機銃弾が艤装をかすめ服が弾け飛ぶ。
至近距離では長物が、相対的に不利な事に気が付いたのか、レ王女は背中に背負っていた20インチ連装砲をパージ、両手で四基制御していた16インチ砲も投げ捨てて身軽になる。
熱に浮かされたような熱い視線。
私はレ王女を睨みかえす。
ヲッちゃんのお姉さんでなければ、問答無用で沈めてやれるのに。
艶然と妖しい笑みを浮かべるレ王女。
「貴女いいわ。一体、どんな声で啼いてくれるのかしらね?」
「泣くのは私じゃなくてあなたの方よ」
一瞬の交差。
私の飛び膝蹴りを胃にくらい口からゲロを吐き苦しむレ王女。
お酒臭いですって?戦闘前に何しているの。
ヲ王女様がヲ級をまとい私の肩に出てきている。
「お姉さま。みそこないました」
あれ?固まった。
「ヲッちゃん?」
「じんつう、かまわないですから、お姉さまの目をさまさして上げて」
「まっ待って貴女達は何か誤解している!」
「問答無用!」
「ごめんなさいっ!」
「えっ?」
戦いに巻き込まないようにと意識はしていたけど、見てはいなかった半裸の艦娘達。
その一人に後ろから鎖で殴りつけられて私は意識を失った。
「じんつうよ死んでしまうとは情けない」
ズキズキとうずく後頭部の痛みに私は目を閉じたままで答えた。
「羽黒。冗談に付き合う気分じゃないの。私達はどうなったの?捕まってしまったの?」
「自分自身の目で見て、意識を失っていたのは2分にもみたない時間よ」
2分あれば、裸に剝かれていても…
レ王女様、リン公女、そして半裸の艦娘21名が洋上土下座している。
都合のいい夢ね。どうせ現実の世界では18禁展開に突入しているに決まっているのに
まっ待って私はともかくヲッちゃんはどうなって…
土下座軍団の一人と一匹。彼女達に、
もの凄く見覚えある気がする。
「何をしているの?」
「よッよかった。じんつうごめんなさい」
「ヲッちゃんに謝られても」
あれ?もの凄くキラキラした目で目で見られている。
「じんつう?もう一回よんで」
じわじわと現実に戻っていた私は王女様に失礼極まりない発言をした事に気が付き青ざめた。
「もっ申し訳ありません。ヲ王女様」
ツーンと擬音が聞こえてくるのではないかと思える程の沈黙と意図的な無視。
それでいながら、期待感に満ちたキラキラした瞳をチラチラとわたしに向けてくる。
もう知らん。どうせ頭の中では随分前からヲッちゃんと呼んでいたんだし。
「この状況、ヲッちゃんが説明してくれるのかな?」
困った顔でレ王女を見つめるヲ王女。
「お姉さまのふしまつという事でいっしょに謝ろうとしていただけで、わたしもくわしいじじょうが判るわけでは」
結局、詳しい事情はこっちの色ボケ姉貴に聞かなければならない訳ね。嫌な事はさっさと済ませましょう。