに俺は気が付いた。

 

 

「警察も動き出していると聞く、君たちも彼らに係わり、自らの人生を棒に振るような真似はしないでくれたまえよ」

 

 そんな感じで、平和な日常に突如として暗雲が差し込んできたのだ。

 

 

 

 

 

 

 荷物整理を適当なところで切り上げ、暗くなる前に俺たちは下校した。

 自宅が俺たちとは真逆の方にある生徒会長と別れ、俺と翔子は病院に寄っていくという木村くんを途中まで付いていってあげることにした。

 

「すみません、先輩方。僕の為に……」

 木村くんは大変恐縮していたが、今朝に全校集会で言われた通り、彼を一人で歩かせるのも危なそうだったからだ。

 

 

「気にするなよ、通り二つでいつもの帰り道に戻れるんだ、その程度の手間なんて気分や誤差の範囲内さ」

 木村くんが通院しているのは俺や翔子も利用するかかりつけの大きな病院だ。

 

 詳しくは知らないが日本でも名の知れた病院らしく、俺は世話になったことは無いが、某白黒の無免許医者のデッキを使うという名物医者デュエリストが勤務しているとかなんとか。

 ……ツッコムなよ? 振りじゃないからな。

 

 

 

「遊助……」

「目を合わせるな」

 学校からその病院まで行くには寂れかけた商店街を通るのだが、その端々に他校の不良と思われる連中がたむろしていた。

 

「連中もこんな往来で因縁つけてくるほど馬鹿じゃねーだろう」

 幾ら寂れかけているとはいえ、この商店街はそこそこ人通りがある。

 駐在所も近くにあるし、こんなところでデッキ狩りという犯罪行為を堂々とするはずもない。

 

 

「だけどよ、この間までここはこんなんじゃなかったんだが、どうなってやがるんだ」

 これは木村くんに付き添って正解だった。

 彼一人で行かせたら、周囲を囲まれて路地に連れて行かれるという光景が目に浮かびさえする。

 

 これは全校集会で警告されるわけである。

 商店街を抜け、遊歩道を抜ければ病院は目と鼻の先である。

 

 

 その声が聞こえたのは、そんな時であった。

 

 

「逃げてくれ、アニキぃ!!」

「くそッ」

 それは細かい路地に繋がる道の方からだった。

 

 

 そこから飛び出してきたのは、先日木村くんに絡んでいた鉄次とかいう不良だった。

 彼は俺たちに気付いた様子もなく、別の道へと駆け込んでいった。

 

 そのすぐ後に、数名の他校の生徒が路地道から出てきて、左右へ散って行った。

 鉄次が逃げ込んだ道にも二名ほど向かっていった。

 

 

「あの不良の逃げた道、あれ行き止まりよね?」

「確かそうだったな」

 不良同士の抗争か。ご愁傷様である。

 

 

「先輩方、付添はここまでで良いです」

 すると、突然木村くんがそんなことを言いだした。

 

「え? どうしてだ?」

「僕はいかないといけないんです。あの人は、実は知り合いなんです」

「知り合いだから助けるのか? お前に絡んでた相手だろう?」

 俺は疑問に思い尋ねると、木村くんは答えた。

 

 

「あの人、大雲鉄次先輩って言うんですけど……先週、下校してた時に他の高校の生徒に絡まれていたのを、あの人は僕を助けてくれたんです。

 うちのもんに何の用だ、って。

 この間のあれもそのお礼を言おうとしたんですけど、でも何か焦っていたみたいで、すぐに負けてくれないかって」

「あれそういう会話だったのね……」

 どう見ても脅されているようにしか見えなかったのだが……。

 

「僕はまだまだ未熟で、体も弱くてよわっちいかもしれません。

 でも見過ごせないんです。僕に何ができるか分かりませんが、一人で戦うよりはましだと思うんです」

「……君も難儀な性格だよねぇ」

「それを聞いてやる気になる遊助も大概よ」

「お前こそ戦闘モードになってるじゃねーか」

 まあ、後輩がそこまで言うんだ。

 

 ここは一肌脱いでやろうか。

 

 

 

 

 

「おい、寄ってたかって一人を嬲るのが西工の流儀なのか?」

 俺の言葉に、鉄次を追いつめていた他校の生徒が振り向いた。

 

「てめぇ、こいつらの仲間か!!」

「どうせ同じ東三校の奴らだ、たたんじまえ!!」

 こいつらの制服からして、連中は西工業高校の連中だろう。

 そして俺らは東第三高校……もちろん正式名称はあるんだが、みんなそう呼ぶか更に略して呼ぶので度忘れしてしまった。

 

 

「お前ら、あん時の!?」

「大雲先輩ッ、助けに来ました!!」

「お前は、木村じゃねえか、何しにきやがったんだ!!

 ここはお前のような弱い奴が来るところじゃねぇ!!」

 壁際に追い詰められても威勢よく鉄次は木村にそう怒声を上げた。

 そんな状況だというのに木村の方を心配している。案外、そこまで悪い奴じゃないのかもしれない。

 

「タッグデュエルだ。

 ルールは最も一般的なライフ8000のタッグフォースルール。依存は無いな?」

「俺たちに挑んだことをすぐに後悔させてやるぜ」

 俺たちはデュエルディスクを展開し、構えた。

 

「翔子、付き合え。タッグ用のデッキでな」

「勿論よ、一捻りにしましょう」

 デュエルディスクはカードも保管できるだけでなく、使用用途によって数種類のデッキを瞬時に切り替えられる機能も有する。

 そうやって一枚しかないカードを複数のデッキで使い回すのだ。

 

 

 

 

 

 

        「「「「デュエル!!」」」」」

        遊助&翔子 VS 不良A&不良B

            LP8000

 

       ターンプレイヤー

       不良A→遊助→不良B→翔子→以下略

 

 

 

「先攻は俺たちだぁ。

 俺は手札から、『BS(バイオショック) 生ける屍』を召喚!!」

 不良……便宜上こちらをAとしよう、奴は腐敗した動く死体を呼び出した。

 

 

BS(バイオショック) 生ける屍』

 ☆3 地属性 アンデッド族 攻守 1200/400

(1)このカードが破壊され、墓地に送られた場合に発動する。

 エンドフェイズにこのカードを墓地から攻撃表示で特殊召喚し、攻撃力を800ポイントアップする。

 この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドを離れた場合除外される。

 

 

 BS(バイオショック)……なるほど、あの有名なホラーアクションゲームの怪物どものカード群か。

 となると、こいつら三下と言えども侮れないかもしれない。

 切り札となるのはあのクリーチャーだろうから。

 

「俺はカードを一枚伏せて、ターンエンド」

 

 

 不良A&不良B LP8000

 場  『BS(バイオショック) 生ける屍』

 魔罠 □□■□□ セット

 不良A 手札 □□□

 

 

「俺のターン、ドロー」

 やはり、来たか。お前なら来てくれると思っていたよ。

 

「俺は手札から、『スライムの勇者 スラーリンベル』を召喚。

 このカードの召喚に成功した時、俺はデッキから『スライム』カードを手札に加える。

 俺は『スライム・ハート』を手札に加え、カードを三枚伏せてターンエンドだ」

 

 

 遊助&翔子 LP8000

 場  『スライムの勇者 スラーリンベル』攻1000

 魔罠 □■■■□ セット セット セット 

 遊助 手札 □□□

 

 

「ぎゃはは!! なんだその雑魚モンスターは!!」

「さっさと片付けちまおうぜ。俺のターン。ドローだ!!

 俺は手札から、『BS(バイオショック)ハウンド』を召喚!!」

 

 

BS(バイオショック)ハウンド』

 ☆3 地属性 アンデッド族 攻守1200/300

(1)このカードが戦闘によって相手プレイヤーにダメージを与えた時、発動できる。

 デッキから『BS(バイオショック)ハウンド』を一体特殊召喚できる。

 

 

「二人とも同じカテゴリー!?」

「デッキを統一してやがるだって!!」

 俺と翔子の疑念はすぐに返ってきた。

 

「そいつらのグループは人造カードをデュエルヤクザどもから仕入れてやがるんだ。

 その見返りとして、奪ったデッキをデュエルヤクザどもに流してやがる!!」

「な、なんですって!?」

 鉄次が述べた事実に、木村くんも驚愕を禁じ得ないようだった。

 

 

 人造カード。

 別にこの世界のカードは全てデュエルディスクから出てくるわけじゃない。

 買う必要が無いと言うだけで、カードショップは存在する。

 人間と言うのは欲深い生き物で、より強く、より多くのデッキを扱いたいと思う生き物なのだ。

 

 そうして人造カードは作られた。

 ただ、この世界におけるデュエルディスクもそうだが、カードは人知を超えた存在である。

 

 人類はカードを人工的に作り上げたが、それは既存のカードには遠く及ばない存在となっている。

 具体的には、人造のカードを使用すれば様々な弊害が出てくる場合があるのだ。

 

 眩暈、頭痛、吐き気、酷い物なら幻覚まで見るという。

 しかし、これらのカードを使用すること自体は犯罪ではない。

 そして人造カードを作ること自体も罪ではない。

 

 

 人造カードを無断で販売するのが犯罪なのだ。

 色々な副作用がある以上、それらは売った側の責任もあるからだ。

 軽い症状のモノならば薬などの処方されれば抑えることは容易である為、それらの説明責任も存在する。

 

 人造……いや、この場合は違法流通カードだろう。

 違法流通カードは、この世界では麻薬なんかよりずっと蔓延しているのだ。

 

 これを麻薬よりはマシと捉えるか、犯罪は犯罪と憤るか……俺は前者だった。

 少なくとも、こうして目の当たりにするまでは。

 

 

 

「俺たちのカードは最強だぜ!! 

 俺は手札から、永続魔法『BS(バイオショック)ウイルス研究施設』を発動する!!」

 

 

BS(バイオショック)ウイルス研究施設』

 永続魔法

(1)このカードが存在する限り、自分は『BS(バイオショック)』モンスターを召喚する場合に必要なリリースを1体少なくすることが出来る。

(2)このカードを墓地に送ることで、デッキからレベル7以上の『BS(バイオショック)』モンスターを一枚手札に加える。

 

 

「アドバンス召喚主体のカテゴリーか。

 こんな形で出会わなければ、俺も使ってみたいデッキだよ」

「はん、俺たちの強さに今更ビビったて遅いんだよぉ!! バトルだぁ!!

『生ける屍』その雑魚モンスターを攻撃する!!」

「速攻魔法発動、『スライム・ストライク』だ。

 このターン、『スライム』モンスターと戦闘するカードはダメージ計算を行わずに破壊する。

「なんだと!?」

「この効果を適用した後、戦闘を行った『スライム』モンスターは破壊され、その元々の攻撃力分のダメージを与える」

 

 不良A&不良B LP8000→7000

 

 

「は……驚かせやがって、こんなはしたダメージで自爆しやがった」

「プレイミスだと思うか? 違うな、俺の役目は盤上を整えることだ。その為ならライフくらいくれてやるさ」

「強がりを!!俺は『ハウンド』で攻撃だぁ!!」

 

 遊助&翔子 LP8000→6800

 

 

「戦闘ダメージを与えた『ハウンド』は同名モンスターをデッキから呼び出せる!!

 新たに呼び出した『ハウンド』で攻撃!!」

 

 遊助&翔子 LP6800→5600

 

 

「『ハウンド』が戦闘ダメージを与えた為、更に『ハウンド』を呼び出し、攻撃だ!!」

 

 遊助&翔子 LP5600→4400

 

 

「俺は二枚のカードをセットし、エンドフェイズに移行する。

 その瞬間、『BS(バイオショック) 生ける屍』は墓地から特殊召喚され、攻撃力は800ポイント上昇する!!

 せっかく破壊したのに残念だったなぁ!!」

 

 

 不良A&不良B LP8000

 場  『BS(バイオショック) 生ける屍』 『BS(バイオショック)ハウンド』 『BS(バイオショック)ハウンド』 『BS(バイオショック)ハウンド』

 魔罠 □■■■■ 『BS(バイオショック)ウイルス研究施設』 セット セット セット

 不良B 手札 □□□□

 

 

「(くっくっく、次のあいつのターン、『ウイルス研究施設』を墓地に送り、あのカードを呼び出せば俺たちの勝ちは揺るぎ無い、防御カードも万全だ。)」

「ぎゃー、やばいー、ごめんしょうこー、たすけてー(棒読み)」

「まったくゆうすけはー、わたしがいないとー、だめなんだからー(棒読み)」

「…………てめら、ふざけてんじゃねえぞ!!」

「なんだよ、フィールドアド勝ってんだから余裕ぶればいいのに。

 お前に一つだけ教えてやるよ。俺は翔子と組んで負けたことが一度もない。

 ……翔子、任せたぞ、決めろ」

「はいはい、ドロー」

 そして翔子は引いたカードを掲げた。

 

 

「私は手札から、『イレギュラー 予期せぬ事態』を発動。

 デッキから光属性または闇属性の『少女』魔法使い族モンスターを手札に加える」

 

 

『イレギュラー 予期せぬ事態』

 通常魔法

『イレギュラー 予期せぬ事態』の効果は1ターンに一度しか使用できない。

(1)デッキから光属性または闇属性の『少女』魔法使い族モンスターを手札に加える。

 その後、自分は通常召喚に加え、一度だけ魔法使い族モンスターを召喚できる。

 このカードを発動したターンのエンドフェイズまで、自分は光属性または闇属性の魔法使い族モンスターしか特殊召喚できない。

 

 

「私は『暗躍する深窓の少女』を選択し、自身の効果で特殊召喚。

 このカードがこの効果で特殊召喚に成功した時、私はデッキから『愛語り愛のみの少女』か『魂の宝玉』を手札に加える。

 私は『愛語り愛のみの少女』を手札に加える。

『暗躍する深窓の少女』を特殊召喚した場合、私は私は手札を公開しなければならない」

 

 翔子の手札は以下の通り。

 

『愛語り愛のみの少女』

『魂の宝玉』

『諦念抱く孤高の少女』

『悲壮なる決意秘める少女』

『慈愛と因果の少女』

 

 

「私は『愛語り愛のみの少女』を自身の効果で特殊召喚する。

 このカードがこの効果で特殊召喚に成功した時、『暗躍する深窓の少女』か『魂の宝玉』を手札に加える。

 私は『魂の宝玉』を選択。

『愛語り愛のみの少女』が特殊召喚された場合、自分はエクストラデッキから『魔法少女』シンクロモンスターを墓地に送らなければならない。

 私はエクストラデッキから『因果集いし約束の魔法少女』を墓地に送る。

 私は『魂の宝玉』を通常召喚する。『イレギュラー 予期せぬ事態』が発動したターン、魔法使い族モンスターを一度だけ更に召喚できる。

 同じく『魂の宝玉』を続けて召喚」

 

 よし、準備は整ったようだ。

 

 

「私はレベル3の『暗躍する深窓の少女』と、レベル4『魂の宝玉』をチューニング。

 孤独と絶望の中から立ち上がり、友の手を取り更なる悪夢に立ち向かわん、シンクロ召喚!!

 ―――現れろ、レベル7『罪背負い進む覇気の魔法少女』」

 

『罪背負い進む覇気の魔法少女』 攻守2000/3000

 

 

「シンクロ素材となった『魂の宝玉』は永続魔法扱いとしてフィールドに残る。

『罪背負い進む覇気の魔法少女』はシンクロ召喚に成功した時、相手の手札とセットカード、デッキの一番上を確認できる。

 この効果で確認したカードはこのターン、相手は発動できない」

「で、どうだ?」

 俺は連中の手札を確認するのも億劫なので翔子に訊いた。

 

「全部強化とか展開補助とかそういうの」

「なるほど、じゃあ終わりだな」

「ええ」

 相手方はそんなモンスターで何ができるという顔をしているが、もう終わりは確定している。

 

 

「更に私はレベル3の『愛語り愛のみの少女』と、レベル4『魂の宝玉』をチューニング。

 有限の世界が無限に突き抜け、愛は溢れ全てが満ちる。シンクロ召喚!!

 ―――現れろ、レベル7『愛に殉ずる盲目な魔法少女』」

 

『愛に殉ずる盲目な魔法少女』 攻守1900/800

 

 

「攻撃力1900だってよ!! そんなんで俺たちに勝てるとでも!!」

 白い魔法少女と黒い魔法少女が揃い踏みしているというのに、あいつらは他に言うことは無いのだろうか。

 

「『愛に殉ずる盲目な魔法少女』がシンクロ召喚に成功した時に発動する。相手の次のメインフェイズ1をスキップする。そして私はセットされていた装備魔法『スライム・ハート』を発動。

 私は『愛に殉ずる盲目な魔法少女』に装備する。このカードが装備されたモンスターは、『スライム』カード扱いとなる。

 更に私はリバースカードオープン、『ミラクル・スライム・ストライク』を発動。

 このターン、『スライム』カードは相手のモンスター全てに攻撃できる」

「だからどうした、『ハウンド』を全滅させたところで、俺たちは痛くも痒くもない。

 次のターンで、お前たちは終わりだ!!」

「『愛に殉ずる盲目な魔法少女』の効果発動。

 手札の『少女』モンスターを墓地に送ることでこのターン、このカードの攻撃力はダメージステップの間、元々の二倍になる」

 その言葉で、ようやく連中の薄ら笑いが消えた。

 

 

「さあ、バトルよ。『愛に殉ずる盲目な魔法少女』よ、その愛で、その瞳に映る全ての敵を引き裂け」

 黒い魔法少女は巨大化させたカギ爪でアンデッドどもを一閃した。

 勝敗はここに決する。

 

 

 不良A&不良B LP8000→0

 

 デュエル終了を告げるブザーが、むなしく鳴り響く。

 

 

 

「ば、馬鹿な……リーダーに貰った俺たちのデッキは、最強のはずなのに……」

「最強だなんて馬鹿な幻想に縋り付いているようじゃ、そのデッキが泣くぞ」

「くそッ、てめぇらこのままで済むと思ってんのか!!」

「負け犬の遠吠えって本当にむなしい物なのね」

 俺たち二人が可哀想な物を見る目で見ていると、後ろの方から足音が聞こえた。

 

 今度は四人、これであの路地道から来たのは全員だ。

 

 

「デュエルが始まる前に、仲間に信号を送ったんだ。お前たちもう終わりだァ!!」

「わぁ、すがすがしいまでの三下よね」

「おい、そっちの。木村くんを頼む」

 俺は手早く二人を倒した手際に驚いている鉄次にそう言った。

 

「ぼ、僕も戦います。二対四より、三対四の方がいいですから」

 木村くんもデュエルディスクを展開した。

 

 

 

「……いいや、四対四だ」

 鉄次が、木村くんの横に並んだのだ。

 

「そこまで言うんなら、俺も情けねぇ格好曝したまんまじゃいられねぇ。

 俺が前に出る。おめぇは後ろで足を引っ張らねぇようにしてろ!!」

「う、うん、ありがとうございます。大雲先輩!!}

 

 

 

 

 

      「「デュエル!!」」

    遊助&翔子 VS 不良C&不良D

       LP8000

 

 

      「「デュエル!!」」

    鉄次&木村 VS 不良E&不良F

       LP8000

 

 

 

 第二ラウンドの始まりだ。

(なお、都合により今回やった遊助&翔子ペアは次回省略する予定です。ご了承ください。)

 

 

 

 

 

 

 




あとがきに書くことは特にありません。
ただ、上記した通り、次回の遊助&翔子ペアは割愛させていただきます。
だって同じような内容になるし・・・。

そういうわけで、次回へ続く。またねー。感想待ってるよー。
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