IS~平凡な俺の非日常~   作:大同爽

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なんだか知らない間にお気に入り件数が60近くあがっててビックリしました(^^;
いろいろ確認したらランキング九位入ったんですね!
やりました!


第84話 颯太の日記

訓練生活0日目

 

 明日からアメリカでの訓練開始だ。

 

 ここで俺は必ずや何かを掴んで帰りたい。

 

 パワーアップした火焔のために、力を持つ責任を果たすために。

 

 それにはここは最適な場所だろう。

 

 なにせ大国アメリカのトップクラスのIS操縦者が集うだろう。

 

 ここで盗める操縦技術は盗み自分のものとする。

 

 目指せ平凡脱却!

 

 さて、明日からの訓練のために今日は速めに寝るとしよう。

 

 ………一応…一応念のために…何かあるってわけじゃないよ?何かあるわけじゃないけど…今日は寝袋で寝ることにしよう。

 

 べ、別に同室のニコさんがどうとかじゃないよ!?

 

 ただ一応…念のために?暑いの我慢して使うとしよう。

 

 きっと何も起こるわけもないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

訓練生活1日目

 

 快眠!素晴らしい朝だ!

 

 アメリカで迎える初めての朝!なんとも清々しい!

 

 ――ケツ顎のおじさんの腕の中でなければ、だが。

 

 

 

 蒸し暑い寝袋でかいた汗を寮の部屋に備え付けられたシャワーで流し、朝食を食べるために食堂へ行った。

 

 部屋や備え付けのシャワー、食堂の設備などからわかるがやはりIS学園の設備は特殊だったのだろう。

 

 学園の方が何段階も設備が上だった。

 

 やはりIS学園は世界最高峰だったのだろう。

 

 今更ながら自分がどれだけ恵まれていたのかを知った気がした。

 

 ただの凡人の俺には過ぎたものだったかもしれないが……(^^;

 

 朝食の場ではナターシャさんの紹介でアリシア・マーカスさん(以降アリスさん)と出会った。

 

 ずっと映画のファンだったから超嬉しかった。

 

 サイン貰おうかと思ったがタイミングを逃してしまった。

 

 まあまだ6日もある。

 

 まだいくらでもタイミングはあるだろう。

 

 

 

 今日の訓練メニューは午前中は初日ということもあり、まずはレベルを測るための基本的な体力テスト的なメニュー、マラソンや筋トレが主だった。

 

 マラソンでは中間地点にあるポールの旗をとったやつは半分免除というありがたーい制度があった。

 

 誰も取れない中俺がポール倒して旗をとったら他の人たちからなんとも言えない目で見られた。

 

 午後からの訓練は師匠に教えてもらったことのおさらいのような感じだった。

 

 何事も基礎が大事、とはよく言うが、まったくその通りだった。

 

 普段から真面目に師匠の特訓をこなしてきてよかった。

 

 帰ったらちゃんとお礼を言おう。

 

 

 

 特訓終わりに共同のシャワールームでシャワー浴びてたらニコさんにお尻を一撫でされた。

 

 震えが止まらなかった。

 

 どうやら今夜も寝袋で寝ることになりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

訓練生活2日目

 

 今日もいい天気、絶好の訓練日和だ。

 

 今日も朝からご飯が上手い!……パンだったけどね。

 

 今日の午前の訓練メニューは生身での格闘訓練だった。

 

 まぁ~歯が立たなかった。

 

 そりゃそうだ。

 

 ただの学生と現役軍人じゃ経験が違う。

 

 でも受け身はちょっとうまくなった。

 

 

 

 午後からはIS訓練。

 

 やはり世界ってのはすごい。

 

 いろんな機体、いろんな人がいた。

 

 模擬戦も何度かしたが火焔やそのほか装備の性能に助けられているおかげで何とか戦えた。

 

 世界の壁は厚い。

 

 たくさんの戦い方を間近で見られている。

 

 いくつか火焔の装備でも出来そうな技を使っている人がいた。

 

 ぜひとも覚えて帰らないと。

 

 

 

 特訓終わりに共同のシャワールームでシャワー浴びてたらニコさんにお尻を撫でまわされた、昨日よりしつこく。

 

 シャワーで温まったはずなのに震えが止まらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

訓練生活3日目

 

 いやぁ~パンが美味い!

 

 海外に行って一番苦労するのは食だと聞いたことがあるが、どうやらここでは心配なかったようだ。

 

 まあメニューを選べないのがちょっと不満だが。

 

 

 

 今日の格闘訓練ではニコさんに上手な受け身の取り方やダメージを受けない防御の仕方、アリスさんに映画の中でゾンビ犬を蹴り飛ばしていたハイキックを教わった。

 

 映画で見た格闘技を華麗に決められるとなんとも気持ちがいい。

 

 この調子で生身も鍛えるぞ!

 

 目指せブルースリー!ジャッキーチェン!

 

 

 

 ISの模擬戦はなんとも大変である。

 

 俺の機体の一番の売りは装備の奇抜さにある。

 

 つまり対応されないようにいろいろ試行錯誤を強いられる。

 

 とりあえず当分《火遊》と『八咫烏』は使わないでおこう。

 

 やばい時の奥の手だ。

 

 

 

 今日はシャワー中ニコさんの友人を何人か紹介された。

 

 みなガチムチの引き締まった鍛え上げられた肉体をしていた。

 

 ――なぜかあいさつ代わりにお尻やら腹筋を撫でまわされた。

 

 鳥肌がたった。

 

 そろそろ本気で貞操の危機を感じている。

 

 

 

 

 

 

 

 

訓練生活4日目

 

 3食パンの生活も4日目。

 

 別に悪くはないがそろそろ日本食が恋しくなってきた。

 

 あぁ~…卵かけごはんと味噌汁が食べたい。納豆でも可。

 

 というか白米が食べたい。

 

 今なら映画の時の花陽の気持ちがちょっとわかる。

 

 なんだかんだと俺も日本人だった。

 

 

 

 訓練2回目のマラソン。

 

 基本の筋トレのメニューは毎日やっているが初日のような長距離マラソンは2回目である。

 

 持久力のない俺には地獄である。

 

 今回は旗をとっても半分で免除してもらえなかった。

 

 

 

 午後からの訓練、模擬戦はそろそろ苦しくなってきた。

 

 こっちは熱暴走のハンデもあるうえにそろそろ装備に対応され始めていた。

 

 明日には《火遊》を使わないといけなくなりそうだ。

 

 

 

 シャワールームでセクハラしてくるのがニコさん以外に2,3人増えた。

 

 助けを求めようにも周りのガチムチ筋肉たちはみんなニコさん側に見える。

 

 とか思っていたら俺のお尻に何か堅い感触が。

 

 驚いて飛びのくとしてやったといった顔でシャワーヘッドを持ったニコさんがいた。

 

 もはや冗談も笑えなくなってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

訓練生活5日目。

 

 俺の朝はぶ厚い胸板に抱かれ無精ひげの生えたケツ顎に頬擦りされるジョリジョリとした感触で目が覚める。

 

 寝覚め最悪である。

 

 何よりきついのは寝てる間の意識のない間に何かされているのではないかという恐怖である。

 

 訓練はどうにかやっているがその後のシャワールームが地獄だ。

 

 もはや俺の尻はロックオンされている。

 

 押し当てられるものの中に不健全な穢れたバベルの塔が混じっていそうで確認することもできない。

 

 もはや一刻の猶予もない。

 

 俺は果たしてきれいな体で日本に戻ることができるのだろう……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6日目

 

 拝啓、師匠、簪、シャルロット。

 

 お元気ですか?

 

 俺は今――地獄にいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

筋肉生活7日目

 

 やっほー、筋肉、筋肉~!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!筋肉いぇいいえぇい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「以上が颯太君の日記の内容よ」

 

「「…………」」

 

 パタリとノートを閉じた楯無の言葉にシャルロットと簪は呆然と脇のベッドに横たわる颯太に視線を向ける。

 ここはIS学園の寮の一室。ベッドに横たわる颯太は寝ているわけではなくぼんやりと焦点の合わない視線を天井に向けていた。

 

「――なぁ……師匠、簪、シャルロット」

 

「っ!?颯太君!」

 

「どうしたの、颯太!?」

 

「なにか…言いたいことがあるの?」

 

 焦点の合わない視線のまま口を開いた颯太に三人は駆け寄る。

 

「みんな……俺やったぜ?俺綺麗な体のままあの地獄を生き延びたんだ。俺……俺………」

 

「もういいわ、颯太君!!颯太君は無事に訓練を終わらせた!それでいいじゃない!」

 

 表情のない顔で涙を流す颯太を抱きしめながら涙ながらに叫ぶ楯無。

 

「そうだよ!何もなかったんだよ!颯太がこれ以上苦しむ必要なんてないんだよ!」

 

「お帰り颯太!お疲れ様!もう大丈夫だよ!」

 

 シャルロットと簪も泣きながら抱き着く。

 

「俺……俺……」

 

「大丈夫!大丈夫よ!」

 

「ここは日本だよ!颯太は帰って来たんだよ!」

 

「もう安心していいんだよ!」

 

「うわぁぁぁぁぁ!怖かったよ~!!もうやだ~!!ガチムチ筋肉怖いよ~!!堅いよ~!!!」

 

「「「颯太(君)!!!」」」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁん!!……………あぁ……やらかい……」

 




というわけで訓練期間の内容はキングクリムゾンします。
7日間で颯太君が何を学んだかは話を進める過程で回想という形で挟んでいく予定です。

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