GOD EATER2 ~神速の神機使い~ 作:etilltwice
推理しようがないからどうしようもないです……
あと自室もイメージです。
誰がここまで豪華にしろと言ったのやら……
しばらくの間もフランさんとお喋り(という名の質問責め)をしていた。
フランさんは博識で、説明は丁寧ではないけど分かりやすいからすごく助かる。
ゴッドイーターって僕が思っていたよりすごかったんだね。……口にするとまた呆れられそうだから言わないけど。
ちなみに今は機械の使い方を教わっている。
「――――使ってください」
「そうだったんだ。そんな使い方だったんだね」
「……自動販売機ぐらいサテライト拠点にもあったと思うのですが、なんでここまで知らないんですか?」
感心している僕を見て、フランさんは微妙に目を細める。
口に出さなくても呆れられた……
そういわれても知らないものはしょうがないよ。
苦笑いして、軽く頬を人差し指で掻く。
「僕が住んでいた村にはそんな便利なものがなかっただけだよ」
「いえ、そんなはずは――」
「僕が住んでいたところにはゴッドイーターもいないし、アラガミ防壁もなかった。僕の村はサテライト拠点じゃなかったんだよ」
僕の言葉を聞いて彼女は言葉を飲み込み、目をパチクリさせた。
そんなに意外だったのかな?
サテライト拠点の方が数が少ないんから、こういう移動要塞みたいなところにはサテライト拠点以外から来た人の方が多いと思ったんだけどな。
程なくして彼女は調子を取り戻した。
「そうだったのですか。だからあまり詳しくなかったのですね」
「そうなんだ。だからもっと教えてくれないかな?」
「分かりました、と言いたいところですが……」
そういうと彼女はカウンターの中を見る。
何を見ているのか気になって覗くと複数のモニターがそこにはあった。
……何に使うかがさっぱり分からないから、そのまますごすごと引き下がる。
そんな僕にフランさんは怪訝な顔をした後、すまなそうな顔をした。
「すみません、今は時間がないのでまた今度でいいでしょうか?」
「うん、分かった。教えてくれてありがとう」
ひとまず必要なことは分かったしそこまで困ることは起きない……と思いたいなぁ……
それにフランさんに迷惑をかけるわけにはいかない。
とりあえずお礼を言って背を向けた時、彼女が言葉を漏らした。
「そういえば……」
「うん?」
不思議に思って振り返ると、彼女はまた口を開く。
「休憩中の職員はよく十階にある中庭を訪れます。だから、今すぐ聞きたことがあるなら中庭に行ってみたらいいと思いますよ」
「え……ありがとう!」
一瞬何を言っているのかが分からなかったけどなんとか反応できた。
フランさんのおかげでこれからすることに目途が立ったな。
見送ってくれているフランさんに心の中でもう一回感謝してからその場を離れた。
フランさんの助言に従って十階までエレベータで移動。
この気持ち悪い感覚にはいつなれるんだろうなぁ……とぼんやりしていたら扉の隙間から光があふれてくるかのように入ってきた。
石畳の道の脇やその先にある広場では花が咲き乱れ、入口の近くにある白いアーチからも植木鉢が吊らされていてそこから花が垂れ下がっている。広場には大きな木がずっしりと立っていてその根元には童話に出てくる王子のようなきらびやかな格好をした美男子が座っている。さらに入口のそばには大きな鳥籠のような形のベンチが幻想的な雰囲気をかもしだし、これまた白い鳥籠の網目にガラスを張ったような壁や天井から入ってきた陽光が全てを優しく包み込む。
そんな天国のような景色が扉の先には広がっていた。
想像もしていなかった光景に僕はただただ茫然とした。
あれ?僕はいつから夢を見ていたのかな?
そう思って頬をつねってみると、しっかり痛みを感じられた。
そうこうしていると馬鹿なことをしている僕をせかすかのようにエレベーターの扉が閉まりかけたので急いで降りる。
そのままでいるわけにもいかないし、辺りを見回して人影を探しながら歩き始める。
だけど、花畑の所まで来たものの誰も見つからない。
仕方がない、しばらくここで待t――
「適合試験、お疲れさま」
っ!?
誰も居ないと思っていたら声をかけられた!?
声がした方を見ると貴族のような恰好をした男性が木の根元に座ったままこちらを見上げていた。
そういえば最初からいたような……
風景に溶け込んでいたから気づかなかった。
自分の間抜けさに改めて気づいて思わず肩を落とした。
「?どうかしたのか?」
「いや、なんでもありませんよ」
そんな僕に気遣わしげな視線を向けてきたから、向き直って苦笑しながら返した。
彼が少し怪訝そうな顔をしていたけど気にしないことにしたのか、また無表情になって自分の隣を手で示して促してきた。
それに従って彼の隣に腰を下ろす。
「ここって凄いですね」
「凄い……?」
「よく分からない機械があったり、こんな想像すらできないほど綺麗な庭があったりしてることですよ。今日一日驚いてばかりです」
「確かにここは最先端技術の結晶と言っても過言ではないからな。驚くのも無理ないだろう」
そう言って正面を向いたまま彼はフッと微笑んだ。
本当に絵になる人だな……
理由はないけどなんとなく敬語になるのは相手の雰囲気のせいかな?
生真面目感じで、でもそれだけじゃなくてどこか柔らかい感じがする。
あ、そういえば自己紹介忘れてた。
「僕は藤堂夏輝、新しく神器使いになりました。あなたは?」
「そういえば、まだ名乗っていなかったな。俺はジュリウス・ヴィスコンティこれからお前が配属される、局地化技術開発局『ブラッド』の隊長を務めている。」
隊長が改めてこっちの顔を見て言う。
その言葉に僕は全く驚かず、むしろ隊長のイメージにぴったりで納得した。
こういうのをカリスマっていうんだっけ?人の上に立つ人のオーラとかそういうものが隊長にはある気がする。
さらに隊長は言葉を付け足した。
「できたら敬語はやめてくれないか?俺は隊長と部下としてではなくて同じ仲間として接したいんだ」
「分かったよ。これからよろしく、隊長」
にこにこしている僕とは対照に隊長は複雑そうな顔をしている。
やっぱり名前で呼んだ方がいいのかな?
ジュリウスは何か言おうとしていたけど諦めて立ち上がり、服についている土を払った。
「……お前がそう呼びたいなら文句は言わない。さて、俺はもう行くとする。明日からは忙しくなるだろうから、今日中にフライアをゆっくり見て回るといい」
そう言って中庭から歩いて出て行った。
さっきのフランさんの説明を聞く限りではゴッドイーターの職場は大変みたいだったけどここはいい人が多いな。
ゴッドイーターに慣れてよかったかもしれない。
その後、ジュリウスに質問するのを忘れて他の職員がくるまで1時間ぐらい待つことになったのは別の話。