IS~平凡な俺の非日常~   作:大同爽

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少し忙しかったもので前回から少し開いてしまいました。
そんなこんなで新章です。
少し短めですが、どうぞ!





吉良香澄暗殺計画編
第178話 今後


「それで?今後の計画は?」

 

 最後の動画の配信を終え、全員で集まっての会議中、オータムの問いに俺は頷きながら口を開く。

 

「ここから俺たちは十日間、やつを目標に爆弾テロなどを行う。ただし、それで命をとることが目的じゃないからそれほど本気でしかけなくていい」

 

「どういうことだ?やつを――吉良の首を狙うんじゃなかったのか?」

 

 俺の言葉にエムが訊く。

 

「簡単な話だ。ただ狙うんじゃ駄目なんだ。こうして宣戦布告をした今、やつらもバカじゃない。必ず警戒してくる。でも、その警戒も四六時中ずっとしてられるわけない。これから十日間、吉良を目標に爆弾テロなどを行い、やつらの警戒心を高める。どんな精神力でも、どんなハイスペックな奴でも24時間何日も警戒し続けるなんて不可能だ。十日もあればやつらの警戒にも限界が来る。俺たちはそこを狙えばいい」

 

「……なるほどな」

 

 俺の言葉に納得したように頷くエム。

 

「その十日後って言うのは何か理由があるの?」

 

「……………」

 

 束博士の問いに俺は少し黙り

 

「別に。特に理由はありませんよ。強いて言うならあんまり先延ばしにしたくないってだけですよ。ただ、あまりすぐにやっても意味がないから、結果十日後にしたってだけです。意見があるならもう少し早く、逆に先延ばしにしてもいいですけど?」

 

「いんや。ただちょっと気になっただけだから、私はそれで構わないよ~」

 

 俺の言葉に束博士が頷く。周りを見ると、みんなも特に異論はないようで頷いている。

 

「それで、その計画を実行するに際して、前々から君が打診してきてた例の物、完成したよ」

 

「え?それって……」

 

「ふっふっふ~……これを見よ!」

 

 言いながら束博士は机の下から大きなアタッシュケースを取り出しフタを開く。

 

「こ、これは!?」

 

「そう!君のご注文の品!身体能力強化用の特殊スーツだよ!」

 

 満面の笑みで束博士の示すそれに俺は目を見張る。だって――

 

「GANTZスーツのパクリじゃん」

 

「こまけぇことはいいんだよ」

 

 俺の言葉にやれやれと言った様子で束博士は肩をすくめる。

 束博士の示すアタッシュケースの中には真っ黒なスーツが畳まれて納まっていた。スーツの脇には揃いの靴と手袋も入っている。

 広げてみると首から足首までを覆うスーツになっており、首元や肩、腰など要所要所に光パーツが取り付けられている。

 

「まあぶっちゃけあの漫画をモデルにしたからね。この光ってるパーツはいわば電源みたいなものだよ。ここに蓄えられてるエネルギーで身体の各所に働きかけて身体機能をアップさせるのだ!」

 

「へぇ~……すげぇ……」

 

 俺は束博士の言葉に感嘆しながらスーツを眺める。

 

「前に試作品って言って着せられたやつは遊園地の着ぐるみみたいだったからなぁ……そこから考えるとものすごい進化だな」

 

「あぁ、あのいつだったかいっくんたちの護衛任務を陰から補佐したときのあれね。まああれは試作品だからねぇ~。その点この完成品はガチのやつだから」

 

 あの時は俺の注文であったにしても、もう少しビジュアルにこだわってほしかった。

 

「まあでも、これ着てもISで戦った方が強いし使えるんだけど……ホントにこれ使うの?」

 

「ええ。俺のISは展開してると熱エネルギーが溜まって動けなくなるんで、こういうのがある方がいいんですよ」

 

「なるほどね……あ、君らの分も用意したから使うなら好きにして」

 

「はい、ありがとうございます」

 

 言いながら束博士が追加で三つ取り出したアタッシュケースをスコールがお礼を言いながら受け取る。

 

「それと、これはあんまりおすすめしないけど、一応君に渡しておくよ」

 

「ん?これは……注射器?」

 

 束博士が俺に差し出したものを受け取ると、それは注射器だった。しかもそれは病院なんかで見るような押し出すタイプのものではなく、銃のような形で中身は毒々しい緑色をした液体が入っていた。

 

「………何ですかこれ?明らかに人体によくなさそうな色してますけど?」

 

「まあ簡単に言えば、これを使えばISの適性率が一気に跳ね上がる代物だよ」

 

「まっじで!?」

 

「マジマジ。アンタ確か適性B+くらいだっけ?これ使えばSくらいまでは余裕だね」

 

「うっは!すげぇ!すげぇけど……その対価は?」

 

「ん?」

 

「ん?じゃねぇよ。世の中そんな美味しい話があるわけないだろ。しかも一気にそこまで適性率上げるんだからまともな薬なわけないじゃん」

 

 俺の言葉に可愛く小首を傾げる束博士の言葉に俺は叫ぶ。

 

「ん~……まあ強いて言えば、この薬ってね、体にすこ~し悪影響が出るから体の免疫機能が働いて、最悪死んじゃうんだけど」

 

「死っ!!!?」

 

「それを死なないように免疫力を一時的に誤認させる薬も混ぜてるから、使用後にはすこ~~しいくつかの病気とか薬への抵抗力が低下するくらいかな~……」

 

「その〝少し〟ってどのくらい!?」

 

「ん~……」

 

「ど・の・く・ら・い!!!?」

 

「………強いて言えば、お酒弱い人だと缶チューハイ一口で酔いつぶれるかも」

 

「それ免疫力低下とかって騒ぎじゃないだろ!!缶チューハイって10%未満くらいだろ!?」

 

「大丈夫大丈夫!さすがに死ぬほどヤバいくらいには下がらないから!せいぜいアルコールとかだけだから!ホントに!免疫力下げるって言ってもこの薬が身体にそれほど影響ないって誤認させる程度だから!」

 

「全然信用できんのだが!?」

 

 束博士の半ば言い訳のような言葉に俺は叫ぶ。

 

「まあまあ、絶対使わなきゃいけないってわけじゃないからさ。お守り代わりに持っといてよ」

 

「とか言って、実は体よく俺で人体実験しようとか思ってるだけじゃないのか?」

 

「…………(サッ)」

 

「あっ!今目を逸らした!」

 

「さぁ今後のことを話し合おうじゃないか!」

 

「おい、無理矢理話題を変えようとするな!」

 

「まずこれから十日間で使う爆弾だけど――」

 

「聞けよ!」

 

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