「もっ申し訳ありませんでした!!」
艦娘七名揃っての洋上での土下座。
それを受けているレ王女とリン公女、それに半裸の艦娘21名も洋上土下座の姿勢を崩してはいない。
何?このカオスな状態は。
って…分かっては居るんだけど、あえて理解したくないというか。
私達の誤解、その一。
半裸の艦娘達は、深海棲艦に撃沈されかけた時、レ王女とリン公女に助けられた子達だったという事。
誤解、その二。
ハッキングはされてはいなかった事。と言うより、カウンターハッキングをかけて、相手の方を潰したとレ王女は得意気に宣言した。
誤解、その三。
敵対の意識はかけらもなかったという事。
レ王女とリン王女に感謝の気持で21名がさし出したサバランを美味しいと食べていた二人が、食べ終わった当たりから様子がおかしくなったらしい。
まあ、ラム酒が入っているから十個も食べればそりゃ悪酔いもするでしょう。
誤解、その四。
艦娘の皆が色々と口に出来ない事をされた。
結果だけを見ればそうなのかも知れないけど、実はレ王女を酔わせたのが半ば計画的で、迫った筈が、逆にてごめにされたというのが、真相なら?
この子達、外交とか相手が高貴な生まれだとか考えて…いる訳無いよね。いたら私達が土下座するようなはめにはなっている筈がないもの。
要は、相手の過失は、酔って実弾を景気良く撃って来たくらいで、後は全面的にこちらの不手際だという事が判明したのだ。
羽黒の立場で無くて本気で良かった。
そんな私の思いがいかにまとはずれだったかを私は直ぐに思い知らされる事になる。
私の手を包みこむように持ってレ王女が微笑みをうかべる。
「確か神通と言われましたか?」
「はい」
「本当に感謝します。ヲ王女を助けていただいて、なおかつ今まで守ってくれて」
エッ?いっ痛いっ?痛いんですけど?
柔らかくでもしっかりとにぎられている。いや、握り潰されかけている両手。
「確かに感謝はしていますが、ヒザ蹴りはいささかはしたないのでは無くて?そんな事ではヲ王女とお付き合いさせる訳には行きませんよ」
は?誰と誰とが付き合う?
「でも妹を悲しませる訳には行きません。ここは、私達が王家の一員として、ふさわしい礼儀作法を貴女に教える事にしましょう」
この流れには覚えが嫌と言う程にある。ホノルルの実家に釈明に行った時と同じ。冗談じゃない。
「ごっ誤解されています。ヲッちゃんとはあくまでお友達で」
「お友達からはじめる。そうですね。それも良いでしょう。でも」
私の耳にだけほとんど音になっていない囁き。
「もし、妹を悲しませたら、生きている事を後悔させて上げる」
私は必死に頭を頷かせた。
そんな私にニッコリとよそ行きの笑顔でレ王女がのたまう。
「末永くよいお付き合いが出来たらいいですね」
こっ怖いよこの王女様。