GOD EATER2 ~神速の神機使い~ 作:etilltwice
強力な回復錠の個数制限があるのはゲームバランスの問題もあるんだろうけど副作用があるんじゃないかと思います。
むしろ怪我を一瞬で回復出来るほどオラクル細胞を活性化させるのにリスクがない方が可笑しいと思います。
副作用としては使い過ぎると活性化し過ぎて人間の細胞がオラクルに侵食されてアラガミになるのが妥当でしょうか。
だから持ち物を制限があるんじゃないかと思ってます。
ちなみにこの小説においてスタングレネードはベルトに着けれて、回復錠はポケットに入れているものとしてます。
……物を入れれる服装の人が居なさすぎるんですよ。
あれから隊長に連れられてオウガテイルの群れのところまで来てる。
最初は大きな広場全体に10体程いたけど今では4体にまで数を減らしてる。
っと、そう考える間にも1体突進してきた。
敵が目の前まで近づいてくる恐怖と傷だらけの体が訴えてくるの痛みをねじ伏せて、少し横に跳んでかわしお返しとばかりに足を斬りとばす。
「ナナ、お願い!」
「任せて!」
足を失って地面に転がるオウガテイルにナナの鉄槌が振り下ろされた。
全体重とブースターの力を乗せた一撃でオウガテイルの体はメキメキと音を立てる。
少しグロテスクな状況から目を離して残りの敵がどこにいるか確認すると他の敵はみんな恐れをなして逃げ出してる。
取り敢えず不意打ちされる危険は無くなったみたいだ。
周囲を確認しているとまたズドンッという音と共に悲鳴じみた鳴き声が響き渡る。
向こうも終わったみたいだね。
ナナが捕食するのを待って急いで追いかける。
オウガテイル達を行き止まりに追い込むことができていたみたいで3体ともこちらに振り返ってそれぞれがいかくしてくる。
「新入りにしてはいい動きだな」
隊長の声が直ぐ近くで聞こえた。
声のした方を見ると、隊長は僕達の前まで出てきていた。
今回の訓練では隊長は戦わず、実力を見るんじゃなかったっけ?
僕と同じようにナナも疑問に思っていたらしく警戒を緩めて声を掛けた。
「隊長、なんでここに?」
「お前たちが思っていた以上によく動けていたからな。いい機会だ。お前たちが会得する血の力の一部を見せておこう」
「「?」」
ナナと顔を見合わせる。
そういえば血の力って何に使えるんだろう?
スゴイとは聞いてるけど何がどうスゴイのかがさっぱり
あ、それよりナナに注意しないと。
「よく分からないけど……ナナ、気を抜いちゃダメだよ。まだ敵は目の前にいるんだから」
「あ!ゴメン」
ナナが下ろしかけていた神機をまたしっかりと握り締めたのを確認してオウガテイルの方を向く。
どうやら向こうは威嚇をしてるけど襲いかかってはこない。
強そうなオーラを持ってる隊長を警戒してるのかな?
隊長が神機を正面に構えると不思議な感じがしてきた。
身体の奥底から暖かい何かが広がってくるような……
「力が……みなぎる……!」
「これは……?」
神機を持ってない手を閉じたり開いたりして力が強くなったのを確認する。
この感じ、確か前の訓練中にもあったバーストモード?
捕食もして無いのに……
血の力って僕が思ってたよりも便利な感じなのかな?
「今から対象に向けてブラッドアーツを放つ、よく見ておけ」
何度も手をグーパーしてると隊長の声が聞こえたから手を動かすのを止めた。
えと、ブラッドアーツ?
何か聞き逃したのかと思ってナナの方を見てみる。
ナナも僕と同じように首を傾げたあとこっちを見てくる。
ナナも僕も知らないってことはまた新しい言葉かな?
……覚えないといけないこと多すぎないかな?
少しげんなりしながら首を振るとナナはまた不思議そうに首を傾けた。
「戦況を覆す大いなる力……戦いの中で進化する刻まれた血の為せる業……」
そう言いながら隊長は神機の切っ先を後ろに向けて地面に垂らし前傾姿勢になる。
それは獲物に今にも食らいつこうとする猛獣のようでもあった。
そして隊長の姿がかすんで消えたかと思うとすでに向こう側に移動したうえで振り切っていた。
真ん中のオウガテイルの左上半分が音もなく斜めに滑り落ちようとしたその時、追い打ちのように青い線が3体を襲った。
武器を下ろし悠々と振り返る隊長の前にはバラバラ死体が出来上がっていた。
「これがブラッドアーツだ」
僕たちは言う言葉も失ってだただ突っ立っていた。
訳の分からないことが起きたというのもある。
でも、それ以上にこの惨状を作り上げておいて眉一つ動かさない隊長に言い表しようのない迫力があったから。
凄い……戦い続けてきた猛者みたいな風格が漂ってる。
ロメオ先輩からジュリウスは強いって聞いてたけど思ってた以上だ。
……僕もジュリウスぐらい強くなれるかな?
そうやって考え込んでいると誰かに肩を叩かれた。
「いつまでここで立っているんだ?実地試験はこれで終わりだ。さっきの戦闘で二人とも傷だらけになっているから後で救護室に寄るといい」
「はい」
これは今考えても仕方ない。
取り敢えずの答えを出して中断して顔を上げた。
ジュリウスはもう歩き出していたけどナナは心配そうにこっちを見つめている。
「夏輝、どうかしたの?」
「……何でもない、大丈夫っ!?」
いつの間にか強く握りしめていた手を解いて笑おうとしたけど思い出したかのように身体痛み始めてつい顔を歪めてしまった。
「……本当に大丈夫?」
「この通り、元気だよ」
案の定さっきより心配そうな顔をしてこっちに近づこうとしたから大丈夫だって伝えるために右肩を回してみせる。
腕に刺さった何かが動いてかなり痛いけど我慢我慢……
僕の必死のやせ我慢のおかげか、ナナはあんまり納得してない様子だったけど何も言わずに隊長の追って歩き始めた。
……早く救護室に行って治してもらおう。
そう思って体が痛まないように気をつけながら歩き始めた。
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外から戻ってきて神機を置いてきた後、ナナと二人で救護室を目指す。
ジュリウスはこの後用事があるようでだから一緒に来れないとらしい。
元々怪我をして無いから行かなくてもいいんだろうし、救護室の場所は基礎訓練の時に教えてもらってるから別に来る理由は無いんだろうけどね。
フライアの何も無い廊下を二人で歩いている途中、ナナが話しかけてきた。
「実地訓練……なんだかスゴかったね!なんとかなってよかったぁ……」
「やっぱり敵が居るのと居ないのでは全然違うね……僕は途中で逃げかけちゃったよ」
「?そんなに強そうだったっけ?」
僕の言葉を聞いて首を傾げるナナをみて思わず苦笑いになる。
ナナは僕とは違う環境で育ったから分かってはもらえないんだろうな……
少し考えた後、適当にでっちあげた理由を言ってみる。
「僕は怖かったよ。なんたって僕と同じくらいの大きさの化け物が襲いかかってきたからさ」
「大丈夫だよ!神機もあるし、私も居るよ!」
「ありがとう、心強いよ」
笑って元気づけてくれるナナを心配させないように笑顔を作って応える。
アラガミが怖いのはナナに言っても仕方ないし自分でどうにかしないといけないからね。
ちらっと前を見てみたらと『救護室』という看板がかかっている扉が目に入った。
「もう着いたみたいだね」
「あ、ホントだ!……そういえばお医者さんはどんな人なんだろうね?」
そうナナに言われて気付いた。
前案内された時は扉の前まで来たけど結局中には入らなかったから医師とは会ってない。
その後は僕もナナも訓練で大きな怪我をすることは無かったからここに来たのは二回目だ。
「そういえばまだ会ったこと無いなぁ。男の人かなーって僕は思うんだけど……」
「うーん……女の人じゃないかな?」
「まぁ、中に入れば分かることだね。失礼します」
「失礼しまーす!」
ずっとここにいても仕方ないしナナと一緒に挨拶をしながら僕から先に横開きの扉を押し開けて中に入る。
「は、はいぃ!?いらしゃいましぇ!」
「「はい!?」」
普通に挨拶したのにところどころ裏返った大声が返ってきた!?
僕らが目を見開いていると目の前にいる白衣を着た金髪の女の子はさらに喋り続ける。
「一体どこをお怪我されましたんや!?大丈夫なんです!?」
「へ!?何言ってるの!?」
「むしろ君の方こそ大丈夫!?」
「今回はここを利用していただいてありがとうございますんや!」
「よく分からないけどとりあえず落ち着いて!?」
何が原因かは分からないけど、なんか言葉がおかしくなってる。
しかも顔も真っ赤だし僕たちよりもこの子の方が重症なんじゃないかな?
「とりあえずベッドに横になって休んだらどうかな?」
「べべべべ、ベッド!?ジュリウスが居るのに何言っとんねん!」
「夏輝、それは違うと思うよ?」
何だか思った以上に反応された上にナナから非難するような目で見られた……
僕、そんな悪いことしたかな?
それにしてもジュリウス?
「ジュリウスは居ないよ?」
「へ?」
そう言った瞬間まるで時が止まったかのように白衣の女の子の動きが止まる。
?気付いてなかったのかな?
女の子はギギギ……というきしむ音が聞こえそうなほどぎこちない動きで僕の目を見た。
「ジュリウス、は……おらんの?」
「急ぎの仕事があるって言ってたよ」
「…………マジ?」
「うん」
それを聞いた途端女の子が急にグッタリとうなだれた。
「マジか……なんちゅう恥さらしや……」
さっきまでの元気は何処へ行ったのか、まるでお通夜してるみたいな顔してる。
えと……これ、どうすればいいの?
どうしようもなくて途方に暮れてたらナナが呟いた。
「ジュリウスのこと本当に好きなんだね〜」
「な!?ななななんにょことだかさっぱ「私は応援してるよ?」それはホンマかいな!?」
ナナの言葉を聞いて金髪の子はナナの手を一瞬で取って顔を近づけた。
なんか凄く目がキラキラしてる。
ナナの笑顔も引きつるのって初めてみたよ。
それでもナナは固まることなくそれに答えた。
「う、うん、本当だよ。恋する女の子を助けるのに理由なんて要らないよ!」
「ありがとうな〜!恩にきるで〜!」
金髪の子が大喜びでナナの手を大きく上下に振る。
ちなみにナナは金髪の子のテンションについて行けず振り回されてる。
ナナも元気だけど金髪の子はそれ以上みたいだ。
少し困り顔をしてるナナの腕を一通り振り回した後金髪の子はナナににニカッと笑いかける。
「そういえばアンタたちの顔初めて見るな。アタシはレイティア・ベイフォード。好きな風に読んでな」
「私は香月ナナだよ!よろしくね、ティア!」
「よろしゅうな!」
最初のぎこちなさは何処に行ったのか二人とも生き生きしてるなぁ……
なんとなく居心地の悪さを感じながら少し離れたところから見守ってるけどこのままここ出た方がいいんじゃないかな?
「それで、そっちのアンタは?」
「あ、夏輝だよ!藤堂夏輝!私の……同期?だよ?」
こっそり出て行こうか真剣に悩んでたらいつの間にか二人の間で僕のことが話題に上ってたみたいだ。
こっちを見たベイフォードさんと目が合ったから軽く会釈をするとこっちにも輝く笑顔を向けてくる。
「初めまして、これからよろしく」
「よろしゅうな!二人ともあたしのことはベルでいいで!」
「あれ?ティアじゃなくてベルなんだ?」
さっきナナはティアって呼んでたけど……
思わず口に出すとベルは頭をかいて、悲しそうに笑った。
「だってな……ティアなんてカワイイ名前あたしには似合わんやん」
「そんなことないよ〜、ティアはカワイイよ!」
横にいたナナが少し落ち込んだ様子のベルの手を取ってを褒めちぎる。
しばらくの間ナナがベルを褒めてそれをベルが違うっていうのが続いた。
ベルもまんざらでもなさそうだ。口では否定してるけどニヤけてるし。
……仲がいいのはいいけど僕のことを忘れないで欲しいな。
このままじゃきりが無いと思ったのかベルがナナを突き放してわざとらしい咳払いをしてみせた。
「それで……アンタラ怪我見せてみぃ。そのために来たんやろ?」
「「あ……」」
そういやいろいろあって忘れてた……
そう言われて改めて見せようと思って怪我したところを確認する。
……あれ?
右腕の大きな怪我は塞がり始めてるし、全身の擦り傷に至ってはもう無くなってる?
ナナの方も同じみたいで目を見合わせて首を傾げた。
そうやってる僕たちの様子に気づいたのかベルが声をかけてくる。
「?どうしたん?」
「えーっと……怪我がいつの間にか治ってたんだよね」
「残ってるのは僕のこの怪我ぐらいで……」
「ありゃ、こりゃいいとこもろうたな。ちょっと服まくって待っててな」
そう言うとベルは立ち上がって戸棚に何かを取ってきて机の上に置いた。
そして僕の腕に治療を施し始める。
「アンタラ、まだ人間の基準で考えとんのちゃうか?」
「「人間の基準?」」
「ゴッドイーターが優れてるのは身体能力だけちゃう。回復力も桁違いやし、痛みへの耐性も高い」
僕たちに話をしながらも傷口から目を逸らさず治療し続けている。
その顔は真剣そのもので手つきも優しく丁寧で繊細だ。
医学はよく分からないけどそれだけ頑張ってるんだろうな……
「多少の大怪我も回復錠を飲めばすぐ治る。この怪我も普通の回復錠で一発や」
「じゃあなんで……」
「回復錠はな、アラガミ細胞を活性化することで傷を治してるんや。やけん、あんまり使い過ぎるのはよくないとされてん」
「じゃあ、怪我はなるべくここに来て治療した方がいいの?」
「そういうことや。ほれ、終わったで」
「イテッ……」
ベルは傷があったところに近づけていた顔を離すと、笑ってバシンと僕の肩を叩いた。
痛みで僕の顔が歪んだのを見て二人が吹き出す。
恨みがましい視線をベルに向けながら肩を回すとほとんど痛くなくなっている。
何と無く釈然としないものを感じながら袖を下ろし終わるとそれを見ていたベルに背中を押されながら救護室から追い出される。
「さてと……ほら、さっさと行ってな。アタシには他の仕事が残ってるんや」
「ティア、治療ありがとうね〜」
「どういたしまして。怪我したらいつでも来てなー」
手を振りながら別れる二人を見ながら妙な脱力感を覚えつつナナとともに救護室から離れた。
ーーー夏樹のメールボックスーー
fromベル
ナナから聞いたで、アンタあんまこっちのこと知らんのやって?
医療やゴッドイーターの体のことについてなら私に何でも聞いてな!
あ、あと抜糸したいから座学の時間が終わったら救護室に戻ってきてな
Re
気遣いありがとう
気になったことがあったらメールを送るよ
まだ治療が終わって無かったの?
分かったこれを読み終わったらすぐにいくよ
……それはそれとして何でベルが僕のアドレスを知ってるのかな?
ReRe
そうそう、そこまで終わって治療完了や
あとアドレスはナナから教えてもらったで
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fromジュリウス
今日は救護室まで同行出来なくて済まなかった
どうもベルフォードは俺にいい感情を持ってないみたいだからナナと二人で行かせた方がいいと思ったんだ
ベルフォードとは上手くやれたか?
Re
僕はよく分からないけどナナはすっかり打ち解けていたよ
人付き合いが上手いのもナナのいいところだね
あと、ベルがジュリウスをよく思ってないのはどうしてそう思ったの?
ReRe
そうかそれはよかった
そこに関しては力になれなくて済まない
ベルフォードは俺がいると顔が赤くなり会話が成り立たなくなってしまうようだ
俺が何かしたなら謝りたいんだが……