【習作】一般人×転生×転生=魔王   作:清流

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長らく書いていなかったのもあり、正直非常に難産でした。
というか、この回を入れるべきか非常に悩みました。
SEKKYOUにならないように、なるべく一般人であった護堂をフォローするようにしたつもりですが、どこかおかしいところがあれば、容赦なくご指摘ください。
次話はようやくヴォバン侯爵の襲来です。


#09.苦悩する魔王

 六人目のカンピオーネ神無徹と会って以来、八人目のカンピオーネ草薙護堂は悩める日々を送っていた。人間性の根本が動物的で大雑把なせいで、ナーバスな精神状態が続かない護堂だが、流石に今回の件は堪えていた。

 

 「俺の……俺のせいなんだよな」

 

 学校からの帰宅路でふと目に入った新聞記事の一面を思い出し、護堂は一人呟いた。

 未だ一部の報道機関では、先の謎の停電や庭園の惨状などが報じられている。冬馬達、正史編纂委員会の面々が寝食も忘れて尽力しているので、だんだん下火にはなっているが、護堂に自身のしでかしたことの大きさを理解させるには充分であった。

 

 「被害総額は数百億円だっけか。俺にもエリカにも払えるはずがない。そりゃガキ扱いされても仕方ないよな」

 

 あんな事件をしでかしたというのに、未だに親身になてくれる媛巫女万里谷祐理が教えてくれたことだった。聞かないほうがいいと思いますと止めてくれたのだが、それでも知らなければならないと護堂は思ったので半ば強引に聞き出して、その途方もない金額に圧倒され蒼褪めた。

 

 あの六人目の言うとおりだったのだ。自分は何も理解していなかったのだということを護堂は認めざるをえなかった。死者こそ出ていないが、日本がアテナによって日本が受けた傷痕はけして浅くない。経済的損失は莫大だし、一部首都機能が麻痺してしまったところもある。首都高や病院などでは、事故もあっただろうし病状を悪化させた者もいたに違いない。むしろ、死者が出なかったことがおかしいくらいである。

 

 「その全部がアテナをこの国に連れて来た俺とエリカのせいか……。クソ!俺がまつろわぬ神を甘く見ていたせいで!いや、違う!連中には常識なんて通用しないなんてことは、とうに知っていたのに」

 

 悔やんでも悔やみきれない。それに悔やんだところで、時間は戻らない。あの被害はなかったことになどできないし、自分がアテナをこの国に呼びこんだ事実は消えないのだ。エリカに薙刀を突きつけた巫女姿の女性の視線を思い出すと、今でも身震いがする。あれは明らかな軽蔑だった。あんな風に見られるようなことを自分はしたのだと思うと、背筋が凍る。

 

 「そりゃそうだよな。他人から見れば、俺はエリカの色香に負けてこの国にアテナを呼び込んだようにしか見えないよな。いや、エリカは愛人ってことになってるから、愛人のおねだりを聞いて、祖国を危険に曝した愚かな男ってところかな」

 

 護堂自身、ゴルゴネイオンを持ち込む危険を認識していなかったわけではない。ただ、その程度が恐ろしく甘いもので、エリカの茶番劇によって覆されるようなものでしかなかったわけだが。すでにアテナとは会っていたというのに、なんという愚かしさだろうか。

 客観的に見れば、護堂はエリカ達と日本を天秤にかけて、エリカ達をとったようなものなのだ。日本に住まう人間からすれば、噴飯ものだろう。あの軽蔑の眼差しは当然のものなのだ。

 

 「だからって殺せって、ただの喧嘩で……」

 

 いや、そう思っているのは自分だけなのだろう、そう思い直して言葉を切る。それくらいは護堂にも、流石に理解できていた。

 あの時、日本人である祐理はもちろん、エリカでさえも、理由は違えど殺すように言ってきたのだから。それを護堂は自身の意思を優先して退けた。これ以上、変な過剰な力はいらなかったし、喧嘩で殺すのはやりすぎだと思ったからだが、それは一人よがりのものでしかなかったのを認めざるをえなかった。

 客観的に見れば、あの時の護堂はれっきとした加害者であり、選択する権利などもとよりなかったのだから。何より酷いのは、被害者の感情などはなから眼中になかったことだ。眼中にないというか、言われるまで考えたことすらなかったのだ。

 

 「これまではそれでも良かったのかもしれないけど、今回は……」

 

 これまではまつろわぬ神やドニやエリカが勝手に騒動に巻き込んできたのであり、少なくとも護堂自身は被害者であるつもりだった。故にそのことで出た被害にやらかしたと後悔はしても。それ以上の感情を抱くことはなかったし、知ろうとも思わなかった。それで問題がなかった。

 だが、今回のことは違う。自分の方が明らかな加害者であり、日本は本来被害を受けなかったはずなのに、護堂によって巻き込まれた被害者なのだ。たとえ、そこにエリカの企みがあったとしても、護堂はエリカの頼みを自分の意思できくことに決めたのは、何の変わりもないのだから。

 

 「結局、俺もドニの奴と何も変わらないってことなのかよ……」

 

 護堂の独白に応える声はない。相棒であるエリカは叔父であるパオロに命じられて、謹慎中であるからだ。今回の件の罰として、しばらくの間の帰国禁止とあらゆる特権の剥奪を厳命されたらしい。世話係であるメイドのアリアンナすら取り上げられたらしい。他者に傅かれ、世話されるのに慣れきったエリカには重い罰であることは言うまでもない。それも正史編纂委員会の厳重な監視つきで、文句をつけること許されない状態である。今の彼女は籠の鳥同然だった。

 ちなみに護堂との接触も今は禁止されているらしく、電話で話すくらいしかできない。

 

 「ガキ、ガキか。ああ、反論できないよな。自分のしでかしたことの責任もとれないまま、他人にけつをふいてもらうんだからっ!」

 

 護堂はどん底の気分だった。情けなさと悔しさでいっぱいだった。言われた当初はなにくそと反発心が生まれたものだが、思い返してみればどれも正論で反論の余地もないものであることを護堂は認めざるをえなかった。その上、六人目のカンピオーネ神無徹が権能を用いることで、復興費用を工面したことを聞かされたのだから、最早ぐうの音も出ない。これ以上ない子ども扱いだ。大人の貫禄を見せつけられたようで、言葉もない。護堂の完敗であった。

 

 祖父に似ていることや、草薙の家系の特殊性から大人に混じって、あるいは大人扱いされることには慣れていた護堂だったが、あそこまで正面から子供扱いされたのは初めての経験であった。あくまで大人扱いであって、自分はまだ子供であることを護堂は嫌というほど自覚させられた。

 

 「くそっ!」

 

 護堂はやるせなさを吐き出すように悪態をつくが、なにも変わりはしない。非情で無慈悲な現実という名の刃は、これでもかというほどに護堂を抉り苛む。

 

 (寄り道して正解だった。これ以上、静花やじいちゃんに心配かけられないからな。きっと今の俺はとんでもなく情けない顔をしているだろうからな。)

 

 今の自分の情けなさに歯噛みしながら、その姿を身内に見られなくてよかったとも思う。

 しかし、次の瞬間叔父分が妹や祖父までも危険に曝したことに気づき、愕然とする。自分はどこまでも愚かしいのだろうかと。

 

 「俺はいったいどうすればいいんだ……!」

 

 どう償えばいいのか、いや、そもそも償えることなのかさえも、答はでない。

 護堂の思考の負の連鎖は止まりそうになかった。もし、ここで思わぬ乱入者が来なかったら、日が暮れるまでやっていてもおかしくなかっただろう。

 

 「ここにいたか。捜したよ草薙君」

 

 「!?」

 

 護堂は突如響いたその声に、瞬時に現実に引き戻された。その声はあまりにも印象に強く残り、記憶に刻まれたものであったからだ。

 

 「やあ、後輩。一緒にお茶でもどうだい?」

 

 六人目のカンピオーネ神無徹は、驚愕で呆然とする護堂をそんな風に軽い調子で誘ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 「なんであん――――あなたがここいるんですか?」

 

 喫茶店に連れて来られ、徹が勝手に注文したものが来て店員が離れるなり、護堂は口を開いた。護堂が祐理より聞くところによれば、六人目神無徹の住む場所は京都であるはずだからだ。

 

 「うん?それがそんなに疑問かな?私や君みたいなのを単独で放置しておくよりは、まとめて一所に集めておいたほうがいいとは思わないか?そんなわけで、わざわざ委員会がこっちに屋敷を用意してくれてね。まあ、リスクを考えれば当然だと思ったから、今はこっちに住んでいる。

 それにしても、今回は敬語を使うんだな」

 

 コーヒーを一口飲んでソーサーに戻すと、徹はそんなことを言った。どういう風の吹き回しだいと言わんばかりの表情であった。

 

 「あの時は頭に血が上ってましたし、俺やエリカの方に非があるのは確かですから。それに俺の不始末を処理してくれたんですよね?そんな目上の相手にタメ口なんて失礼なことはできませんよ」

 

 護堂は人知れず拳を握る。それは事実上の敗北宣言だったからだ。悔しいし情けないが、徹を尊敬すべき大人として認めざるをえない。それ故の敬語である。

 

 「うん?―――――まさか、私が何をしたのか知っているのか!?」

 

 徹は護堂の言葉に驚き、目を見開いた。

 

 「はい、万里谷から聞きました」

 

 「ああ、なるほど。あの時の媛巫女か。確かに君とは相性が良さそうだったものな。別に口止めしたわけでもなし、君の耳に入ってもおかしくないか……。参ったな」

 

 失敗したと頭を掻く徹。それが本来伝えるはずでなかったのだろうことを護堂に理解させた。実際、被害額の話を強引に聞きだした時に、心配は要らないと言われて不審に思い、追求してやっと聞き出せた情報だったのだから無理もないだろう。

 

 「どうして、そこまでしてくれたんですか?俺がやったことで、あなたには関係のないことでしょう?」

 

 「あの時、言ったろう?君は子供だと」

 

 「ええ、ですけどそれが何か?」

 

 「君は子供だ。だから、責任が取れない。ならば、先達であり年長者である大人の私ががかわりに責任をとってやるべきだろう?それだけの話だ」

 

 「……」

 

 護堂は徹の答に愕然とした。言うなれば徹は、自身の言ったことの筋を通したに過ぎないのだと。平和主義を謳いながら、平然と破壊行為を繰り返す自分との差に護堂はこれでもかと打ちのめされる。ああ、なんと自分の言葉はうすっぺらいのだろうかと。

 

 「知ってしまった以上、気にするなとは言わない。むしろ、大いに気にしろ。そして、自分がやったことの意味を噛み締めるといい」

 

 徹は下手な慰めは言わなかった。淡々と事実を突きつけ、護堂に自覚を求めてくる。そこに躊躇いも容赦もない。

 

 「はい」

 

 護堂は力なく頷くことしかできなかった。自分自身の罪を今の彼は、はっきりと自覚していたのだ。

 

 「だがね、いつまでも引きずるな」

 

 「えっ?!」

 

 思いがけない徹の言葉に、護堂は目を瞬かせた。

 

 「反省するのは結構なことだ。特に今回の責は間違いなく君とエリカ嬢にある。それは不動の事実だ。

 だが、一方で私にも全くの責がないとはいえないし、仕方のない面があるのも事実だ」

 

 

 「どういうことですか?」

 

 「エリカ嬢から聞いているかもしれないが、私は君と異なり正体を今まで隠してきた。つまり、この日本にカンピオーネはいないという誤解を作り出したのは、他ならぬ私自身だ。そういう意味では私にも責はある。

 もし、エリカ嬢が私の存在を知っていたら、こんなことは仕出かさなかっただろうからね」

 

 「それはそうでしょうけど……」

 

 護堂はエリカの焦り様を思い出す。

 徹の言は正しい。そもそも今回のエリカの目論見は護堂に新しい権能を獲得させると共に、日本での護堂の権威を確立させることにあった。この本来一石二鳥であったはずの方策が失敗したのは、偏に前提条件である護堂が日本唯一のカンピオーネであるという事実が間違っていたが故だ。つまるところ、もう一人のカンピオーネである徹の存在が全てを覆してしまったのである。

 確かにそういう意味では、カンピオーネであることを隠し正体を秘してきた徹にも、責任がないわけではない。徹の存在を知っていれば、エリカはアテナを護堂に倒させること自体はしたかもしれないが、少なくとも日本にアテナを誘き出すことなど絶対にしなかっただろうことは護堂にも確信できたからだ。

 

 「私という存在がいなければ、エリカ嬢の目論見は十中八九うまくいっただろう。日本唯一のカンピオーネといいう権威には、どうあっても抗えるものではないからな」

 

 徹さえいなければ、護堂はアテナを故国へ招き入れたことを咎まれもせず、己とアテナによって生み出された被害の大きさで責められる事も、ここまで心情的に苛まれる事もなかったのではないか……そこまで考えたところで、護堂は己の考えにぞっとした。

 

 「……!」

 

 そんな風に徹に責任を押し付けるように少しでも考えてしまった自分自身の愚かしさにもだが、それ以上に徹がいなければ、自分は自身がしでかしたことの大きさを罪を欠片も理解せず、変わらない日々を過ごしていた可能性に思い至ったからだ。今の護堂には、それがたまらなく恐ろしいことだと感じられたのだ。

 

 (俺はこの人がいなかったら、どうしていただろう。自分のやらかしたこともその咎にも何にも気づかず、のうのうと日々を過ごしていたんじゃないか?じいちゃんや静花まで危険にさらしておきながら、それに気づくこともなく……。そうして、俺は自覚のないまま、同じ事を繰り返すんじゃないのか?)

 

 それはあまりにも恐ろしい想像だった。何よりも恐ろしいのは、その想像が大いにありえたであろうことを、護堂自身が否定できないことであった。

 

 「大丈夫か、草薙君?顔が真っ青だぞ」

 

 黙り込み、見る見るうちに青褪めていく護堂を徹が心配して、声をかける。

 だが、今の護堂にその心配を素直に受け入れるだけの余裕はなかった。いや、そもそも心配される資格などないとすら護堂は考えていた。 

 

 「す、すいませんでした!俺、俺……!」

 

 気づけば護堂は震える声で頭を下げていた。謝るべき相手は徹ではないというのに、それでもそうせざるにはいられなかったのだ。

 徹はそれを呆気にとられたかのように見つめた後、黙って頷くと外に出るよう護堂を促したのだった。

 

 

 

 

 

 喫茶店から出た後、徹に連れられて来たのは護堂が一人苦悩していた公園だった。わざわざ戻ってきたことに訝しげな視線を向ける護堂に少し待てと言う様に手振りで静止する。

 

 「―――――禁!」

 

 何事か呟くと同時に護符が中空に舞う。それらは、あっという間に四方に散り、それは特殊な領域を形成する。魔術・呪術をある程度齧ったものなら、それが護符を使用した結界術であることを看破すると同時に最大限の警戒をしたであろうが、魔術も呪術もド素人である護堂にはそれが結界といわれるものであることは理解できても、それが意味するところまでは理解できない。相手の術中にいるというのにあまりにも無防備であった。

 

 「これは結界ってやつですか?」

 

 「まああ、簡易的なものだが遮音と人払いの効果をもたせたものだ。まあ、聞かれて困るものでもなし、私や君を害せる存在が早々いるわけないとは思うが、念の為というやつさ。

 しかし、君のその反応……。君は本当に元一般人のド素人なんだな」

 

 どこか呆れた様に言う徹に、ムッとなる護堂。なんとなく馬鹿にされているようで面白くなかったからだ。

 

 「一般人のド素人じゃいけませんか?」

 

 「いや、そんなことは言わない。むしろ逆。それが今回の仕方のない部分だ」

 

 「どういうことですか?」

 

 「君はまつろわぬ神どころか、魔術や呪術とは全く縁のないド素人だった。そんな君がどういう経緯で神を殺したかは知らないが、この業界の事情や常識について疎いのは仕方のないことだろう?

 だから、私も冬馬達正史編纂委員会も君がエリカ嬢を侍らせていることや、赤銅黒十字をはじめとしたイタリアの魔術結社の要請をこちらに相談なく受け入れたことについては責めなかったのさ。

 なにせ、知らぬものに相談などできないだろうし、配慮しろというのは無理な話だろうからな」

 

 「それは……」

 

 護堂のアテナの件での対応は、日本の呪術関係者からすれば最悪の極みである。まつろわぬ神という災厄を相談はおろか事前通告すらなく勝手な判断で招き寄せ、多大な被害をもたらしたからだ。しかも、それでいて日本側には何の利益もないというのだから、目も当てられない。

 もし、カンピオーネである護堂が共犯者でなければ、護堂の愛人という立場がなければ、エリカは日本呪術界から殺されはしないでも、袋叩きにあってもなんらおかしくないレベルである。

 

 そして、それは護堂も同じことなのだ。

 

 そんな最悪の対応をしておいて、未だエリカが針の筵ですんでいるのは、偏に護堂のカンピオーネとしての雷名とアテナ撃退の実績。当の護堂が日本呪術界について無知であるという前提があり、そして、何よりも取り返しのつかない損失(人命が失われること)がなかったればこそなのだ。

 

 「まあ、個人的にはもっと想像力を働かしてくれとか、エリカ嬢から正史編纂委員会のことぐらいは聞いていなかったのかと言いたいところだ。が、本来無関係の一般人であった君に前者は難しいだろうし、エリカ嬢からすれば独占したいという思惑から教えていなくても無理はないからな」

 

 「……」

 

 徹にそう付け加えるように言われて、護堂は今更ながらに自身の怠慢に気づかされた。

 確かにエリカ達の存在を知ったのだから、日本にも同様の組織があってもおかしくないというのは想像に難くないし、大体護堂はエリカから正史編纂委員会の存在と名前を聞かされていたのだから。それにも関わらず、積極的に関わろうとも知ろうともしなかったのは、紛れもく護堂の怠慢だった。

 無論、護堂がそうしたのには理由がある。これ以上、神をはじめとした非常識な世界とは積極的に関わりたくないと思っていたからだし、自分から接触する方法も知らなかったというのもあるが、何より彼は日常から外れることを恐れたが故だ。

 護堂はエリカに端を発する魔術・神関係の事柄を殊更に嫌っているわけではない。むしろ、エリカ個人で言えば好意をもっているくらいである。だが、それでも彼は今までの日常を愛していたし、今は同性の友人達と馬鹿をやっていたかったのだ。

 

 ―――――その怠慢が、結果的にアテナの件をひき起こすことなど考えもせず。

 

 「自分が普通の人間から外れることがそんなに嫌か?」

 

 「当たり前だろ!俺はこん訳の分からない力欲しくなかった!」

 

 まるで内心を読んだような徹の問に、護堂は叫ぶように返した。

 そも、護堂がカンピオーネになったのだって本意ではなかったのである。彼はエリカを助け、一時とはいえ友人であった神に借を返そうとした結果なのだから。護堂がアテナを殺さず見逃したのだって、これ以上『権能』などという人の身には過ぎた力が欲しくなかったからなのが、大きな理由である程だ。

 それは間違いなく護堂の本心であった。

 

 だが、徹はそれに何の価値も見出すことはなかった。

 

 「ならば、何故なった?なぜ、人の身でまつろわぬ神を殺めた?魔術師ですらないただの一般人であったはずの君が……」

 

 「俺はただ……あいつに借りを返そうと」

 

 「ふむ、その借りの相手がまつろわぬ神であったのか、エリカ嬢だったのか……まあ、それはどちらでも構うまい。だが、どちらにせよ君自身の意思で神を殺めたことは相違ないだろう?あれらは強制されて殺せるようなものではなからな」

 

 「それはそうだけど……俺はこんな風になるなんて「知ろうが知るまいが関係ない」……えっ?」

 

 確かにウルスラグナを殺めたのは護堂自身の意思である。だが、まさか魔王様になるなんて知らなかったのだと反論しようとして、徹に遮られた。

 

 「まつろわぬ神を殺した結果、自身がどうなるかを知ろうが知るまいが関係ない。重要なのは、君が自身の意思でそれをなしたということだけだ」

 

 護堂の言い分など一顧だにしない断固たる口調であった。

 

 「えっ、なっ」

 

 少しくらいは分かってもらえると思っていただけに、護堂は動揺してうまく言葉を紡げない。

 

 「何を驚くことがある?君がカンピオーネとなったのは、君自身の行動の結果だ。ならば、その責任をとるのは当然のことだろう?」

 

 「……」

 

 なんでもないことのないように言う徹に、護堂はぐうの音もでもない。そう言われてしまえば、護堂には反論のしようがないからだ。エリカの助けに、ウルスラグナに借りを返す、いずれにせよ、『プロメテウス秘笈』を用いて相討ち、結果的にとはいえまつろわぬウルスラグナを殺したのは、強制されたわけでもなんでもない護堂自身の意思で行動した結果だ。特に『プロメテウス秘笈』に溜め込んだ神の力を使えば死ぬと、事前にルクレチアとほかならぬウルスラグナから忠告されていたにもかかわらずだ。

 故に、さしもの護堂もこれについては全く反論できない。

 

 「まあ、自分の行動に自分で責任がとれないから子供なわけだが……」

 

 「―――ッ!」

 

 徹の容赦のない痛烈な追い打ちに、あまりの悔しさと情けなさに我知らず唇を噛む護堂。

 だが、何も言い返すことができない。護堂は自身が魔王であることから目を背け、手に入れた力を忌避してきたのだから。そして、アテナの件で出した被害の責任は何も取れていない。それどころか、徹に尻拭いされてしまった現状において、何を言えようか。

 

 「反省も後悔もあるか―――――。

 ここで激昂するような男なら、後腐れなく殺すつもりだったけど、そうでなくて良かった」

 

 「なっ!?」

 

 その言葉に護堂は自身が試されていたのと気づき、同時に徹の掌中にいつの間にか生じていた紅蓮の光球を見て愕然とする。

 

 「気づけなくて驚いたか?まあ、伊達に君より長く魔王をやっているわけじゃない」

 

 悪戯っぽくそう言って、徹はあっさりとそれを消し去った。

 

 「あんた――――、最初から俺を?」

 

 「殺すつもりだったかって?まあ、半分くらいはそうだ。前のめりに倒れる考えなしの愚か者がカンピオーネの特徴だけど、だからといって道理を弁えず自身の非も認められないような奴はいらない。そんな輩が埒外の力を持ってたら、生きているだけで害悪だろう?―――――それに、これは私なりの情けでもある」

 

 「殺すことが情けだって!?」

 

 「そうだ。君があくまでも一般人としての日常に拘り、今のようにカンピオーネであることを受け容れられないというのなら、いっそこの場で死んだ方がましというものだろう?君が生きている限り、世界は君を単なる日本人高校生などとは見てくれない。人の形をした災厄、神殺しの魔王として扱われることになるのだから」

 

 徹の口調は穏やかそのもので、声音にもまるで変化がない。つい一瞬前まで護堂を殺そうとしていたとは、到底思えない程である。それでいて語る内容は物騒極まりないことに、護堂は背筋が薄ら寒くなった。

 

 「私はね、妻子をまつろわぬ神に奪われている。それは心無い人間の悪意の結果でもあるが、それでも私は奴らを許せない。妻を殺し、娘の人としての生を奪ったのは紛れもなくまつろわぬ神なのだから」

 

 「!!」

 

 それは誰かに聞かせるようなものではない独白のようなものだったが、護堂を心胆寒からしめるものであった。

 

 「故に、俺はまつろわぬ神を神などとは認めない。神々は神話と自然の中にあればいい。俺にとって連中は神を名乗る紛い物だ。俺は生きている限り連中を殺す」

 

 それは絶対零度の宣言であった。いかなる言葉も通用しない不動の意志が篭っていた。 

 

 「―――――だから、俺にもそうしろと?」

 

 その圧倒的な意志の奔流に押されながら、護堂も譲れぬ一線を主張する。徹の理由は重いが、それでもそれを自分まで強制されるのは御免であったからだ。

 

 「いや、これは私の話であって、君に強制するわけではない。――――ただ、一つだけ忘れないで欲しい」

 

 有無を言わせぬ圧力が来るかと思いきや、徹の答は護堂が拍子抜けするほど一転して緩いものであった。内心で胸をなでおろす護堂に、徹は釘をさすように言葉を付け加えた。

 

 「私は故国であるこの国を愛しているし、それを護りたいという意思もあるということさ。君だって、生まれ故郷に何の思い入れもないとは言うまい?」

 

 「それは、俺だって……」

 

 続けられた徹の言葉に、答えようとして護堂は口を濁した。アテナの件で盛大にやらかしている以上、そこから先を口に出す資格がないのではないかと思ってしまったからだ。護堂とて、故郷を思う気持ちはあるし、危険に曝すのを躊躇わなかったわけではないのだ。祖父と妹をはじめとした家族の住まう土地だし、ゴルゴネイオンを持ち込んだのだって、けして本意ではなかったのだから。

 まあそれでも、まつろわぬ神という脅威を些か以上に甘く見積もっていったことは否めないが。 

 

 「うん、分かってもらえて何よりだ。だから、覚えておいて欲しい―――――次は無い」

 

 「!?」

 

 今度こそ、護堂は後方へと飛び退った。言葉の内容やその圧力に押されたのではない。徹から実際に放たれている底知れぬ殺意を感じ取ったからだ。

 

 「次は、子供だからなどと見逃すことはない。今回のことで、君もエリカ嬢も痛い目を見て、嫌と言うほど理解したはずだからね。それでも尚、同じ間違いを犯すというなら、それは最早確信犯だろう?その時は容赦しない。言い訳は聞かないし、警告もしない。物理的、社会的に抹殺する。

 ああ、心配は要らない。勿論、その時はあの小賢しい娘諸共だ。骨身残さず、存在そのものを消し去ることを約束する」

 

 確実に己を殺すというその苛烈な言葉と絶対零度の視線を真正面からぶつけられ、護堂は言葉を失った。なまじ自身に非があるのを理解しているだけに、それは痛切に語堂の芯に響いたからだ。    

 

 「……」

 

 目を合わせたまま、護堂へと一歩一歩ゆっくりと徹が近づいてくる。それは死を告げる死神の歩みのように、護堂には思えた。逃げなければ死ぬ、逃げろと本能が全力で叫ぶ。

 だというのに、護堂の体は凍りついたように動かない。まつろわぬ神やドニから受けた闘争心が湧き上がるような殺意とは全く質が異なるそれは、人間の激情が込められた感情剥き出しの殺意であった。狂気すら感じさせるそれは、ただの一般人でしかなかった護堂の精神を縛り、肉体の動作を封じたのだった。

 

 「!!」

 

 護堂は内心で声ならぬ悲鳴をあげるが、必死に力を込めるが心が奮い立たずどうすることもできない。こうなれば権能をと思ったところで、徹が目の前にいた。最早、護堂にできることは、やけっぱちで睨み返すことだけであった。

 

 それをどう見たのか、結局徹は何もしないまま護堂の横を通り過ぎた。

 

 「自覚しろ、お前がいかに逃げようとも認めずとも、お前は神殺しの魔王カンピオーネだということを。お前の一触一挙動が世界に多大な影響をもたらすことを。次、お前がカンピオーネとして動いた時、お前は王としての義務と責任を負うことになる―――――けして忘れるな」

 

 すれ違い様、凍るような声音でそんな言葉を護堂の耳に残して、徹は去っていった。

 完全に気圧された護堂は、その去っていく背中を見つめることしかできないのであった。

 

 

 

 

 「義兄さん、よかったの?」

 

 公園を出るなり、突如背後からかかった清冽さを感じさせる声に徹は足を止めて振り向いた。目に入ったのは、ポニーテールにした美しい黒髪をたなびかせた巫女姿の美女だ。声の主は思ったとおり、自身の義妹である美雪であった。

 もっとも、徹があらかじめ潜んでいるように命じていたのだから、当然といえば当然だが。

 

 「ああ、あれくらいでいいのさ。少し脅しすぎたとも思うが、あの年代の少年というのは無鉄砲だからな。些か過剰なくらいでちょうどいいだろう」

 

 「そうじゃなくて、どうして殺さなかったの?あの王のしたことを考えれば、そうされても文句は言えなかったと思うのだけど」

 

 「おいおい、ちょっとこちら側の思考に毒され過ぎだろう。流石についこの間まで呪術のじゅの字も知らなかったような元一般人を問答無用で殺したりはしないさ。それに聞いていたなら分かるだろう?彼は歳相応に背伸びこそしているが、まだまだ子供なんだ」

 

 徹は美雪の過激な考えを戒めるように言いながら、内心で溜息をついた。いつからこんな過激な考え方をするようになってしまったのだろうかと。

 やはり、自分との旅が原因だろうか?今生きているのが不思議なくらい命の危険が付き纏っていたから、そのせいで殺伐とした思考になってしまったのだろうか?

 

 「それはそうかもしれないけど、いくら歳若い自覚なき王であっても、女の色香に迷って他国の魔術師のおねだりに従て自国にまつろわぬ神を招き寄せるようなのは、正直故国にいて欲しいと思わないわ」

 

 なるほど、美雪は美雪なりに故国を危機に陥れたことを怒っていたらしい。まあ、客観的に見れば護堂のやらかしたことは美雪の言うとおりなので、弁護の余地はないように思える。

 

 「色香に迷ったというのは違うな。草薙君は確かに女癖は悪そうだが、今は同性の友人と馬鹿やっているのが楽しいタイプだ。まあ、エリカ嬢との関係はそれなりに深いのだろうが、愛人というの誇張だろうな。彼女が傍に侍る為の名目であり、同時にその力を利用する為の立場だろうな。虎の威を借る狐ならぬ、カンピオーネの威を借る女狐というわけだ」

 

 思春期真っ只中の少年が誰もが色恋に熱を上げているわけではない。むしろ、草薙護堂のような女に不自由しないタイプは同性との付き合いを好む傾向があることを徹は長い人生で理解していた。

 

 「それなら排除すべきはエリカ・ブランデッリということ?」

 

 「だから、その即排除という思考はやめろというに。あれもまだまだ小賢しいだけの小娘だ。女狐というには些か悪辣さが足りないし、詰めが甘い。それに今回の件でも居直れずにいる辺り、罪悪感もあるのだろうが相応に分別もあるのだろう。早急に排除する必要性を感じないしな。

 それに今回の件はすでに正史編纂委員会と赤銅黒十字との間で手打ちが決まっている。まあ、私が強行しても誰も文句は言えないだろうが、確実に恨みは買うしいらぬ軋轢を起こすことになるだろうからな」

 

 「でも……」

 

 徹の言葉には相応に納得もできるのだろうが、それでもまだ不満が残るらしく美雪はさらに言い募ろうとしてくる。

 

 「もうよせ。お前の言わんとすることは分かるし、今回の処分が甘いのも事実だろう。だがな、まつろわぬ神との戦いで被害が出るのは当然だし、死者が出なかった時点で許容範囲とも言える。確かにそれを招いた責は負うべきだろうが、其は撃退したことで果たしたとも言えるのだからな。

 それに周囲への被害という意味では、私も人のことを言えた義理ではないしな」

 

 「そんなことない!義兄さんは、日本には被害なんて与えてないじゃない」

 

 普段は冷静沈着でどこか怜悧な印象を抱かせる娘だが、その実内面に激情を秘めている。普段はそれを表に出すことがないというだけなのだ。悪いことではないのだが、とりわけ徹のことになると彼女の箍は外れ易く、物事を公正に見れなくなるきらいがあるのが玉に瑕であった。

 

 「確かに日本にはな。だが、それ以外の国は別だ。草薙君以上に被害を与えた国がなかったわけじゃない。むしろ、他国の人間から見えれば私の方が余程極悪人の魔王に見えるのかもしれないぞ」

 

 「そ、それは……」

 

 徹が護堂の弁護をするのは、実のところあまり人のことを言えた義理ではないからだ。実際、カンピオーネになってからの戦歴を考えれば、その被害総額は護堂を軽く超えるだろうことは間違いない。護堂との唯一の相違点は、故国である日本に被害を与えたか否かだけだ。

 

 「それに八人目がこの国の人間である以上、私がこれからもそうであるという保証はないわけだしな。それに何より、いきなり魔王になってしまった元一般人の少年にあまり求め過ぎるのは酷だろう。

 元々こちら側の人間であった私以上に、魔王であることを我がこととして受け容れるハードルは高いだろうからな。ある程度、仕方のない部分もある」

 

 元々呪術師で、幼い頃からどっぷりこちら側に浸かってきた徹でさえ、神殺しの魔王であることを受け容れるのは相応に年月が必要だったのだ。呪術どころか、武の心得すらないただの一般人であった護堂にすぐさま自覚を求めるのは無理があるというものだ。徹は前世において護堂と同じ一般人であったからこそ、その心理は容易に予想できた。

 

 「でも、それは自業自得でしょう?カンピオーネになった経緯は聞いたし、その後の顛末もある程度は聞いたけど、メルカルトとの対決はともかく、サルバトーレ卿との決闘については完全に自業自得じゃない」

 

 「ああ、カンピオーネであることを隠蔽できなくしたのも、一般人としての日常を捨て去る羽目になったのも完全な自業自得だ。それに弁解の余地はない。間違いなく彼自身の責だ。

 だが、それでも何の覚悟も心得もない一般人であった少年には、神殺しの魔王という称号も力も些か以上に重過ぎるのさ。

 だから、その重みに潰される前に楽にしてやるのが慈悲かとも思ったんだが……」

 

 護堂の目を思い出す。こちらの剥き出しの殺意に怯えながらも、彼の目からは闘争心は消えていなかった。あそこでなす術なく心折れるようなヘタレか、逆ギレして暴発するような愚者なら、骨までしゃぶり尽くされる前に殺すべきだと思っていたが、流石はカンピオーネになった少年である。護堂は絶対零度の殺意に晒されながらも、必死に打開策を練っていた。あればいいように利用されて終わるようなたまではない。

 むしろ、ヴォバン侯爵に似た気質を感じる。あれは成長すれば、周囲の意をものともせずに自身の意を押し通す暴君の素質がある。常識人ぶってはいるが、その実勝つためならば手段は選ばず、イザという時は絶対に迷わないタイプだろうと徹は判断していた。

 

 「その割には縮こまっていたように思うけど……」

 

 「まあ、自身の罪を理解して責任を感じれば、あの年頃の反応はあんなものさ。それに暴発する前にこちらがひいたからこそ何もなかったが、あれ以上続けていれば彼は躊躇なく権能を行使しただろうさ」

 

 「カンピオーネ用に用意した独自結界、効果はあったけど絶対ではないということ?」

 

 「ああ、一手隠せたあたり、カンピオーネの超感覚を狂わせることはできるようだが、それ以上ではないな。これでは決めてにはならないな。精々、こちらの威を過剰に思わせるか、神経を過敏にするくらが関の山だな」

 

 しれっと言っているが、内容は極めてあれであった。なんてことはない。護堂が呪術を知らないことをいいことに、徹達は護堂を対カンピオーネ用に組み上げた術式の実験台にしていたのだ。護堂が必要以上に警戒したり、普段以上に罪悪感を感じて反論を封じられ、本音を曝け出させられたのはこのせいだったというわけである。

 無論、護堂の様子見と確認、そして釘刺しが主目的だったのは間違いない。ただ、それに付随して仕組んでいたというだけだ。

 

 「カンピオーネに外部からの魔術干渉は一切通じない。だが、例外もある。口頭摂取などであれば、教授のような術も普通に作用する。ならば音と空気を媒介にすればと考えたわけだが、一定の効果は確認できたな」

 

 「義兄さんが考案した対カンピオーネ幻惑結界……でも、それは逆に言えば義兄さんにも効果があるということ。やっぱり、おいそれとは使えないね」

 

 美雪は徹の考案した術が効果があったことを喜びながらも、心底は喜べない。カンピオーネの呪術に対する絶対的な耐性に穴があるというのは、義兄にも通じる危険があるということなのだから。

 

 「ああ、そのとおりだ。そういう意味では今回の草薙君はいい相手だった。平時の彼ならば、見破られていたかもしれないからな」

 

 「それは私もそう思う。今回ばれなかったのは僥倖に過ぎないでしょうね」

 

 徹と美雪は護堂を精神的にはまだまだ子供だとは思っているが、その力量はけして過小評価していない。呪術や武の心得もないのに、まつろわぬ神を殺したのだ。彼にはその経歴や目に見えるもの以上に、内面に何かがあるのだと両者は予想していた。 

 故に、徹は護堂を封殺する為の手段を用意していたに過ぎない。美雪が潜んでいたのだって、もしもの時の連絡役であり、イザという時は不意を突かせるためでもあるのだ。

 

 「まあ、忠告はしたし、釘もさした。同類の先達として、大人としての責務は果たしたさ。

 これでも尚やらかすようなら、次こそは容赦しない」

 

 徹はそう誰ともなしに宣言するように言うと、護堂が未だ佇む公園に背を向けて歩きだした。その三歩後に影踏まずを体現した美雪が続く。

 

 護堂が思っている以上に、世界は悪辣で容赦がないのであった。




※本文中の「噴飯」「確信犯」は誤用です。それぞれ「腹立たしくて仕方ない」「悪いことであるとわかっていながらなされる行為を行う人」として、使っていますが、本来の意味での用途ではありません。
本来は以下のようになります。

「噴飯」
おかしくて、食べかけの飯をこらえきれずに噴き出す意から、がまんできずに笑ってしまうこと。

「確信犯」
政治的・思想的・宗教的等の信念に基づいて正しいと信じてなされる犯罪行為、又はその行為を行う人のことです。簡単に言うと、ある宗教でこれは正しいとされていることから、それを正しいことと信じて犯罪行為を行う人のことをさします。

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