ラタン=レ第2王女。近衛護衛艦隊で旗艦をつとめるヲ王女の姉でヲ級の教え子の一人。サバタ=リン、王家の外戚でもあり、近衛護衛艦隊の実際上の隊長、レ王女が公務で艦隊から離れている時、彼女が指揮を取るという事らしい。
この二人が救助艦隊に居たことはまず間違いないとヲ級は語った。
私達の疑問混じりの質問にヲ級が語った一言。
「レ王女とリン公女は私以上にヲ王女を溺愛されていますから」
だから、居なかった訳がない?納得。
その上でハッキングだろうが、直接攻撃だろうが、二人が組んだら勝てない敵はいないとまで言われている女傑達だと言う。切り抜けて逃走に移っている事は、十中八九、間違いないとヲ級は言う。
「残りの一割か二割は?」
羽黒の疑問にヲ級と王女様は即答する。
「相手が全滅します」
「お姉様達なら、全部やっつけてる」
今更なぜヲ級がレ王女とリン公女の事に言及したのかと言う疑問に、ヲ級は曖昧に言葉を濁した。
この反応は。
「羽黒?ヲ級と少しだけ別の場所で話していいかな?」
ヲ級の助けて光線を羽黒はつれなく片手を振ることで無視する
(どんな秘密回線があるの?)
(嫌だな〜神通は疑い深いんだからそんな物、ありませんよ。あったら連絡とっているに決まっているじゃありませんか?)
連絡は取れなくてそれでも、相手が居る事だけは判る?
なるほど。
(ヲ級、ヲ王女のブログの管理人やっているでしょ?)
(なっなんでその事を!?言ってないのに?)
(そして、サーバーは貴女のデータベースにある)
(貴女は超能力者ですか!?)
二人がヲ王女のブログに接続しようとしてきて、そのアクセス先をヲ級が解析して相手のアドレスを取得した。それがたまたま知った人物の物だったか。
これは、お説教しなきゃいけない人物が増えたわね。
(聞いて下さい神通。これは、決してやましい話では無いのです。王と王妃に依頼されて作った会員限定のファンサイトで)
「と言っているけど?」
「なっ?」
ギッギッと音が聞こえるような振り返り方でヲ級が背後を確認する。
そこには羽黒に抱き抱えられた王女様。
王女様は、ニッコリとした笑みを浮かべ、最近お気に入りらしいゲームの言葉で判決をくだす。
「ぎるてぃ」
「なっ何だって王女様がいるんですかっ!?それに別の場所で話すと言っておきながら、何で羽黒さんが、私達に付いて来ているんですっ!?」
「うーん。席を外してとは聞いてないから。最初から居ました」
恨みがましい表情で私を見つめるヲ級。
「王女様の同意が無い時点で有罪ね。王女様。後で私と一緒にそのブログの内容を確認しましょう。ヲ級は私達が閲覧出来るように有線での接続環境と翻訳タスクを用意しておいてね」
がっくりと肩を落としたヲ級が少しだけ哀れだったが、まあ家族アルバムの様な物でしょうと私もその時は思っていました。
はんぱない。
それがブログを見終わった私達の感想だった。どの位、半端じゃないか?そのブログを見ていた艦隊の全員、私にベタ惚れのはずのホノルル含め七名がヲッちゃんファンクラブに即座に入会を申し込んだ位のしろものだと言えば分かって貰えるだろうか?
「ご主人様とヲッちゃんは別腹です」
ホノルルの言葉に私達全員が何となく頷いてしまった。
こうなるとヲ級に秘蔵データを破棄させた事が地味に惜しくなってくる。一枚位、残ってないかしら?
…だっだめよ!?一体、私は何を考えているの?そんな悪魔に魂を売るような。
その時の私達は完全にレ王女達の存在を忘れさっていた。
あくまでブログのような何かです。