IS~平凡な俺の非日常~   作:大同爽

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第222話 英雄と魔王

「……………」

 

「……どうしたんだい?座りたまえよ、立ってないでさ」

 

 ソファーにふんぞり返るアダムは目の前に立つ少年、海斗に言う。

 海斗はそんな優男の言葉に返事をせずただじっと睨んでいる。そんな海斗の隣にはカリオストロが笑顔で立っているが、特に海斗を拘束したりせず、文字通りただ立っているだけだった。

 

「……なんで僕を拘束しない?」

 

「ないからさ、する必要が。仲良くしようじゃないか、長い付き合いになるんだから」

 

「長い……付き合い……?」

 

 海斗が言葉の意味が分からず怪訝そうな表情で訊き返すが、アダムは答えず再び自身の向かいのソファに座るように示す。

 海斗は一瞬周りを確認するように視線を巡らせる。

 目の前には白スーツの優男、アダム・ヴァイスハウプト。自分の右隣には露出の多い服の身長も凹凸も大きな女性、カリオストロ。少し離れた椅子に縛られた老人、イゴール。この広い、もとは会議室だったであろうその部屋には現在自分も含めてこの四人しかいない。少し前にはサンジェルマンやプレラーティの姿もあったが、今は見られない。

 

「……………」

 

 海斗は少し考えた後、アダムの向かいに座る。その様子にアダムは嬉しそうに笑う。

 

「用意させよう、何か飲むかい?」

 

「結構です」

 

 そっけなく返す海斗の言葉に肩をすくめるアダムをじっと見ながら

 

「あの時一緒にいた女の子は今日は一緒じゃないんですね?」

 

「うれしいね、覚えていてくれて。今日は留守番さ、ティキは戦闘要員じゃないからね」

 

「あんたみたいな優男早々忘れないですよ。あとは名乗った覚えないのに僕のこと知ってたんで気にはなってましたから」

 

「なるほどね」

 

「あと、大人の男が娘ほどの女の子連れてたから、あ…事案かな?って思ってたんで」

 

「ハハッ、手厳しいねぇ~。ただ、させてもらうよ、訂正だけはね。ああ見えて君よりも年上なのさ、ティキはね」

 

「………マジで?」

 

 思わぬ言葉に海斗が思わず素で驚く。

 

「ま、まあそれはいいです。それよりも、さっき言ってた話です。長い付き合いになるって、アレ、どういう意味ですか?」

 

 咳払いとともに海斗が話題を戻す。

 

「そのままの意味さ、言った通りね」

 

 海斗の言葉にアダムはニヤリと笑みを浮かべる。

 

「君はどう思う、今の世界について?」

 

「なんですか、急に?」

 

 唐突なアダムの問いに海斗が困惑するが、アダムは飄々と微笑む。

 

「この世界は確かに良くなった、五年前に君のお兄さんが起こした事件以来ね。でも、残念ながら変わっていないのさ、根本的な部分が」

 

 アダムはふんぞり返った姿勢から海斗に向けて乗り出すように身を起こす。

 

「世界中の貧富には差があり、政治は腐敗し、今も世界のどこかで紛争や飢えによってたくさんの命が失われている。そう、結局世界は何も学んでいないのさ、君のお兄さんの行動から」

 

「……………」

 

 アダムの言葉に海斗は黙って口を閉ざす。

 

「もっと変わるべきなのさ、この世界は。そのために活動してるのさ、僕らはね」

 

 言いながらアダムは海斗をしっかりと見据える。

 

「だから、僕らには必要なのさ、君の存在が」

 

「僕が?〝僕の持ってる遺産が〟でしょう?」

 

「言いきれないね、その意図がまったく無いとは。でも、本心なのさ、君と言う存在が必要と言うことは」

 

 怪訝そうな顔をする海斗にアダムは笑いながら答える。

 

「誰もが思っている、この世界を変えてくれることを。でも変わらないんだ、今のままじゃ。だから、みんな望んでいるのさ、誰かが変えてくれることを」

 

「何が言いたいんですか?」

 

「世界は求めているのさ、英雄を」

 

 海斗の問いにアダムは悠然と答える。

 

「僕になれっていうんですか?英雄に?」

 

「君にはあると思うんだ、英雄になる資格が。なにせ、英雄だからね、君のお兄さんこそが」

 

「世間じゃ〝魔王〟って呼ばれてますけど、うちのバカ兄貴は」

 

「それでもいるんだよ、君のお兄さんを英雄視する声が。知っているはずだ、君だって」

 

「それは……」

 

 アダムの言葉に海斗は言い淀む。

 アダムの言葉通り、海斗は知っていた、自身の兄が一部では英雄視されているということを。なにせ彼はこれまでに二度、彼の兄である井口颯太を英雄視する者たちに誘拐されたことがあるのだから。

 

「まぎれもなく英雄なのさ、君のお兄さんは。認知されていないがね、世間一般には」

 

「………だとして」

 

 アダムの言葉に数秒考えるそぶりを見せた海斗はゆっくりと口を開く。

 

「だとして、あんたが目指すところは?あんたは何を目当てにそんなことをしているんですか?」

 

「そうだね……僕の目的は――」

 

「局長」

 

 と、海斗の問いに答えようとしたアダムの言葉を遮り、サンジェルマンが現れる。

 

「何かな?」

 

 ゆっくりとサンジェルマンへ視線を向けるアダム。

 

「現れました」

 

「ほう?」

 

 サンジェルマンの端的な言葉に興味深そうに目を細めたアダム。そんなアダムにサンジェルマンは取り出したタブレットを見せる。そこにはこの施設の門と思われる場所に立つ一人の少女が立っていた。

 

「なっ!?未来っ……?」

 

「へぇ?知り合いかな?」

 

 その少女――小日向未来の姿を見た海斗は驚きで声を漏らす。

 その様子に微笑んだアダムは

 

「彼女がそうなのだろう、政府の用意した非武装の受け渡し役。しかも、知り合いのようだ、彼と彼女は。なら――」

 

 言いながら視線を上げたアダムはサンジェルマンへ視線を向け

 

「丁重にお連れしてくれるかな、彼女をここへ」

 

 楽し気に指示したのだった。

 




実は私、このアダム・ヴァイスハウプトってキャラ、苦手なんです。
だって……口調がメンドクサイんです!
無駄に倒置法で話したり書いててやりずらくて仕方ないんです!
原作のシンフォギアではCV.三木眞一郎で超イケボだったんですけどね……

それはさておき、海斗を勧誘するアダム達パヴァリア光明結社の目的とは!?
彼らは本当に世界をより良くしたいのか!?
そして現れた小日向未来は何をもたらすのか!?


さてさて、前回から質問をいただきましたので質問コーナー復活です。
今回はGoetia.D08/72さんからいただきました!
「最近、ふと思った事があります。
"束博士って、ウサギキャラを強調したいのはわかるけど服装が一辺倒でなんかインパクト無くなったよね"
                     と……。
 そして同時に、
"仮にも世界の破壊者的なことやったんだし、IS版のディケ○ドライバーとか作ってみろよな~"とか、そんなことも思いました。
        まぁ、それだけです。
          ( ^Д^)プギャー 」
と言うことですが



束「あぁん!?言ってくれるじゃないか」

でも確かに服装一辺倒ですもんね。
変えればいいのに

束「気に入ってんだよ、悪いか?」

ふ~ん……てっきり颯太くんが束さんのことずっと「駄兎」って呼んでるからそのイメージを変えないために服装も変えてないのかと――ぶべらっ!?

束「おいおいおいおい、何をテキトーぶっこいてくれちゃってんだ?頭わいてんじゃねぇのか?」

あい……ずびばぜん……
――と、ところで、IS版ディケ○ドライバー作ってみろって話も来てるけど……

束「ディケ○ドライバー?」

えっと、こんな感じの……(YouT〇beで映像を見せつつ)某特撮ヒーローで他のヒーローに変身できて能力も全部使えるっていうチートキャラの変身アイテムで……

束「なるほどね。すべてのISの力を使えるISか。確かに面白いかも」

お?ノッてきた?

束「まあね。デザイン的にも白いのより、どうせならこのパワーアップ状態のピンク色のやつを――」

???「マゼンダだ」

爽&束「――っ!?」

あれ?今確かに誰かの声が!?
なのに誰もいない!?
一瞬くすんだオーロラみたいなのが見えた気がしたけど……



さ、さてさて、それはともかく、今日のところはこの辺で!
また次回もお楽しみに!
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