IS~平凡な俺の非日常~   作:大同爽

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お気に入り件数1500記念&ハロウィン番外編 「TRICK or TREAT」

「ああぁぁぁぁぁぁ!!!!?」

 

 ある日の朝、寮の一室で叫び声を上げる颯太。

 

「ど、どうしたっ!?Gかっ!?」

 

 颯太の叫びにベッドでに寝転がり漫画を読んでいた一夏が飛び起きる。

 

「………ない……」

 

「ない?何が?」

 

「俺のドクペがない!」

 

「ドクペ……って何?」

 

「俺のジュースだよ!」

 

「それって……赤い缶のやつか?」

 

「そう!好きで箱買いしてたけどたまたま注文し忘れてラス1だったのに!お前知らないか!?」

 

 颯太が冷蔵庫に顔を突っ込んで往生際悪く探し続ける中、颯太の後ろで一夏が青い顔をしながら視線を泳がせる。

 

「……悪い。それ飲んだの俺だ」

 

「…………ああん?」

 

 一夏の言葉に颯太が間を空け、怒気を孕んだ声で振り返る。

 

「……今なんつった?」

 

「えっと………俺がその……ドクペ?を飲んだんだ。昨日風呂上りにのど乾いてて、つい――」

 

「ああん!!?飲んだだと!?俺のドクペを!?一言言えや!」

 

 一夏の胸倉を掴んでガクガクと揺さぶる颯太。

 

「わ、悪い!忘れてた!」

 

「忘れてたじゃねえよ!うまかったか!?うまかったのか俺のラス1のドクペはよ!」

 

「い、いや……なんかクスリみたいな味でいまいちおいしくなかった――」

 

「んだと、こら!!」

 

 一夏の言葉に揺さぶる勢いを増す颯太。

 

「わ、悪かったって!まさかそんなに大事なものだったなんて知らなくて!」

 

「大事じゃねえよ!今は無くても明後日には届くし!」

 

「じゃあなんでキレてんだよ!?」

 

「前から言ってんだろ!冷蔵庫の俺のは飲み食いしてもいいけど事後報告でもいいからちゃんと報告してくれって!しかも勝手に飲んどいていまいちって何だ!?いまいちって!!」

 

「ホント悪かったって!代わりに俺のジュース好きなの飲んでいいから!」

 

「代わりのジュースだと!?………なら許す!」

 

 まるでスイッチを切り替えたようにパッと手を放す颯太。

 

「軽いな……」

 

「だって、そこまで怒ってないし。怒ってたのも何も言わずに飲んだからだし」

 

 そう言いながら再び冷蔵庫を開けながら颯太が言った。

 

「頼むからこれからはちゃんと言ってくれよ。あると思って開けたらないとかとんだドッキリだよ。………まさか今日がハロウィンだからってことでイタズラした……とかじゃないよな?」

 

「ないない!……てか、そうか、今日はハロウィンだったな」

 

 ジト目で睨む颯太の言葉に一夏が全力で首を振って否定する。

 

「たく………ん?これは……」

 

 ため息まじりに冷蔵庫の中を覗き込む颯太が一つのビンを取り出す。

 

「これは……栄養ドリンク?〝マギウスV〟?一夏、これお前のか?」

 

「ん?………たぶん」

 

「たぶんって……俺が知らなくてお前も知らないならこれ誰のだよ」

 

「いや、俺のだとは思うんだけど……買った記憶がないんだよな。見覚えはあるけど……」

 

「なんだそれ?」

 

 一夏の言葉に首を傾げながらビンに視線を向ける。

 

「なんだっけなぁ……誰かに貰った気がするんだけど……新商品の試供品とかかな?」

 

「にしてはメーカーの名前が……ん?これかな?〝ST製薬〟……聞き覚えない社名だな。とりあえずこれもらうぞ」

 

「ああ、いいけど……。ST……なんか引っかかるな……なんだっけなぁ……。ST……ST……ST?」

 

 颯太の言葉に頷きながら一夏が首を傾げる。そんな一夏を尻目に颯太はビンのキャップを開ける。

 

「………匂いは特におかしなところはないな」

 

 ビンの口に鼻を近づけ匂いを嗅いだ後、ビンの中身を一気にあおる。

 

「……ST……S…T……あっ!まずい!颯太、それ飲んじゃダメだ!」

 

「ん?何が?」

 

 突如焦ったように叫ぶ一夏にきょとんとした顔で颯太が首を傾げる。その右手には空になったビンが握られている。

 

「遅かったか!……何か異常はないか!?味が変だったとか、手足がしびれるとか、意識が朦朧とするとか!」

 

「特に異常なし。味も……どことなくドクペに似てたな」

 

「そうか……」

 

 焦っている一夏に対して颯太は冷静に返す。

 

「いったい何だっていうんだよ?」

 

「いや……思い出したんだ、それを誰に貰ったか。STってのがヒントになった」

 

「へ~、誰に貰ったんだ?」

 

 一夏の言葉に颯太が訊く。

 

「………束さん」

 

「ほうほう、束さんか………って束さん!?それってあの〝天災〟篠ノ之束!?」

 

 一夏の言葉に颯太が驚愕の表情とともに訊く。

 

「…………やばくね?」

 

「やばいね」

 

「下手すれば俺死ぬんじゃね?」

 

「……………」

 

「『そんなことないよ』とか言えよ!」

 

「いや、だって……束さんのだし……ねぇ?」

 

「納得の理由どうも!」

 

 颯太が頭を抱えながらベッドに座る。

 

「いったいいつこんなもの貰ったんだよ?」

 

「えっと、あれは確か1週間くらい前に――」

 

 

 

 ○

 

 

 コンコン

 

「はーい」

 

 自室のドアを叩く音に俺――織斑一夏はベッドから体を起こし、読んでいた漫画を傍らに置く。

 颯太は楯無さんに頼まれた用事があるらしく外出しているので俺が来客の対応をするしかない。

 

「はいはい、どちら様で……って、あれ?」

 

 ドアを開けた先には誰もおらず、俺は首を傾げた。

 

「誰かのイタズラかな?」

 

 疑問に思いながらドアを閉めて漫画の続きを読もうと振り返った俺は

 

「やあやあ、いっくん!久しぶり!」

 

「わあっ!!」

 

 ガンッ!

 

 背後に気配無くたっていた人物に驚かされ、後ろに飛びのく。そのままの勢いでドアに激突。後頭部を強打した。

 

「……っ!っ!」

 

「いっくん、頭大丈夫?」

 

 声にならない悲鳴を上げながら後頭部に手を当て蹲る俺に束さんが訊く。

 

「だ、大丈夫です。てか、その言い方だとなんか別の意味にも聞こえるんですけど……」

 

「あははは~、気のせい気のせい」

 

 笑いながら否定する束さんにため息まじりに立ち上がりながら俺は視線を向ける。

 

「で?いったいどうしたんですか……というか、どうやって入ったんですか?一応この学校の敷地内ってセキュリティレベルって相当高かったはずなんですけど?」

 

「そこはほら、私天才だし」

 

「その一言で片づけないでください。しかもちょっと納得できてしまったし」

 

 束さんの言葉に俺はため息をつく。

 

「で?ホントのところなんで来たんですか?」

 

「いっくんに会いたくて!」

 

 束さんの言葉に半信半疑な俺。それを察したのかはわからないが、束さんが口を開く。

 

「半分くらいはね。あとの半分は……これ!」

 

 そう言いながらポケットから栄養ドリンクサイズのビンを取り出す。

 

「……なんですかこれは?」

 

「私の作った栄養ドリンク!いっくんにあげちゃう!」

 

「はぁ……栄養ドリンクですか……」

 

 束さんの差し出すビンを受け取る。

 

「変な副作用とかないですよね?」

 

「ないない!………たぶん」

 

「たぶん!?」

 

「冗談冗談!副作用なんてないって!」

 

 ケラケラと無邪気に笑う束さん。

 

「それじゃ!用事も終わったしもう行くね!」

 

「え?もう?」

 

「うん!あんまり長居するとちーちゃんに見つかっちゃいそうだし!それじゃあね、いっくん!飲んだら感想聞かせてね!」

 

 そう言って束さんはドアから出て行った。数秒黙って見送った後、我に返り急いでドアを開けたが、ドアの向こうには束さんの姿はなかった。

 

 

 ○

 

 

 

「――っていう感じだったんだけど……って!おい、颯太大丈夫か!?」

 

 一夏が説明を終えて顔を上げると、青い顔で胸を抑える颯太がいた。

 

「大丈夫か!?もしかして今ドリンクの効果が!?今更かもしれんが吐き出せ、颯太!」

 

 颯太に駆け寄り背中を擦る一夏。

 

「う、うあ……」

 

 苦しげに胸を押さえベッドに倒れ込む颯太。

 

「颯太!」

 

 慌てた様子で颯太の周りでアタフタと動き回る一夏。

 

「くあっ!」

 

 最後に苦しげに声を漏らした後、颯太はピクリとも動かなくなる。

 

「………颯太?……颯太!?やべえ!こういう時は……そうだ!まずは千冬姉に知らせないと!」

 

 一夏が慌てて携帯電話を取り指す背後でゆっくりとうつむき加減で颯太が体を起こす。

 

「ん?颯太!?おい、大丈夫なのかよ!?」

 

「………き……」

 

「き?」

 

「キシャァァァァ!!!」

 

「なぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 バッと顔を上げた颯太は獣のような奇声を発しながら一夏に襲い掛かる。そのまま床に一夏を組み伏せ大きく口を広げる颯太。

 

 ガブリッ

 

 そのまま一夏の首筋に噛みつく颯太。

 

「がっ!」

 

 突然のことに驚愕とともに首筋に広がる痛み。それを感じながら一夏の意識は急速に暗転していった。

 

 

 ○

 

 

 

 コンコン。

 

「いーちか!いる~?」

 

 寮の一室のドアをノックしながら鈴は声をかける。数秒の間を空けてドアが開く。

 

「おう、鈴。どうかしたか?」

 

 顔を出したのは一夏だった。

 

「そろそろお昼の時間だけど一緒にどう?」

 

「そうだな……うん。ちょうどそろそろ昼にしようと思ってたし、いいぜ」

 

「そう!」

 

 一夏の返答に嬉しそうに笑みを浮かべた鈴はハッとし恐る恐る訊く。

 

「と、ところで颯太は……」

 

「ん?あいつはもう昼はすましたらしいけど……呼ぼうか?」

 

「ううん!いいのいいの!すましてるのにわざわざついてこさせるのも悪いし、ふたりで行きましょ!」

 

「そうか?じゃあちょっと待ってろ。颯太に一声かけてくるから」

 

「うん、わかった」

 

 鈴が頷いたのを確認し、一夏がいったん部屋に戻る。

 数秒後

 

「お待たせ。それじゃあ行くか」

 

「うん」

 

 再び出て来た一夏とともに鈴は食堂へ向かった。

 

 

 ○

 

 

 

「「いただきます」」

 

 一夏、鈴のふたりは食堂の隅の席に座り、向かい合って食事を始める。それぞれメニューは、一夏がサバ味噌に白ご飯、味噌汁、おしんこのついたサバ味噌定食。鈴はご飯に青椒肉絲、中華スープの中華定食である。

 

「うん、ここのごはんはいつ食ってもうまいな。知ってるか?このおしんこ、食堂のおばちゃんたちの自家製らしいぜ」

 

「へ~、よく知ってるわね」

 

「うまいから家でも食えるようにどこのか訊いたら自家製だって教えてくれたんだ。俺もぬか漬けとかやってみようかな」

 

「アンタ……もはや女子力云々じゃなくオカンじゃない」

 

「オカンって……」

 

 呆れ顔の鈴の言葉に一夏が苦笑いを浮かべる。

 

「でもまあ、ここの料理がおいしいのは認めるわ。この青椒肉絲は私のよりおいしいかも……」

 

「そうかもな」

 

「ちょっと!そこはそんなことないよ、くらい言いなさいよ!」

 

「いや、だってここのごはんがおいしいのはホントのことだし。てか、今自分で言ったことだろ」

 

「それでもよ!」

 

「………まあ、確かにここの料理はうまいけど、俺は鈴の作る料理も好きだぜ」

 

「なっ!?」

 

 一夏の言葉に鈴が頬を少し赤く染め、驚愕の表情で固まる。

 

「前に作ってくれた青椒肉絲もうまかったし、毎日でも食いたいくらいだぜ」

 

「ま、毎日って……あんた、それって……」

 

「酢豚みたいにさ」

 

 一夏の言葉にモジモジと訊いた鈴がぴたりと動きを止める。

 

「………それって、もしかして……」

 

「おう。前に言ってたじゃねえか。毎日酢豚くわせてくれるんだろ?いくらタダ飯でも毎日酢豚じゃ飽きるだろうからたまに他のメニューも――いったっ!?」

 

 言葉の途中で一夏が悲鳴を上げながら左足の向う脛を擦る。

 

「なんだよ!なんで蹴るんだよ!?」

 

「ふんっ!」

 

 一夏の言葉に怒った様子でそっぽを向きながらご飯をかきこむ鈴。

 

「なんだよ、なんで急に怒ってんだ?」

 

「怒ってないわよ!」

 

 言いながら大きな音を上げながら茶碗をトレーに置く。

 

「………鈴」

 

「何よ!?」

 

 睨む鈴に身を乗り出して手を伸ばす一夏。

 

「ちょ、何を――」

 

「いいから動くな」

 

 鈴の言葉を遮って一夏は鈴の頬に手を伸ばす。

 

「……よし、取れた。まったくそんな食べ方するからほっぺたにご飯粒ついてたぞ」

 

「そ、そんなの口で言いなさいよ!」

 

「ハハッ、子供みたいだな」

 

「うっさいわね……」

 

 笑う一夏にぶつぶつと文句を言いながら湯飲のお茶に口を付ける鈴。

 

「………(パクッ)」

 

「ブフッ!?」

 

 鈴が突如お茶を吹きだす。

 

「ちょ、ちょっと、一夏!アンタ何してんのよ!?」

 

「何って……ご飯粒食べただけだけど?」

 

 それがなにか?と言った顔で首を傾げる一夏に口をパクパクとさせながら数秒間ワタワタとした鈴は、勢いで浮かしていたお尻をイスに戻す。

 

「………何でもないわよ」

 

 そのまま昼食に戻る鈴。その顔は少し赤くなっていた。

そんな鈴の様子に首を傾げながら一夏も昼食に戻るのだった。

 

 

 ○

 

 

 昼食後、いまだ顔の赤い鈴は居心地悪そうに一人自室に戻って行き、一夏も自室に戻るべく廊下を一人で歩いていた。と、

 

「あら、一夏さん」

 

「おう、セシリア」

 

 廊下の角から現れたセシリア。

 

「ちょうどよかったですわ。今部屋を訪ねたのですが、留守だったようなので」

 

「あれ?颯太がいたはずなんだけど……」

 

「そうなんですの?おかしいですわね……」

 

「………あっ、わかった。そう言えば俺が部屋出るとき颯太イヤホンしてPCゲームしようとしてたから、そのせいで気付かなかったんだな。部屋出るときに俺がカギ閉めたし」

 

「きっとそのせいですわね」

 

 一夏の言葉にセシリアが納得したように笑う。

 

「で?何か俺たちに用事だったのか?」

 

「あっ、そうでしたわ。一夏さん、今日はハロウィンですわね」

 

「そうだな」

 

 セシリアの言葉に一夏が頷く。

 

「というわけで、わたくし、ハロウィン用のクッキーを用意しましたの。よければいかがですか?」

 

 そう言いながらポケットからラッピングされた袋を2つ取り出す。その中には数枚のクッキーが入っていた。

 

「お、おう。そうか……お菓子……それってセシリアの?」

 

「ええ。手作りですわ」

 

「へ、へ~」

 

 笑顔で頷くセシリアに一夏が額に汗を浮かべながら笑う。

 

「う、うん、そうだな。せっかく作ってくれたんだし、貰おうかな。……あっ、そうだ」

 

「どうかしましたの?」

 

 一夏が何かに気付いたように呟き、ニッコリと笑う。

 

「お菓子もらうならこれ言っとかないとな。セシリア、トリックオアトリート?」

 

 一夏の言葉に一瞬間を空け、セシリアもニッコリと微笑む。

 

「そこでトリックと答えたらどんなイタズラされてしまうんですの?」

 

「試してみるか?」

 

 楽しげに笑うセシリアに一夏が笑みを浮かべたまま詰め寄る。

 

「い、一夏さん……?」

 

 後退りしたセシリアの背中が壁にぶつかる。

 

「セシリア……」

 

 そのままセシリアの顔の横に手をついて壁にもたれかかる一夏。

 

「あの……一夏さん……?これはいったい……」

 

「しぃー、黙って……」

 

「でも――」

 

「口閉じないと……塞いじゃうぜ?」

 

 そう言いながら一夏はセシリアに顔を近づけていく。

 

「あっ……えっと……その……」

 

 頬を赤く染め、慌てたようにモゴモゴとしたセシリアは意を決したように目を瞑り顎を少し上げる。

 

「………んっ?」

 

 目を閉じたセシリアが唇に感じたのは予想とは違う感触だった。

 

「あの……これは……?」

 

「俺からのお菓子のプレゼント。セシリアのお菓子もありがたく受け取っておくよ」

 

 壁に置いていた手、そして、セシリアの口にポッキーをいれた手を放し、残りのポッキーの入った袋をセシリアに握らせ、ラッピングされたクッキーの袋を受け取った一夏はニッコリと笑って去って行った。

 あとに残されたセシリアは去って行く一夏の背中を呆然と見送ったのだった。

 

 

 ○

 

 

 

「くっ、くくっ……」

 

 廊下を歩きながら俺はつい漏れ出た笑いを噛み殺すが、一度出た笑いは止まらない。

 

「やべぇ、これ楽しい!なんでこうなったかわからないけど、とりあえず楽しい!」

 

 ルンルン気分でスキップする俺、井口颯太。しかし体は織斑一夏。

 

「びっくりだよな、目が覚めたら目の前に自分がいて、俺自身一夏になってるし。自分を起こそうにも全く起きない。夢かと思ってつねっても痛いだけ。たぶんあの栄養ドリンクの効果なんだろうなぁ~」

 

 理論はわからないけどあの天災の発明なら納得させられる。

 

「さて……そろそろ部屋にでも――」

 

「おう、一夏ではないか」

 

 姿勢を戻し、廊下を歩いていた俺は背後から誰かから声をかけられる。

 

「おう、篠――箒」

 

 そこにいたのは袴姿の篠ノ之だった。

 

「練習か?」

 

「ああ、まあな」

 

「休みにも練習とは精が出るな」

 

「何事も日頃の研鑽は重要だ。……そうだ、これから一夏もどうだ?」

 

 篠ノ之が思いついたように言うが、ここで一緒に行けばきっと太刀筋とかで怪しまれる。ここは――

 

「悪い。行きたいのはやまやまだが、颯太と部屋で授業の復習することになってるんだ」

 

「そ、そうか……う、うむ。授業の方も大事だからな……仕方がない……な」

 

「悪いな。今度付き合うから」

 

 目に見えて残念そうにする篠ノ之にフォローを入れる俺。

 

「………でもまあ、練習もほどほどにな」

 

「うん?なぜだ?」

 

 俺の言葉に篠ノ之が首を傾げる。

 

「だって、箒は女の子なんだから、練習で怪我でもして傷が残ったら大変だろ?せっかく綺麗な肌してるんだから――ぐえっ!?」

 

 俺の言葉は最後まで言うことができなかった。篠ノ之に胸倉掴まれたからだ。

 

「いいい一夏!おおおまっお前は何を言ってるんだ!?ききき綺麗だとか!」

 

「い、いや、だって事実だし……。箒って特になんか肌のお手入れとかしてるわけじゃないんだろ?」

 

「あ、ああ、まあ……そうだな」

 

「なのにそんだけ綺麗なら大事にしないと」

 

 俺の言葉に顔を赤くしてパクパクと金魚のように口を開いたり閉じたりする箒。やべぇ、面白れぇ。

 数秒後、パッと俺の胸倉を放した篠ノ之はテレを隠すように俺に背を向け、髪をいじる。

 

「そ、そうか……私は綺麗なのか……」

 

「お、おう……」

 

「お、お前は私が怪我をしたらその……いやか?」

 

「ん?……おう!もちろんだとも!」

 

「そうか………な、ならできるだけ気を付けるとするか!お前がそこまで言うことだしな!」

 

「お、おう」

 

 篠ノ之の言葉に頷く俺。

 

「そ、それじゃあ俺、そろそろ部屋に戻るよ。颯太も待ってるだろうし」

 

「う、うむ。そうか、勉強頑張れよ」

 

「ああ。箒も練習ほどほどに頑張れよ」

 

 頷いた篠ノ之はそのまま去って行った。その歩みはなんだか朗らかに見えた。

 

「………ふぅぅぅぅ!ドキドキしたぁぁぁ!でも、面白れぇぇ!」

 

 俺は大きなため息をつきながら笑う。このドキドキ感たまらない。

 ……さて、戻るか。と、歩き始めた俺に

 

「あれ?一夏?」

 

「な、何!?」

 

 またもや背後から声が。振り返ると、そこにはシャルロットとシャルロットの陰に隠れるように立つラウラ。

 

「おう、シャルロットにラウラ。どこかに出かけるのか?」

 

「ううん。逆だよ。今帰ってきたところ。二人で買い物に行ってたんだ」

 

「へー、そうか。………ところでそろそろ訊いてもいいか?なんでラウラは隠れてるんだ?」

 

「あぁーそれは……」

 

 シャルロットが苦笑いを浮かべながらラウラに視線を向ける。

 

「ほら、大丈夫だから見せてあげたら?」

 

「だ、大丈夫ではない!」

 

「せっかく似合ってるんだから」

 

「だ、だが……」

 

 ふたりのやりとりになんとなく察する。

 おそらく二人で買い物に行き、ラウラが新しい服を買ったのだろう。それを恐らく押しの強いシャルロットが着て帰ろうと提案したのだろう。そして、そんな時に遭遇してしまった意中の相手の一夏(中身は俺)。一夏に何と言われるかわからないから不安になって隠れているといったところだろう。

 

「………あっ、あんなところに可愛いウサギが」

 

「なに!?」

 

 シャルロットの指さす方向をバッと見るラウラ。その隙に横にずれるシャルロット。おかげで俺とラウラの間に隔てるものがなくなる。

 普段のラウラならこんな手に引っかからなかっただろうに、相当俺(一夏)に遭遇したことでテンパっているようだ。

 そしてすぐにその事実に気付き、急いで自身の身を隠すような動きをするがはっきり言ってもう遅い。俺はもうすでにしっかりと見ているし、隠しきれるわけがない。

 

「……なんだ、隠れるような恰好じゃないじゃないか。すっげえ似合ってぜ、ラウラ」

 

 俺はニッコリと笑いながら言う。

 

「ほら、だから言ったでしょ。もっと自信を持てばいいのに。」

 

 シャルロットも嬉しそうに頷く。

 

「いっつも自信満々な癖にこういう時は弱気になるな、ラウラって。そこがかわいいけどな」

 

「なっ!?かわいい!?」

 

 俺の言葉にラウラが顔を赤く染めながら訊く。

 

「ああ。いつものラウラもラウラだけど、そういうかわいい服も似合うんだからもっと着ればいいのにって思うぜ」

 

「そんな……しかし私がこういう服を着るのは……」

 

「そうそう、そういうの。なんていうのか、普段キリッとしてるのにこういう時にはヘタレるってのは結構なギャップ萌えだぜ」

 

 俺はグッと親指を突き出して笑う。

 

「ぎゃ、ギャップ……萌え?」

 

「ん……まあ要するにラウラはかわいいんだからもっとそういうところ出していけばいいってことだよ。俺だってラウラのかわいいところはもっと見たいしな」

 

「んなっ!?」

 

 俺の言葉にさらに顔を赤く染めたラウラは目に見えて動転した様子でアタフタし始め、

 

「しゃ、シャルロット!悪いが先に部屋に戻るぞ!」

 

「ちょ、ちょっとラウラ!?」

 

「じゃ、じゃあな!」

 

 と、シャルロットの制止も聞かずに猛スピードで去って行った。

 

「行っちゃった……」

 

 後に残ったシャルロットは呆然とし、俺は胸のうちでラウラはせみられると弱いな……なんて考察していた。

 

「………ねえ、一夏」

 

「ん?なんだ?」

 

 数秒の間を空け、シャルロットが口を開く。

 

「なんか今日の一夏変だよ」

 

「え!?そ、そうか?どの辺が?」

 

「ん~……よくわからないけど……」

 

 シャルロットは首を傾げながら、しかし怪しんだ目で俺をじっと見ていた。

 

「なんていうか……ラウラがかわいいのは事実だけど、いつもの一夏ならあそこまでかわいいかわいい言うかな……って……」

 

「うっ!」

 

 ちょっと遊びすぎたらしい。勘のいいシャルロットの前ではもう少し控えるべきだったか……。

 

「き、気のせいじゃないか?かわいいと思ったのは事実だし、俺は本当のことを言っただけだぜ?」

 

「気のせい……そうなのかな……」

 

 いまだ納得していないように首を傾げるシャルロットに焦りを感じ、どうにかこの場を脱する方法を考える俺。と……

 

「あ、シャルロットに一夏君じゃない」

 

「こんにちは……」

 

 背後からふたりの人物の声が聞こえた、振り返ると、簪と楯無師匠が立っていた。

 

「あ、簪さんに楯無…さんじゃないですか」

 

「こんにちは」

 

 俺とシャルロットは挨拶し返す。

 

「姉妹揃ってどうかしたんですか?」

 

 俺はこれ幸いにとシャルロットの疑問から逃れるべく話題を変える。

 

「うん、ちょっと颯太君のところに行こうと思っていたのよ」

 

「颯太に何か用で?」

 

「うん、実は簪ちゃんがね……」

 

「この間発売したばっかりのアニメのDVD……手に入ったから……一緒に見ようと思って……。颯太、見たいって言ってたから……」

 

 なぬ!俺が見たがっていたアニメ……ま、まさか!?

 

「へ、へ~……ちなみにそれってなんてアニメなんだ?」

 

「えっと……これ……」

 

 簪は傍らに持っていたビニール袋からDVDを取り出す。それは

 

「やっぱり『亡国のアキト』第四章だ!これ俺見たかったんだぁ!よし、さっそく部屋に戻って見ようぜ、簪!」

 

 俺は興奮のあまり小躍りしながら叫ぶ……が、叫んでから失敗に気付いた。

 

 案の定みな疑わしげ視線で俺を見ている。

 

「……なんで一夏がそんなに喜んでるの?」

 

「い、いや……それはほら……最近颯太のやつに進められて一気見したら面白かったから、俺も見たい見たいと思ってて……」

 

「今一夏君、簪ちゃんのことを簪って呼び捨てにしてたわね。いつもなら〝さん〟ってつけるのに」

 

「そ、それは……そう!興奮のあまりつい勢いで!」

 

「なんか……いつもと口調が違うような気が……」

 

 やばい。一度ついた疑念はなかなか晴れてくれそうにない。ここは――

 

「――戦略的撤退!」

 

 俺は何の前触れもなくダッシュを開始。

 

「あっ!こら、待ちなさい!」

 

背後から声とともに走って追いかけてくる足音が聞こえる。

 

「あぁ、くそ、まずった!」

 

 まさかあんなことで怪しまれるとは。多分あのまま言い訳をし続けてもいつかぼろが出たことだろう。ここは部屋に戻って何事もなかったように元の体に………ん?

 

「あれ?………どうやって元に戻ろう……」

 

 どうやって一夏の体に入ったかも曖昧だ。気付いたら一夏になってた。覚えてるのは一夏がどうやってあのジュースを手に入れたかの話まで。そこから先はなんだか意識が朦朧としてよく覚えていない。

 

「………これやばくね?」

 

 俺は自分の顔から血の気が引いて行くのが分かった。

 

「これ……下手すると一生このまま?てか俺の意識が一夏の体にあるなら……本物の一夏はどこ行った?」

 

 やばい。これは確実に色々とやばい。

 

「と、とにかく部屋に戻ってもう一度あのビンを詳しく見てみないと。もしかしたら何か書いてあるかも――」

 

 そう思いながら角を曲がった俺は

 

「わっ!?」

 

「っ!?」

 

 誰かと真正面からぶつかってしまい、廊下に尻餅をついた。

 

「いててて……。すいません、怪我はないです――って、お、織斑先生!?」

 

「ん?なんだお前か」

 

 ぶつかった先に立っていたのは織斑先生だった。結構いい勢いでぶつかったのに転んだのは俺だけって……いや何も言うまい。とりあえずここは――

 

「まったく、廊下を走るな」

 

「は、はい!すみません!てなわけで俺はちょっと急いでるんで、それでは!」

 

 俺はすぐさま立ち上がり、一礼。そのままダッシュで逃げるが

 

「だから走るなと言っている」

 

「ぐえっ!」

 

 服の襟を掴まれ、しかし足は走ったままなので自分の首を自分で締める形になりながら背中から転ぶ。

 

「何度も注意させるな、まったく」

 

「す、すみません……」

 

 打ち付けた背中の痛みに悶えながら謝る俺。

 

「先生!」

 

 と、アホやってる間に師匠たちが追い付いてしまった。

 

「どうした?更識姉妹にデュノアまで」

 

「先生!一夏を捕まえてください!」

 

「なんだか様子が変なんです!」

 

「はぁ?」

 

「急に……私たちの前から……逃げました……!」

 

「何?」

 

 三人の言葉に織斑先生が俺に視線を向ける。

 

「あいつらはああ言っているが……お前の言い分を聞こうか?」

 

「え~っと………」

 

 俺はなんとか言い訳を捻り出そうとモゴモゴと口籠る。

 

「まあいい。詳しくはお前たちの部屋ででも聞かせてもらおう」

 

「うえっ!?俺らの部屋ですか!?それ……は……ちょっと困るというか……なんというか……」

 

「なんだ?部屋に行かれては何かまずいことでもあるのか?」

 

 あります。今俺たちの部屋には俺の体が寝ている。が、俺の意識が一夏の体にあり、なおかつ俺が散々起こそうとしてもまったく反応を示さなかった。そんな俺の体を見られては言い訳のしようがない。

 

「えーっと……他の部屋でっていうのは……」

 

「却下だ。お前がそこまで嫌がるということは何かあるのだろう?変更は無しだ。それに――」

 

 そこで言葉を区切って織斑先生が鋭い視線を向ける。

 

「貴様は私の知る織斑一夏ではないようだ……貴様一体誰だ?」

 

「…………」

 

 やはり肉親は騙せなかったようだ。俺は観念して降参のポーズをした。

 

 

 ○

 

 

 

「本当にすみませんでした!」

 

 結果、部屋に強制的に連れていかれた俺は案の定見つかった俺自身の体などから、問い詰められ、洗いざらい吐かされた。

 現在俺は土下座。俺の目の前には怒りの形相で俺を見下ろす篠ノ之、セシリア、鈴、ラウラが立っていた。その横には織斑先生、師匠、簪、シャルロットが立っている。

 

「ほほう?つまり、私のことをかわいいとほめた嫁も――」

 

「私のことを綺麗だと言った一夏も――」

 

「わたくしに壁ドンをした一夏さんも――」

 

「私とお昼を一緒に食べたのも――」

 

「「「「全部お前(颯太さん)(アンタ)がやった悪ふざけだった……と?」」」」

 

「………まぁ……そう……なるのかな?」

 

 ドンッ!

 

「ひっ!」

 

 俺の言葉の直後、目の前でそろえたように四人が足を踏みしめる。その音に怯む。

 

「い、いや!だってさ!俺だってなんでこうなったかわからないし!だから……」

 

「颯太……」

 

「颯太……」

 

「颯太さん……」

 

「井口……」

 

「だから……やるよね!?面白くなるように!」

 

「貴様反省してないな?」

 

 ラウラの言葉に同意するようにみんなジト目で俺を睨む。

 

「まあ待て。お前たちも言いたいことは山ほどあるだろうが。まずはこいつを元に戻すことが先だ」

 

 そう言いながら織斑先生が俺の正面に立つ。

 

「おい、井口。はやく自分の体に戻れ」

 

「いや……戻りたのはやまやまなんですけど……戻り方知らないんです」

 

「何!?」

 

 俺の言葉に織斑先生が驚きの声をあげる。

 

「まさか……」

 

「これから一生……」

 

『ずっとこのままっ!?』

 

 みんなも驚きを隠せないようで叫ぶ。

 

「………仕方がない。ここは――」

 

 織斑先生がため息まじりにポケットから携帯を取り出す。

 

「あの……何を?」

 

 その様に俺は訊くと

 

「簡単なことだ。わからないなら作ったやつに訊けばいい」

 

「作ったやつって……あっ!篠ノ之博士!」

 

 俺の言葉に肯定するように頷き、携帯を操作する織斑先生。

 

「………むっ?あいつ……電話にでない。……仕方がない。ここはメールでに入れておこう」

 

 

 ~数分後~

 

 

「お、返信が着たぞ」

 

 全員がベッドやイスに座り、それぞれくつろいでいたとき(俺は言われるままにお茶を入れたりその他させられていた)、織斑先生が携帯を取り出しながら言う。

 

「そ、それで、元に戻る方法は!?」

 

「少し待て。前半は関係のない駄文だ。ふむ……ここからだな」

 

 そう言いながら全員が見えるように携帯の画面の向きを変える。

 

『追伸

 「マギウスV」の効果は飲んで人物が他者に噛みつくことで噛みついた人物に乗り移ることを可能とした薬品である。

 使用後、元の肉体に戻るには乗り移るときと同じく自身の体に噛みつくことで元の肉体に戻ることが可能である。

 噛みついた側噛みつかれた側双方に副作用のようなものはでないことは確認済みである。

 

注意:この「マギウスV」は試作品であり、効果は24時間しか効かない。そのため薬の効果が切れた後他の体に乗り移ることも元の体に戻ることも不可能である』

 

 それがメールの内容であった。てか、追伸って……一番の本題のはずなんですけど。

 

「噛みつくと入れ替わるクスリ……アンタどういう状況で一夏に噛みついたのよ?」

 

「俺が訊きたい。なんか途中で意識が朦朧としたからその時に噛みついたんだろうな、たぶん。……とにかく、やってみますか?」

 

「そうだな。作った本人がこれで戻ると言っているんだから信じるしかないだろうな」

 

 織斑先生の言葉に頷き、俺は自分のベッドに寝かせてある自分の体に向く。

 

「そいじゃま……」

 

 俺は自分の手を取り、ガブリと噛みつく。

 

「っ!」

 

 体に電流が流れたような感覚の後、一瞬意識が暗転し――

 

「っ!」

 

 気付いた時には視界が変わっていた。目の前には天井。体を起こすと脇には糸の切れた操り人形のように一夏が崩れ落ちていた。

 

「そう……た?」

 

 俺の顔を覗き込むようにシャルロットが俺の横に来る。

 

「…………」

 

 俺は無言で部屋の中をキョロキョロと見渡す。全部数秒前と同じ。

 今度は自分の顔をペタペタと触る。

 

「戻ってる……戻った~!!」

 

 俺は飛び上がってガッツポーズする。

 

「いや、アンタが戻ったのはわかったけど」

 

「一夏さんの方はどうなんですの!?」

 

 嬉しさのあまり小躍りまじりにベッドから降りた俺に篠ノ之、セシリア、鈴、ラウラが詰め寄る。

 

「……起こしてみるか。おい、一夏。いーちーかー!」

 

「………んあっ?」

 

 倒れ込んでいる一夏の肩を揺さぶると、数秒揺すった後一夏が瞼を開く。

 

「……あれ?俺寝てたのか?……てか、なんでみんないるんだ!?」

 

「……うん、問題なく一夏だ」

 

 一夏の様子を確認し、俺は頷く。

 

「これにて一件落着!さぁーてと、こっちの体ではご飯食べてないんだった。お腹すいたから食堂行ってきます!じゃっ!」

 

 俺は右手を挙げ、みんなに手を振ってから部屋からでいて行こうと歩を進める。

 

「ちょっと待った、颯太君」

 

 が、あともうちょっとで部屋のドアというところで俺の肩を師匠が掴む。

 

「まだ、終わってない……」

 

 簪が俺の左腕を掴み

 

「とりあえず、一夏への説明は織斑先生がするらしいから、僕らは別室に移動しようね」

 

 シャルロットが右腕を掴む。

 

「じゃあ、みんな行きましょ」

 

 師匠は振り返って言った言葉に他四人が頷く。その顔は背筋が凍えそうな笑みだった。

 

「い、いやほら!無事に元通りなんだしさ!今日はハロウィンなんで、小粋ないたずらだったってことで、ここは一つ――」

 

『いいわけない!』

 

 俺の言葉にみんなが言葉をそろえて言い、シャルロットと簪に引き摺られるように俺は連れていかれた。

 部屋から出る直前に見えたのは、一人状況のわかっていない一夏とじょごうじ得だとでも言わんばかりの表情でこちらを見ている織斑先生の顔だった。

 

 

 

 その後、俺がどんなことをされたかだが……それはまた別の話にしよう。

 




ハッピーハロウィン!

颯太「は?何言ってんだ?ハロウィンは昨日……っていうか一昨日だろ?遅くね?」

しょうがないじゃん!この土日忙しかったんだから!
ホントはハロウィンがらみの話だし土曜にアップしたかったさ!

颯太「ハロウィンがらみ……か?いうほどハロウィン関係なくないか?」

そういうこと言うなよ!
なんとなく自覚してるからさ!



てなわけで番外編です。
ヴァルヴレイヴの噛みつきも絡めた番外編にしてみました。
先も述べた通りホントはハロウィンの土曜にアップするつもりだったのに間に合わず結果今になってしまいました。
さて、この話で出て来た〝マギウスV〟ですが……多分これからほんぺんにでることはないんだろうな~(;^ω^)

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