元帥閣下の女学生生活はじめましたっ!!   作:のこのこ大王

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第16章 『能力』

 

 

 

 

 闇夜を切り裂くが如き黄金色の光が学園内で輝く。

 

 その発光が治まると、顔を覆っていた手を降ろして

 リシアの方を向くエリーゼ。

 

 まだ僅かに剣が黄金色を帯びている。

 

 その光が何を意味するのか理解出来なかったが

 それを落ち着いて理解しているほど彼女は冷静ではなかった。

 

 剣を持ったまま構えすら取らないリシアに

 思い切って飛び込むように走り込む。

 

 そして勢いをつけたまま上段から一気に剣を両手で振り下ろす。

 

「―――ッ!!?」

 

 エリーゼは、確かに剣を振り下ろした。

 だが手ごたえが一切無かったのだ。

 

 目の前のリシアも普通に立っている。

 

 リシアの姿を確認した瞬間、手に違和感を感じて確認すると

 持っていたはずのコルブランドが・・・無くなっていた。

 

 一瞬その出来事が理解出来なかったが

 再度、コルブランドを呼び出す。

 

「『コルブランド』よ、その意味を示せ―――」

 

 

 ・・・・・・・。

 ・・・・・。

 

 

 だが、コルブランドが出ることはない。

 

「な・・・どうしてっ!?」

 

 未だかつて、呼び出しに応じなかったことなどない。

 何故、今になって突然出てこなくなったのか。

 

「『コルブランドよっ!! 呼び出しに応じなさいっ!!』」

 

 叫んでみた所で、結果が変わらなかった。

 それでも彼女は、その事実が認められない。

 

 何故なら、想力武装が持ち主の意思に反することはないからだ。

 そして『想力武装が出なくなった』なんて話は聞いたこともなければ

 過去の歴史においても突然出なくなったなんて話は一切ない。

 

「ど、どうしてよっ!?

 『出なさいッ!! コルブランドッ!!!』」

 

 悲鳴にも似た叫び声が夜の学園に響き渡る。

 

 だが、無常にもその声に想力武装が応えることはない。

 

「・・・さて、武器も無くなったことだし諦めては貰えないかね?」

 

 聞こえてきた言葉にハッとして目の前を向く。

 その時エリーゼは、ようやく原因に気づいた。

 

「な、何をしたのっ!?」

 

「キミの想力を『全て抑え込んだ』だけだ」

 

「お、抑え・・・込ん、だ?」

 

「想力武装も、想力を利用して武器と化している。

 ゆえに想力が一切無くなれば、武器として呼び出すことは不可能となる」

 

「な・・・そ、そんなこと・・・っ!?」

 

 頭に『能力』という文字が浮かんだ。

 だがリシアの力は、想力の壁を出すことだったはずだ。

 だからこそ、余計に解らない。

 

 そんな自分の考えを察したのか、リシアが言葉を続ける。

 

「これが私の本当の能力・・・『想力支配』。

 想力で形成できるものならその全てを再現可能であり

 また、こうしてキミの想力を支配して抑え込むことも可能だ」

 

 つまり今までの壁を作る力は、その能力の一部であり

 手の内を隠していたということになる。

 

 その力に驚き、動けず固まってしまったエリーゼに

 リシアは、声をかける。

 

「エリーゼ=ハーベセン=ガーランド。

 

 これから、キミの中にある邪魔な想力を全て取り除く。

 恐らくかなりの苦痛を伴うだろう。

 

 だがキミがガーランドの名を持つ姫だというのなら

 それを耐えきってみせろ!」

 

 リシアは、そう言い切ると剣を構える。

 

「―――想力解放」

 

 エリーゼの身体が黄金色の光に覆われる。

 その瞬間、彼女は胸を押さえて苦しみだす。

 

「うっ・・・くぅ、ああっ!!」

 

 彼女の身体から逃げ出そうとする赤い想力を全て抑え込んで

 その全てを消滅させる。

 身体の中で想力が暴れ、戦い、逃げ出し、消滅していく。

 

 そしてエリーゼが苦しみに耐えきれなくなり

 その場に倒れた瞬間、赤い想力も全て消え去った。

 

 急いでエリーゼの元に駆け寄り、抱き起す。

 

「・・・とりあえず息はある、か」

 

 このまま寮に連れて帰っては騒ぎとなるだろう。

 

 彼女を抱きかかえると、そのまま空を駆ける。

 以前カレルの能力を見た際に思いついた使い方。

 

 想力の壁を空中に作り、その上を走るというもの。

 想力消費も馬鹿にならないが、その選択肢と使い道は

 消費を上回る汎用性を秘めている。

 

 こうして夜空を一気に駆け抜けて

 街にある自身の店へと向かうのだった。

 

 

 ―――『想力支配』

 

 これこそ、レナードが最強の想力者と呼ばれる原因であり

 想力の原点にして頂点とも言うべき『能力』。

 

 本人の想力だけでなく他人の想力や

 自然界にも存在するごく微量の想力でさえも

 その制御下に置くことが出来る。

 

 ―――白銀の守護者『アガルハイド』

 

 異端者の名が示すように想力武装の中でも特に異端なもの。

 『能力』とは想力武装に関係なくその名の通り

 本人の特殊能力のようなものなので、武器化せずとも使用出来る。

 

 だがアガルハイドは、使用者の『能力』に影響を与えるという力を持つ。

 

 

 

 

 

第16章 『能力』

 

 

 

 

 

 闇夜に紛れるように逃げていた亡霊の少女は

 周囲に人気が無いことを確認すると

 目の前の倉庫の壁を殴りつける。

 

「・・・おのれぇ!」

 

 自分の悲願達成の邪魔となる相手を殺そうとしたが

 何度戦っても勝つことが出来ない。

 

 相手の強さを認めなければならないのだが

 蛮族風情を認めるなど、あってはならないこと。

 

「障害を排除せねば我がひが―――」

 

 不意に風が吹いたような気がした。

 

 彼女は、その言葉を最後まで言えずに沈黙する。

 何故なら彼女の頭が鈍い音と共に地面に落ちたからだ。

 

 ゆっくり崩れ落ちるように倒れる少女の後ろに人が立ってる。

 メイド服という、この場に合わない衣装をまとい

 手には短めの片手剣。

 鍔が無い片刃の短刀とでも言うべきか。

 

 剣に付いた血を振り払うように数回その場で剣を振ると

 地面に倒れた少女に向けて一言。

 

「一撃で死ねたことを幸運に思いなさい」

 

 彼女の名は、ミーア=フォント。

 

 工作部隊を率いる長にして、元・暗殺者。

 その力を全て出し切ったかに見える見事な不意打ちだった。

 

 相手の死を見届けると、報告をするため

 その場を離れようとする。

 

 だが―――

 

「―――ッ!?」

 

 突如後ろからの殺気に、その場で跳躍し

 更に側面の倉庫の壁を蹴って距離を取る。

 

「・・・チッ」

 

 思わず舌打ちをするミーア。

 

 その視線の先には、頭の無い身体が剣を手に立っていた。

 どういう仕掛けだと考えていると

 地面に落ちていた頭がいつの間にか消えており

 更に頭の無い身体から、頭が再生されていく。

 

 数秒ほどで頭が再生した亡霊の少女が

 殺気を放ちながら睨みつけてくる。

 

「おのれ蛮族どもがっ!!」

 

 周囲に黒い塊が次々に現れる。

 

「・・・」

 

 形勢不利と悟ったのか、ミーアはスグにその場から逃げ出す。

 

「逃がさぬぞっ!!」

 

 黒い塊と共にミーアの後を追いかける少女。

 細い路地裏から大きな道に出るが、周囲に人影はない。

 

 何処へ行ったのかと周囲を確認する少女。

 だが次の瞬間―――

 

 少女の身体が頭・胴体・下半身の3つに分かれる。

 もちろん、斬られてだ。

 

 その身に想力の青い光をまとい

 いつの間にか背後に迫っていたミーアによる渾身の一撃。

 

 血をまき散らしながらその場に倒れる少女。

 だがミーアは、スグに跳躍して距離を取る。

 

 未だ周囲の黒い塊が消えていないからだ。

 

 その黒い塊が少女の亡骸に集まると

 スグに身体が再生する。

 

「・・・一度引くべきか」

 

 再生が始まったことを確認すると

 今度は後ろを確認もせず、全力でその場から離脱する。

 

「・・・のれぇ・・・おのれぇぇぇぇ!!」

 

 まるで地獄の底から響くかのような声で

 怨嗟を口にする少女。

 

「お前達を楽園復活の生贄にしてやる・・・必ずだっ!!」

 

 夜空に向かってそう叫ぶ亡霊の少女。

 その周囲でひたすら苦痛の声を漏らす黒い人影。

 

 そんな異常な光景も、その数分後には

 何事もなかったかのような静寂の夜へと戻っていった。

 

 

 そして次の日の朝。

 

 いつものように朝食の準備をしていると

 見るからに機嫌の悪そうなアリスが食堂に現れる。

 

「・・・アリス。

 アナタそんな顔でどうしたの?」

 

 皆の声を代弁するようにフランがアリスに話かける。

 

「・・・何だか眠れなくてさ。

 ベットでゴロゴロしてたらいつの間にか朝になっちゃって」

 

「そう言えば今日、決闘するって話だったわね。

 何? 緊張でもしてるのかしら?」

 

「・・・多分そうなんじゃないかな~とは思ってるんだけど

 自分じゃなかなか解らないよ」

 

 そう言いながら席へと座るアリス。

 

「まあこれでも飲んで少しは気分を変えなさいな」

 

 そう言ってフランは、アリスに紅茶を差し出す。

 それを手にして口元に運ぶアリス。

 

「そうですね。

 せっかくの可愛い顔が台無しですものね」

 

「ぶはっ!」

 

「きゃっ!?」

 

 アリスに冗談を言うと、それに反応したアリスが紅茶を吐き出し

 更にティーカップを落とす。

 

 おかげでアリスと近くに居たフランが紅茶まみれになり

 その様子をテーブルの反対側で見ていたセレナは

 それをため息を吐きながら見ている。

 

「・・・ちょっと、何やってるのよ」

 

「いや、だって、その、り、リシアさんが―――」

 

「もう、私まで紅茶まみれじゃないの」

 

「皆さん、おはようござ・・・。

 ・・・どうされたのですか?」

 

 食堂に入ってきたルナが

 目の前の惨状に驚いている。

 

「まあ、色々あってね。

 とりあえず2人は、着替えてきたら?」

 

 セレナに促されて2人は食堂を後にする。

 

「皆様、おはようござ・・・って何ですかこれ?」

 

 ちょうど2人と入れ違いに入ってきたカレルが

 先ほどのルナと同じく食堂の入口で固まってしまう。

 

「ちょっとあってね。

 とりあえず片づけるから手伝ってくれる?」

 

「あ、私も手伝います」

 

 そうして3人が片づけを終えた頃に

 朝食の準備が出来たので配膳をする。

 

「お2人は、お風呂に入るので先にどうぞ~だそうです!」

 

「あらそう。

 なら先に頂きましょうか」

 

 カレルが2人からの返事を持って帰ってくると

 セレナがそう言って朝食を食べ始める。

 

「・・・そうそう。

 私、少し用事がありますから

 アリスさんのこと、よろしくお願いしますね」

 

「ええ、わかったわ」

 

 まあフランも居るし大丈夫だろうと

 セレナにアリスを任せて、少し先に学園へと向かう。

 

 そして目的の場所へ着くと

 早速、椅子に座ってため息を吐く。

 

「あら、どうかされましたか?」

 

 目の前に居るのは、学園長。

 そう、やってきたのは学園長室。

 

「練習場の特別使用許可の申請にな」

 

「おや、何に使われるのです?」

 

「実はな・・・」

 

 そうしてここ数日の出来事を説明する。

 

「・・・そうでしたか」

 

 説明を終えると何故か笑顔でそう答える学園長。

 

「何か面白いことでも?」

 

「いえ、ただ・・・よく色々なことに巻き込まれるな、と」

 

「好きで問題を抱えている訳ではないのだがね」

 

「それだけ、閣下が『問題を解決出来る能力』をお持ちだということですよ。

 だから問題の方からやってくるのかと」

 

「それはそれで迷惑な話だな」

 

 何気ない話をしながらも書類を書いていた学園長が

 最後に印を押した紙をこちらに渡してくる。

 

「・・・では、申請を受理致しました。

 2人とも我が学園の大切な生徒です。

 

 どうか、よろしくお願い致します」

 

「わかっている。

 

 私の読み通りなら、恐らく一番円満な解決となるだろう」

 

「そうですか。

 それなら、あとはお任せ致します」

 

 書類を受け取って立ち上がり、部屋を出ようとする。

 

「・・・ああ、そう言えば」

 

「何だ?」

 

「前に提案頂いたものの中で

 学園の生徒の様子を見学出来るようにするという案ですが

 近日中に行えそうです。

 

 既に各貴族達からも参加という返事を頂いております」

 

「・・・そうか」

 

「それでですが、閣下にぜひお手伝い頂きたいことがありまして」

 

「・・・既に嫌な予感しかしないが」

 

「こちら、既に参加して頂けることになった方々の一覧です」

 

 そう言って紙の束を出してくる学園長。

 彼女の元まで歩いて戻り、その紙に目を通す。

 

「・・・これは何の冗談だ?」

 

「それが、冗談ではないようでして。

 何度か確認したのですが、間違いないと。

 

 予想外の反響に、私共も驚いております」

 

「・・・とりあえず解った。

 これは手伝わぬ訳にはいかんだろう。

 

 後で詳細を確認してから再度

 話し合いの場を設けることで構わないな?」

 

「ええ、もちろんです」

 

「・・・まったく、何を考えてるのやら」

 

 そう愚痴を言いながら学園長室を後にする。

 

 舞い込んできた予想外の出来事にため息を吐いた時

 窓の外から独特の気配を感じて外に出る。

 

 学園の裏手に教会。

 かつてメル=バトンが凶行に及んだ場所は

 未だその影響からか、人気の無い場所となっている。

 

「・・・緊急のため失礼します」

 

「珍しいな。

 用件は何だ?」

 

「昨日、閣下が戦われた亡霊の後を追い首を刎ねたのですが―――」

 

 茂みの中から現れたミーアが

 昨日の夜の出来事を語る。

 

「なるほどな。

 想像以上に厄介だな。

 

 ちなみに、お前はどう見る?」

 

「・・・感覚的な話になりますが、恐らく想力の類かと」

 

「・・・想力か。

 次に会った時に試してみる価値はありそうだな」

 

「あとは、エリーゼ姫の件です。

 閣下が軍医に見せた時と同じではありますが

 想力の大半が消滅状態であり、衰弱も激しいものの

 このまま治療を続ければ数日で体調も想力も回復して

 意識を取り戻すだろうとのこと」

 

「そうか。

 それはよかった」

 

 もし万が一があっては、ガーランドと戦争になりかねない。

 そういう意味でも助かってよかったと言える。

 

 さすがに過去に出会った赤い想力をまとっていた連中と同じように

 殺すつもりで攻撃は出来なかった。

 だから可能性を試すような形になってしまったが

 おかげで予想以上の情報を得ることが出来たとも言える。

 

「そうだ、後で書類を作る。

 それをアイツらの所まで持って行って欲しい。

 

 なるべく大至急でだ」

 

「はい。

 では、私はこれで」

 

 そう言って一瞬で気配が消える。

 

「・・・相変わらず良い『能力』だ」

 

 何度か『再現』しようとしたが

 制御が特殊すぎて、なかなか上手くいかない。

 いつかは再現したいものだなと思いながら

 学園の校舎へと戻っていく。

 

 その途中、それは偶然だった。

 皆が校舎に入っていく中、一人の少女が

 ふらふらと人気の無い方向へと歩いている。

 

 気になって近づく。

 

「・・・アナタ、大丈夫?」

 

「・・・?」 

 

 何とも言えない虚ろな瞳でこちらを見てくる少女。

 どうやら1年生の娘のようだ。

 

 何か嫌な予感がした瞬間―――

 少女から赤い想力が溢れ出てくる。

 

「はぁっ!」

 

 咄嗟に少女の正面に踏み込み

 腹に向かって拳を振り抜く。

 

「ぐぅっ・・・あぁ・・・」

 

 苦しそうな声を上げながら、少女は意識を失う。

 すると赤い想力がその根源を失い、一気に霧散する。

 

 咄嗟に周囲を確認するが、人の気配は無い。

 一瞬あの亡霊が近くに居るかとも思ったが

 どうやらそういう訳でもないようだ。

 

 さすがに彼女を抱えて救護室まで行くと目立ってしまう。

 仕方なく近くにあった休憩用の長椅子に寝かせる。

 

 すると彼女の手元から、何かが落ちる。

 

「・・・赤い、宝石?」

 

 それは大き目の見事な赤い宝石だった。

 それを手に取って拾い上げる。

 

 だが―――

 

「―――ッ!」

 

 赤い宝石は突然光り出すと

 リシアの想力を侵食するようにして

 その身体を覆い尽くそうとする。

 

「・・・なるほど。

 これが元凶の1つか。

 

 しかし、この私に想力の支配勝負を仕掛けるとは

 面白い奴だ。

 

 良いだろう、相手をしてやる。

 ―――想力解放」

 

 想力を解放し、相手の想力を支配する。

 すると一瞬にして形勢が逆転し、赤い宝石は

 その周囲をリシアの想力で包まれる。

 

「相手が悪かったな」

 

 完全に相手を掌握したことを確認すると

 改めてその宝石を観察する。

 

 だが次の瞬間

 宝石はまるで、砂で出来ていたかのように崩れ去り

 風に舞って消滅していった。

 

「・・・証拠は残さず、という訳か。

 本当に厄介だな」

 

 ため息を吐いた時、寝かせていた少女が目を覚ます。

 

「あれ・・・私・・・?」

 

「・・・気が付いた?

 アナタ、急に倒れたのよ?」

 

「えっ!? あ、そうだったんですか。

 朝から全然記憶が無くて・・・」

 

「一応、念のために救護室で診て貰いましょう。

 何か大きな病気だったら大変ですものね。

 

 せっかくだから私が付き添うわ」

 

「えっ!? り、リシアお姉さまに付き添って頂けるなんて・・・」

 

「あら、私を知っているの?」

 

「それはもう!

 お美しくて、勉強も剣技も馬術も完璧だって

 1年で知らぬ者はおりませんわ」

 

 頬を赤らめながらそう言われることに

 思わず苦笑する。

 

 あまり目立ちたくないと思っていたはずなのに

 随分と知られる存在になってしまったのだなと。

 

 そのまま少女を救護室に送り届けると

 そろそろ授業が始まる時間になっていた。

 少し速足で教室へと向かう。

 

 だが急いで教室に入ったリシアだが

 思わずその場で固まってしまう。

 

「・・・ああ、言いたいことは理解出来るわ」

 

 ため息を吐きながらセレナは呆れていた。

 何故なら―――

 

「・・・すぅ・・・んっ・・・」

 

 彼女は、教室の机に突っ伏して

 普通に寝ているのだ。

 

「・・・どうやら緊張は、解けたようですね」

 

「それは良かったのだけど

 この子、授業はどうする気なのかしら?」

 

 2人して苦笑していると

 授業開始の鐘が鳴り、教師が入ってくる。

 

 事情を説明し、何とかそのまま放置されることにはなったが

 はたしてこれでよかったのだろうかとも思う。

 

 そうして、運命の放課後は刻一刻と迫っていた。

 

 

 

 

 

第16章 『能力』 ~完~

 

 

 

 

 




まずここまで読んで頂き、ありがとうございます。

仕事が一向に減るどころか
むしろピークを過ぎている時期なのに現在進行形で
ピーク中とか何の冗談?って感じです。
そのため更新ペースが遅くなっており皆さまには
ご迷惑をおかけしております。

その割には、新作あげたりとかしてますが・・・。

物語に関しては、ついにレナードの能力が登場しました。
あまり引っ張ってもアレだしと思い、今回思い切って
情報解禁してみました。

ついでに設定集の方も更新しております。
より具体的な能力の詳細に関しては、こちらでご確認下さい。

皆さまの暇つぶしのお供になれれば幸いです。
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