IS -エセヘタレと生徒会と兎耳と飯屋の娘と……って多いっ!!- 作:惰猫
……柔らかーい、柔らかーい何かが二つ。
目が覚めると目の前に楯無姉ちゃんの顔があって本気でびびった。
つかよ、なんで俺のベッドで寝てるんでせうかねぃ?
「……ま、いっか。取り敢えず俺にとっては荷物持ちという名のショッピングデートという大きなイベントに備えて着替えるか」
……そして俺はどうして口に出して言ったんだろうか。
ふむぅ、最近自分のキャラが掴みにくいな。
ま、なんせ大分久しぶりだもんな。
「……何故か何処かの世界のリア充の片割れにメメタァって言われた気がする」
「それは気のせいじゃないわよ♪」
「背中に抱きつかないでくんねぇかねぃ?」
……俺の理性が最近マッハで消えて行っている。
うむ、コレハやばいかもねぃ。
ゆっくり、ゆっくりと着実に俺の精神力と自制心が削られていってるなぁ……。
最近は簪ちゃんも本音ちゃんも楯無姉ちゃんみたいな行動するようになったしさ。
俺は近いうちにこの学園から消えるかもしんねぇな、ハハッ。
……笑い事じゃねぇな、うん。
「……取り敢えず飯作るから座っててくんね?」
「了解よ」
……取り敢えずオーソドックスにパンと珈琲とベーコンエッグでいっかニャー。
つか、この時間から作るとなると厳しいモンがあるな。
昔、「ご飯は未だなの?」とか母親に言ってた時の俺は苦労を全然知らないとは言え、恥ずかしいコトをしていたんだな……。
自炊するようになってから解った。
料理するのは結構しんどい、でも楽しいコトだってニャ。
「……フンフンフン」
「鼻歌なんかしちゃってご機嫌ね~」
「ン、まぁね」
髪の毛も何だかんだでコレで落ち着いてるし、一時の髪形は気の迷いだったってことにしておくか。
この髪形はどんな服にも合うし、結構いいんじゃないかねぃ?
……そう言えば知り合いで髪形を「自由で」って頼んだら『夏の終わり』っていうテーマの髪形になった人がいたな。
うむ、見たときは何処が『夏の終わり』なんだか解らなかったし、何処が『夏』で何処が『終わり』だったのか今でも割と疑問だニャ。
「そういえば楯無姉ちゃんってラウラのコトどう思う?」
「可愛い妹よ?」
「……んじゃ、更識楯無としてはどうだ?」
「……正直怪しいと感じるけど、私はあの子が大変な目にあったら助けに行くつもりだよ」
「ん、その回答が聞けて良かったよ」
ま、兎にも角にも楯無姉ちゃんはラウラを二人目の妹のように思ってるみたいで良かった。
お兄様と呼ばれた時点で俺は落ちてしまったからニャ。
「ラウラのお兄様はいかんと思うね!」
「同感!お姉様は駄目だと思うわ!」
「「可愛すぎる!!」」
……寧ろ俺達は駄目すぎるな。
-閑話休題
……うし、八時までにキッチリしっかりバッチリガッチリ用意出来た!
お金もあの時以来久々におろしてきたし、荷物を幾らでも持てるように一人『不思議の国のアリス』もとい束さんに貰った四次元○ケット的な何かを持ったし、コレでOKだニャ。
「私も一寸張り切って来たよ♪」
そう言って出てきた楯無姉ちゃんはパーカー&スカート(絶対領域)という最強装備だった。
正直、どこぞのFクラスの寡黙な性識者みたく鼻血出しながら『我が生涯に一片の悔いなし!』をしていいレヴェルだな。
因みにレベル、ではなくレヴェルである。
「……可愛いんじゃねぇかな」
「ふふっ。照れるな、照れるなっ」
「……なんでンなに可愛いんだよ、コンチクショー」
「取り敢えずバスに乗ろうか♪」
今日回るのはフツウに服屋だ。
……こういう場合ってブティックって言った方がいいのかニャ?
ま、何でもウィンドウショッピングをするらしい。
とは言え、ウィンドウショッピングに付き合うだけってのは味気ないから途中で一時離脱して何かしら買うつもりだけどな。
まさかギャルゲのイベントみたいに俺が離れている間に変なのに絡まれるなんてことはないよな、うん。
あ、別にフラグなんかじゃないから。全然そんなんじゃないから。
「それにしても混んでるな、バス」
「そうねぇ……。海斗が座らせてくれたお陰で私は楽なんだけどね」
「いや、寧ろ女性を立たせたままにしておくのは男としてどうかと思う」
「あはは、女尊男卑なこの時代ではそれが普通になっちゃってるけどね」
「一世代前なら良いところを魅せるチャンスだったりするのにな」
……ていうか、束さんは何を考えてISを作ったんだろう?
別に自分の才能を世に知らしめたいっていう野望を持つような人じゃないしニャ。
ふむ……。
もしかしてあの妹様の為とか……?
……あの身内を中心に考える束さんなら妹様が発した何気ない言葉でも実現させてしまいそうだねぃ。
「……なぁ、楯無姉ちゃん。楯無姉ちゃんにとってISって出来て良かったか?」
「そうねぇ。海斗が居なかったら簪ちゃんと喧嘩する種になってたと思うわ」
「あぁ。簪ちゃんってば昔はかなりの天才である楯無姉ちゃんのことを嫌いだったからなぁ」
「……言わないでよぅ」
「はは、スマン」
……周りからの嫉妬の目線が微妙にウザイが華麗にスルーを決め込むことにした。
「……そろそろ着くな」
「楽しみね♪」