IS~平凡な俺の非日常~   作:大同爽

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第225話 半殺しの定義

 

「あなたのお兄さん、あれ、本物なの?」

 

 颯太を囲っていた三人のうち一番海斗に近い位置にいたカリオストロが訊く。

 現在彼女たちはこの施設を総勢12人のIS操縦者に囲まれ、かなり不利な状況となっている。

 

「……たぶん本物だよ」

 

 カリオストロの問いにゆっくりと海斗が頷く。

 

「ついでに言うと、『かなり怒ってる』ってのも本当だと思う」

 

「もし仮にお兄さんが本気で私たちをつぶしに来たら、私たち、生きてここを出られると思う?」

 

「………兄さんは元来平凡で臆病な人間なんだ。そんな兄さんがこうしてやって来てるってことは勝てる見込みがあるってことだ。たぶん響達の他にも二手三手と手を用意してるはずだよ」

 

「つまり?」

 

「ご愁傷様です」

 

「だよね……」

 

 海斗の言葉にカリオストロががっくりと肩を落とす。

 

「なんとかあなたや他の三人を引き渡せば許してくれないかしら?」

 

「せいぜい殺す気できてたのが半殺しになるくらいじゃないですかね」

 

「そ、それならまだ救いが……」

 

「あ、でも昔兄さんがマンガ読みながら『なるほど、人間の206ある骨を半分、103折れば半殺し、か……』って言ってたから、103の骨折は覚悟しといた方がいいと思いますよ」

 

「何その発想、怖っ!」

 

「これまで兄さんをここまで怒らせたことなかったし。五年も会ってなかったんだ。今の兄さんがアンタらをどうするかなんて僕にはわかんないよ」

 

「……はぁ…だからあーしたちは反対したのに、あの無能な統制局長のせいでこんなことに――」

 

「フッ………フフフ……フハハハハハッ!」

 

 突如アダムは顔を右手で覆うようにし笑い始める。

 

「ちょっと、この状況でなんで笑えるのよ!?」

 

「ついにおかしくなったワケダ」

 

「どういうことですか、局長?」

 

 異様なその男の様子にカリオストロ、プレラーティ、サンジェルマンの三人が問う。

 

「いやね、危機的状況だ、確かに恐ろしい。でも、本当にないのかな、逆転の手が?」

 

「……へぇ?どういうことだ?」

 

 アダムの言葉に颯太はゆっくりと首を傾げながら訊く。

 

「端的に言おう、あまりゆっくりもしていられない」

 

 アダムは顔に当てていた手を外して颯太を指さしながら問う。

 

「井口颯太、なぜ使わない、君のISを?」

 

『っ!』

 

「…………」

 

 アダムの言葉にその場の全員が息をのむ。颯太はただ黙ってアダムの話を聞いている。

 

「思えば、最初からだね、違和感は。なぜ、君は銃を使った?なぜ使わなかったのか、自分のISを?」

 

 アダムは不敵に笑いながら言う。

 

「いや、こういうべきかな、この場合は。君は、使わなかったんじゃない。使えなかったのさ」

 

「……………」

 

「素直に称賛しよう、確かに君たちの使った認識阻害の能力はすごかった。だが、さすがにできなかったんだろう、ISの反応を隠すことは」

 

 黙る颯太に対してアダムは続ける。

 

「確かに俺たちは立たされているよ、不利な状況に。でも、たやすいのさ、何とかするのは」

 

「もし俺をなんとかできたとして、そのあとはどうする?外には12人のIS操縦者が待ち構えている。時間が経てば追加の増援だってあるだろうぜ」

 

「君以上に何とでもなるさ、外の彼女たちはね」

 

「その心は?」

 

 颯太の言葉にアダムは不敵に笑う。

 

「彼女たちがしてこないからさ、強行突入を。できないのさ、彼女たちには――彼がここにいる限り」

 

 言いながらアダムは海斗を指さす。

 

「彼を人質にすればいい、君を無力化した後は」

 

 言いながらアダムは持っていた銃を颯太へ向ける。

 

「なるほど、確かにいい手だ」

 

 銃を向けられた颯太は平然とした声で答える。

 

「そんだけ自信がるんなら、撃ってみるといい」

 

「ほう?」

 

 颯太の言葉にアダムは興味深そうに笑う。

 

「お前の思い通りになるかどうか撃って確かめてみるといい」

 

「なるほど、では、そうさせてもらおう、君の言う通り」

 

 言いながらアダムは不敵に笑い引き金に指を掛ける

 

「颯太!!」

 

 一夏が叫ぶが、颯太は身じろぐことなく大きく息を吸い込み左手を振りかぶる。

 

「さようなら、井口颯太くん」

 

 パンッ

 

「っ!」

 

 その瞬間颯太の身体が光り同時に颯太が左手を振るう。

 

 カァン!

 

 直後、甲高い金属音が響く。

 

「………へ?」

 

『なっ!?』

 

 その光景にアダムは呆けた顔をし、その場の全員が驚愕の表情を浮かべた。

 

「で?」

 

 振りぬいた左手を戻しながら

 

「誰の無力化がたやすいって?」

 

 そう言って身構える颯太の姿はIS『火焔』を纏った姿だった。

 




アダムのどや顔の推理もすべて颯太くんの掌の上
さてさて、パヴァリア光明結社の運命やいかに!?
このままだと本当に半殺しか!?
と言うか半殺しで済むのか!?



――さてさて、それは置いておいて前回のあとがきの続き

颯太「で?本気で書くのか?新作」

航平「まだ無い物も平凡なも終わってないのに」

うっ……それを言われると………
まあ新作って言ってもまだ構想段階なんだけどね。
シンフォギア原作の男主人公で主人公の要素に他作品の要素を入れようと考えてるくらいで。

颯太「他作品の要素って?」

仮面ライダー

航平「あぁ、何作か見かけるよな。で?何のライダーをクロスするんだ?」

そこで迷ってるんだよ。
今のところ「クウガ」「響鬼」「オーズ」で迷ってる。
「クウガ」と「オーズ」は変身アイテムを聖遺物扱いにすればいけると思うんですよね。
「響鬼」は歌と音撃って相性いいと思うんですよね。まあ主人公が「響鬼」だと響と被るんで主人公は「歌舞鬼」にすると思いますけどね。

颯太&航平「心底どうでもいい」

きょうめよ!興味を持てよ!

颯太「そう言うのいいから俺らの作品をちゃんと書け」

航平「そうそう」

なんだとぉ!?
ふんだ!だったら読者の人に投票で決めてもらうからいいもん!

颯太「投げた」

航平「投げたな」

颯太「自分で決められなくて最終決定を他人に投げた」

航平「ISの作品読んでる読者にシンフォギアの作品のこと訊こうとしてるな」

うるせぇぇ!!
――というわけで、新作で読んでみたい作品に投票してね!
活動報告で受け付けてますんで!

颯太「『そんなのいいから無い物と平凡なを更新しろ』に一番票が集まるに花京院の魂を賭ける」

航平「俺もそう思うから、これは賭けは不成立だな」


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