IS~平凡な俺の非日常~   作:大同爽

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なんとか書きあげました!
でもだいぶ深夜テンションで書いたんでそのことを予めご了承ください。


第62話 再会と誓い

 

「はぁぁぁぁ~……」

 

 大きくため息をつきながら眼前の建物に視線を向ける。

 そこは俺が以前通っていた中学校であった。

 

「はぁぁぁぁ~……」

 

 俺はもう一度大きくため息をつき、眼前の中学校で待っているであろう人物たちの元へ向かうべく歩みを進めるのだった。

 

 

 ○

 

 

 

「しかし、久しぶりだよな」

 

 グラウンドにて三人の少年たちが立っていた。その中の一人、一番太った眼鏡の少年――大下信久が言う。

 

「だよな~。ちょくちょく連絡はとってたけど、こうやって顔を合わせるのは半年近くになるもんな」

 

 設置されたバスケットゴールの前でダムダムとバスケットボールをつき、ゴールに向けてボールを放る少年――山本卓也が頷きながら言う。

 卓也の放ったボールは綺麗な放物線を描いてポスッとゴールのネットを揺らす。

 

「なあどう思う?あいつ彼女作ったかな?」

 

 三人の中で一番小柄な少年――加山智一が他の二人に向けて訊く。

 

「颯太に……」

 

「彼女……」

 

「「「ないな」」」

 

 三人は口をそろえて言う。

 

「言いだした俺が言うのもあれだけど、ないな。颯太だし」

 

「だな。颯太だし」

 

「でもそんな颯太が意外と向こうで超美人で逆玉な彼女をつく……「「れないんだよ!」」」

 

 楽しそうに声を揃えて言う。

 

「颯太だもんな。あのいい意味で優しくて、かと言って女子からはいい人止まりな颯太だもんな」

 

「「な~」」

 

 言いながらアハハハ~っと笑い合う三人。

 

「もしあいつが彼女でも連れて来たら飛び蹴りかましてジャーマンスープレックスだね」

 

「じゃあ俺は筋肉バスターだな」

 

「じゃあ俺は阿修羅バスターだな」

 

「腕六本ねえじゃん!」

 

「あ、いっけね!」

 

「「「アハハハハハ~」」」

 

 などと笑い合っていると――

 

「お~い、お前ら~!」

 

 学校の校門の方から手を振りながら歩いて来る一人の少年が見える。

 

「お、颯太!――と…」

 

「あれは……」

 

「まさか……」

 

 笑顔で手を振りながら歩いて来る颯太、その後ろには見慣れぬ三人の少女(美少女)。

 

『…………(コクリ)』

 

無言のアイコンタクトの後頷き合った三人の少年たちはいっせいに向かってくる友人の元へと走り出した。

 

 

 ○

 

 

 

「「「颯太~!!」」」

 

 俺の姿を認めた三人がこちらに走ってくるのが見える。俺も走り出す。

 

「卓也~!」

 

「颯太~!」

 

「信久~!」

 

「颯太~!」

 

「智一~!」

 

「颯太~!」

 

 互いに満面の笑みで走り、その距離は徐々に縮まって行き――

 

「「「死ねや、颯太!」」」

 

 突如表情を変え、飛びかかって来る三人の友人たち。

 

「ゔぇえ!?」

 

 咄嗟のことに辛うじて三人の攻撃を避ける。

 

「な、何すんだよいきなり!?」

 

 飛びかかって来た三人に向き直った俺の前でゆっくりと立ち上がった三人もこちらに体ごと視線を向ける。

 

「よお、颯太」

 

「今日もさみいだろぉ?」

 

「なんでだかわかるか?」

 

「「「今からてめぇの春を殺すからだ」」」

 

「どうした、意味が分からん。お前らの頭が春か?」

 

「もう気付いてんだろ?逃げ場はねぇってな」

 

 俺のツッコミも虚しくよくわからん寸劇は続く。

 

「さて、後ろのかわいこちゃんたちは何もんだ?」

 

「答えろ、颯太」

 

「答えろって……IS学園の先輩と友達だよ。俺の護衛ってことでここまでついて来てくれたんだよ」

 

 そう、結局俺の試行錯誤は虚しく三人はついてきたのだ。本来なら一人でやって来るつもりだった俺はなんとなくいろんな意味で嫌な予感がしていたわけだが……案の定である。

 

「おい、卓也、智一。ああ言ってるが、どう思うよ」

 

「たぶんお前と同じこと思ってると思うぜ」

 

「ああ、俺もだ」

 

「そうか、それじゃあせーので言うか。せーの!」

 

「「「ギルティィィィ」」」

 

「えぇぇぇぇぇ」

 

 無駄な巻き舌とともにサムズアップした右手で首を斬り下につき下ろすジェスチャー。

 

「何!?何が不満か!?」

 

「不満だらけだわ!」

 

 俺の問いに卓也が叫ぶ。

 

「颯太、お前…あの日の誓いを忘れたか!?」

 

「………ん?誓い?」

 

 信久の言葉に首を傾げる俺。

 

「桜桃園の誓いだよ!」

 

「オウトウエンノチカイ?桃園の誓いじゃなくて?」

 

「んだよ!覚えてねえのかよ!ほら!あの時誓い合ったじゃないか!――

『我ら生まれた日は違えども童貞を捨てる時は同じ日同じ時を願わん』

――って……」

 

「え?颯太君たちってそんなことを誓い合ってたの?」

 

「「颯太……」」

 

「ひどい風評被害だ!俺は知らんぞ!」

 

 信久と師匠たちの間を視線を行ったり来たりさせながら俺は叫ぶ。

 

「てかなんだその恥ずかしい誓いは!何!?俺がいないところでそんなこと言い合ってんの、お前ら!?」

 

「安心しろ、颯太」

 

「俺たちも初めて聞いたから」

 

 俺の言葉に白けたようなジト目で信久を睨む。

 

「おいこら、信久!勝手によくわからん誓いを作るな!」

 

「そうだ!そうだ!」

 

「俺あれだから!ぜってぇ誰よりも早く……いや、もはや二番目か。颯太の次に大人の階段上ってやっからな!」

 

「そうだ!そう――って、おい、待てや!」

 

 卓也の言葉に頷きかけて叫ぶ。

 

「あ?んだよ、ヤ○チン!」

 

「誰がヤ〇チンだ!?」

 

「お前だよ非童貞颯太」

 

「非童貞ちゃうわ!」

 

「はいはい、嘘はいいから」

 

「嘘ちゃうわ!俺は童貞だ!」

 

「へ~、颯太君童貞なんだ~」

 

「ど、ど、ど、童貞ちゃうわ!」

 

「ほら童貞じゃないんじゃん!」

 

「そうじゃなくて!」

 

「え?颯太君って――」

 

「話がややこしくなるからちょっと黙っててもらえます!?」

 

 明らかに話をややこしい方に持って行こうとしている、と言うか絶対に楽しんでる師匠に言いながら三人に向き直る。

 

「で、結局俺にどうしろと?」

 

「「「んなもん決まってんだろ!」」」

 

 三人が声を揃えて叫びその場で大きく飛び上がる。

 

「っ!?」

 

 咄嗟に身構えた俺。しかし先ほどまでのように飛びかかってくることはなくその場に丸まるようにその場に蹲る三人。

 

「……おい?」

 

「「「お願いします!」」」

 

「うおっ!?」

 

声を揃えて叫ぶ三人にビクッと体を震わせる。

 よく見ると三人の姿勢は正座のように足をたたみ体を平らに頭を地面にこすりつけるようにしている。

 ――そう、俗に言う〝土下座〟である。

 

「「「俺たちに女の子を紹介してください!!」」」

 

 それはそれは華麗な土下座を決め、それはそれは悲しいお願いをする友人たちを、なんとも悲しい気持ちで見るしかない俺であった。

 




というわけで颯太が中学時代の友人たちと再会です。
書いててだいぶぶっ飛んだキャラになってしまった気がしますが後悔はないぜ!
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