神通の憂鬱   作:zenke

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夜間戦闘訓練

なっなに!?

口の中を蠢く軟体動物じみた何か

押しだそうとしても、私の舌を絡めとるかのような動きに翻弄される…

 

「なっなにしてくれちゃってんですかっ!?」

ホノルルから響と羽黒の二人がかりで引き離される。

腰が抜けたような感覚で私はへなへなと座りこんでしまった。

「神通、今のはキスですよね?」

ホノルルが艶やかな唇に舌を這わせて私に微笑む。

待って、私、今、キスされて、しまったの?

「それと、二人には誤解が無いように言っておきますが、私のはライクではなく、ラブですから」

 

弾むような動きで去って行くホノルル。

言葉もなく見送る私達。

 

訂正。言葉を無くしてしまったのはどうやら、私だけだったみたい。

「響、艦娘にも、効果のある殺虫剤ってどこで売っているんでしょうか?」

「そんな回りくどい事をしなくても、深海棲艦との戦闘中に誤射してしまえばいい。弾は前から飛んでくるとは限らない」

 

妹と羽黒が物騒な事を言っている。

「お願いにゃから二人とも」

「「噛んだ?」」

内心がどうあれ、怯んだら負けだ。

「彼女には手を出さないで」

不満そうな二人に釘をさす。

「ああゆう教師を嘗めまくったやからは、骨の髄まで逆らえないように調教して」

「調教?」

「間違えた。教育ね。うん教育」

何故、そこまで疑わしげな目でみられなきゃいけないのかな?

 

確かに私のファーストキスを奪った罪は万死に値するけど、ここはアメリカ、異なる価値観を持った人物にまで大和撫子の貞操観念を押し付ける訳にはいかないでしょう。

罪一等を減じて未来永劫忘れられない経験をプレゼントしてあげる。

 

華の二水戦とうたわれた神通の夜間戦闘訓練、嫌というほど受けて貰いましょうか。勿論、嫌と言っても許さないけどね。

 

二人きりの夜戦訓練と言われて喜びいさんで私の前に現れた今日の生け贄、間違えた、生徒。

 

人間は大事に使えば、意外と頑丈なものだ。

ましてやそれが、艦娘ならば?

 

高速修復材を三回ほど使用して、夜間戦闘訓練とは名ばかりの、三日三晩の実弾を使用しての調教。きちんと誰が上にいるのかを判らせてやる。

 

響と羽黒の視線が痛い。

「なるほど、神通ってそういう趣味だったんだ」

「姉さんの事が判らなくなった」

私だって、どうしてこうなったのかなんて判らないよ。

私から三歩下がった場所にメイド服で従順にたたずむホノルル。

二人を見て頭を深く下げる。

「響様と羽黒様には心から謝罪いたします。お姉さまの実の妹と親友に酷い事を言ってしまいました。私はお姉さまの下僕です。お姉さまの言葉が私の生きるよすがです。何なりとお申し付け下さい」

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