俺の生きる意味   作:ムッティ

11 / 18
何だか久しぶりの投稿ですね。


第十一話 ~明かされる真実~

 一週間後。俺はスリーピング・ナイツが拠点としている27層の宿屋にいた。俺以外のメンバーは誰も来ていない。黒鉄宮で写真を撮ったあの日から一週間、ユウキはALOにログインしてきていなかった。他のメンバーに聞いても、言葉を濁されるばかりだ。それどころか、他のメンバーも最近ログインしてこない。

 

一体どうしちまったんだよ・・・ユウキ・・・みんな・・・

 

 「・・・うん、ボクはこれで満足だ。もう思い残すことはない。・・・さよなら、アイズ」

 

 ログアウトする前のユウキの言葉が頭から離れない。

 

・・・何がさよならだ。あんな形でさよならだなんて、俺は納得しねぇぞユウキ・・・

 

 「・・・やっぱり、来ていたのね」

 

 背後から声がする。振り向くと、シウネーが立っていた。

 

 「・・・シウネー」

 

 「毎日ここに来ているの?」

 

 シウネーの問いに頷く俺。シウネーが瞑目する。

 

 「・・・ユウキのことも、私たちのことも、全て忘れてって言っても、無理に決まってるわよね」

 

 「当たり前だ。お前らを忘れられるわけないだろう」

 

 断言する俺。シウネーはため息をつく。

 

 「・・・こうなるんじゃないかって思ってたわ。アイズは優しいから、きっと私たちのことを忘れてはくれない。だから本当のことを話さないといけない日がくる・・・そんな予感がしていたの」

 

 「・・・本当のこと?」

 

 「私たちスリーピング・ナイツが、年内で解散するっていう話はしたわよね?」

 

 「あぁ、お互い忙しくなってログインできなくなるからって・・・」

 

 「・・・ごめんなさい。その理由は嘘よ。本当の理由は別にあるの。ユウキが突然アイズに別れを告げたのも、それが関係してると思う」

 

 「・・・本当の理由ってなんだ?」

 

 尋ねる俺。シウネーが俺の目をまっすぐ見て言う。

 

 「・・・私たちスリーピング・ナイツのメンバーは、全員が病人なのよ。しかも全員、末期患者なの」

 

 「な・・・!?」

 

 シウネーの言葉に驚愕する俺。末期患者・・・?お前らが・・・?

 

絶句していると、シウネーが説明を続けてくれる。

 

 「私たちは、医療系ネットワークの中にあるバーチャル・ホスピスという所で出会ったの。末期患者の人たちが、一緒にバーチャル・ワールドで話し合ったり遊んだりして、最期の時を豊かに過ごそうっていう目的で運営されているサーバーよ」

 

 「そうだったのか・・・」

 

 「当時の私は、もう生きる気力を失っていたわ。私の病気は急性リンパ性白血病で、副作用の強い薬を使っていたから、とても辛くてね。もういい、どうせ望みがないのなら、残りの時間を安らかに過ごさせてほしいって、そう思ってたの」

 

 「シウネー・・・」

 

 「でもそんな時にユウキと出会って、怒られちゃったわ。可能性を捨てるな、最後まで頑張れって。私よりも年下の子にそんなこと言われたら、頑張るしかないじゃない?」

 

 シウネーが笑いながら言う。

 

頑張るしかない、か・・・俺には想像もできないような辛さが伴うはずだ。それでも前を向けるのか・・・

 

 「他のメンバーがどんな病気なのかは、私にも分からない。でもね、余命を宣告されてる子がいることは知ってる。それがユウキよ」

 

 「・・・ッ!?ユウキが・・・!?」

 

 あんな明るくて元気いっぱいなユウキが・・・余命宣告・・・?

 

 「長くてもあと半年だそうよ。私たちのうち、誰か一人でも余命を宣告されたらギルドを解散する。それが私たちの決めたルールなの」

 

 あまりの衝撃に言葉が出ない俺。そうか・・・だから年内でギルドを解散するって・・・

 

 「・・・じゃあ、その前にユウキが俺に別れを告げたのはどうしてだ・・・?」

 

 そう、まだギルドを解散する時期じゃない。なのにどうしてユウキは・・・

 

 「・・・あの子は多分、あなたのことが好きなのよアイズ。友達として、仲間としてもそうだけど、それ以上に・・・異性としてね」

 

 「・・・!・・・ユウキが・・・?」

 

 「確証はないけどね。でも、あんなに楽しそうなあの子を見たのは初めてよ。それに・・・好きでもない相手にキスなんてしないでしょ?」

 

・ ・・マジかよ・・・じゃあ、あれは・・・

 

 「これ以上一緒にいたら別れが辛くなる、自分の気持ちを抑えきれなくなる。だからユウキは、あなたの前から姿を消したんだと思う」

 

 ・・・ユウキ。あのバカ・・・

 

 「・・・シウネー、ユウキと連絡はとれないのか?」

 

 「あの日から連絡がとれないわ。現実世界のユウキについて知ってることもほとんどないの。リアルには干渉しないっていうのが、暗黙の了解だったから・・・」

 

 シウネーが申し訳なさそうに言う。くそ・・・何か手がかりはないのか・・・?俺はあいつと話がしたいんだ・・・

 

ん?話?そういえばリーファが・・・

 

 「勝負が決まる少し前にお兄ちゃん、絶剣と何か話してたんだよねぇ」

 

 ・・・そうだ、そしたらキリトのやつ・・・

 

 「君は完全にこの世界の住人なんだな、って言ったんだ」

 

 「何というか、アイツはフルダイブ環境の申し子みたいなやつだと思ったんだ。そして恐らくそれは間違っていない」

 

 ・・・ッ!キリトなら、何かを知っているかもしれない・・・!

 

 「シウネー、話してくれてサンキューな。俺は俺でユウキを探してみるよ」

 

 「・・・何か当てがあるの?」

 

 「まぁな。見つけたら、お前にも連絡するよ。じゃ、またな」

 

 「・・・アイズ!」

 

 そう言って立ち上がる俺を、シウネーが呼び止める。

 

 「ん?」

 

 「・・・私たちが末期患者だって知って、どう思った?」

 

 シウネーが不安そうに聞いてくる。おいおい、お前な・・・

 

俺は呆れつつ、シウネーの頭にポンと手を置く。

 

 「・・・?アイズ?」

 

 「俺がお前らに哀れみの目を向けるんじゃないか、とか思ったか?」

 

 「・・・ギクッ」

 

 明らかに図星の様子のシウネー。やれやれ・・・

 

 「そんなわけねぇだろ。少しは俺を信頼しろっつーの」

 

 「アイズ・・・。うん・・・」

 

 シウネーは照れながら、でも嬉しそうに俺に頭をなでられるのだった。

 




どうも~、ムッティです。

遂にスリーピング・ナイツの真実が明かされました。

原作で知った時は衝撃を受けましたね・・・

さて、この事実を知ったアイズ。

果たしてユウキに会うことは出来るのか?

第十二話もよろしくお願いします。

以上、ムッティでした!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。